編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2001.3月
3月29日(木)慎太郎「菅なら勝てるぞ!」
午前、銀座・松屋へ。野暮用のついでに8階の催し場の「園芸」を覗くと大変な人出。
歩けない。ブームなのだろう。バラの根を買いたかったが、あきらめる。
同じ階がレストラン街。もりそばが食べたかったが、銀座・松屋には「そば屋」がな
い。かけ、もり、のたぐいを商いする「本当のそば屋」がない。
それでいて「天ざる」とか「とろろそば」を売る店はある。もりそばが食べたいのに
、何故「とろろそば1200円」を食べなければならないのか。とても理解できない。
今日の昼飯はなし。
利用者無視のデパート、行く行く、つぶれるだろう。
地下鉄で夕刊フジを買うと「250円牛丼客引き戦争」の話。ちょっと前、290円
の牛丼に驚いたばかりなのにデフレは急ピッチ。流通の間で、誰かが、泣きをみている
んだから喜べない。
初めに「290円の牛丼」を売り出した某牛丼屋。ちょっと前に「妙な肉」を入れ、
大騒ぎになった前科あり。そんな信頼出来ぬ店が火をつけた牛丼戦争。多分、自らの首
を占め、ノルマを上げない人物は責任を取らされ、哀しい結末を迎えるだろう。
僕は、デフレ商法に抗議する立場で、250円の牛丼は食べない。
昼すぎ、野暮用でビル管理会社の幹部、来訪。珍しい名前なので、聞いてみると「新
潟生まれ」。僕は22歳から26歳まで新潟市に住んでいたので、懐かしくて話が弾む
。
新潟市を流れる信濃川。日本海沿いに新しい橋が出来るらしい。その脇にトンネルも
出来る。市内から空港に行くルートが便利になるわけだが、当方は「競馬場に行くのに
便利になるな」。橋がかかるのは先のことだが、今から、直線コース新設の「夏の新潟
競馬場」に夢が膨らむ。もうじき、4月。競馬のシーズンだ。
夕方、永田町情報通の電話。昨日(3月28日)の日記に書いた「参院で自民党が獲
得するのは28人」という風聞に興味があるようで「本当か?」「実は……」と根拠
を上げて説明する。
情報通は逆に「民主党伸び悩み」を解説する。「去年の衆院選と同じで“自民党大敗
、民主党伸び悩み”になる。じゃあ、受け皿は、ということになると、それがない。当然
、勝手連の風が吹くが、それも中途半端。勝手連だから、まっとうな政治が出来るとい
う訳でもあるまい」
確かに、ある程度、実績のある人を選びたい気分もする。
そこで彼の意見。
民主党は鳩山が代表を続ける限りはダメ。暗くてダメ。(僕の意見を加えれば「目」
が悪い)政権を取る気持ちがあれば、トップを代えろ。勇気を持ってトップを代えろ。
石原慎太郎は「衆院選だって菅直人ならもっと違う攻め方があった。私は菅君を評価
している」と話している。慎太郎が評価するのは中曽根さんと菅さん。この辺に、新風
の匂いがする。
「自民党は来週から総裁選の大決戦?」と聞くと「ここだけの話だが、候補、候補と
騒がれる野田さん、舞いあがっている。と言うより、何か外部と会食する時、まず野田
さんの日程が全てに優先するんだ」。
「俺も、そんなことを聞いたよ。人寄せパンダだ」と答えると、情報通は「そればか
りか、女性ということだけで○○さんも、まるで要職につきかねない雰囲気」と情けな
さそうに話す。○○さん、1年生議員だ。
昏迷は続く。
ブッシュ、地球温暖化防止案、拒否。これ、大問題。アメリカが太平洋の島を沈没さ
せていいのか。株価大幅値下げ。これもアメリカのくしゃみで、日本が風邪を引くケー
ス?
夜、本格的な寒波。
<なんだか分からない今日の名文句>
パットは勇気だ(ゴルフ好きなら分かる)
3月28日(水) 自民・二人に一人が落選
出社後、お茶の水方面。病院に友人を見舞う。この辺りの桜8分咲き。
JRお茶の水駅前のCD店の前。舗道にテーブルを出し、CDを山積みにしては青
年が大声を上げている。
浜崎あゆみ、宇多田ヒカル「3・28新アルバム同時発売」。出荷枚数は浜崎の
「A BEST」(エイベックス)が350万枚、宇多田の「ディスタンス」(東芝EM
I)が310万枚。同時発売のアナウンス効果を狙っている。
店の前でしばらく見学。場所柄、中高校生が通る道だが、午後2時ごろのこと、お
客の主流はOLということになる。
2枚同時に買う人は皆無である。クリアファイル、ポスター、バッジとオマケ作戦
を展開するが、果たして強気の出荷の行方はいかに。見る限り、それほどのフィーバー
ではないように感じるのだが。
当方、喜多郎の「Thing of you」を探すがない。何故、喜多郎はアメ
リカで売れて、日本で売ってくれないのか。
自民党が参院選の情勢検討を始めたらしい。先日、新聞各社(5全国紙、それに北
海道、西日本)の論説委員をホテルに招いて、意見を聞いた。
今回の改選数は121議席。そのうち自民党が60人を占めている。そのうち5人
は引退。2人は公認もれ。新しい人と交代する。で、自民党は何人ぐらい、当選するか。
自民党の幹部が論説委員様にお聞きしたところ、その数が各社ともほぼ一致した。
自民の当選者数28。
もっと詳しく言えば、選挙区1人区で3人、複数区16人、比例区9人。である。
自民幹部、愕然とした。2人に1人が落選する計算である。
自民の金城湯池の山陰某県選出の議員先生が「僕の県でも、危ないんだ」とつぶや
いたので、お通夜のようになったという。
自民党は壊滅的な雰囲気である。
それにも関わらず、自民の首脳は相変わらず、派閥闘争。新聞を見ると野中、小泉、
橋本、3人とも選挙に勝てないから、という理由で、次々に「第3の候補」が浮かん
では沈む。昨日は堀内、今日は野田、明日は麻生……自民党の関係者から「あの人では、
どうだろうか」と聞かされた人物の名前。アゼンとして、書く気もしない。どうかし
ている。自民党に平常心を求める。
夕方、野暮用の電話数件。なかなか、懸案のこと、進まない。
夜、送ってきた「2001年版寄席演芸年間」(東京かわら版発行、700円)を
読む。「2000年に出た演芸・お笑い本」とか「演芸が楽しめるインターネット」な
ど、重宝する。
寝酒にシャブリを少々。10時前に寝る。
<なんだか分からない今日の名文句>
急いてはことをし損じる
3月27日(火) 上野桜に「じんた」
朝、たいとう診療所。二階の“リハビリ道場”は、今日も患者満杯。「途中身障者」
がこんなににぎやかに笑っているリハビリ施設は、どこにもないだろう。(概して、生
まれながらの身障者は明るいけれど「途中身障者」は暗くなるものだ)
話題は「五体不満足」の乙武さんの結婚。知らなかった。テレビのワイドショーで知
ったという飯岡夫人(ご主人の飯岡さんは僕の気が合う患者仲間)が、詳しく顛末を説
明してくれる。「奥さんも早稲田の後輩だって」。
「結婚できて良かった」と率直に話す白髪頭のご老人。まるで孫の結婚を祝っている
ようである。身障者は皆、兄弟。早稲田大学の株も上がった?
この診療所では、まったく“えこひいき”がない。イジメなんてまったくない。スタ
ッフの人柄。こんな明るい診療所に出会うなんて、僕は幸せだ。
天気がいいので、診療所から上野の山に足を延ばす。
ぽっかぽかして気温17度。桜7分咲き。
昼下がり。花園稲荷神社の前で黒山のような人だかり。70歳ぐらいの男性3人、女
性1人のグループが地べたに座って演歌を演奏している。ハーモニカ2人、ドラム、タ
ンバリン。演奏するのは「誰か故郷を思わざる」とか「浅草の歌」とか。戦争直後の流
行歌ばかりでる。東海林太郎、美空ひばり……。
失礼だが、オーケストラ?の服装はホームレスに近い。ドラムは壊れているし、ハー
モニカは時代物だ。でも巧い。音程は狂っているが巧い。
大正時代に流行ったサーカスの「じんた」を思い浮かべてもらえばいい。哀愁。
小学生の頃、このあたりの上野の山で、戦争で傷を負った軍人がハーモニカを吹いて
、物乞いしていたのを思い出した。
哀しくて、寂しくて、立ち止まると、何故か、脚のあたりがブルブルと震える。「じ
んた」の哀愁は圧倒的である。
集まっているのは60歳前後の人たち。それに小さな子供たちが、大人の間から、中
を覗いている。
口ずさむ人、涙ぐむ人……誰ひとりとして、立ち去らない。あるいは、年金ぐらしの
人たちが、行く場もなく、立ち止まっているのか。
“観客”の一人が、地べたに座った女性に1000円札を差し出した。それほど、裕
福な服装とはいえない男性がズボンのポケットから、しわくちゃな1000円札を差し
出した。彼女は固辞した。
この辺り、ライブをして金を受け取ったら「迷惑条例」に引っ掛かる。
でも、感謝の気持ちを現したくなって、僕も1000円を出した。「もらっておけよ
!」と誰かが叫んで、彼女は地べたに置いてあった赤いマフラーの中に、サッと100
0円札をしまった。
誰かが拍手した。まとまった拍手が、もういちど起こった。何故か、涙がにじんだ。
俺、「じんた」に弱いんだ。
気を取り直して、精養軒の屋上でケーキセット(900円)を食べる。上野一望。岩
倉具視が応援して出来た西洋料理の草分け。もともとは築地にあったが、明治9年、上
野動物園が出来た時、現在地に移った。
鹿鳴館時代をしのび、眼下に不忍池。上野にも、いいところが残っている。
夕方、知り合ったばかりの永田町の住人と例の「くはら」で一杯。勉強になることば
かり。
女将の報告。「昨日、たまちゃんが井崎脩五郎さんと一緒に来た」。井崎さん、その
後、テレビ局に行ったようだが、かなり飲んでいたというから心配だ。井崎先生、相変
わらず。呼んでくれれば、よかったのに。
途中に浅草観音裏の「ひまわり」から「店の中の桜が満開なので来てくれ」との陳情
。原稿が詰まっているので、ちょっと無理だ。
深夜、原稿。月刊「自由民主」連載「シリーズ・日本国の参謀」を読む。川島正次郎
の巻。岸内閣の幹事長だった「おとぼけ正次郎」。大学卒業後、内務官僚になった彼は
、東京日日新聞(現毎日新聞)の記者になり、その後、東京市の商工課長になる。その
後、多摩川水力電気会社の専務になり、代議士を目指す。初挑戦、33歳。代わり身が
すばしっこい。
2代目、3代目の今の政治家センセイとは、大分、違う。
怪情報。森さんがノルウェー国王の答礼レセプションを欠席して、赤坂の寿司屋で派
閥の夕飯会をしたとの話。やけっぱち? 破れかぶれ? それとも、闇将軍を気取って
いるのかしら。これ、新聞に大きく載るぞ。
午前2時ごろになると、昼間の陽気が嘘のように寒い。
<なんだか分からない今日の名文句>
一寸先は闇(川島さんの言葉)
3月26日(月)小西良太郎さんのパーティ
朝まで雨が残る。東京駅周辺の桜は7分咲き。
午前中は数字を見る野暮用。苦手だ。午後は「おけら街道」執筆。
午後7時、全日空ホテル鳳の間で「小西良太郎さんを声援する会」。会場に行って驚
いた。黒山。参加者2000人。お祝いの花が二重三重に並んでいる。
小西さんはパーティ同様スケールが大きい人物である。
東京生まれの63歳。1956年、19歳で「スポニチ」に入社。草分けの音楽担当
記者としてテレビ時代を風のように突っ走った。40余年「スポニチ」一筋。特ダネに
次ぐ特ダネ。昨年6月退社して、フリーの雑文家、音楽プロデュサーとして一人歩きを
始めた。夕刊フジ連載の「男たちの流行歌(はやりうた)」は芸能界の裏話満載で話題
を呼んでいる。(産経新聞刊「女たちの流行歌」は発売中)
と、書けば「新聞記者出身の売れっ子フリーライター」と思われそうだが、小西さ
んはそんな型にはまった人物ではない。
ドンなのだ。
僕は25年ほど前に面識を得た。事件記者として警視庁暮らしが5年間。「夜打ち朝
がけ」で身体がボロボロになった当方に当時の毎日新聞・牧内節男社会部長は「しばら
く好きなことをやれ」と言ってくれた。
考えて「芸能界を取材したい」と申し出た。警視庁で暴力団を取材していたので、暴
力団と付きあいのある芸能界に強い関心を持っていたのだ。
牧内さんからOKをもらったのは良いが、どこから、手をつけていいのか、分からな
い。
僕の取材手法の一つに「親分に聞け」というのがある。(その他に「赤ちゃんに聞け
」とか「天に聞け、地に聞け」という手法もあるけれど)「芸能界のドンは誰?」と聞
き歩けば「それは小西さんだろう」と答えが複数の人から帰ってきた。
「小西?」「現役の新聞記者だよ」「新聞記者がドン?」意外だった。
お会いすると30代後半の精悍だが、愛想のいい人だった。名刺を見ると「スポニチ
文化部長」。そんなに若い部長がいるのか。これも意外だった。
趣旨を説明すると「協力します」と快く答える。その日のうちに彼は「芸能界相関図
」みたいなものを教えてくれた。懇切丁寧である。
新聞記者同士。ある意味ではライバル。そんなに簡単に大事なことを教えていいのか
、と戸惑ったぐらいだった。無類の世話好きなのかも知れない。
彼が紹介した人物は、必ず僕に会い、取材に応じてくれた。
大晦日。毎年、紅白歌合戦が終わると、主だった芸能プロの社長が小西邸に集まって
くる。僕もその仲間に入れてもらったのだが、それほど、業界に信頼された記者がいる
のか。僕の頭では、理解できなかった。
僕は小西さんの協力で「芸能界裏の裏の裏」を社会面で連載した。一般紙が芸能界を
社会面で書くのは始めてだったので、話題になった。単行本にもなった。僕の出世作、
と言っていいだろう。
縁は異な物、味な物。牧内社会部長が後年、スポニチの社長になる。ある日「牧、ス
ポニチの天下一の編集局長を作りたいんだ。人材はいるか?」と聞かれた。「それは小
西良太郎以外ない」と僕は即座に答えた。
牧内さんは「小西?アレは飛ばされて、もう別会社にいるんじゃないか」と怪訝そう
だった。
その小西さんのパーティ。乾杯の音頭は牧内さんだった。
「何で飛ばされていたのか、石井さん(多分、スポニチも人だろう)に聞くと、社内
で、この新曲のプレス枚数を芸能プロの人間と決めたり、アルバイトばかりしている。
とても新聞記者とは思えない。という意見が社内に強く、それが原因で飛ばされた、と
いう。私は新聞記者はどんどんアルバイトをする方がいい、と思うような男なので、そ
のくらいの方がいい、と本社に戻した」と挨拶した。会場、大爆笑だった。
「牧内ー小西コンビ」でスポニチ部数は100万部を越えた。小西さんは常務になっ
た。(社長は毎日から来るのでプロパーとすれば最高のポストである)
小西さんは、涙ぐんで挨拶した。「ボーヤあがりの僕を、多くの人が応援してくれた
。今更ながら体をちぢめて恐縮している」。
「ボーヤ」と言うのはアルバイトの事務補助員のことである。
挨拶の途中で水割りを飲んで「緊張しているので、飲まないと……」とはにかんだ。
パーティで挨拶するのは得意なのだが、自分のパーティは最初で最後。上がっているの
だろう。
後輩の編集局長を紹介して、彼は挨拶を終えた。最後までスポニチを愛している。
高卒の事務補助員がスポニチ正社員になり、日本一のスポーツ新聞にした。素晴らし
いドラマではないか。
友人代表は阿久悠、久世光彦、北島三郎……会場には水前寺清子、大月みやこ……。
会場で20数年ぶりにホリプロの堀威夫会長に会った。うれしかった。業界の「負の
部分」を書いた当方を覚えていてくれた。しかも好意的に覚えていてくれた。
久ぶりに会う大下英治は「こんど石原慎太郎の本を出す」と意気軒昂。星野哲郎先生
は「激励する詩を書いたけれど、年ですねえ、やさしい詩が書きたい」としんみり話し
てくれる。
義理で集まった人は一人としていない。ほのぼのとしている。多分、何かで助けても
らった人間ばかりなのだろう。
小西さんに「おめでとうございます」と挨拶すると「これ、俺の葬式だよ」と照れて
いた。
<なんだか分からない今日の名文句>
酔々独歩(小西さんの好きな言葉)
3月25日(日) 「辞めろ!勝手連」はいかが
土曜日(24日)の朝日新聞の朝刊トップは「中選挙区復活で自公一致」。いよいよ、自民党は公明党の言いなりになるのか。
創価学会の池田さんと野中さんが密談した、という噂は永田町に根強く流れている。危機感の自民、危機感の公明、危機感の保守(第二自民党)……はなりふりかまわず密室の談合、また談合。こんなことしていいのかしら。
日曜日、朝飯前に日本看護協会の雑誌「コミュニティケア」の原稿。江戸時代、半職業的仲人集団を「慶庵」と読んだ。お医者さんの名前である。人脈豊富、インテリ、地域の信望……町医者には仲人機能にふさわしい資格があった。が、彼らは、いつの日か、地域の指導者でなくなった。その理由は?といった話を書く。
朝飯を食べながら、テレビ朝日のサンデープロジェクト。野田聖子副幹事長が登場。観察するに迫力なし。続いて登場した田中康夫さんは流石。マスコミの後進性を痛烈に皮肉ってくれる。
何しろ、自民党よりも、公明党よりも、マスコミは古い。特に大新聞は古い。改革の中身ではなく、改革の段取りにいちゃもんを付ける。それはそれで意味はあるが、場合によっては「改革の先見性」に水をかけることもなりかねない。「根回しを忘れた知事」と型通りに批判すればそれで良し、と思っているとしたら、多いなる勘違いだ。
田中さん、支持者の田原さんの前に(知事選に出ろ、と挑発したのは田原さん)リラックス。ちょっと形勢不利と見ると「扇さんに地震の情報が届いたのは、一時間以上も経ってからだ」と裏話を用意して、関心をそらす。コイツ、やりやがる。
田中長野県知事のサンプロ登場は千葉県知事選に微妙に影響するかもしれない。
サンプロの後半は「日産のKさん」の話。面白いが、これは高等パブリシティ? テ
レビは代理店が作る?
午後、野暮用で三多摩。咲き始めた桜が雨で散っている。もくれんの花は開き切って、こんどはアメリカンハナミズキ。清楚。
同乗した車のナビで、日本選手権の松戸競輪決勝を見る。稲村・絶好調と見て、稲村−児玉の(1)−(2)に2000円、投じる。的中。8000円ぐらい儲ける。稲村は結婚してから、別人の凄みである。競馬の高松宮記念はパス。
午後7時ごろ瀬戸内地震の余震。まだまだ続きそう。「森さん、地震で続投なんてことありませんか?」と運転席の友人がきつい冗談を言う。
夜のNHKの討論会。テーマは「不良再権処理」をどうするか。あまりテレビに出ない柳沢金融相が本音を堂々と話す。無責任な学者、評論家の言辞にだまされないぞ、という気迫。僕は数少ない柳沢ファン?
千葉県知事選。勝手連の堂本さん、当選。勝手連の勝利。千葉市民は政党に「ノー」と言った。
郡部の自民党支持基盤が投票しなかったのか、投票率は36・88%。勝手連の勝利ではあるが、多くの千葉県民は政治に無関心と見るのが、妥当かもしれない。
勝手連の支持で当選した市民の代表が、果たして、四面楚歌の金権千葉議会で、市民本位の政策を進めることができるか。応援したい。
中央では、遅ればせながら宮沢財務相に不信任案提出の動き。その前に、彼は辞めるべきだ。彼の罪は日記にすでに書いた。
人生、引き時がある。それでも辞めないのなら「やめさせる勝手連」も必要だ。
<なんだか分からない今日の名文句>
勝手、兜の緒を絞める
3月22日(木) それぞれの春
久しぶりにリハビリ。外来患者が入り切れないほどの盛況。冬眠していた老人が、目
を覚ましたような風情だ。
診療カードをなくして、新しいカードを作ってもらう。春ぼけ。暖かい。
手紙、葉書の類、まとめて来た、という感じ。
故永倉萬治さんの奥さんからは「転居のお知らせ」。小説「武蔵野S町物語」の舞
台になったS町で、新しい生活をスタートするとのこと。母校・早稲田大学からは「交
友会費納入のお知らせ」。要するに催促。よく使い道が分からないので、これは無視。
箱根プリンスホテルから「2名様、一泊2食付き20020円のご招待」。題して
「湖畔の花物語・春のさくら物語・宿泊プラン」。次々に格安プランを登場させ、デフ
レを凌いる。鎌倉プリンス時代、某不倫小説の舞台にすることを計画?
大成功をおさめた総支配人の友人は、ここでも奮闘しているようだ。
浅草橋の紳士用品の「林田」社員ご家族ご招待セールご案内」。LeCENT、D
upontなどが40%〜60%OFF。4月5日、6日。
某君、人事移動の通知。出世することは良い事だ。
JRAから競馬運営委員会の持ち回り表決書。
お会いしてない某君から、FAXでヨーロッパ旅情展のお知らせ。等々。きっちり
と読むと、30分あまりかかる。
メールには、例の原子力発電CMに関する意見。掲示版の書き込みとは、幾分、傾
向が違う。
いずれにしても関心高し。総じて、原子力発電には、信頼性を持てない、というの
が、多数のような気がする。
としたら、どうすればいいのか。中に「唐突な問題提起」をいう指摘もあるが、こ
の問題、日本人得意の先延ばしで、いいのか。
競馬ロマンを書いている最中に、早稲田の同級生K君がやってくる。6,7年ぶり。
大手出版社に勤めるK君「何か文庫になるような原稿はないか?」
うれしい申し出ではないか。
旧交をあたため、近くの日本料理「都」で一杯。カラオケを唄うと言うので、浅草
観音裏の「ひまわり」。歌手・白川桔梗さんと落ち合って、K君は「津軽海峡冬景色」、
僕は「浪花恋しぐれ」、もちろん、桔梗さんは新曲「酒季の詩」。盛り上がる。
「ひまわり」は本物の桜の木を福島県から取り寄せて、23日から「桜まつり」。
一足はやくお花見をする。
春。いろいろなことが始動している。
<なんだか分からない今日の名文句>
三月は去られ月
3月21日(水) 慎太郎に江戸っ子が抗議?
午前、午後、たてつづけに野暮用。決算期、人事異動期は神経がすり減る。
まとまった原稿を書く力もなく。精々、資料整理。
任期の折り返し点の石原慎太郎知事が、いろいろなところで色々な話をしている。彼
の場合、暴言も魅力。観客を大いに喜ばせてくれるが、ちょっと聞き捨てならぬ台詞も
ある。
「京都とか、奈良とか、大阪とかいうと土着性の強い、それなりに成熟した文化を持
っているところだけど、東京はだいたい流れ者が吹きだまっているところだから、本当
にいい下町に対する愛着ってのはあるようでないんじゃねえか」
“流れ者の文化”には一理ある。が、学術的に厳密さに欠けるようにも思う。
江戸っ子が今も守っている文化と、流れ者・東京人の文化は明らかに違う。
1770年代に生まれた言葉「江戸っ子」。江戸っ子気質は次の5つの特徴を持って
いる。
@江戸城近くに生まれ、水道の水で産湯をつかった
A金ばなれがよく、けちけちしない
B乳母日傘の高級な育ち
C日本橋のような江戸中央部の生っ粋のはえぬき
D「いき」と「はり」を本領とする
この江戸っ子気質が江戸文化を作り、育てた。
実は1600年代から、江戸には地方武士、地方からの出店である江戸店(えどだな
)従業員、臨時の出稼ぎが多数、地方から移り住んでいた。しかし、彼らは地方色のま
まで、江戸化されなかった。言葉、生活様式、全てにおいてである。
1600年代では、土着の人間と地方出身の人間の相違はそれほど顕在化しなかった
。が、江戸中心部に初期から定住した“根生い(ねおい)の住民”は約150年ほど経
ってから、地方出身者とは違う明確な人間像を構築する。
これが江戸っ子である。この言葉が始めて登場したのは1771年(明和8年)の川
柳「江戸っ子のわらじをくらんがした」である。(西山松之助・東京教育大名誉教授の
説)
江戸には「江戸っ子」と「反江戸っ子」が混在した。その頃、江戸に生活したか
らと言って、必ずしも「江戸っ子」とは限らない。(幕末期には地方に旅行した人間が
「こちとら、江戸っ子だ」と空威張りするケースが多かった。が、それは単なる自称に
過ぎない)
江戸っ子は日本橋(魚河岸)、神田、蔵前、木場、新川、霊岸島などの下町を
生活拠点にする根生いの人々であった。 商人、職人だった。武士ではない。「ひ
」と「し」の発音が区別できない人々だった。
江戸っ子はその経済力を背景に歌舞伎、浮世絵、川柳、洒落本、廊遊び、花見、月見
、雪見、花火、納涼船遊び……絢爛たる文化を次々に作った。
江戸の文化は、流れ者が作った文化では断じてない。
根生いの住民の文化である。
その文化に愛着を持つ人は確かに少数だが、現在も存在する。僕は多分、その一人だと
思っている。
石原さんは古い東京を破壊して、新しい東京を作ろうとしているんだろう。が、東京
に成熟した文化がない、と言うのはおかしい。
石原流の改革にはおおむね賛成だが、上手に変えてもらいたい。東京には、まだ「江
戸っ子という少数民族」が存在する。
野暮用が続いたので、ストレスが一杯。昔なら酒に逃げるところだが、それも出来ず
、夕方、床屋。さっぱりしたところで、権太楼が出るというので浅草演芸ホール。彼は
「押す芸」。強引に押して押して、軽く引く。
それが「間」が聞きたかったが、何と彼の出番は仲入り前。1500円の割引で、2
時間楽しもうというファンには見せないと言うのが、合点がいかない。
仕事を終わって、ヒイキの芸を見る時間は、7時以降だ。せめて、「イチ押し」の芸
人は8時以降に上がってもらいたかった。
トリは安定性の文朝。終わって「ヨシカミ」でビーフシチュー。
かなり遅くなって帰宅。掲示版をのぞく。思った通り「原子発電のCM」に関する書
き込みラッシュ。うれしい。
たまには、決まったテーマを皆で考えるのも、ホームページの“役目”と思い、呼び
かけた「原子力発電CMは是か否か」の意見募集。
昨日(20日)の日記でかなり刺激的な表現で、皆の意見を求めた。僕は「原子力と
人間はどう付き合うか」が21世紀初頭の大きなテーマ、と考えている。
日本人は原子力発電に対して曖昧過ぎる。
多くの日本人は、本当に原子力発電が危険だ、と思っているのだろうか。そう思って
いるのなら、即行動に移さなければならない。
逆に、日本人は「本当に安全だ」と思っているのか。だとしたら、胸を張ってプルサ
ーマル計画を押し進めるべきである。
危険なのか、安全なのか、分からなければ、分かるようにしなければならない。
学んで、国民的なコンセンサスを作らなければならない、と思う。この努力を放置す
ると、取り返しの付かないことになる。
沖縄の基地問題と同じように、多分、東京人は「事故が起こるかもしれないが、まず
、東京は大丈夫」とタカをくくっている。地域エゴで済まされるものを感じる。
皆が原子力発電を学ばねばならない、と思う。正確な知識が求められねばならない、
と思う。ありとあらゆる情報の開示が必要だと思う。
新聞、テレビ、ラジオは報道、企画記事、特集番組、CMでこの問題を取り上げるべ
きだ。
そのために、メディアはもっと多くの信頼出来る専門記者を育てなければならない。
世の中、全体がこの問題に取り組むべきだ、と考える。このままでは日本は国際的に
も孤立することにもなる。
このテーマ、もう少し、議論を展開して欲しい。
上野の山に、おっちょこちょいの桜、一部、開花。
落語のネタも花一色。天気予報は?と聞けば花粉症。今日は暖かだった。
<なんだか分からない今日の名文句>
この山は カゼを引いたか ハナばかり
3月20日(火) 原子力のラジオCM
1995年3月20日、地下鉄サリン事件。あれからもう6年。七回忌である。
オウム裁判は遅々として進まず、事件は風化しようとしている。社会に復帰できない信者を迎え入れる行為は福祉の範疇に入っているのだが、果たして、彼らのマインドコントロールは解けたのか。これが、最大のネックである。
事件が起こった午前8時、デスクの前で一人、黙祷する。
最近、バックに野鳥達の声が聞こえる、ちょっと変ったラジオCMが流れている。
女性 気持ちいい…。この自然、いつもまでも残したいわ…。
男性 そうですよね。
女性 うん。でも地球温暖化とか問題になっているし…。
男性 そこで電力会社では、CO2排出量の削減のため積極的
な努力を続けています。
女性 例えば?
男性 発電の際、CO2を排出しない原子力発電の導入などに
より、この30年間で、日本の電力消費量は、およそ3
倍に増加しましたが、発電に伴うCO2の排出量は2倍
しか増えていません。
女性 がんばってるじゃん。うん?あなたは?
男性 21世紀の電力を考える、電気事業連合会です。
と言った具合だ。
これ、土曜日朝、TBSラジオ「中村尚登ニュースプラザ」で流れる原子力発電のCM。
テーマは地球環境問題。国連環境開発会議の気候変動枠組条約で、日本は2008年から2012年までの間に、CO2を1990年のレベルより6%削減することが義務づけられている。
電力各社は地球環境を守るため、CO2を排出しない原子力発電を利用しています、というPRである。
もちろん、原子力発電の必要性は環境の問題だけではない。その必要性は日本のエネルギー自給率に起因している。
イギリスのエネルギーの自給率は118%、中国99.8%、北米89.3%、日本は20.8%。「エネルギーの自立」を考えれば、原子力は不可欠だ、というのが10電力で組織する電気事業連合会の主張である。
彼らは、これまで「何故、原子力発電が必要か」「だから原子力発電は安全なのだ」という情報をCMの形で発信しようと努めて来た。
ところがテレビ、ラジオ局によっては「原子力発電のそのもののCMはまかりならん」という姿勢を続けている。
理由はいかにも曖昧である。「視聴者に原子力アレルギーがあるから」というのが、テレビ・ラジオ局の立場らしい。
もし原子力発電が本当に危険だ、と言うのなら、報道機関であるテレビ・ラジオ局は、原子力廃止を主張すべきだ。とても「アレルギー」といった程度の問題ではない。
その点を質すと、テレビ局は「まず安全だとは思っている。かと言って100%、安全だとも思っていない」と答える。そうかも知れない。国民の多くがそう思っているのかも知れない。
だとすれば、むしろ電力会社の説明を聞くことが、まず必要である。
僕は柏崎に2回、福島に1回、六ヶ所村に1回、原子力発電施設を見学した。
この問題はつねに安全性に疑問を持ち続け、取材を繰り返さなければならない種類のテーマである。
その度に僕の場合は「安全」を信じる結果になった。それは、原子力発電の現場で働いている人々、何よりも安全性を気にしている人々、命がかかっている人々が安全性を信じていることと無縁ではない。
市民は出来れば、原子力の現場を見るべきだ。その上で、原子力発電に関する国民的なコンセンサスを形成する道を模索すべきだ。(もちろん、原子力発電を徐々になくそう、というコンセンサスもあるだろう)
テレビ・ラジオ局は原子力発電CMを放送すべきである。その上で国民的合意をどうするか、議論すべきだ。テレビ、ラジオ局が「原子力発電を理解してもらおう」と電力各社が用意するCMを拒否し続ける現状は理解できない。
電力各社はしかたなく「電力の使いすぎに注意しましょう」的なCMを流して、お茶を濁している。「商品を買わないで下さい」とお願いする奇妙なCMである。
この状態をオカシイと考える人々がテレビ・ラジオ・広告業界に出て来た。
「原発反対の特定なグループが原子力発電のCMを流すとテレビ・ラジオ局に抗議にくる。これが面倒臭いので、放送を拒否しているのではないか」という疑問が出された。まさか、とは思う。
放送の一つの現場で「本音の原子力CM」が流してみよう、という気運が生まれた。
この「中村尚登ニュースプラザ」という番組には日曜日朝、参加している。そんな関係から、仲間から「新しく制作した原子力CM」に意見を求められた。
彼らは世間が、このCMがどう受けとめられるか、見極めようとしている。
あるいは、これは冒険かも知れない。
テレビ・ラジオ局が原子力発電のCMを放送するべきか。放送するとしたら、どんな内容がふさわしいか。
彼らから「二代目・魁」の読者が、どう考えるか、ぜひ意見を聞きたい、と頼まれた。
以下のメールに率直な意見を送ってくれないか。
ぜひ、お願いしたい。
CM放送の予定はTBSラジオ「中村尚登ニュースプラザ」内、「ニュースズームアップ」土曜日午前7時ごろ。
3月24日のテーマは「高レベル放射性廃棄物」
3月31日のテーマは「プルサーマル」
放送のない地域の方については、必要があればCMのテープを送るとも言っているので、ぜひ協力をお願いしたい。
【メールアドレス】
takeoff@aqua.famille.ne.jp
<なんだか分からない今日の名文句>
石橋を叩いて渡る
3月19日(月) HEROになれるのは柳沢さん
日銀の金融政策決定会合は予想通り、ゼロ金利復活を決める。
去年8月、ゼロ金利を解除して約7ヶ月後の方向転換。あの時、堺屋経済企画庁長官
が「ゼロ金利を今しばらく続けろ!」と主張したが、速水総裁は強引にゼロ金利を解除
した。その結果、デフレスパイラル。日銀は公に「政策の誤り」を認めることになった
。
速水総裁は辞任すべきだ。
歴代の日銀総裁は“バブル経済”を沈静化させるどころか、金融緩和を続け、挙げ句
の果てに高金利に急旋回。ソフトランディングの好機を逸した。そして泥沼のバブル崩
壊。日銀と大蔵省が日本をダメにした。(他にも、日本をダメにした存在はあるけれど
)
にも関わらず、歴代の日銀総裁は責任を取ろうしない。あの人も、この人も、責任の
所在を明らかにしなかった。その間、巷では、バブル崩壊自殺は数知れず。
新聞が自殺の原因を徹底的に調べたら、日銀、大蔵省が負うべき罪を一人背負って死
んだ人が、何人もいるはずである。
民間出身の速水さんは潔く、責任を取ってもらいたい。彼が責任を明らかにすれば「
指導者は責任を取る」というあたりまえの道徳が生まれる。最大の戦犯?宮沢さんも、
辞めてくれるだろう。
情報通によれば、銀行保有株の買い上げ機構設置構想をめぐって、内閣では激論が続
いている。
宮沢さんは「これしかない。良いアイデアだろう」と言っているそうだが、大丈夫だ
ろうか。さすがに、柳沢金融相は「市場原理が問題解決に最も適切な原則だ」と猛反対
している(らしい)。
銀行から株を買い上げて凍結すれば解決になると考えるのは、誤りではないか。非常
に不安だ。
第一次小渕内閣で金融再生委員長として銀行破綻処理に実績を上げた柳沢さん。第2
次改造内閣でも続投すると思われたが、大臣順番待ちの先生が沢山いるので、閣僚の椅
子から退いた。後任は銀行と癒着した越智通雄さん。不良債権処理なんて出来るハズも
ない。 越智さんは、その「癒着」が原因で辞任。その後も、同じテツを踏む。構想改
革が足踏みし、最悪の時点で、再び、柳沢さんは金融相になった。
あの時、柳沢さんが続投すれば不良債権はある程度、処理された、と言う人も多い。
宮沢さんが留任で、柳沢さんが野に下った運命のイタズラ。
彼の思いを代弁すれば「宮沢さん、辞めてくれ!」ではないか。少なくとも「僕は一
生懸命やるけれど、途中で梯子をはずさないでくれ!」という思いだろう。
アジア・ウイーク誌で「アジアのパワフルな政治家」第8位。ビジネス・ウイーク誌
で「アジアの星」に選ばれた、海外から高い評価を受けている柳沢さん。大蔵出身だが
、ニューヨーク領事を長く勤め、国際性は十分である。
政界入りは田中六助官房長官の秘書官を勤めたのが、キッカケ。僕の嫌いな「東大卒
」だが、頭は柔らかい。
彼を総理大臣にしたらどうだろうか。
世界は柳沢総理大臣で「日本の強い意志」を感じ取り、納得し、協力する。
柳沢さんは地味だ。冷徹に不良債権処理に猛進するだろう。三和銀行、東海銀行、東
洋信託銀行のグループが赤字を出しても不良債権処理を早めると発表した。これは柳沢
さんの意向に応えたものだ。株が下げ止まったのは、この柳沢采配による「不良債権処
理スピードアップ」の発表があったからだ。
政策で総理を選ぶなら柳沢さん。
何故、彼が総理候補に選ばれないのか。それは彼が派閥を作っていないからだ。金を
ばらまいていないからだ。
旧態依然として派閥力学だけで報道するマスコミが、政策で指導者を選ばないからだ
。
夜、フジテレビ「HERO」を見る。最終回。キムタク検事の勧善懲悪。共感出来
る。めちゃくちゃ面白いドラマだった。
珊瑚礁の石垣島で第2弾!
待ってるぜ。
<なんだか分からない今日の名文句>
時には数より、知恵。数より、男前。
3月18日(日) 自民党と朝日の“55年体制”
図書館で一週間分の週刊誌、夕刊紙にザッと目を通す。自動販売機のコーヒーを飲ん
だりして……ゆったりしたもんだ。
20日が旗日で夕刊がない。従って、今週の「ここだけの話」はお休み。ゆったりで
きる。
週刊文春のお気に入りコラム「ホリイのずんずん調査」。289回「全国紙朝刊の一
面コラムの違い」は、ちょっとどうかな、と思う。
一週間分の一面コラムを調べて「最後の一文」を集める。「止め」の文句には筆者の
個性が出る。ホリイさん、さすがに目の付けどころが良い。
新聞紙面が「時代」にズレてるところを、それとなく皮肉っているも面白い。
しかし、各紙コラムの寸評には合点が行かぬ。
毎日の余録は「読みやすい。そのぶん、内容も軽そうに思えます」
朝日の天声人語は「まとめて読むとあらためて文章力を感じますね。底力が違う。こ
れが文化の差なんだろうな」。
この評価に、あきれた。確かに10数年前までの天声人語は素晴らしかった。が、今
の天声人語は何を書いているか、まったく分からない。本人は洒落て書いているつもり
だろうが、時には、途中で筆者さえ何を書いているのか、分からなくなっているような
風情である。(誤解だったら、御免)
朝日新聞の“ノレン”で、モノを書いているのだろう。だから、駄文率が極めて高い
。
読者の方も、何を言っているのか分からないけど、分かったフリをしなければなら
ない、と勘違いする。幻の「朝日の権威」を崇めないと、心配で心配で生きていけない
没個性の朝日ファンがいる。
文化の差? ちゃんちゃらおかしい。
(と言っても、天声人語氏は僕のようなチンピラより数段、知識、文章力、何を取っ
ても上。だから批判する立場にはないが、一介の読者の正直な感想を述べれば)今の天
声人語は「余録」の足元にも及ばない。
「余録」は絶品である。モノの本質を捕らえた上で、分かりやすく書く。その妙技。
バランス感覚絶品。あれほど分かりやすく、毎日、毎日「時代」を書き留めるのは神業
だ。これは毎日人の誇りである。
「ホリイのずんずん調査」の堀井憲一郎さんには、常々、力量を感じてはいるが、今
回の作品は納得できない。ひょっとして、彼は 時代遅れの朝日文化人なのか。はたま
た、天声人語なんかに何の興味もなく、ほとんど読んでないので、とりあえず「天下の
朝日」に敬意を表しただけなのか。
まあ、好みの問題だから、これ以上は言うつもりもないが、老舗の味が「とても食え
ない!」ってこともある。
「これが、名代の豆腐料理? まずい。メチャクチャまずい」と内心、思いつつ「東
京下町、こだわりの豆腐料理。他には味わえない。これぞ文化」なんて、三流のグルメ
評論家が書く。あの手合いと間違えられても、ホリイさん、つまらないじゃないか。
21世紀ですよ。
朝日と自民党に縁を切らなきゃ、日本は再生出来ない。
陰で天下党に寄り沿いながら、紙面では偽りの「自民党批判」を繰り返す。嗚々、朝
日新聞のエセ・インテリ商法。
朝日の政治面を使って、本来の政治改革を「自民党内の権力抗争」にスリ替え、自民
党以外の政治勢力を無視する世論を巧みに作る自民党。いつものように「自民党にも若
手良識派がいる」式の報道が、やがてやって来るだろう。
自民党と朝日新聞の“55年体制”には反吐が出る。
週刊誌をザッと見てから夕刊紙を一時間。17日の夕刊フジ「小泉純一郎のダイナマ
イト放談」で、小泉さんが面白いことを書いていた。
「2月18日、密かに森さんと会った。この時、森さんは総裁選前倒しをしたい、寝
回しを頼む、と僕に頼んだ」
小泉さんは嘘が言えぬ性分。多分、本当だろう。
僕が日記で「森さん、退陣決意!」と書いたのが2月28日。寝回しが済んだ頃合で
ある。さらに6日後、朝日新聞の自民首脳が明らかにした「森退陣」報道。
時系列で見れば、退陣は元々「森さんの意向」とも取れる。でも、森さんは最後の最
後まで「辞めると言ったわけではない」と言い続ける。
この辺りの真相が知りたい。自民・朝日の“55年体制”の陰謀を探ってみたい。
例の永田町情報通の電話。
「森さんが、相談してくれ!と小泉さんに言った相手は早稲田の先輩・青木さん。要
するにポスト森の主導権は野中さんでなく、青木主導でやって欲しい、というのが森派
の真意」。
ここから一週間は橋本派内の「野中(公明の応援つき)と青木の対決」。次に次に、
野中さんの代わりはタマが、出てくるだろう。自民党的アドバルーン。喧嘩は傍の目に
面白い。
他の政治勢力に、御注意申し上げなければならないのは、この自民党の喧嘩に埋没し
ないように、常に新鮮な発信を続けないと、天下党とマスコミ(毎日新聞も含めて)の
“55年体制”の餌食になる、ということ。
21世紀的手段で、若者に訴える努力をするべきだ。
午後、別の図書館へ。「柳橋物語」の資料集め。
昭和11年頃の日本橋浜町の地図を発見。1戸1戸の所帯主の名前が記録されている
。これは貴重だ。
午後4時過ぎになって、食事を取っていないことに気付く。当然、競馬の時間も忘れ
た。
ゆったりとした日曜。図書館通いも、乙なものだ。
<なんだか分からない今日の名文句>
眼力
3月15日(木) 競馬専門紙の苦闘
最高気温21度。風強し。
野暮用で立ち寄ったJRA城山事務所で、親しい競馬専門記者と世間話。
先週の中山競馬、売上げ前年比91%。「こんなに売れないなんて……理由が分から
ない」とN経済新聞社の某君が嘆く。
僕に言わせれば、売れない原因は全てデフレスパイラル。ライトな競馬ファンは「牛
丼290円のご時世」に1枚500円、1000円の馬券なんて買わない。買えない。
ギャンブルに参加する気がしない。
日本労働党は3年前、デフレスパイラルの様相を指摘している。(この政党がどうい
う組織か分からない。もちろん支持者ではないが、選挙の街頭演説を何度か聞いたこと
がある)かなり的確にデフレスパイラルの流れを予測している。
丁度、その頃、バブル崩壊後も“右肩上がり”の馬券の売上げが大幅にダウンした。
デフレの定義が明確ではなかったので「デフレ」とは表現せず「可処分所得の減少が原
因で売り上げが下がった。競馬が面白くなくなった、という訳ではない」という記事を
書いた。ギャンブルは不況には強いが、デフレ現象にはメチャ弱い。
経済の専門家は恐る恐る「デフレの心配」を述べてはいたが、この声は小さかった。
その頃、小渕内閣の宮沢蔵相は「デフレなんてことはない」と断言していた。
それがゼロ金利を止めた頃から、デフレがより顕著になった。2月20日夕刊「ここ
だけの話」で「デフレの大失政」を書いた。その時でも、僕の周囲でも(掲示版の仲間
からも)「デフレじゃあいけないのか?」という意見が出た。
大部分の日本人はデフレを経験してないから、理解できないが、マクロ経済の立場か
ら見れば、デフレの螺旋階段の行く先は暗黒である。縮小再生産の行きつく先は限りな
くゼロに近い暗黒である。
その恐ろしさを知れば知るほど、人々はギャンブルに手を出したいとは思わない。
「馬券の売上げが落ちれば、新聞も売れない?」と聞くと「専門紙は深刻ですよ」と
夕刊紙の某君。
専門紙は売れない。スポーツ新聞の情報で十分だ、と考えるファンは多い。スポーツ
紙は130円。専門紙は410円。
札幌競馬場で某君が見た光景。4人組の若者は一人がスポーツ新聞を持ち、残りの3
人はそのコピーを持っている。もちろん、専門紙を持つ者はいなかった。
ネットの普及でJRA−VANを利用して「自分だけの予想新聞」を作る若者もいる
。
デフレとインターネットに挟まれた専門紙の経営者が「新聞を止め、印刷屋になる
か」と悲鳴を上げる。無理もない。
専門紙の大手、競馬ブックは月300円の会費で、WEB競馬を始めた。情報をネッ
トで売る。しかし、本業の新聞は、さらに売れなくなるのではないか。
タコが自らの足を食うようなものだ。
しかし、この活字メディアの苦悩は、やがて一般紙にもやって来るだろう。読売にも
、朝日にも来る。何で新聞は生き延びるのか。
ただ、言えることはバランスの取れた良質の新聞は、中身で勝てる。良質な特ダネ、
良質な解説、宇宙的規模の事業。インターネットが普及すればするほど、信頼出来る情
報が求められる。だから、良質の情報産業を生き残る。
ただ部数を伸ばせば良い、と無理な押し売りで1000万部を誇っていた新聞は、も
っとピンチに陥るだろう。
前面安で始まった東京株式市場。日経平均1万1500円を割り込んだ時点で、宮沢
さん、政府保証の「民間株式買い上げ機構」を発表。大丈夫か。
資本主義よ、さようなら、ではないか。
株価、この発言の前後に持ち直す。しかし、株価が一時持ち直したのは、三和銀行、
東洋信託銀行などUFJグループが不良債権処理額を増やす、と発表したことに市場が
好感したのだ。
午後、野暮用で東京を離れる。
<なんだか分からない今日の名文句>
君は修羅場を知っているか
3月14日(水) ストレスフルな毎日
気温15度。タクシーの車窓から八重桜を見る。
春。
だが、午前中から野暮用の連続。ストレスフルである。相談事も大部分が不景気と
関連するから、良い知恵が浮かばない。
午後、会社の廊下で斎藤明社長とすれ違い、立ち話。話題は例の外交機密費である。
斎藤さんは、この不祥事を機に誕生した「外務省機能改革会議」のメンバー。「今
日も、今まで会議をしていたんだ」とエネルギッシュに話す。
毎日新聞の社内では「社長が何故、委員になったのか?」と疑問視する向きもある
が、多分、今の大手メディアの中では、彼のように海外取材豊富なジャーナリストは何
人もいない。有識者を選ぶとなると、どうしても「毎日の斎藤さん」ということになる
のだろう。
会議の方向性を“取材”すると「透明性をどう確保するか。外務官僚の交際費と機
密費を分け、公表できるものと出来ないものを分ける。例えば、外交交渉で必要なワイ
ンは堂々と請求すればいい」。
僕は税金を使ったものは、機密費でも交際費でも、人件費でも全て公表すべきだ、
と言う考え。スパイに使った金でも10年後、20年後に公表するシステムを作るべき
だ。
「今後、君のような意見も出るだろう」と斎藤さん。
4月末までに改革案が出来るようだが、外務省の言いなりになっては困る。斎藤社
長には、頑張ってもらいたい。
夕方、別の野暮用。意志の疎通がチグハグで、誤解が誤解を生む。ストレスフル。
夕刊を見ると宮沢批判が噴出。81歳の宮沢さんをいじめたくないが、このままで
は、どうしようもない。
森内閣の大臣の年齢を見ると、一番、若い町村さんでも1944年10月17日生
まれの56歳。僕より全員年上。保守的になって当然?
夜。ビールを飲みながら雑誌類を精読?
「東京消防」(財団法人・東京消防協会発行)で必ず読むのは「消防科学研究所サ
イエンススポット」。
3月号は「睡眠について」。
成人の睡眠はレム睡眠(急速眼球運動を伴う睡眠)とノンレム睡眠に大別され、更
に、ノンレム睡眠は浅い睡眠段階のステージ1から、深い睡眠段階のステージ4に分け
られる。
人間は一晩に約90分のサイクルで深い睡眠と浅い睡眠やレム睡眠を繰り返す。
ポリグラフを見ると、睡眠の深さは脳波の働きと関係する。深い眠りをどう確保するか。
これが問題。
まあ、どうでもいいか。ストレスフルの日は早く寝るに限る。
<なんだか分からない今日の名文句>
思案の尽いたら 寝るにかぎる
3月13日(火) 1年後、森IT担当相(笑)
未明、雪、ちらちら。陽がさすと今度は突風。
午前中、テレビ東京やCSテレビで株価の動きを見る。一時、1万1700円台。株
安世界連鎖。
宅配便で友人から「根岸・竹隆庵岡埜 こヾめ大福」が届く。寛永年間に音無川のほ
とりの茶屋が売り出して人気の大福。デカさにかけてはお江戸一?
うまい。2つ、食う。
野暮用の大先輩と昼めし。二人とも「暴落の気配」を肌で感じているので、どうも元
気がない。
「宮沢さんは相変わらずの他人事」と大先輩は嘆く。
以下、大先輩の言い分。
亡くなった角さんは「通弁みたいな男に権力を預けると大変なことになる」と常々言
っていた。英語が出来れば頭が良い、東大卒なら頭が良い、大蔵官僚は頭が良い、と考
えるのが日本人の悪い癖。ウヌボレ屋の通弁野郎を信じて「権力者」にしたのが日本人
のドジだ。
「通弁コンプレックス」「東大・大蔵官僚コンプレックス」が昂じて、日本人の「人
間を見る目」が霞んだ。
この大先輩の意見が正しいかどうか。分からない。
しかし、大蔵大臣、総理大臣時代に何度も失政を繰り返した男がまた「権力」に帰り
咲き、その挙げ句、無為無策。
株安に「こんなことは、前から知っていた」と平気で宣う。無能の上に“もうろく”
。ああ、やるせない。
大体、首相経験者の宮沢さんが大臣になったばっかりに、首相時代、経済政策で失敗
したニヤケの橋龍さんも大臣になりたがり(本当は首相になりたがり)、漏れ聞くとこ
ろでは、森さんも1年後のIT担当大臣を狙っている。情報では、森さんは「IT戦略
の形を作りたい」と最後まで主張。新5役に「これは、首相を辞めても、ひき続いて森
主導で出来る」と励まされた。
勘違いの森のお粗末。目指すは石川県のドン、IT公共事業のドン?
首相経験者が恥ずかしくもなく「既得権」にしがみつく。名誉をひけらかす。情けな
い。
「若手登用!」と常々、叫ぶ大新聞が「宮沢さん、即時辞任!」と主張しないのは何
故か。東大卒、海外特派員経験者が新聞社の重役を占めているのと関係があるのか。
さすがに毎日新聞も明日(14日)の社説で「宮沢財務相の責任」を追及するらしい
。
午後3時、石寒太とアシスタント・中島嬢と「俳句ページ」の打ち合わせ。魁ボラ
ンティアのJr、本間君も加わって約1時間半。面倒なこともあるが、楽しいページに
なりそう。
夕方、春日通り辺りを散歩。風が穏やかになる。
午後8時、副編さん、来訪。修理が終わったモバイルの設定をしてくれる。助かる。
世間話、少々。
電話の通報。何やらオウム関連の記事(特ダネ?)が出るらしいが分からない。
<なんだか分からない今日の名文句>
角栄、死して因果を含める
3月12日(月)法輪功の集団自殺は?
午前4時半、ブルブルしながら原稿。ラーメンの朝飯を食べてから、手紙の類を整理
。送られてきた「完全定期購読制」の雑誌「Decide」3月号の頭巻レポート「中国共産党を永遠に悩ませ続ける『宗教』の呪縛」を読む。
ここで「宗教」と言うのは、気功集団・法輪功のことである。同誌は1月23日に天
安門広場で起こった法輪功信者の集団自殺は、当局による「やらせ」ではないかと、疑
問を投げかけている。
その理由は、
@日本人と比べ中国人は自殺が極端に少ない。これは「抵抗せずに勝つ」という「阿
Q精神」があるからだ。
A自殺者がガソリンをかけ、点火した直後に警官が消火器を持ってかけつけた。
B自殺者は「昇天円満」と叫んだ、と言うけれど、この言葉は法輪功の教義にない。
要するに、当局が行った「法輪功は反社会的集団」キャンペーンの一環ではないか、
というのだ。
一時、インターネットで「やらせ説」が流れたことは知っていたが、理路整然と解説
されると、なるほどと思う。中国には非合法の気功集団が法輪功以外にも多数あるらし
い。共産党の全体主義も好きになれないし、宗教団体の全体主義も嫌いである。(神は信じる。だから宗教は理解できるが、権力になろうとする宗教団体は理解できない、
という意味)。
歴史的経験だが、全体主義と全体主義がぶつかり会うと、決まって悲惨な結果になる
。ちなみに「完全定期購読制」というのは、本屋に置いてない雑誌ということ。「D
ecide」は、ある疑獄事件の取材で20年近く前に知り会った友人が、雑誌「財界
」から独立して、発刊した。
友人には特定のファン(企業?)があり、17年間、過激ではないが、そこそこ「読
み応えある雑誌」を出し続けている。新聞では読めない情報もある。
テレビで国会中継。森さん「ガード下で拾われた赤ん坊のように言われつづけた内閣
」と思わず本音。緊張感まるでない。チラッと見ただけで、あとはうつらうつら。
午後3時、歯医者。
午後4時、例の「一新亭」のオヤジの写真展を見に銀座ニコンサロンに行く。お客さ
ん、20人ぐらいで、一杯である。
「牧さんのホームページの読者も来てくれた」とオヤジさん。掲示版に登場するM
Bさんも、来ている。
「金曜日、一新亭に"ホームページで見た"と行って、島根からお客さんが来たよ」
本当? 島根にも読者がいたのか。感激する。
月に一度の割合で、近くの衣料問屋に仕入れに来るそうで「一新亭」の常連になるか
も知れない。
午後5時、出社。「ここだけの話」のゲラ直し。森内閣の問責決議案は13日になる
らしい。
<なんだか分からない今日の名文句>
唯物か、唯心か
3月11日(日) 問責決議案で国会は死ぬ
朝、気温2度。寒い。
8日の日記で、自民党大会(要するに森さんの退陣表明)が先か、機密費事件の強制
捜査が先か、と書いたら、昨日(10日)に二つとも“ひとまず”解決した。
(最近、知った事だが、読者の中に極めて少数だが、日記はその日が終わると、もう
読めないと思っている人がいる。「編集長ヘッドライン日記バックナンバー」をクリッ
クすれば過去の日記が全て読める。「電話でクリックしろ」と言ったら、マウスを握り
しめ“画面”に叩きつけたという奴もいるので、万一、分からない人は周囲の人に聞い
てくれ)
さて、森さんの事実上の退陣表明に「ひとまず」と書いたのは、更なる混乱を呼ぶ気
配があるからだ。
多分、12日野党は「退陣表明した首相が居座った」と批判して、参議院で問責決議
案を提出する。となるとへんな図式になる。
衆議院内閣不信任案に対して与党反対で否決→野党談合で森降ろし成功→参議院の問
責決議案で与党は「森支持」。
妙な図式だ。これで国会は更に空洞化する。国権の最高機関はいまや「偽りの館」。
ああ、やるせない。
寒いので外に出る気もせずに「ここだけの話」を書く。
政治を「家業」と心得る二代目たちの無力を書く、が気分がもう一つ、乗らない。
午後から競馬中継。中山7レースのラムタラ産駒のカサロスを応援するがドン尻の大
敗。
メインレースのクリスタルC。ライバルのtotoが一等1億円。競馬も万辺権馬券
を出さなくちゃ、と考えるのではないか。そこで穴馬さがし。11番の馬の調教がすこ
ぶる良い。そこで、11番のワイド流しを決意した。
でも、この馬券買い、邪道ではないか。
最後の最後まで悩んで「こんな穴馬、来るハズがない」と見送った11番の馬が3着
に来る。
やんぬる哉。ワイドでも万。
さて朝のTBSラジオで話した「秋山武雄写真展 浦安 青べカの消えた街の詩」。
3月12日から17日まで銀座で開かれる。
例の「一新亭」のオヤジの写真展。銀座へ行ったら、覗いて欲しい。
東京ディズ二ーランドが出来る前の「浦安」は、どんな街だったのか。東京に一番近
い漁師街。山本周五郎の「青ベカ物語」の舞台。青べカとは、一人で漕ぐ小さな「べカ
舟」。周五郎は青ペンキを塗ったべカ舟を舞台回しに使った。そのべカ舟も姿を消した
。
写真にはべカ舟を始め、ひと昔前の東京・千葉が鮮明に写っている。
(銀座ニコンサロン・
東京都中央区銀座5−11−4
TEL(03)3248−3783)
深夜、猛烈な寒さ。雪でも降るのか。
東京の風邪。大流行の兆しはないが、一度かかると長い。2ヶ月もかかっている奴も
いる。
<なんだか分からない今日の名文句>
森のお粗末 国権最高のお粗末
3月8日(木) 党大会が先か、強制捜査が先か
リハビリを早引きして、仕事場で野暮用。約1時間半、激論。疲れた。
夕方、浅草橋の洋食屋「一新亭」に行き、御主人を取材。11日朝のTBSラジオ・中村尚登ニュースプラザ。で、御主人の写真展のことを話したい。色々なことを聞いた。
この辺りは井上ひさしの「浅草鳥越あづま床」の舞台。「あの小説に登場する逸話は
大正軒で話されたこと」と御主人。「大正軒」は現存する床屋のこと。レストランでは
ない。
ご主人の御母堂が「大正軒」の箱入り娘。床屋の「大正軒」から、ハヤシライスの「
一新亭」に嫁に行った。その間100メートル。鳥越神社あたりの下町には「ちょっと
良い話」がゴロゴロ転がっている。
面白い話はラジオで。残った、もっと面白い話は日記に書こう。
疲れた時は、ドトールでケーキセット。
情報通の話では、森さん、今朝9時半ごろ、公明党の冬柴幹事長、保守党の野田幹事
長を官邸に呼び、心境を吐露する。
心境をつなぎ合わせると、福田官房長官の言う「グロテスクな日記」になるので差し
控える。
外交機密費事件。2月11日、TBSラジオで「借り腹疑惑」をスクープ?したが、
明日発売のFRIDAYが「着服機密費は種付け料にも使われていた」という記事を出
すらしい。
遅れているが、まあ、良いか。
事件はようやく強制捜査に入る気配。森さんが事実上、辞意を表明する13日の自民
党大会より、強制捜査が早くなるか、遅くなるか。
機密費を含んだ予算案が通まで、強制捜査を遅らせているが、森時代に片づける方が
いい、という意見もある。
都内某所で行われている、流用男の事実上の取り調べで、警視庁は、ほぼ全容をつか
んだらしい。ただ、本人は「もし、××ということになれば、これ意外でも話すことは
山ほどある」と開き直っている。
もし、事件が「御堀の中」に飛び火したら……何てかんぐる向きもある。
強制捜査が遅れたことに、捜査当局は「男の所在は確認している。まかりまちがって
も、自殺なんて」と言っているそうだが、日本の官僚群が「困ったことをしてくれた」
と頭を抱えていることは事実。流用男のためにも、強制捜査は早いほうがいいに決まっ
ている。
夜、冬に逆戻り。株価、低迷続く。隅田川のホームレス、寒々として動かない。
日本も厳冬、逆戻り。
<なんだか分からない今日の名文句>
霜を履んで 堅氷至る
3月7日(水) 「魚ゆ」の定食
東京専売病院で月に1度の検診。血圧122−75。順調。
混んでいる。いつも薬をもらう整理番号120前後だが、今日は170。風邪が蔓延
している。
売店で朝日新聞を買う。一面トップは「森首相、辞意固める 自民首脳に伝える」。
「首脳」って誰だ。普通「首脳」はトップという意味だから自民党総裁ということ
になる。森首相が森総裁に辞意を伝えたのか。
朝日の記者さんは「そうではない。もう一人の首脳」というのだろう。
「もう一人の首脳」は幹事長という意味か。朝日を読むと政務会長を「政策首脳」と
書いていることもあるから、多分、幹事長のことなのだろう。
そのくらいなら「古賀幹事長」と書けばいいのに。
政治記者は分からないように、分からないように記事を書く。外務省などは「首脳」
ばかりで、何のことか、まるで分からない。
実名を出せないケースもあるとは思う。が、この「自民首脳」という表現、止めよう
じゃないか。彼らは公職。仮名にまでして、守る権利があるとも思えない。
テレビのニュースを見れば、その古賀幹事長は「知らん」。野中「闇首脳」も「知ら
ん」。
森「首脳」は「辞意? オラ、知らん」
病院近く、麻布イースト通りの「魚ゆ」で昼飯。魚屋が昼だけ定食を出す。べらぼう
にうまい。いつも午前11時50分には列が出来る。
外人も来る。近くの糸井重里事務所のメンバーも来る。
うな丼1000円。刺し身盛り合わせ1100円、魚照り焼き800円もうまい。多
分、東京1、2の定食屋だろう。
午後3時、石寒太と「俳句のページ」の打ち合わせ。日本に100以上の俳句ページ
はあるが、ユニークなページにしたいので、知恵を絞る。
スタートは5月14日。乞う、御期待。
夕方、たまちゃんと打ち合わせ。土曜夕刊(これは毎日新聞でもっとも読者の少ない
新聞。だから書いている)「競馬はロマン」を4月から、少し内容を変えることにする
。
時々、突風。株価、森退陣で幾分、値をあげる。
<なんだか分からない今日の名文句>
行く先に的が立つ
3月6日(火) 菅さんのKSD資金210万円
2週間ぶりのリハビリ。
いまや「友達」という感じの運動療法士の伊藤さんが「体調を崩した?」。それはノ
ー。「このところ、政局取材が忙しかった」と言い訳をする。
伊藤さんの方がむしろ、疲れ気味。
「後輩の仲人をするので高知に行ったんだが、天気が目まぐるしく変るんで風邪を引
いた」。朝、快晴。昼、急に寒波がやって来て吹雪。高知ってダイナミックだ。
伊藤さん、某出版社から「リハビリ読本のようなものを書け」と口説かれている。読
者ターゲットをはっきりするのが大切、とアドバイスする。
誰に読ませるか、分からないまま、本を書かせる編集者が結構いるんだ。
しばらく来ないうちに、また新顔の患者さんが増えた。「たいとう診療所繁盛記」の
方がベストセラーになるかも知れない。繁盛の牽引者である彼に、果たして、本を書く
余裕があるか。
近くのビジネスホテルのレストランでハンバーグの昼飯。久しぶりの美味。神田川を見
ながらコーヒー。サラダもついて950円。安いとは言えないが、十分、満足。最近、
この辺り、うまい物と安い物とに二極分解している。
昼飯を終え、世界週報用の原稿。午後3時半歯医者。
4時半、近くの奥さんが刺身、ひじき、芋のスープ、差し入れ。感謝。
5時「二代目魁」ボランティアのJrが相談事。ついでに「試して下さい」と"体に
いい真珠ネックレス"なるものを置いていく。友人の苦心作とのこと。
暖かいので、6時から一時間半、散歩。
昨日の日記で「何党ならいいのか?」と書いたので、夜かかってくる友人の電話は2
件とも「民主党は信頼出来るか?」。
民主党が菅直人幹事長がKSDから210万円分パーティ券をもらっていたことを発
表した。亀井さんが言っていたこと。菅さんとしては、村上さんの「何億というワイロ
」が明るみにしたタイミングを図って公表している。小さな不祥事にするつもり。「新
聞では小さな扱いになるが、やはり痛い」と情報通。
森さんの支持率9%と比べることはまったく意味がないが、野党第1党の民主党の支
持率が15%では低すぎる。市民も、まとまりのない党内の議論に嫌気がさしているの
かも知れない。再三、言うが鳩山さんは「党の顔」ではない。せめて菅さんに変っても
らいたいのだが、彼はどうも脇が甘い。これは困る。
森さんが「後は誰がやるんだ?」と開き直るのは、野党に対する本音?
深夜、朝日新聞が「森首相、退陣決意」のような原稿を用意したとの情報。「二代目
魁」に遅れること6日……なんて言わないが、例のルーシー事件でも、2月11日のヘ
ッドライン日記で明らかにした「謎の手紙」をヒントに朝日新聞は5日朝刊で「ルーシ
ー筆跡メモ押収」をスクープしている。
朝日の記者が「二代目魁」を注視しているとすれば、これもまた光栄である。
生意気を言わせてもらえば、こちらは「森退陣」を前提に「ふさわしい新政治勢力」
について論議している。
ホームページは小回りが利く。
ちょっと、気になるニュース。「中国国防費17%増」。少し、ドタバタの内政に気
を取られ、外交的関心が薄れているのが心配だ。
<なんだか分からない今日の名文句>
悪い夢は早く話せ
3月5日(月) …なら、何党が良いのだ?
朝、野暮用中の野暮用。貧乏人のもとに、銀行の方がいらっしゃる。
正午、ホテル・オークラで日本馬主協会連合会の創立40周年のパーティ。(パソコ
ンでは「ばぬし」と打てば「馬主」と出るが、これは「うまぬし」と読むのが正しいら
しい)
連合会の小紫芳夫会長と僕は、競馬運営委員会のメンバー。「うまぬし」代表の小紫
さんと、ファン代表を任ずる僕とでは意見が合わない。周囲は「犬猿の仲」と見ている
ようだが、お祝いの席なので出席した。
「馬がいなけりゃ競馬は出来ない」と言うのが彼の言い分。それも事実だが、ファン
がいなけりゃ、これは単なる「馬の運動会」。大衆が楽しんでこそ、競馬は文化足り得
る、というのが僕の意見。寺銭を払っているのはファンなんだ。
僕の馬主協会連合会の透明性を求める姿勢は何ら変らない。限られた人間の特権があ
っては、競馬は大衆の娯楽になり得ない。
小紫さん、歌を披露する。
信愛の絆 千載に続かん 弥生の香雲 九天に棚引く 素晴らしい歌だが、この「九
天」という言葉、いろいろな使い方がある。
宇宙の9個の天体、中国の9方位、天上……宮中の異称に使われることもある。
「これ、キミにあげるよ」と彼、この歌を書いた紙をくれた。
午後1時から衆議院で内閣不信任の裁決が行われるというのに、参議院議員とは言え
、現職大臣の片山虎之助さんが挨拶。小紫さんの交際は広い。中曽根前文相の顔も見え
る。
多分「国会村、まるで緊張感なし」の証拠なのだろう。テレビの国会中継を見る
までもなく、ドラマなし。ま、加藤除名で、しばらくもめるかも知れないが……。
モバイルの故障が直ったので、秋葉原に取りに行く。修理代8万1500円。痛い。
夕刻、浅草橋駅のドトールで今日始めてのコーヒー。隣に座った中年の男が突如、「
日本では、誰が総理大臣になっても、メチャクチャに言われる。日刊ゲンダイは誰が総
理になっても、その翌日から一年中、悪口を書いている。誰なら、良いんだ?」と悲憤
こうがいする。
素朴な疑問。「これ、日刊ゲンダイの営業用のポリシーだから」と言いたかったが、
やめた。
クダンの男、当方が話に乗ってこないとしると、相手かまわず、この質問を繰り返す
。若干、木の芽どき?
しかし、誰なら良いのか? 何党なら良いのか?
そう聞かれると、ハタと困る。良質な政治を探すのは至難の業。
夜、山本デスクから6日夕刊の「ここだけの話」の表現について、軟らかなクレーム
。デスクの言われる点、ごもっともで、彼の表現に従う。
"本音コラム"が売り物だが、周囲に迷惑をかけては「本物の物書き」とは言えない
。反省しきり。
<なんだか分からない今日の名文句>
九牛の一毛
3月4日(日) 産経新聞の売り物
金曜日、歯を抜いた。痛かった。
落ち込んで、土曜夕刊の「競馬はロマン」の原稿が大幅に遅れ、締め切りギリギリ
になった。恥ずかしい。
何とか、締め切りには間に合ったが、仲間が穴埋め原稿を用意してくれたので、
ご好意に感謝し、3日夕刊は休載にした。毎日新聞「日曜競馬」の読者には、お詫び申
し上げる。
その夜、帝国ホテルの隣のビル(名前は忘れた)の地下で行われた「新潟会」に遅
れて参加する。昭和45年ごろ、毎日新聞新潟支局で働いていた仲間の会。
社をリタイアされた先輩もいるが、大部分が後輩。出版担当役員、政治部長など要
職を勤めている奴もいる。
やれ、○○支局長はケチだった、やれ××のところへ来たラブレターを□□が“盗
読”した……思い出は尽きない。
とは言え、真面目な毎日新聞のこと。すぐ仕事のことに戻る。
例の教科書騒ぎ。文部科学省で検定作業が進む中で、厄介なことが起こった。「新
しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが執筆陣に加わった「中学歴史教科書」に中国、
韓国が猛烈に反発している。朝日、産経、読売は社説で、それぞれの立場を明らかに
しているが、毎日は、この時点で社説で言及していない。
それほど、短兵急に結論を出すべき問題なのか。総合的に考えると、ことは、そう
簡単ではない。
朝日と読売、産経“連合軍”の立場は、明らかに違う。「朝日は、少し結論を急ぎ
すぎたのではないか」とか「読売の社説は、それこそ、戦争してしまうような響きがあ
る」とか、率直な意見が次々に出る。「今の内閣で、これを捌ききる能力があるか」と
いう意見は、皮肉なことに一致している。
議論は新聞の論説・社説の存在価値にまで発展した。
これでも、意見は分かれた。僕の意見。
かつて「社説を読む人がいるのか」と懐疑的だったが、今はむしろ違う。インター
ネットで情報が入ってくる時代、誰もが発信する時代。むしろ、新聞は「言論機関の仕
事」に重きを置くことになる。総合一般紙は「インターネットのどこに、最新で、信ず
るに足る、奥行きのある情報が存在するか」を丁寧に報道するが、個々の情報収集で競
争することは少なくなる。代わりに、何が、今、市民が考えるべき事柄なのか、を整理
して読者の意見を募り、議論をリードし、新聞社としてスタンスを明確にする。
情報機関と言うより言論機関的な仕事が、より要求されるのではないかーー等々と
話す。少なくともメディアの役割分担は変るはずである。
今朝(4日)、産経は一面のトップで「中国は2日夕、北京駐在の野本臨時大使を
中国外務省に呼び、問題の教科書を不合格にせよ、と正式に要請した」と報じる。「視
点」という解説欄で、同紙は「中国、韓国の外圧、政治介入を毅然として拒否すべきだ」
と書いている。
産経は過激な社論が売り物?
雨で、弥生賞の中山競馬場行きは中止。テレビで観戦すれば、我が怪物・タキオン
君は圧倒的な強さを見せつけたが、相手に選んだミスキャストが3着。残念。
競馬の世界で怪物らしい馬が生まれたのだから、永田町に怪物を求めても良い。で
も、本当のところ「マトモな人物」を探すのがホネ。
掲示板を見ると、新しい顔ぶれの冷徹な意見。勉強になる。正直言って、みんなの
意見を読むと、息苦しい思いになる。今の日本が持つ「止めどない閉塞感」が、掲示板
にも現れているのだろう。
5日は内閣不信任案提出。だが「何か変る」という予感がない。
果たしてドラマは起きるのか。情報は飛びかってはいるが、確証あるものは、現時
点でゼロ。
今週も言う。例の外交機密費の件。予算をあげるまで(今までと同じ機密費が決ま
るまで)強制捜査を控え、世間が忘れるのを待つ、官僚連合軍の策謀か。まだ、流用男
は捕まらない。
メディアは何故、黙っているのか。警察もグル、とサジを投げているのか。
夕方、雨が上がる。
気を取り直して「ここだけの話」執筆。明治開花から130年以上経っても、日
本という国は変らない、と言うような事を書く。
夕食・トン汁。始めてアサヒの発泡酒を飲む。スーパードライと大分、違うような
気がする。
<なんだか分からない今日の名文句>
自民パドックの「相馬眼」
3月1日(木) タキオンは怪物?
朝、また歯が痛い。
歯医者に寄ってから永田町。「野党が内閣不信任案を出して来たら、加藤紘一はど
うするの?」という馬鹿気た話。
「加藤の乱」の時より、森さんの支持率はさらに低下している。あの時「国民に見
捨てられた森内閣と対決する」と大見栄を切った加藤さん。どうする、どうする。
森さんの退陣表明がいつになるか。それを見極めないと、加藤さんも、野党も動
けない。
JRAに寄り、新任の広報部長氏に「僕のHPに、PATのやり方に不満あり、と
いう意見が寄せられた」と知らせる。「勉強します」というとのことである。
仕事場に帰る途中、日比谷公園近くを通ると、東京地方検察庁の前にカメラマンの
砲列。雨の中、ご苦労さんである。
永田町では、村上さんの取り調べはすでに始まっていると聞いたが……庁内に入っ
たのか。写真は撮れたのか。
「武士の情け」でカメラから逃れて、別のところから出頭、というケースもある。
“空振り”に終わると気の毒だ。カメラマンの何人かが、風邪を引くような冷たい雨。
仕事場に戻ると、それより、大きなニュース。日経平均株価がまた下落した。
利下げしても、株価は上がらない。
日銀総裁には「引責辞任」はないのか。バブルを作ったのも、バブル崩壊を作ったの
も、日銀の金融政策。誰の責任か。はっきりさせろ。現在のトップは民間だが、日銀は
事実上の大蔵官僚の支配。彼らは大蔵次官、日銀総裁を歴任して、大変な財をなす。平
気で財をなす。
夜、某料亭のお女将から電話。「今度の選挙では共産党に投票するの。固定資産税
を下げる、と公約しているのは共産党だけよ」。彼女、バブルでビルを建ててしまった。
お客の大蔵官僚の話を鵜呑みにして、ビルを建て、固定資産税に苦しんでいる。
そこに共産党のビラ。「固定資産税の軽減」。共産党はキメ細かい。
自民党は権力闘争(ごっこ)で貧すだけ貧す。
前夜、赤坂で機密費を乱用している自民党が、赤坂からも造反される。今度の都議
選、参議院選挙は大変なことになる。
英国では家畜伝染病で競馬が中止だが、日本はクラシックの足音。4日の弥生賞に
アグネスタキオンが登場する。
この馬、凄い。暮れの「ラジオたんぱ杯」。2000メートル2分00秒8。とも
かく凄いんだ。「怪物、ついに登場」ではないか。あのハイセイコーの弥生賞を思い出
す。
サンデーサイレンスの子供が5頭。どれも良血馬で、良い勝負になるだろう。
日曜日は中山へ行こう!
<なんだか分からない今日の名文句>
馬痩せて毛長く、人貧して智短し
2月28日(水)森さん、退陣決意!
昼。新宿の日本料理「武蔵野」で大先輩3人と会食。
いろいろな話が出たが、まずは映画。「一人勝ちの東宝」に異変。
この正月、東宝は思わぬ苦戦で、関連会社でリストラらしきことが進
行しているとか。
「東宝は冷たいから、一人勝ち出来たんだ」。なるほど。
日本映画は覇気がない。映画界には、今、50歳前後の人材に覇気がない、という
認識で一致。後は人物評。
東北地方に十数軒の小屋を持つ若き興行師。「新しいシステムで観客動員に成果を
上げている」という話。興味がある。
そして、政局。
大先輩の一人が声を潜めて言うには、森さんがS氏に電話をして「どのタイミング
で辞めるか?」を相談している。「新聞の見出しで言えば“森首相、退陣決意”という
ことだろう」。
S氏は例の元陸軍兼海軍参謀。シベリア抑留後、帰国し、某商社のトップに。山崎
豊子の小説のモデルにもなった人物である。
もう一人の大先輩が「まだ、S氏に影響力があるのか?」と聞く。
僕の情報では、昨年、S氏の呼びかけで「森さんを励ます会」が開かれた。例の
「大勲位」も出席している。
危機管理の神様・S氏は、まだ国会近くに事務所を持って、枯れてはいない。ある
いは森さんと直接、会っているかも知れない。
「森さん、S氏に相談」の情報源は、旧陸軍筋と見たが、どうだろうか。
森さんの退陣はすでに時間の問題だが、マスコミは「俺の代わりはいないから、森
さんは居座るつもり」と書いているから、彼が退陣を決意した、となればニュース。
「森さん『○○日退陣』を決意」は“黒抜き横2段凸版”の特ダネかも知れない。
久しぶりの新宿なので、昼下がり、コマ劇場裏の風俗街を一人で散策。風、強し。
国会で村上証人喚問が始まっている頃だが「訴追される事項なので差し控えたい」
で、終わるという話なので特別興味なし。
夕方、内幸町・プレスセンター。ドキュメンタリー映画「夢は時をこえて」の試写会
を見るつもりでいたが、携帯電話で急な野暮用。断念する。
明治政府から、6歳でアメリカに派遣された津田梅子の生涯。ぜひ、見たかったの
だが……。
日記の読者から「野暮用とは何のこと?」と質問を受けるが、要するに「書けない
こと」と理解されたし。
長男一家の風邪、沈静化。安心する。
<なんだか分からない今日の名文句>
政権長ければ、恥多し