編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2001.2月
2月27日(火) 詩人・星野哲郎さんの涙
午前中、朝飯を食べず、お茶も飲まず、テレビも観ず、もちろん、新聞も見ず原稿。
朝風呂に入ろうと思っていたが、気が付けば、そんな余裕なんてまるでなかった。
11時半に浅草橋のタモトのステーキ屋で1500円の定食。はり込んだつもりだっ
たが、味はいまいち。「1500円でステーキ」は無理なのか。
出社。来客一組。人事異動の御挨拶。
午後、例の石寒太とお茶を飲みながら、俳句ホームページの話。4月中旬には実現で
きそうな感じ。
夕方、編集局の仲間の退職送別会。出席するつもりだったが、ダブルブッキング。す
でに別のメンバーと「励ます会」をしたので、やむを得ず社外の約束を優先する。
六本木の小さなシアターで「歌手・白川桔梗 おかえりの詩」発表会。
演歌の歌い手は、新曲を出すと、この種のイベントをするのがシキタリらしく、集ま
ったのは後援会のメンバー、演歌ジャーナリスト、レコード会社関係者。約60人。
「ここだけの話」で「"ただいま""おかえり"の言葉は大切だ。日本海沿いの町が
"おかえり"をテーマに作文を募集したら海外からも含め2000作も集まり、それが
本になり、CDになった」と紹介した縁で、招待された。
隣に作詞した大御所・星野哲郎さん。雑談が面白い。
「毎日、午前3時に起き、4時20分ごろ、小金井公園で散歩を始めます。大きな袋
を持って、ゴミを集めます。それが日課。暗いので懐中電灯を持って」
星野さんは一人暮らしだ。
ショーが始まると、星野さんは目をつぶっている。一曲、一曲、丁寧に聞く。その
内に、彼の目から涙が流れる。
作詞家の感性を身近で見た。感動した。
その星野さん、挨拶に立って「詩を考えているうち、子供の"ただいま"と言う台詞
が突然、必要になりました。レコーディングしている最中だったので、外に出て、東京
タワーの下で子供たちに声をかけました。なかなか協力する子供がいなくて……結局、
大阪から観光に来た親子に"ギャラを出しますから"と頼んだら、親の方が即OK。ギャ
ラが効いたんでしょう。でもギャラは1500円でした」と裏話。
突然、指名されたので、当方、どぎまぎ。下手糞な挨拶をした。それに引替え、後
援会の会長の住職。挨拶達人。
「白川さんのお父さんは遠い福島で神主をしている。坊主と神主と星野さんが付けば
ヒット間違いない」。
この坊主、なかなかの遊び人、とお見受けしたが、どうだろう。
以前、会った白川さんは、化粧をしていなかったので、ごく普通のOLに見えたが、
舞台の彼女、結構、美人だ。
6曲歌い続ける。星野さんはB面の「酒季の歌」の出来具合に満足気。普通の言葉で
、何気なく、出来る詩。
「あなたを思って飲む酒は 君恋い酒と申します」で始まる。
<なんだか分からない今日の名文句>
砂漠に雨が降るように
こころにしみる春の酒
2月26日(月) 凸版の新井さんの「向田邦子さん」
かなり早い時刻から、永田町周辺を歩いて若干の取材活動。「夜の堀内派のパーティ
で堀内光雄会長が森さんに引導を渡す演説をする」との情報。堀内派は橋本派の別動隊
(つまり野中別動隊)だから、森退陣の流れは更に鮮明になる。
ホテルオークラ隣のJRA事務所に立ち寄り、ここでも若干の取材。景気の先行きを
推理するのに、馬券の売り上げは大事なデータである。可処分所得は更に小さくなって
いる。
衆院で非公開の政治倫理審査会が「子供だましの幕引き」。これで済むと思うなよ、
と言いつつ、仕事場に戻り「おけら街道」を書く。「政治家と競馬」の複雑な関係を書
きたいのだが……悪戦苦闘。
一時間、午睡して午後5時、出社。「ここだけの話」のゲラ直し。
今回だけ、見出しを「縦」でなく「横」にする。見出しを読んだだけでは何のことだ
か分からないのがミソ。面白い話だから、ホームページの仲間にはぜひ読んで欲しい。
7時から赤坂TBS通りの「番屋」で凸版印刷の「新井康孝先輩の会」。
43年間、印刷屋一筋だった新井さんは後半の23年間、サンデー毎日担当一筋。こ
の春、リタイアされる。
印刷会社の「担当」というのは雑誌の編集部に常駐して、原稿を印刷の現場にスムー
スに送りこむ仕事。23年間、彼は「身分は凸版」だが現住所は「サンデー」。勤務年
数からすれば、誰よりも長い。例えば僕の滞在期間はたった3年4ヵ月。古タヌキのた
まちゃんだって20年弱。活字を拾っていた頃から、パソコンの最新印刷まで、新井さ
んはサンデー毎日の生き字引。
64歳でリタイアされると聞き、僕が編集長を勤めた時代の仲間で、ささやかな「新
井さんに感謝する会」を開いた。参加者18人。懐かしい顔がそろった。
新井さんの挨拶。「はじめてサンデーの担当と言われた時は"飛ばされた"と思いま
した。本社に行くことがなくなるからです。しばらくして、こんなことがありました。
当時、凸版の工場は本所にあって、出張校正をしていたのですが、土曜日、台湾で航空
機事故が起こった。テレビで乗客の名前に『むこうだくにこ』という文字があるのに気
付いて、編集部の人間が向田さんの家に電話をすると『台湾に行っている』。当時、編
集部は連載をお願いしていたので、編集部員が総立ちになりました。真っ青になりまし
た。向田さんのファンでしたので……。でも、印刷を始める寸前に印刷機を止めて、1
ページの『向田の悲劇』を叩き込んだ。そんなサンデー毎日の気迫に魅せられて23年
たちました」
二次会は歩いて数分の料亭「T」のカラオケ部屋?
始めて行く店だが、お女将と意気投合。身の上話を聞く。
彼女、日本最年少国会議員の妻だったが、ご主人が26歳で交通事故で亡くなった。
車は猛烈なスピードで、彼女は「暗殺」ではないかと疑った。それからは波乱万丈。
上京して永田町で、ある料亭を買収、その土地を売り、赤坂に地上3階、地下に2階
のビルを立てる。
地下はシアター。珍しい料亭ビルである。経営には成功したが、固定資産税に苦しむ
毎日。この数年「官官接待」が明るみに出て、客の入りが悪くなった。
「何しろ大蔵省、建設省がお得意だったから……」。
ここでは書けない興味深深の話で夜がふけた。
<なんだか分からない今日の名文句>
印刷一代、記者魂を超す
2月25日(日) トルマリン健康法
毎日新聞24日付政治面に「4首相に仕え7年目 古川貞二郎官房副長官」という
記事が載っていた。
95年2月24日に現職に就任して6年間。村山、橋本、小渕、森の4首相に仕えた。ご苦労さま!
しかし、ちょっと妙な気もする。
痛感するのは、日本の首相がクルクル変わる事。6年間に4人変わった。そして、官
房副長官は6年経っても変わらない。このままでは、5人目に首相にも仕えることにな
る。
副長官が古タヌキ(失礼)で首相が新参者ーーという図式。テレビ朝日がスクー
プした「竹下首相から宇野首相に変わった時の“外交機密費の秘密上納メモ”の筆跡は
古川さんのものと一致した。その時、彼は内閣の主席参事官だった。その後、厚生事務
次官を勤め、内閣に戻って官房副長官になった。こんなに長く内閣にいれば、代々の首
相には「便利な側近」になるだろうが、不正のイロハの専門官になってしまうことだっ
てある。
彼には面識もあり、人柄も評判がいい、と聞く。しかし、一人の人間が一つのポスト
に、特に権力集中ポストに長逗留するのは、果たして、どうなのか。
この辺の指摘がなくて「20年間にも感じるほど密度は濃いが、まだ一つの通過点だ
と思う」という彼の感想を載せる毎日新聞政治面に疑問を感じる。
朝から、風強し。梅を見に遠出しようと思ったが、風が痛いので、近くの家の桃の木
で我慢する。晴れ晴れとした枝ぶり。もうじき、3月。
昨今、トルマリン健康法なるものに興味を持っている。
半月前「二代目魁」の読者が「不思議な力を持つ鉱石入りの和紙シーツ」をプレゼン
トしてくれた。これがキッカケだった。多分、僕が障害を持っているからだろう。少し
でも健康になってもらいたい、という善意にまず、感謝しなければならない。
使ってみると、ぽかぽかして良い気持ちである。冷たくなっている麻痺した右の腕が
暖かくなっている。
そこで、プレゼントしてくれた読者のお宅にお邪魔して、お礼を言い、新たに5枚購
入。家族、友人にプレゼントした。いずれも好評である。
で、勉強した。これはトルマリン健康法である。
地球に無尽蔵に存在するトルマリンという鉱石に秘密がある。カラーバリエーション
は緑、青、ピンク、赤、茶色……と多色性。奇麗な宝石で、ブラジルでは「10月の誕
生石」になっている。
が、秘密が隠れているのは宝石ではない。宝石としては価値がない工業用素材が注目
されているのだ。
「電気石」と呼ばれるこの鉱石は、電気分解と微弱電気の働きをする。電気分解でマ
イナスイオンが発生して、血管が拡張し、血液が弱アルカリ性になり、様々な効果を生
む。
ぽかぽかするのは、遠赤外線が熱エネルギーに変換するからだろう。
この鉱石の特性を発見したのは、ピエール・キュリーとジャック・キュリーの兄弟。
ピエールはラジュームを発見したキュリー夫妻のピエールである。そして“効能”を発
見したのは日本人で、この人物を中心にトルマリン健康法が静かなブームを呼んでいる
。
風呂の中にトルマリンを入れると、顔がツヤツヤするし、傷は直る。ファンは多い。
効用に付いて、全て体験しているという訳では、もちろんない。だから宣伝するつも
りはない。僕が読んだ書籍やトルマリン健康商品を紹介するつもりはない。知りたい人
は「トルマリン」で検索すればホームページが分かる。
発見した人物が自らの著作の中で「価格が高すぎる商品がある」と指摘している
から、ブームになってヘンな商売に利用されるのが恐い。
夜「柳橋物語」を書き上げる。これで第1章「昭和32年・大川橋蔵」は完結。第2
章は3月下旬スタートする。読んで欲しい。
<なんだか分からない今日の名文句>
総ては地球にある
2月22日(木) スクープ!浜幸、参院選出馬
20度に近い暖かさ。
原稿は何故か、はかどらない。冬眠が春眠に変わるだけ。
午前中、びっしり野暮用。やって来た人物、「どこどこが危ない」と具体的な倒産
話をする。3月は、金融危機なのか。
夕方、村上さんの議員辞職を聞く。
28日に証人喚問が予定されているが、どうやらその前に国会に許諾請求が行われ
る気配。国会各派に「逮捕理由」が明らかになるのは忍びがたい、と言うのが自民党。
先手を取って議員辞職、容疑は否認。そして裁判闘争。
果たして逮捕が先か、証人喚問が先か。辞職のシナリオを書いたのは、参院のドン・
青木さんだろう。同じ議員宿舎の住人。5人組が水面化で「森政権」を作った、と言
われるが、その発端は青木官房長官と村上参院議員会長の「早朝の議員宿舎の密談」。
小渕さんが入院した直後、村上・青木コンビが「森政権」を作り、自らの逮捕で「森政
権」の幕を引く。皮肉だ。
検察の強い意志。高村法相に「指揮権発動なし」とすれば「隠れた本命」は政権争
いで一歩、リードと見る向きもある。
当の森さんが大学時代の友人に明かした本音。
俺は「えひめ丸」を引き上げるために日本のサルベージ隊をハワイに送る。もちろ
ん、費用はアメリカ。技術は日本。海洋国家・日本の技術を世界に誇示してから辞める。
夜、親しい仲間と銀座のはずれで小宴。
そこで小耳に聞く情報。「引退した浜田幸一さんが参院選に立候補」。
「どうしよもない日本を助けるために、男ハマコー、身を捨てる」というのが筋書
きだという。倅、靖一さんに跡目を譲った親分が政界復帰?
本当かしら。
「大がかりなパーティを開き、資金を集めるのでは」という声もある。ある組織のため
の資金集め?
まさか。
若い頃、大好きだった「はるみ節」を口ずさみながら、帰宅。誕生日の都はるみは
多分××歳。大島の真っ赤な椿を連想しながら帰宅。暖かいなあ。
26日の週、永田町は「どたばた」の頂点を迎える。
<なんだか分からない今日の名文句>
さようなら、さようなら、罪になった人
2月21日(水) 農水官僚の「偽り」
暖かい。
朝、掲示板で「何故、デフレで悪いのか?」という書き込みを発見した。
毎日新聞20日付け夕刊の「ここだけの話」で、街のあちこちで見られるデフレ現象
を書いた。意見を寄せて下さった方は「物が安くなれば良い」と考えられている。もっ
ともだ。が、価格破壊が雇用破壊に繋がっていることも事実だ。
質問に答える意味も込め、字数が足りないので「ここだけの話」では触れなかった「
下請けの悲惨」を掲示板に書いた。読んで欲しい。
新聞のスペースでは、応えらない部分をホームページが代行する。これは一つのメデ
ィアミックス?
WEBの可能性を探るヒントかも知れない。
酒の情報誌「たる」の3月号は「IT時代の飲み仲間考」を特集している。
酒に誘っても、誰もついてこないーーと言う愚痴をあちこちで聞く。長い間、酒はコ
ミュニケーションツールだったが、ITに取って変わられた、という"不安"である。
ITは人と人との付き合いを劇的に変えているのだろう。
しかし、ITと関係なく「酒の力で××」は流行らない。仕事と酒をセットで考えた
ことが、いまになって「酒好きの上司」の不安に繋がっているのだ。酒の力で、部下を
掌握、なんてこと、もともと幻想。
酒は酒。仕事は仕事ーーあたりまえの整理が出来ない奴とはつき合い切れん。と言う
ことで、今週は幾つかの「気の向かない誘い」を断る。
午後、城山ヒルズのJRAで競馬運営委員会。僕は末席を汚す委員である。中央競馬
の売れ上げが、落ち込んでいるので、かなり深刻なやり取りになる。
2004年から「3連複」という新しい馬券が発売される。1着、2着、3着に入る
3頭の馬を当てる馬券。その3頭の順位は当たらなくていい、というものだ。
しかし、これを当てるのはなかなか難しい。従って、配当は高い。「宝くじ並み」と
はいかないが、万馬券は次々に誕生する。もちろん、サッカーくじを意識している。
一つの選択肢として結構なことだが、また、頭の堅いの役人が「16頭立てなら3連
複を認めるが、それ以上の頭数は認めない」と言い出した。「17頭立て以上だと射幸
心をあおる」と言う理由である。
冗談じゃねえ。馬券はもともと「射幸心」の固まり。射幸心を感じなかったら、誰も
馬券なんて買わない。
役人クン、国民総参加の祭り、ダービーは「18頭立て」だから3連複はまかりなら
ん、と言うのだ。
何を言ってるんだ。
国庫納付金を払ってやっている善良な競馬ファンに対して「まかりならん!」とは何
ごとだ。4000億円の国庫納金(税金)を払っている競馬ファンの声を無視し、その
挙げ句、退職後は競馬界を格好な天下り先にする。
農水官僚に言いたいことは、山ほどあるが、とりあえず「役人の偽りの建前論」をや
んわりとやんわりと指摘すると、他の委員の圧倒的な賛同を得た。
中央競馬の寺銭は25%。やくざの丁半バクチだって1割だ。いつまでも国庫納付金
が入り、天下り勝手気ままが許される、と思うなよ。
もしファンが本格的な法廷闘争を選べば「国庫納付金は憲法違反」という判決が出る
かも知れない。
酒の付き合いをやめ、散歩と選んで3日目の夜。JR浅草橋駅近くの「和紙の店」を
見学する。友禅模様の和紙が奇麗だった。
不思議なほど、夜風は暖かかった。
<なんだか分からない今日の名文句>
馬券は「三寒四温」であれ
2月20日(火) 特ダネ哀歌(エレジー)
朝起きは三文の得。NHKのニュースを見ていたら「福祉定期郵便貯金」なるものが
存在し、ことしも預け入れ利息が4.15%だ、と放送している。
今時、4.15%? ビックリした。障害年金、遺族年金、母子年金を給付されてい
る人が対象で、預け入れ期間1年。限度額300万円。そんな制度、知らなかった。
近くの郵便局に行く。僕は一級障害者。障害年金の存在を知ったのが昨年4月。慌て
て申請して秋から給付を受けている。資格ありだ。
「印章と受給されている年金の証書を持ってくればOKです」と職員。
何故か、この種の制度は一般に知られていない。
障害者に300万円の貯えがあるかどうか、微妙なところだが、もし300万円をこ
の制度で預ければ、ザッと計算して、普通の定期預金より利子が10万円近く有利にな
るのではないだろうか。近くの郵便局に相談に行ったら良い。
取り扱い期間2月28日まで。
場合によっては、孫が"福祉年金"をもらっている、おじいさんの名義を利用するの
も良いだろう。なにしろ「名義貸しニッポン」。「ゴルフ会員券タダ貸し」の総理大臣
なんて、どんな「名義」を使っているか、分かったもんじゃない。それに比べれば罪は
軽い?(これ、冗談)
10時から午後6時まで原稿。
6時から左衛門橋通りを浅草に向け、約3キロ散歩。この辺りは寺町で、葛飾北斎の
墓を発見。じわっと汗がにじむ陽気である。
夜、野暮用でサンデー毎日のかつての同僚記者J君と電話。「残念だったネ」と思わ
ず慰めてしまう。
これ、スクープの哀しい裏話。
先週の中頃のことである。J君、3年前に「外交機密費上納機密文書」が永田町に流
れたことを思い出した。
手書きの文書は確か「内閣」と印刷された用紙。表題に「報償費について」「報償費
の推移」と書かれていたハズである。彼の記憶では「内閣が外務省から機密費の上納し
ている証拠」だったような気がする。
彼は当時、この「謎の文書」の背景を探っていた某党の議員秘書に連絡を取ってみる
と、彼も党本部の倉庫に入って「あの文書」を探しているという。
J君も必死に探した。編集部も自宅も、隅から隅まで探した。
あった!
彼は取材し直して、17日締め切りのサンデー毎日3月4日号に「機密費上納の動か
ぬ証拠、内閣極秘文書入手」と題するスクープ記事を突っ込んだ。(P132)
やった!
ところが、である。秘書さんの文書発見がJ君より早かった。某党が国会で、この文
書の一部を小出しにして質問したのだ。それを見て、新聞、テレビが動きだす。
そして19日夜、テレビ朝日の「ニュースステーション」はこの「闇の文書」を放送
した。
サンデー毎日は東京地区のキオスクでは月曜日発売だが、普通、本屋は火曜日発売。
従ってサンデー毎日のスクープは、一部地区でたった半日の命。大スクープなのだが、
Nステーションが放送した時点で並み記事になってしまった。
しかも、である。Nステーションは、このメモを筆跡鑑定して、古川貞二郎内閣官房
副長官が書いたものと放送した。これは、サンデー毎日を大きく引き離す特ダネである
。J君、敗れたり!
「書類の整理がズサンで文書を探し出すのに、時間が掛かって」と言い訳する彼に、
何と言っていいか。昔なら「何やっているんだ!」とどやしつけるところだが、少ない
陣容で頑張るJ君に「残念だね」と言うしかない。
寝る前、郵便物整理。古賀幹事長名義の「党大会ご案内」。3月13日のその日まで
に、森さんが辞める気になるか。
<なんだか分からない今日の名文句>
ただ取る山のホトトギス
2月19日(月) 中川一郎は殺されたのか?
朝方、加藤昭さんの「新潮45」3月号「中川一郎怪死事件18年目の真実」を読む。
夢中になって読む。力作である。
1983年1月9日未明、札幌パークホテルの一室で、自民党代議士・中川一郎氏が
死体で発見されてから18年。その間、「北海のヒグマ」と呼ばれた豪胆な男が何故、
自殺したのか、何度となく「謎」が取り沙汰された。
そもそも、自殺だったのか?
謎は深まるばかりだったが、加藤さんの力作で「ある推理」は新展開を見せる。18
年目に新しく告白された新事実。衝撃的である。
証言を整理してみると、中川一郎は、その日、午前4時半まで、ホテルの一室で後援
者とバーのママと3人で酒を飲み、二人にベットにかつぎ込まれ、深い眠りに落ちてい
た。
それが30分後の午前5時、死体で発見される。
30分の間に、目を覚まし、バスルームに行って自殺することが出来たのか。
その時、前の部屋にはS氏が泊っていた。
加藤さんの取材はかなり綿密なので、次号が楽しみだ。
さて、18年後「野中闇将軍の側近」になっている、そのS氏が午前、札幌市のホテ
ルで「森さんにはゆっくり考えてもらい、大所高所から判断してもらう」と演説した、
との情報。野中さんに代わり、退陣を促す"勧告"をしたのだろう。偉くなったものだ
。
依然、この日記で「機密費疑惑の中尾室長が沖縄サミットでSの子分の系列業者ばか
りが甘い汁を吸わせた」と書いたが、S氏は今や、外務省の隠れたドン。ロシア外交で
豪腕を発揮して、甘い汁を吸っている。
それにしても、証拠隠滅し放題、「自殺ご自由に」の警視庁の機密費捜査。何故、強
制捜査が行われないのか。S氏の意向と何か、関係があるのか。
午後、出社。同僚から我が社の4月人事異動の概要を聞く。新聞社は入社すると記者
職は地方支局に配置されるが、橋本編集局長の意向で今回から本社に戻るまでの"ネン
キ"が大幅に短縮されたらしい。社会部にも、20代記者が何人も生まれる。同慶。
7時ごろ社を出て、竹橋から小川町まで1・5キロほど散歩。ドトールで210円の
今日のブレンドを飲む。
夜、原稿。未だに自民党には「森内閣に失政はない。ただ、マスコミにいじめられた
だけ」と主張される向きが多い。冗談じゃない。森さんの「資質の問題」だけでなく、
自民党内閣には明確な失政がある。それはデフレを放置している事だ。
今週の「ここだけの話」はデフレを放置する「罪」を書く。
テレビ朝日の「ニュースステーション」がスクープ。
共産党などが入手していた例の「官房機密費メモ」。4ページにわたって、外務省の
外交機密費から、官房長官に"上納"された金額が記録されている。これによると、毎
年、1億以上の金が内閣官房に入っていたことになる。
Nステーションは、このメモを筆跡鑑定した。その結果、内閣官房の有力メンバーH
氏が書いたものと判明した。"上納"は法律違反だから、これは「物証」と言うことに
なる。
明日、新聞が追いかけるか、どうか。
<なんだか分からない今日の名文句>
ひょうたんから駒
2月18日(日) アメリカは謝りに来い!
昨17日の東京競馬8レース。我がリングレットは7着。どうしても勝てない。いつ
も出遅れだから……どんな脚を使っても届かない。
まるで俺の一生ではないのか。
でも、競馬場の空は晴れわたって、この日は気分爽快。負けても、落ち込まないです
むのは「春」のおかげ?である。
日曜日は朝からテレビ三昧。「国会討論」的番組でも、時期が時期だけに面白い。森
降ろしをどうするか。
与党は「予算成立最優先」で、成立後、後継首相を選ぶ、ということで足並みをそろ
えるが、実態はそうでもない。地方選挙、例えば東京都議選。自民党候補は「森続投で
は、こちらが失業だ」と悲鳴を上げている。
だが、森降ろしのシナリオが描き切れない。
永田町の情報通の一人が、森さんの首に鈴をつける役目を負わされそうな「人物」に
会った。
その時の印象。
森さんは、外交懸案を利用して居すわるつもり。対アメリカ、対ロシアとの懸案があ
るのに、首相を変えたら相手国に失礼にあたる、と言って頑張る。
それに3月の党大会で後継を選ぶにしても、喜んで「俺がやる」と言う人物がいるか
どうか。(やりたいのは橋竜だけ、と言う声あり)シナリオは誰も書けない。
逆に、新聞・テレビでは触れていないが、石原新党のシナリオはかなり固まっている
。具体的に数字を上げて日程を明かす人もいる。
自民党の幹部は、KSD、機密費疑惑より、石原新党の動きが気にかかってしかたな
い。医療法人の徳州会の親分?が経済的に、どこまで石原新党を応援できるか。その辺
りを分析している。
反創価学会だったのに、何時の間にか、公明党と握手した亀井さんは石原慎太郎とど
んな「距離」を取るのか。石原さんと亀井さんは盟友、という見方もある。
役者が陳腐な「森降ろし」より、石原新党の方が面白い。
でも、忘れていけないことは、何故、アメリカが国家として謝罪しないのかーーであ
る。それが、いま最大の政治課題だ。
しかるべき人物が謝りにこないのに、森さんが渡米したら屈辱外交だ。
アメリカは謝れ!
国家として大統領特使を派遣し、謝罪しろ!
被害者に謝罪せよ。
これをうやむやにしていては、日本低国になってしまう。
午後「柳橋物語」を書き上げて外に出ると、日差しが柔らかい。午後5時半を過ぎて
も明るい。
デパートの売り場。数日前までバレンタインデーのチョコレート売り場だった場所が
雛まつりの桃色一色。金平糖、雛あられが並べられている。
春はもうそこまで、である。
<なんだか分からない今日の名文句>
日本の春はいつ来る
2月15日(木) 「自殺しろ」と言うのか!
一ヶ月ぐらい前、蔵前の交差点で信号待ちしていたら、ご婦人に「失礼ですが、脳卒
中ですか?」と聞かれた。右半身麻痺だから、誰が見ても分かる。
「ええ、そうなんです」と答えると「ウチの主人も」と彼女、堰を切ったように話し
出した。6ヶ月ほど前に発病したらしく、手術したらしいが僕より重そうだ。
家族の痛みは良く分かる。あるいは、脳卒中の経験者でなければ、分からないことかも知
れない。
近くに住んでいる、と言うので「闘病記を書いているんでさし上げたい。一度、お遊
びに」と話して別れた。
そのご婦人が、朝一番でやって来た。
「温泉病院に入れようと思うんですが……」と"脳卒中の先輩"に相談する。すでに
3回も病院を変えているが、満足な手当をしてもらっていない、と嘆く。
保険の点数の関係で、今時の病院は2ヵ月しか入院を認めないというのだ。長くいる
と「点数」が減り、病院の収入が減る。2ヶ月もすると、患者は転院を勧告される。冷
たいじゃないか。
以前、総理大臣のお母さんが長期入院していて「特別扱いだ」と大騒ぎになったが、
確かに2ヵ月で「出ていけ!」と言われる庶民は「患者差別」に怒りたくもなる。
とりあえず、僕の通う「たいとう診療所」に良い知恵はないか尋ねたら、というこ
とで、信頼する作業療法士の伊藤先生を紹介する。
一段落して、彼女が「お幾つですか?」と聞くので「昭和19年生まれ」を言うと「
私の一年後輩だ」。
育英小学校の一年先輩の彼女に「何やってるの?」と聞けば「主人はサラリーマン。
私はかつてマッサージ」。
マッサージと言っても、今時の風俗マッサージとは違う。料亭のお客さんが頼む医療
マッサージ。
昭和40年前後、田中角栄、福田赴夫の背中を揉んだこともある。「角さんの背中を
足で歩いてマッサージした」。
角福が同じマッサージ師にかかっていたのか。これ、新事実。彼女の話は「柳橋物語
」の格好な材料になる。
今週の土曜夕刊の「競馬はロマン」はテイエムオペラオーを産んだ小さな牧場のお話
。
午後から第1回分を書く。
永田町は朝日新聞が報じた「森首相、ゴルフ会員券タダ借り事件」で大揺れ。朝日も
やるじゃないか。
これが"森降ろし"の決め手になるのか。夜、加藤、山崎派が集まっているそうだが
、クーデターの無様な結末を覚えている向きは冷たい。
森さんは渡米して、ブッシュ新大統領と握手する写真を取れば良い、と考えているら
しい。ノー天気だ。
ここ数日、毎日のように外交・官房機密費流用男を何故、逮捕しないのか、と書きつ
づけている。今日も、また書く。
そんな事はないとは思うが、犠牲者が出るような雰囲気なのだ。
すでに外務省の官房長、会計課長、総務課長、過労で長期欠勤。警視庁の事情聴取は
数十人に及び、外務省はノイローゼ状態だ。
疑惑の底はさらに深い。
例えば、流用男が競走馬を買ったのは、個人的な趣味だったのか。そうではなく、別
に理由があったのではないか。(世界週報2月27日号に書いた「国家機密費と"借り
腹"の関係」を読んで欲しい)
例えば、森首相が外交の舞台に、特別の関係にある熱海のホテルを使った疑惑?
流用男が捕まったら、政治家が、高級官僚が血税の甘い汁を吸っていた「平和ボケ」
の実態が露見する。彼らには「大変なこと」である。
「大変なこと」になる寸前、僕は何度となく「自殺」という犠牲者を見た。
別に流用男が思い詰めている、という情報はない。だから、大丈夫だとは思うのだが
……。
それにしても、警視庁は「外務官僚」に時間を与え過ぎだ。時間を与えて証拠隠滅さ
せてもらう、という意図が見え見えだ。
陰で証拠隠滅を指示しながら、公の席では「徹底究明」を言う「権力」。その「権力
」が意図的に逮捕を遅らせているとしたら……。
奴等が「何か」を望んでいたら……。
流用男ではなくても、消えてもらいたいキーマンは、何人かいる。
人命保護の立場でも、今回の場合、身柄の拘束は早い方がいい。
<なんだか分からない今日の名文句>
死ぬ者貧乏
2月14日(水) 鳩山クン、君も辞めたら
鳩山クンはずるい、のか、甘いのか。
森クンを党首討論の土俵際に追い込みながら、フッと力を抜く。八百長野郎だ。
未だに、森を「選挙で組み易い相手」として"温存"したいのか。
テレビを見るかぎり、森クンの方が喧嘩上手に見えるから不思議だ。
いつもの永田町情報筋の話しでは、民主党には「情報収集班」がいないらしい。「民
主党FBI」がいない。
それでは権力を追及するネタが出て来ない。ネタがなければ
、相手は海千山千。亀井クンの言い分ではないが「横綱と序二段」になってしまう。
前にも書いたが、失礼を省みず言わせてもらう。鳩山クンの眼は「腐った魚」だ。信
念がない。
それに、言葉に艶がない。音声に艶がない。口から出る「音」に個性がないのは、政
治家として致命的だ。
政党のオーナー気分で、彼が平気で党首を続けるなら、民主党の行方も危うい。
「森降ろし」は、当面、新聞の「新疑惑」発掘に期待を寄せることになる。多分「森
降ろし」を決意した「自民党○○派FBI」が密かにマスコミに「新疑惑」を流す。その
決断がなければ、4月まで持つ。
株価は低迷して、眼に見えない失業者が更に増える。完全なデフレ地獄を宮沢財務
相は隠している。大蔵官僚が日本を牛耳っている、と勘違いしている宮沢は森クンより、
もっと悪い。
10数年にわたって、経済をメチャクチャにした宮沢が率いる大蔵官僚軍団。森クン
の"間抜け"は分かりやすいけれど、大蔵官僚軍団の「悪」は分かり辛い。だから、新
聞は彼らの失敗を糾弾する勇気がない。
宮沢にも、退陣してもらわなくてはダメだ。
雪、ちらちら。わずかに日が射したので、上野まで散歩。大都会のホームレスは、寒
さに凍えている。
総合ジャーナリズム研究の原稿、まだ、四苦八苦。
社に行けば、川崎競馬の騎手、調教師の「情報賄賂事件」の情報が入ってくる。八百
長はその時の経済状態に比例する。景気が良ければ賞金が高くなり、八百長は起こらな
い。不景気になると、八百長が蔓延する。
毎日のように言うが、何故、機密費流用男は捕まらないのか。同じ川崎競馬場で、情
報を流した騎手、調教師が摘発され、競走馬を税金で買った奴が捕まらない。
許せない。捕まるまで、言いつづけるぞ。
夕方、地下の「うなぎ・大作」で、厄介になった友人のささやかな歓送会。この友人
には、この3年間、面倒を見てもらった。寂しいが、しかたない。
人事異動の季節。サラリーマンに人事異動があって、権力に異動がない、むなしさ。
浅草のカラオケ屋に移って、9年ぶりに「網走番外地」を歌う。少しずつだが、顔の
右半面の麻痺がなおりつつあるのか、何とか、歌えた。
<なんだか分からない今日の名文句>
押してもダメなら、空気投げ
2月13日(火) 「合い盛り」って何だ
うまいものを食べた。
リハビリで仲良くなった浅草橋3丁目のレストラン「一新亭」のおばあちゃん(85
歳)が推薦するオムライス。「これは日本一だ!」。たいとう診療所の帰りに評判の「
オムライス、コロッケ付き」(750円)を食べる。うまい。昔の味がする。
倅の3代目・秋山武雄さんの話では、初代は明治時代、この辺りで初めてオムライス
を商品化した。「一番新しいから一新亭」。保守党の「一新」とは関係ない。
でも、平成の名物は「合い盛り」。オムライス、カレーライス、ハヤシライスの3つ
が、一つの皿に乗っている。1000円。
かつてビックコミックのグルメ欄で紹介された時、九州からやって来た客が「あれも
食べたい」「これも食べたい」と言われたが、胃袋はひとつ。そこで「合い盛り」にし
たのが始まり。何時の間にか人気メニューになった。
「一新亭」には、もう一つ、麗しい話がある。紙面の関係で、これは日本看護出版会
が出している介護雑誌「コミュ二ティケア」に書くことにした。
掲示版で長屋の住人が怒っている「森の耳に念仏」状態。情けない。
ゴルフ場にいて2時間程度、官邸に戻るのに遅れたのは許容範囲だ。問題は、どこに
いても、行動の優先順位を判断できるか、である。森クンには「今、何が、一番先に求
められているか」を考えることが出来ない。
森くんの特殊体質か、はたまた、日本国の権力構造が、すべてこうなのか。
KSD、機密費疑惑、株価低迷の3K。これにゴルフ続行の危機管理で「4K合い盛
り内閣」。そろそろ、大勲位が引導を渡す頃合か。もっとも、この大勲位も、KSD疑
惑では、傷を持つ。
誰も森クンに「辞めろ!」と言えないのに、不幸がある。
それはそうと、外務省の流用男は、まだ逮捕されない。不思議だ。
ありとあらゆる官庁に、報償費、食料費でうまい汁を吸っているヤカラが沢山いる。
この流用、着服グループが松尾さんに「すべて君が一人で罪を背負ってくれ」という説
得している。その説得工作がうまくいかず、彼「逮捕されれば何でも話す」と開き直っ
ているのだろう。
夜。魁新聞ボランティアの集まり。副編以下、全員元気。男性全員、有希からチョコ
レートをもらう。
<なんだか分からない今日の名文句>
座を見て皿をねぶれ
2月12日(月) 選挙向けの「5連休」
3連休の最後。午前中は風が強かったが、昼を過ぎると日差しが出る。桃の花が膨
らんでいる。
街を歩いてから、たまった原稿に取り組む。「おけら街道」は、おしゃれな乗馬ク
ラブの話を書く。これは、比較的スムースに書けたが「総合ジャーナリズム研究」に頼
まれた硬派の原稿には苦渋する。
われわれの世界では、原稿は硬派と軟派に分かれる。理論的な展開になる硬派は、
どちららかと言うと、苦手だ。
テーマは「新聞の第三者機関」。毎日新聞が先頭を切って「『開かれた新聞』委員
会」をつくってから、各紙が「人権確保機関」を意識するようになった。
朝日新聞が後を追い、新潟日報も続いて「新聞の第三者機関」は新聞界の潮流になっ
ている。その狙いを書いて欲しい、と言うのが編集者の注文。「プラス面に付いては、
某大学教授が書くので、牧さんに戸惑っている現場の論理を書いて欲しい」。
確かに「表現の自由」と「報道被害」の微妙な力関係に、新たに第三者機関が介入
して「現場の自主性がなくなる」という指摘もある。が、全体的に見れば、結構な試み
なので、マイナス面をことさら強調する訳にはいかない。
どうも、巧く書けない。感情を大事にする軟派なら得意なのだが。
夕方、友人が携帯で永田町情報。
村上さんの贈収賄容疑はおおむね固まり、証人喚問を済ましてから許諾請求→逮捕
の段取り。
「森降ろし」は着々、公明党を中心に着々と進んでいて、森は今や、被害者意識が
一杯。一時「河野が外交機密費事件でアウト」とニコニコ顔だったが、公明党の森降ろ
しで、万事休す。例の「プライバシー発言」も被害者意識の現れ。
でも、誰が後継?ということになると、野中、小沢、小泉、高村……と決め手がな
い。扇なんて珍説もある。
一方、民主党は「5連休」を選挙の目玉にする。有給休暇を10日から15日に増
やし、同時に5連休を作る、という「休日倍増計画」。5連休を作れば、中小企業の勤
め人でも、たっぷり休める、というのだが、どうだろう。
と、まあ、友人氏は断片的に情報をくれる。
それより、外交機密費流用男が未だに逮捕されないのが、おかしい。
「俺を捕まえたら、すべて明らかにするからな」と開き直っているという情報もあ
る。警察庁の機密費の使い道をはっきりしないと、と警視庁が及び腰になっている、と
いう噂もある。
外務省、つまり国家が告発しながら、逮捕されないということになると……法治国
家ではなくなるということか。
今日あたり、逮捕に踏み切らないと、国会の予算委員会審議で、政府は更に苦しく
なる。
穏やかな3連休も終わり。桃、梅の季節。風も徐々に南風になるだろう。
<なんだか分からない今日の名文句>
南風でも、たんと吹きゃ寒い
2月11日(日)ルーシーさん「謎の手帳」
三浦海岸の洞窟で発見された遺体が、ルーシーさんと分かった。哀しいことだが、損なわれた英国との信頼関係を修復するために、当局は識原容疑者の捜査に全力をあげ、キレイな形で起訴して欲しい。
警視庁の捜査が難航し、事実上の別件逮捕を繰り返した頃、僕はある関係者から「謎の手帳」の話を聞いた。多分、12月末のことだったと思う。
「もしかして、織原以外の犯行では?」と僕が尋ねると、関係者は「実は手帳があるんだ」と秘密を打ち明けた。
三浦のマンションからはルーシーさんの衣類、持ち物は一切、発見されなかった。発見された複数の頭髪も、ルーシーさんと必ずしも断定できない。
「ただ、謎の手帳が発見されたのだ」
新しい手帳には書き込みは少なく、誰の手帳だか分からない。良く見ると、手帳の1ページが破られた形跡がある。手帳の持ち主が何かの必要で、破って「紙切れ」を誰かに手渡したのではないか。
捜査員はこの破られた「紙切れ」を探した。必死に探した。
そして発見したのである。「紙切れ」を持っていた人物は「ルーシーさんがここに××を書いて、私に渡した」と証言した。
手帳の剥ぎ取られた空白と、提出された「紙切れ」を合わせるとドンピタリ。「謎の手帳」はルーシーさんが唯一残した遺留品だったのだ。
「だから、あのマンションにルーシーさんはいた。間違いなくいた。だから、識原には状況証拠があるんだ」と関係者は打ち明けた。
もちろん、この事は書くことが出来なかった。捜査妨害になる。
年を越え、捜査は窮地に陥っていた。週刊誌には「迷宮入り?」と書かれた。だが、遺体発見でようやく、状況証拠は固まり、詰めの捜査に入る。もう「謎の手帳」を書いてもいいだろう。
この国際的な事件で、捜査陣は日本の威信を示して欲しい。弁護士さんの立場も良く分かるが、事実を事実として認めさせ、その上で堂々と弁論すべきではないか、
と思うが、どうだろうか。
2週間前、愛用のモバイルが水びたしになって、原稿、データが一瞬に消えてしまった。「柳橋物語」の原稿が消えたのには、まいった。
やっと今日、「第5回分」が“修復”された。12日から再開する。
前に書いたものを思い出すのが、こんなに難しいものか。痛感した。ちょっと書く順序が変わったような気がする。でも、まあ、書けた。
横丁で「私」が黒いカシミヤのコートの男とすれ違うところから、始まる。ぜひ、読んで欲しい。
以前、友人が「柳橋物語って、どこにあるんだ?」とヘンな電話を掛けて来た。同年配の彼、まったくパソコンを知らないのだろう。日記の部分を秘書に印刷してもらって読んでいるらしい。
動かし方が分からないなら、恥ずかしがらず、若者に「クリック」という動作を聞いてくれ。
かなり年配の読者にも読んでもらいたいストーリーだから、ぜひ、クリックして読んでくれ。
<なんだか分からない今日の名文句>
聞かぬは、末代の恥
2月8日(木) オウムがパン屋に
前夜遅く、ミゾレの中を帰って来たので疲れたのだろう。足元が不安だと、右半身麻
痺は、猛烈に疲れる。で、少々朝寝。リハビリは休んで「競馬はロマン」執筆。6回に
わたる「社台一代記」はこれで終わり。取材すればするほど、社台は凄い。工夫が凄い
。資金量が凄い。ただ、日本の競馬界が寡占状態になるのはどうだろうか。
毎日新聞社が"入居"するパレスサイドビル9階「アラスカ」で石寒太、アシスタン
トの中島さんと昼飯。初句会で応募作を添削してくれたお礼。
石寒太は毎日新聞の雑誌「俳句α」の編集長。俳句を中心に「趣味の生活」を幅広い
紙面構成で伝える名人で、出版不況の中、奮闘している。
だが、僕は「俳句というものは雑誌より、HPの方が性にあっている」ように思えて
ならない。
寒太は「俳句は即興、滑稽、挨拶」と言う。即興とはインスタント。滑稽とはウィッ
ト?
挨拶は愛情、という事なのだろうか。
それにしても、月刊誌のスピードは「即興、挨拶」にふさわしいのか。「HPの方が
俳句にあっていないか?」と僕は力説。
「俺のHPに常設の石寒太のページを作ったら」とけしかけると、彼「考えてみる」。
地下2階へ行くエレベーターで、先輩のSさんに会った。Sさんは毎日グラフの元編
集長。今は某出版社で雑誌を作っている。久しぶりなので、ゆっくり話したかったが、忙
しそうで「またね」。当方「HP、読んでくださいよ」で別れる。
彼に話そうと思ったのは「毎日グラフの行く末」である。
毎日グラフはすでに廃刊。「アミューズ」と名前が変え、こだわりの文化情報誌とし
て健闘していたが、この春、出版元が別の会社に移り「ヘミングウェイ」と名前が変わる
らしい。出版不況で生き伸びることが出来なかった。
Sさんには、それとなく教えておきたかったのだが……。
仕事場に戻るとオウム情報。昨年暮、この日記で「世田谷区南烏山のマンションにオ
ウムが大挙して移住した」とスクープ?したが、それから年を越え、周辺は右翼の発砲
事件と騒然としていた。このマンションの住民の話では、オウム(アレフ)は大型のパ
ン製造機を購入して、マンションに運び込んだ。これ、スクープ?
パン屋をやるらしい。
警察官、消防署職員、教員などを勤めたというマンションの大家さんが「オウムに居
場所を」と考えたのは、あるいは「オウム情報の一元化」と言ったような効果があるの
かも知れない。(まったくの推測)
善意の市民として、彼らが、どこかに落ち着いてくれればいいのだが。
僕は「残された信者の社会復帰は福祉の範疇」と考えている。
4時半ごろ、ベットに潜り込み昼寝。一時間寝て、夕方には目黒雅叙園で行われる「
NRA(地方競馬)グランプリ2000」の表彰式に行くつもりだったのだが、目を覚
ますと7時半。大失敗。あきらめる。
7000勝騎手・佐々木竹美さんに会いたかったのに。カラオケの約束をしたかった
のに。
でも、昼寝も健康のために必須。夕飯を食べ、またぞろ熟睡する。
<なんだか分からない今日の名文句>
義理を欠くのも芸のうち
2月7日(水) 祇園の芸妓が大挙して
掲示版に寄せられた「企画力、創造力とは何か?」と言う質問にどう答えていいのか
、朝まで頭を絞る。
20代のサラリーマン氏と言う質問者は真剣である。
無責任と言われないためにも、具体的で、素直に理解できる回答を考えるのだが……
うまく表現が出来ない。
やっと午前6時ごろになって、回答らしいものが出来た。ホッとしたのは良いが、毎
週水曜日朝に更新する「ここだけの話」のことをすっかり忘れた。ごめんなさい。(8
日午前11時に更新します)
10時、東京専売病院で定期検診。血圧136ー70。順調。大山ドクターは当方の
HPを愛読しているらしく「外食が多い」と指摘する。日記を正直に書くとすると、少
し窮屈?
城山ヒルズのJRA事務所で世間話。JRAはこの夏、地下鉄大江戸線「麻布十番」
に近い新しいビルに移転する。経費40%削減。
「今年は雪にたたられて売上前年比91%。苦しい」と職員が頭を抱える。
野暮用で帝国劇場の地下で昼飯。レストラン「松風」は定食850円でコーヒー飲み
放題。
ビルを出ればミゾレ。都心の気温2度。雪になるのか。
会社に静岡市「体文協・社会人大学」の佐野さん、来訪。「講師をしてくれないか」
というお話。すでに資料を送っていただいたので、その趣旨には賛同できた。6月に静
岡県下6カ所で話をする、と約束する。
野暮用で「社長室」なるセクションに行く。「社長室」は社長の参謀が集まる社内官
僚の部署。初めて行ったが、その部屋には窓がない。
窓がないところに発想なしーーが、僕の持論。たまたまやって来た斎藤明社長に「社
長室は社の頭脳。窓がない部屋ではいい考えもでない」とチクリ。また、社長様ににら
まれた。
夜、新橋界隈で同僚と一杯。鍋を食べた後、昭和通りの「K」。
いつも冷たくされるのだが、雪の影響か、客は一人もいない。
ママが「細川さんは陶芸にはまっているのよ」という独自の情報をくれる。そう言え
ば、そんな総理大臣もいたっけ。
例の機密費流用男が「外務省の金庫番」になった頃の総理。
人気は抜群だったが、何の実績も残さなかった、という声もある。"内閣遊び"
が、いま"陶芸遊び"か。お殿様はいい。
そんな話をしているところに大挙して奇麗どころ。お大尽を囲んで、祇園の芸妓が6
、7人。京都言葉が艶めかしい。
何故、彼女たちが雪の東京にいるのか。
それにしても、何で儲ける「お大尽」なのか。もし、これが新幹線の「遠出」なら、
大変な散財。
野暮なことは聞かないが、まだある「バブルの余韻」。
夜11時ごろ、雪、あがる。
<なんだか分からない今日の名文句>
馬鹿旦那につける薬なし
2月6日(火) 富士山は噴火するのか
毎日新聞調査で森内閣の支持率14%。そうだろう。当然だ、とは思うのだが、いつも毎日の数字が森さんに厳しい。日経の調査、読売の調査と比べると、毎日は厳しい。調査の日時に関係があると思うが「毎日」と聞くと、つい答える人が「厳しい態度」を取りたくなるのではないか。良いことか、悪いことか、分からないが「清潔な毎日」のイメージが定着している。
それより、気になるのは一部週刊誌、新聞の「富士山噴火」。火山噴火予知連絡会は防災の体制を検討する作業部会を設置する方針を決めた。
いたずらに不安を与えてはいけないと考えたのだろう。報道は控え目だが、低周波地震の多発は確かに異常である。もし噴火が起これば風向きによるが、首都圏のコンピューターシステムに火山灰が入り込むことだって考えられる。
いたずらに不安をかきたてるのではなく、ここまで危機管理が済んでいる、後は、コレとコレを準備していれば大丈夫、と政府広報すべきだ。
1986年の大島噴火の時は1年前に低周波地震が観測された。冷静にして、積極的な“準備”が必要である。今国会、政府は「異常」を隠さず、議員は質すものは質しておかないとまずい。
朝のリハビリの話題はユニクロ。
上野の山の“麓”の「アブアブ」というデパートに「ユニクロ」が出来た。奥さん方が先を争って覗いてみると、何しろ安い。しかも、今までの安売りとは違って、商品を“山積み”するのではなく、一枚づつハンガーにぶら下げている。
1000円で青いチョッキを購入した奥さんは「とても1000円とは思えないでしょう」と胸を張る。カッコ良く安物衣類を手に入れるのも、昨今、自慢のタネになる。
家に帰りメールの整理をしていたら、HPの読者から「上等なものを食べている」との批判?
そうでもない。時々、うまい物にぶつかると、つい日記に書いてしまうものだから、美食家と思われるが実態はかなり違う。
例えば、今日の朝飯は「サッポロ一番」即席塩ラーメン。昼、もりそば。野暮用が終わって「日本料理を一緒に」と誘われたが、事情があって夜は焼肉。ごく普通の食生活だから、誤解なきよう。
深夜、遅れていた世界週報の原稿を書きあげる。
何故、機密費流用男は3300万円でサンデーサイレンスに種付けを頼んだのか?
これは面白い原稿だと思う。
<なんだか分からない今日の名文句>
振りかかる火の粉は払わねばならなぬ
2月5日(月) 野党の弱さ
国会は今日から代表質問。
正直言って、民主党の鳩山由紀夫委員長の演説は魅力がない。迫力がない。何故だ
ろう。
言葉に真実がないように思えるのだ。別にどこが欠けているという訳ではないのだ
が……。多分「瞳」の問題のような気がする。瞳に力もなければ、愛敬もない。
外見でモノを言っては失礼とは思うが、権力と対決する、改革を断行するリーダー
としては、瞳に「誠」がない。
あの浅沼稲次郎のような風貌が懐かしい。田中・長野県知事の風貌には愛敬がある。
石原慎太郎知事にも愛敬がある。信念がある。(2人とも、考え方は僕と微妙に違う
けど)
理知的な、冷たい風貌は政治家に取ってマイナスである。自民党に、これほど
逆風が吹いているのに、もし民主党が選挙で負けたら、これは党首の「風貌負け」であ
る。(この論理は、僕の偏った趣味が根底にあるので、断じて「正論」ではない。しか
し、正論でない事も言わないないと、政治改革のチャンスを逃すこともまた事実だ)
KSD疑惑の村上さんが証人喚問に応じることになった。これからの問題は野党に
追及するネタがあるかどうか、である。
共産党のベテラン秘書で、この種のネタをどこからともなく見つけて来るのがH君。
彼が、野党陣にいないのが痛い。
H君は党の方針に反して「北朝鮮のら致事件」を追及したのがアダで、日本共産党
を除名された。
事情を知る僕としては、共産党に取って大きな打撃だと思うのだが……。
野党のアキレス腱は他にもある。野党にもKSDにパーティ券を買ってもらった議
員がいる、と自民党はしきりに宣伝している。「疑惑たっぷり」と評判の例の亀井さん
は、名前をあげて「君だって同罪」と言い放っている。
果たして、真実はどうなのか。
激しい国会になるはずだが、すべて野党の総合力に関係するだろう。
読者の方から送っていただいた「鉱物入り和紙シーツ」が気に入り「買いたい」と
お願いしたら、夕方、届けてくれた。血行が良くなったような気がして、知り合いにも
勧めたい。
まず、たまちゃんのおかあさん(80歳代の女傑)にプレゼント。血の流れが健康
の源のような気がする昨今だ。
夜、そのたまちゃんと銀座 「三献」。
海の幸では天下一品。関サバは特別、うまかった。
<なんだか分からない今日の名文句>
猿が髭揉む
2月4日(日) ラムタラ、頑張れ!
2日の金曜日、試写会で日活作品「日本の黒い夏[冤罪]」を見た。例の松本サリ
ン事件を題材にした作品。
試写会で整理券を配るほどの人気である。なかなかの出来だが、マスコミに対する
追及が甘いような気もする。
マスコミの中で仕事をする僕が、こう言うのもおかしなものだが、もっと厳しいド
ラマを想像していた。
4日、朝起きて、この“意外さ”を「ここだけの話」に書いてみた。
午後、小倉競馬7レースの「サラ4歳上500万円下」をグリーンチャンネルで観
戦する。
このレースに我が愛馬・シルクラトゥールが初出走した。
僕はこの馬の「50分の1」の権利を持つ1口馬主。
父は例の父・ラムタラ、母・ルュートドサロン。名血の外国産馬だ。
ところが仕上がりが遅く、やっと4歳馬(去年までの表示では5歳馬)になってやっ
と走れるようになった。4歳馬は人間の年齢にして20歳を超える。「古馬」と言わ
れる。競走馬は普通、順調に行けば「2歳の秋」にデビューする。それなのに……要す
るに1年半遅れの初出走である。
4歳になると、新馬戦や未勝利戦には出られない。すでに1勝をあげている馬と一
緒に走る決まりである。出走表を見ると、中には16戦もしているベテランがいる。そ
んな海千山千の仲間と戦うのは、かなりキツイ。
心配した通り、我が出来の悪い愛馬はスタート直後からビリケツ。先頭から20馬
身ぐらい離されてゴール。ゴール前に一頭抜いただけだった。
厩舎は藤沢、騎手は岡部。最高の布陣でブービー。情けない。
神の馬・ラムタラは4戦4勝で引退した無敵の怪物。日本の生産者がシンジケート
を組んで、○○億円でドバイの王様から買収した。ところが、タネ馬としての成績はい
ま一つ。「ラムタラでひと儲け」と勝負をかけた生産者は思惑がハズれ、いまや青息嘆
息。ラムタラの不振は不況の北海道の「新たなお荷物」になりつつある。
国際競馬消息筋に言わせると「ラムタラの走った世代は、元々、弱かったのだ。だ
からヨーロッパ3冠に輝いたが、2着馬との差は僅差だった。だから“神の馬”という
表現は間違いだった」。
ドバイの王様は最近、ある会合で「走らなくなったので引退させたんだ。ラムタラ
には競走馬としてあれが限界だった」と話したとか、話さなかったとか。
だとすれば、商売上手の王様に騙されたことになる。
ラムタラよ、頑張れ!ラムタラの子供たちよ、頑張れ。
二年前のボーナスを叩いて「ラムタラの尻尾」を買った僕も、泣き面にハチ。なん
とか、2戦目で「変わり身」を見せてもらいたいものだ。
永田町情報。
公明党はKSD疑惑で証人喚問を決断。社民、民主と水面下で協議始める。
姿を消した村上先生、大ピンチである。
<なんだか分からない今日の名文句>
王様の口車?
2月1日(木) 高村法務大臣
リハビリの最中に雨が降ったので、タクシーで日本橋・三越に行った。
雨が降ると、片手の僕は傘がさせない。一人で仕事場にいる時は外食にするのだが、
雨では外に出られない。
診療所からタクシーで仕事場に帰ってしまうと、外に出られなくなる。
そこでデパートに寄り道して、食事をして"運動"する。歩かないと肥る。肥ると糖
がでる。健康のために売り場から売り場を歩きまわる。5000歩は歩く。
診療所からタクシーでワンメーターのデパートというと三越か、上野・松坂屋、浅草
・松屋。今回は催し物で選んだ。「おいでませ!山口展」の三越、という訳である。
「ふぐ」の水揚げ高日本一の山口県。特設茶屋で食べられる「作りたてのふぐご膳」
は2500円。ちょっと高いが長蛇の列。1600円のふぐ寿司も人気だ。
それよりも、お値打ちと思えるのは霜降りの見島牛。1枚150グラムのサーロンス
テーキは3000円。いかにもうまそうだ。
と言っても、僕は食べない、買わない。1600円の昼飯は贅沢すぎるし、買い物袋
が持てないから買えない。
となると……そう、試食。試食を勧める店員さんは親切で、試食する間、当方の杖を
持ってくれた。一番美味しかったのはウインナー。僕が見た限り、試食可能食品は7品
だった。
山口県は15年ぐらい前に一度行っただけだが、萩の街並み、海がきれいな西長
門リゾートホテルの大浴場の印象が強く残っている。
春、もう一度、維新の地に行ってみるか。春の観光シーズンはもうすぐである。
この「おいでませ!山口展」は2月4日まで。診療所の女医さんが山口県下関西高出
身なので、電話で教えてあげる。東京に在留する山口県人サラリーマンは、ナマリ懐か
しい昼下がりを楽しむことが出来る。
今日から2月。曇りがちだが2月。
JR新大久保駅の哀しい事故、航空機ニアミスの考えられない事故、そして、犯人が
捕まらない世田谷一家皆殺し事件と、世の中「一課事件」が立てつづけだが、実は水面
下では「二課事件(知能犯)」がうごめいている。
フライデーは2日発売の号で、KSD疑惑「大蔵省ルート」を書くらしい。
例の「天下り」の話を書くらしいが、労働、文部、大蔵ルートがそろい踏み。リクル
ート事件とまったく同じ汚職列島の構図。また、同じ「向島」が舞台?
外務省は外務省で、高官が例の「機密費流用・着服男」におねだりして豪遊。家の建
設資金を流用男から借りたため。泥沼である。
永田町では、野党が「追及、追及」と言いながら「旧森を相手に選挙をしたい」とい
う気分。公明を始め与党が「辞めてくれ!」の小さな合唱。妙な構図だ。
夜、友人からの電話。「堀内派が40人を超えた。これは事実上の野中、古賀派。だ
から、堀内派は隠れ橋本派ということになり、橋本派の天下は一段と鮮明」。
加藤クーデターは、結果的に「野中体制の強化」に繋がった。
野中さんの子分「S」氏に捜査当局が手が及ぶなんて……。
この2月、ジャーナリズムは「次(あるいは次の次)」の呼び声が出ている高村法務
大臣の動きを注視しなければならない。
事実上の指揮権発動は起こるのか?
春、キーマンは「高村」である。
<なんだか分からない今日の名文句>
捜査陣、大凶作
1月31日(水)週朝とアエラが合体する?
オウム裁判で新実被告が「麻原から(牧の)遺体を持って帰れと指示された」と証言
したらしい。
掲示版に寄せられた"書き込み"で、新実新証言が朝日新聞30日朝刊に載っている
、と知る。
今まで「牧を殺そうとした」「自宅に帰って来ないので、標的を坂本弁護士に変えた
」という証言はあったが「遺体を持って帰れ」は初めてである。
その度に坂本一家の写真が脳裏に浮かび、複雑な、やり切れない思いに駆られる。
今だから言えることだが、運命の日・1989年11月3日から4日にかけて、オウ
ムの人間が僕の自宅周辺で待ちぶせしたらしいが、僕は早稲田祭の講演、その後も飲み
会で帰宅しなかった。もちろん、この頃、水面化でオウムが脱退信者をら致しようとす
る事件が起こっていたので、僕は十分、注意していた。僕がいないので、坂本さんが標
的になったとしたら……。10年たっても、僕が逃げられ無いの「業」のようなものだ。
オウムの狂気。許さない。風化させない!
昨夜からの気になる情報。「週刊朝日」と「アエラ」が合体する、という得体の知れ
ない情報が飛び交っている。
まさか。好調に映る両誌が合体するなんて。大体「合体」とはどういう意味か。出版
不況でヘンな情報があちこちで乱れ飛んでいる。
朝、数人に情報確認のTEL。「パーソン」とかいう新しい雑誌の創刊に合わせて両
誌を一つの雑誌に統合するというのだが、朝日の友人の話では「少なくても一年間はそ
んなことはない」とのこと。「週朝は出版局、アエラは編集局主導、仲の悪い両者が一
緒になるなって考えられない。それよりサン毎はどうするの?」
「少なくても、一年間は何も起こらないだろう」と答える。
毎日新聞社の場合、広告収入が順調で、この2年、そこそこの営業成績。ただ出版局
の数字は芳しくない。だから、サンデー廃刊の噂が出たり引っ込んだりするのだが、果
たしてどうなるか。
昼過ぎ、現サンデー編集長にばったり会ったので、思わず「俺の時は、こんな企画で
儲けた」なんてアドバイス。「後輩の邪魔になるから黙っていよう」と思っていたが、
このままでは日本初の週刊誌が自然死してしまうような予感まである。
週朝とアエラの行く末、サンデーの行く末、そんな小さな動きに始まるマスコミの統
廃合は、この10年でダイナミックに展開されるだろう。
パレスサイドビル9階のアラスカで、月刊文藝春秋のグラビアエッセイ「ひとは地球
に何ができるか」の"打ち上げ"。この企画、2月10日発売の3月号で終わる。3年
間35回も連載出来たのは、皆さんのお陰。協力していただいた方と昼飯を取りながら
、思い出話をする。
環境の現場に立ち、環境を考えるこの仕事。断崖絶壁で写真を取ったり、地震復興の
奥尻の温泉に入ったり、一回一回、思い出が残る。環境の現場の皆さん、取材協力、あ
りがとう。
午後、相談ごとが一件。芸の世界はシキタリが難しいようだ。「筋を通したら」とは
げます。
永田町では、国会開幕と共に反加藤系堀内派が旗上げ。参加者42人。これ、野中演
出の「古賀派」誕生とも見ることも出来る。
「キミ、HPで森さんの理髪屋のことに引っ掻けて、鈴木善幸のことを書いたらしい
な。堀内派の名誉会長が善幸さん、と知っていたんだろう」と情報通がからかうが、そ
んなこと全然、知らなかった。
引退した善幸さんが名誉会長に収まるあたりが、シナリオライターの年齢が分かる。
夜、読者からプレゼントされた例の「鉱物入り和紙シーツ」を使ってみる。ポカポカ
して気持ちいい、すこぶる良好。
<なんだか分からない今日の名文句>
梅も咲かない呉越同舟