編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2001.4月



4月29日(日) 「出会いサイト」の卑しい音

 寝ていると、ジュッと妙な音。もう慣れっこになった「出会いサイト勧誘」の着信音 。実に怪しからん。

 しかも、受けた方が通信料金を支払うケースが多いというのだから、怪しからん。

 眠れなくなって、そのまま起きてしまう。

 外出するとき、突然、携帯の首掛けバンドが切れ、携帯落下。壊れなかったが不吉予 感。

 それでも、野暮用をすまして府中競馬場。近くのコジマで新品のバンドを買う。67 0円。

 その隣のデニーズでカレーオムライス。まあまあ。

 大部分のサークル人が天皇賞の京都に行っているので、知り合いに会わないのが好 都合。ゆっくり馬券検討が出来る。

 それでも数人の知り合いに会う。雑誌社の人、元大臣秘書、久原のママ……来賓席で は、ここでも政界の話が飛び出す。農水省の大臣人事。情報通によれば「橋本派の利権 構造にくさびを打つ人事。山崎派を登用した」。

 天皇賞。予想通り、単勝を1000円買った「星雲スカイ」はどん尻。でも、同枠の 「怒濤」が二着になって馬券的には、まずまずの戦果。(当日の話はスポニチ「おけら 街道」に書くつもり)

 夕方、雨。

 今年のゴールデンウイークは天気がイマイチ。掲示板を見れば、ガンウイークの人も いる。闘病の辛さを感じさせない元気な投書に胸を打たれる。

 深夜、また「出会いサイト」の発信音。GWの孤独を商売にする輩の心根の卑しさ。 情けない。

<なんだか分からない今日の名文句>


他人の褌



4月26日(木) 真紀子の狙いは「S」殺し?

 診療所は足の踏み場もないほどだが、伊藤先生がドイツに視察旅行に行っているので 、どことなく淋しい。

 もうひとりの理学療法士の吉良さんの説明によると、ドイツは「パワーリハビリ」と いう名前の高齢者の“プレ・リハビリ”が盛んだ。現在、傷害を持ってはいないが、将 来、不自由になる可能性が多い「傷害予備軍?」に傷害を持たないようにリハビリする 。

 本来、リハビリは「再生」といった意味だが、それ以前の「生まれたまま」のケアが 必要、という思想だ。

 これは介護保険が導入された我が国の予算運営にも関わること。リハビリ学会の主要 メンバーが揃って、研修に参加しているそうだ。

 リハビリが終わって、上野松坂屋で、倅の誕生日プレゼントを贈る。アトピーなので 綿のシャツ。ついでに紺のジャケットも入れる。気に入らなかったら、俺が着る。

 午後「総合警備」の点検。電話回線を替えたので、警備会社への通報が不安定になっ ているとのこと。22歳の作業員に図を書いて貰って、やっと納得。約40分かかった 。

 浅草で取材。歩く歩く。ドンドン歩く。かつての有名人に会う。全くの初対面。なの に親しくなる。これは「ここだけの話」に書けるぞ。

 仲店通りの裏手「梅園」で、たまらなくなって「栗ぜんざい」。歩いても歩いても太 る。

 仕事場に帰ると、テレビで新閣僚のインタビュー。この日記で、誰よりも早く?「活 字」にした田中真紀子外相が実現した。

 その真紀子さんに記者団から「橋本さんを大差で破った。田中派を割った竹下元首相 の流れを汲む橋本派に仇を取ったとは思わないか?」と質問。「ございません。そんな にウエットではありません」 と彼女、受け流す。

 真紀子さんの本音を代弁すれば「まだ、仇は終わっていない」である。

 いつの間にか、野中さんにすり寄った政治屋「S」に外務官僚は骨抜きにされている 。外務官僚の半分が「S派」である。脅し、すかし、人事で「S」は跋扈している。

 小泉、真紀子政権の当面の狙いは、筋の通らない外交をごり押しする「Sとその一派 」を追放することだ。

 河野前大臣は対ロシア政策で「S闇大臣」に翻弄された。

 その「S」を追放出来なければ、旧経世会に仇を取ったことにはならない。「ウエッ トではない」という言葉の裏には「S殺し」も辞さない心構えが隠されている。

 頑張って貰いたい。

 多分、この辺りの深層を新聞は知ってか、知らぬか、いずれにしても書かないのでは ないか。

 それにしても「代わり映えしない内閣」とコメントする民主党党首。冗談は顔でだけ にしてくれ!  代わり映えしないのは、あなたの方だ。
<なんだか分からない今日の名文句>


一千万といえども吾往かん



4月25日(水) 高島屋の大トロ

  一日中、雨。気温も低い。

 朝刊を見て、毎日新聞一面に森嶋幹夫政治部長の署名入り記事を見つける。良い原稿 だ。仲の良い後輩の出来の良い原稿を見ると、うれしい。

 電話を入れると留守。忙しいのだろう。家に帰れないのかもしれない。

 朝飯の前に「競馬はロマン」執筆。「エンタ」のことを書く。

 朝昼兼帯で焼きそば。

 仕事場から100メートルの石塚稲荷。春の大祭。火防守護として江戸時代から有名 な稲荷だ。

 柳橋のこの辺りは「代地」と呼ばれた。「代替地」という意味である。火事と喧嘩は 江戸の華、と言われた頃、江戸の中心部で火災にあった大名屋敷が、隅田川沿いの埋め 立て地「代地」に引っ越して来た。そこで「代地」。今でも町内会は「代地会」と言わ れる。

 ここまで来て火災に会っては困る。江戸中期、この地に「火防(ひぶせ)の神 様」が必要だった。

 「代地会」の世話役、牛乳屋の井浦さんが、お供えの人参、ナス、かんぴょう、そら 豆などを「食べて下さい」と持って来てくれる。育英小学校の先輩は優しい。

 患者仲間の奥さんが届けてくれた竹の子は、炊き込みご飯にするから、もらいもので 豪華な夕飯になるだろう。

 「柳橋物語」、風邪で中断しているが、溜まった「頼まれ原稿」が幾つもある。もう 少し、待って欲しい。

 午後、原稿書き捲る。そこへ、馬学会から原稿依頼。つい「喜んで書かせてもらいま す」と答えてしまう。

 4時すぎ、四日市競輪の最終レースは「太田真一と高木隆弘で鉄板」という情報があ ったので、CSで観戦。枠複で200円ついたら、勝負しようと思ったが150円。い くら鉄板でも150円では……と思い、車券は買わない。

 その結末は、何と、太田が消えて二万円車券。くわばらくわばら。助かった。

  夕方、小降りになったので、タクシーで高島屋へ。 雨の日はデパートの売場を徘 徊する。これが、雨の日の唯一の運動。

 地下一階で江戸前アナゴの試食。刺身売場で、見るからにおいしそうな大トロ。これ は並のネタではない。

 1460円。安い。宮内庁御用達の高島屋もリーズナブルになったのか。

 ところが、である。レジまで来て、驚いた。

 値札をよく見ると「1万4600円」なのだ。こんなもの、誰が買うんだ! 結局、 650円の「ほっけ」を買い求める。

 右足の怪我。包帯が取れ入浴。刺身こそないが、豪華な食事。久ぶりにワインを少々。

 深夜、僕が主張していた柳沢金融相の留任が決まる。

 前夜(24日)に飛び込んだきた「真紀子さん外相説」。結構、実現性があるらしく 、スポーツ新聞で大々的に報じるらしい。が、果たして、どうだろうか。

 真紀子さんの入閣は森内閣一度は決定したのだが、亀井さんの横やりで実現しなかっ た。小泉さん、うまいポストを探し出せるか。

 消息筋によれば、自民党と公明党との関係、かなり微妙になる。再三、この日記で書 いているが「中曽根さんの意向」を注視せざるを得ない。

<なんだか分からない今日の名文句>


他人の飯を食う



4月24日(火) 鳩山は「改革の面魂」で負ける!

 朝、診療所へ行くと、運動療法士の伊藤先生の顔が見えない。ドイツに研修旅行中と のこと。何となく淋しい。

 「帰って来たら、ドイツ式のリハビリ特訓が始まったりして」と年寄り軍団が冗談。 伊藤さん、何しろ「改革好き」だ。早稲田の学生時代は革マ○派だった。

 「そういえば、小泉さんみたいな顔つきよね」という声もある。やせぎすは改革派?

 ぶくぶくした顔では、革命は出来ない。伊藤先生はやせぎすだ。

 何やら、この数日、小泉さんは「改革イメージ」。自民党は何ら変わっていないのに ……。イメージは怖い。

 仕事場に帰って「おけら街道」を書く。たまちゃんの「新潟直線1000メートルは 素晴らしい」という報告に基づいて書く。

 新潟県新発田の毎日新聞販売店主からの電話。「講演に来てくれないか」とのこと。 ありがたいことだ。僕の話を聞きたいという人がいるだけでうれしい。

 倅から遠い親戚の訃報。参列するか否か。少し悩む。

 昼、そうめんを食べながら、テレビの自民党総裁選。小泉さんと橋本さんの差、ダブ ルスコア。麻生さん、31票は大健闘。

 さて、そこで橋龍の敗因。「面構え」にある。

 ポマードもまずい。人の4倍もポマードを使うのが拙い。ポマード会社は「橋龍が使 っている製品」と分かると売り上げが下がる、と真剣に悩んでいるらしい。

 「僕は頭が良いんだ」と言った嫌みたらしい顔つきが敗因だ。

 新聞はああでもない、こうでもない、ともっともらしく歴史的出来事と書いてはいる が、歴史的なのは「にやけた公家顔」にイエローカードを出した勇気である。

 変な顔つきだ、と思ったら、拒否する。これが真の政治参加の第一歩である。

 もう一人、政治の世界から、姿を消して貰いたい「顔」がある。鳩山さんだ。

 あの顔に「大衆」は分からない。庶民は分からない。市民は分からない。再三、言う ようだが、民主党は「顔」を変えないと、選挙で負ける。

 「改革の面魂」で負ける。

 田中真紀子さんの顔は、けして美人とは思わないし、言ってることも「品の悪い評論 家」程度で、とても支持できないが、面相は「井戸端会議改革の面魂」。時代が、あの 顔を支持している。

 人の思いを一つにする「顔」。野党陣営は「改革の面魂」を探せ!

 夕方、中央線沿線で取材。新宿東口で友人と夕飯。優しい「面魂」が好きだから、長 く付き合える。

 深夜、田中真紀子外相説。田中角栄の娘なら、悪化する日中を正常化できる、という 狙い?

 少し寒くなった。

<なんだか分からない今日の名文句>


駕籠に乗る人、かつぐ人、そのまた草鞋を作る人



4月23日(月) 映画監督は殺された?

 全くの偶然だが、チャンネルを回していて、NHKの「BS歌謡最前線」にぶつかる。

 この日から始まった演歌番組。午前9時半スタートである。この日は山本譲ニ、日 吉ミミらが出演したが、売り物は司会をつとまる小西良太郎さん。例の草分けの音楽記 者である。

 一曲一曲の制作裏話を織り込んで、ヘビーな演歌ファンを取り込む作戦。小西さんは 、この業界のドンだから、飛びきりの話が聞ける。

 その小西さん、放送中「統領」と呼ばれる。頭領とは違う。フランス語のconsul。 統すべき人。放送の中で小西さんは「この業界、センセイばかりで嫌だ、と言った ら、作詞、作曲家の仲間が『それなら統領がいい』と言うことになった」と話した。

 自信に満ちたネーミング。“第一人者”は凄い。

 「センセイ」と言われるほどの馬鹿ではない、という気概。並の「センセイ」ではな い、という自負。大先輩は凄い。

 昼、月刊コミュニティケアの「牧太郎の街角スケッチ」を書く。テーマは「往診の星 」。

 夕方、柳橋の亀清楼。4月、編集局の幹部になった後輩の「昇進祝い」をする。彼、 大変な特ダネ記者。歴史に残るスクープが幾つもある。この剛腕が、編集局の中枢に座 ると、より活気が出る。期待大。

 色々な話が出たが、自殺した映画監督の死因に疑問ーーという話には説得性があった 。

 自殺直前に写真誌が写した「監督と女性」のツーショット。事務所の近くのイタリ ア料理の店で、2人が話し合っている。ここに写っていた女性の身元を調べると、フに 落ちないことが次々に露見する。

 彼は「映画監督は大量な酒を無理矢理、飲まされて、屋上から落とされた。殺人では ないか」と話す。

 警察幹部が「監督は自殺する人間ではない」と断定的に言うが「殺しの決定的な証拠 」がないのも事実である。

 あれから何年経ったのだろう。世の中、闇から闇へ、というケースがたくさんある。  この夜も、ここでは書けないこと。幾つもある。

 二次会は、また観音裏。

 深夜、政界情報。「李登輝問題と総裁選」の関係。情報通は「橋本総理大臣だと、中 国がさらに強硬になる。橋龍は女性問題で中国にしっぽをつかまれているので、身動き が出来なくなる。橋龍でなくって良かった」

   なるほど、こんな見方もあるのか。それにしても、中国公安筋の女性と密接な関係に なった政治家をもう一度、総理大臣にしようとした最強最大派閥。神経を疑る。

 永田町は人事一色らしい。外務大臣は誰になるのか。

 もう一つ、大事なポスト・金融担当相は柳沢伯夫の留任がいいと思うのだが……。

<なんだか分からない今日の名文句>


一と言ったら二と悟れ



4月22日(日) 定年の夢に魘されて

 朝、妙な夢を見て魘された。

 定年の花束を貰った夢である。明日から何をするか、悩んで悩んで、目が覚めた。 真っ暗な孤独感。

 なんで、こんな夢を見るのだろう。寝汗がジワッ。

 自民党総裁選。小泉さん、予備選で地滑り的圧勝。

 4月8日の日記で「橋龍、冗談は顔だけにしてくれ」と書いた。翌日「橋龍さん、 辞めるなら今だ」と書いた。当時、僕の周辺では「橋龍に決まり」と話す記者が多かっ た。

 まだまだ流れを見極める「眼力」では、誰にも負けないゾ。

 小泉さんが、首相になっても、それほどのインパクトはないだろうが、とにかく、 この秋、政界再編は必死。

 大勲位の中曽根さんが小泉さん、石原さん、亀井さんと結びつき、何やら「21世 紀e・メール新党」の結成を策謀しているらしい。

 中曽根さんに定年はない。政治家さんに定年はない。

 午後、TBS「噂の東京……」を見ていたら、中刷り大賞でサンデー毎日が選ばれ る。

 例の「49歳もの」が評価されている。うれしいが、僕から見れば、この記事に も迫力なし。

 むしろ、週朝の「両親は訴える、日産自動車の重大責任・栃木リンチ殺人」が凄い。 人間って、これほど狂うのか。

 野暮用が長引いて、競馬中継が見れず、午後4時すぎにナビで「ふるさとダービー」 決勝。落車、失格で万車券。2着に入った横田が失格しなければ、一点で的中してい たのに。残念、無念。

 夜、極めて個人的な記念日の「ささやかなお祝い」。  深夜「ここだけの話」を書く。公的資金を貰ったら、それ相応の義務がある、といった主張を書くが、さて、反応 は?

<なんだか分からない今日の名文句>


毎日が悪夢の日曜日



4月19日(木) サラ金だけが……

 朝、「競馬はロマン」を一本。「馬っ気」という言葉の解説。表現に神経を使う。

 昼、東京駅近くで野暮用。大丸の地下で、気分転換で杖を買う。1万2000円。 壊れかけた今までの杖は3900円だから、張り込んだ。膨らんだデザインで少しはお 洒落。

 催促しきりの原稿を片づけなければならない。でも、そう簡単には、進まない。

 今日は日記を10行にしよう。そうすれば、日記に使う時間が半減する、と思いつ つ、書けないので、しばしテレビで憂さばらし。

 テレビ東京は、そんな時、たわいがなくて格好。今日は「大食い大会」。優勝者が 「家族のために頑張りました」。その言葉に、司会者がもらい泣き。

 家族のために大食い?よく分からないが、ラーメンを20杯も食べた優勝者に祝福 したい気分になる。これ、不思議。関係ないが、幸せを感じてしまうから不思議。

 ああ、幸せニッポン。

 それにしても、「はじめての悪魔」ではないが、この局のCMはサラ金オンパレード。

 銀行から低金利で金を借り(例えば、短期プライムレートは1.375%)、そ の金を10%、20%の利子で貸す。消費者金融、我が世の春ではないか。

 いくら低金利でも、設備投資をしない大企業、いくら低金利でも融資を受けられない 中小企業。その間隙を縫って、消費者金融が急成長する。

 銀行に取って、今、サラ金は最大のお客さん。

 官僚ニッポン、銀行ニッポン、そして、おヤ○ザ様ニッポン(金融業者の多くは、 おヤ○ザ様とは縁がないとは思うが、僕の知る複数の人は、おヤ○ザ様と繋がっている)

 銀行員の多くは「命の次に大事なのは金」と認識しているそうだが、金が仇の世の 中。命をねらわれる元が、お金。

 良いところのボンボン学生に金を貸し、親兄弟から金を巻き上げる輩も多いだろう。

 その筋の人の話では「そんな手間のかかることはしない。ヤ○ザ会社に入りたい暴 走族のにいちゃんを正式入社させる。失敗させて、親から補償金を取るのが、いまのヤ ○ザ」。

 貧乏人のヤ○ザ志望は少なくなって、良いとこのボンボンがヤ○ザになるなのだそ うだ。

 テレビ東京は「大食い」の後、木曜洋画劇場。ハラハラ、ドキドキ。結構、おもし ろい。

 ボンボン学生がテレビCMを見て金を借りる→サラ金が儲かる→(銀行も儲かるハ ズ)→テレビ会社が儲かる→安上がりだが、それなりにおもしろい「文化」が提供され て、ボンボン学生の親はテレビを見て満足……。

 しかし、である。その後が大変だろう。

 まともな若者が10%も20%もする金利に耐えられるハズがない。でも、ドンドン 借りる。

 これはローンのバブル現象なのだ。

 誰も言わないから、いまの内に言っておく。

 ローン地獄は新たな社会不安になる。その時になって、テレビ界はどうするんだろ う?

 そこまで、日記を書いて、本職の原稿に取りかかるが、捗らない。

<なんだか分からない今日の名文句>


金は片行き



4月18日(水) 毎日は「懐妊」を知っていた

 朝、例の右足の怪我、たいとう診療所で今井先生の処置を受ける。

 「普通なら痛いんですが、麻痺しているんで」と言われると複雑な気分。

 今日は外来ではなく、在宅医療の日。東京の下町で「往診」をするところは極めて少 ない。

 たまたま、今井先生の暇な時間があったので(と、言っても20分ぐらい)彼の生い 立ちを根堀葉堀聞く。

 感動したのは、彼が高知の病院にいた時、日曜日に50キロも離れた患者のために往 診を続けたこと。

 35歳の彼は、大東京で「往診」という昔ながらの信頼される医療を進めようと奮闘 する。

 「医療はITではできぬ」。

 彼が、僕の闘病を手助けしてくれるのだから、僕は微力ながら「彼の夢」を応援した い。

 極めて親しい友人が、お嬢さんのアメリカ在留の相談。結構なことではないか。ほか に野暮用もあったので、近くの「都」でサバ定食。750円。おごる。

 千葉県柏の病院院長から携帯。20日に例の演歌歌手・白川桔梗さんのコンサートを 誘っていたのだが「こんなイベント、当地ではない」という問い合わせ。

 宣伝が行き届いていないのか。

 院長さん、中高校の同級生。しばらく会っていないので「演歌の催し」を理由にあっ て、痛飲するつもり。

 午後、出社。編集局の某幹部の話。

 「実は、雅子さん、懐妊の兆候、先週の木曜日にキャッチしていたんです。でもギリ ギリまで原稿にするのを待った。例の朝日のフライング報道もあったので慎重を期した ら、発表になった」と残念そうに話す。

 毎日は知っていたのか。妙な時間の発表の謎が分かった。

 特ダネに固守しない、我が毎日新聞が改めて好きになった。

 「ここだけの話・キャスティングボート」の反応が、かなりある。「公明党嫌いでは ないのか」という指摘もある。が、ほとんど、同感という意見。何故、自民党は公明党 との距離感を論議しないのか。

 中には「亀井さんは、御身大切。主要ポストについていないと、逮捕されると本気で 思っている」という意見もある。

 石寒太と例の俳句のページを打ち合わせ。俳句のホームページは何百もあるが、どう 、独自性を持たせるか。

 企画が固まり、5月中旬発行の「俳句α」(彼が編集長)で社告を出すことにする。 乞ご期待。

 夜、根津神社前の寿司屋で「極道記者とその親友」と一杯。「その親友」の若妻、た まちゃん同席。

 実におもしろい話ばかり。歌舞伎役者のYさんのこと、京都の親分Tさんのこと、競 馬の神様Oさんのこと。

 おもしろい。腹を抱える。

 寿司がまたうまい。「その親友」のおごり。

 二次会は僕のおごりで、例の浅草観音裏の「ひまわり」。

 2人は「牧先生(彼らがセンセイを連発するので、何度もやめてくれ、というのだが 、これは癖のようなものらしく、やめてくれない)が、馬主サークルのドン?某氏を評 価しているのはおかしい」というような趣旨の話をされる。

 別に評価したことはない。「社交辞令、ほめ殺し、ということもあろうが」と言うと 「そうか。なるほど」と誤解を解いてくれた。

 この日記をはじめ、僕の書くものを継続して読んでいる競馬ファンには、僕が一定の 既得権を主張する馬主さんと対峙していることをご存じのはずだ。

 それにしても、2人は、実に愉快な先輩だ。

 カラオケ。極道記者の塩崎先輩は「酒と涙と男と女」、その親友、清水成駿先輩は「 熱い思い」、そして、僕は「唐獅子牡丹」。清水さんの奥さんは、僕の知らない歌。た まちゃんは「おゆき」。

 夜、11時、右足も気になるので「もう、帰るのか」と批判されながらも、強引解散。

<なんだか分からない今日の名文句>


50を越えてからの竹馬の友



4月17日(火) 米洲の桃太郎

 たいとう診療所で、今井先生から「もう、薬はいらないでしょう」との診断を受けた 後、久しぶりにリハビリ。1週間、あまり歩かなかったので足腰が決まらない。

 診療所まで歩いて行くことができない。少し疲れたので早引き。

 「皐月賞が楽しみです」と言っていた女医先生、中山に誘うつもりだったが、当方、 風邪でダウン。約束を反古にしたので謝ろうと覗いたら、彼女も体調不良で休んでいる とのこと。季節の変わり目は気をつけなくてはならぬ。

 優之介の初節句が近いので、五月人形を探す。お嫁さんの実家が鎧をプレゼントして くれたので、こちらは「脇がまえ」。

 桃太郎か、金太郎にしようかと、一軒一軒、歩いて回る。浅草橋、柳橋界隈は人形問 屋がズラッと並んでいる。親の代に親交があって吉徳、久月、新興だが「家紋入り」で 売り出した秀月。出来映えは甲乙つけ難い。

 むしろ、名前は売れてない店の商品が格安、という傾向もある。その理由は、有名店 はテレビCMで宣伝費を使っているからだ。

 あれやこれや、悩んだ挙げ句「米洲の旗持ち桃太郎」にした。思い切って張り込んだ 。

 この店は無形文化財の職人・原米洲さんの店。「笹目」の技巧が有名である。目と 眉を描く時、まるで笹の葉の葉脈のようにごく細かい線を何本も引いて仕上げる。

 だから、優美な表情になる。

 米洲の直営店はここだけで(東京台東区柳橋2−15ー3、JR浅草橋下車5分)見 るだけでも、価値がある。皇室に納めたウン百万円の「金太郎と兜」は一見の価値あり 。

 張り込んだ、といっても「脇がまえ」なので、兜を買うのと出費は変わらない。 いい買い物をした。

 昼、神田駅前で大串うなぎ。食欲があるかどうか、試す。順調に回復しているように 思う。

 JREASTの原稿を一気に書き上げる。「神様の秘密」。三波さんのエピソード満 載。彼が「天皇と間違えられて某国の記念切手になっていた」といったような原稿にな った。

 数日前、この日記で大新聞がドジをしたが、ニュースではない、と書いた件。親しい 新聞記者さんから「どんなこと?」と問い合わせ。「なあんだ、こんなことか」で大笑 い。

 夕方、川風が吹く。都鳥、群舞。何か、ウキウキする気分。もうじき、ビアガー デンの季節か。

 テレビで大井競馬場を観戦。何日ぶりかで入浴。

 風呂をあがって、書斎に戻る途中、ガクンとくる。麻痺した右足から崩れるような気 配。左手でイスの“背もたれ”をつかみ、かろうじて踏みとどまる。

 右足の人指し指の辺りから血が吹き出して、近くに、何にやら乳白色のものが転がっ ている。

 何が起こったのか?

 よく見ると、転がっているのは爪らしい。

 原因が分かった。麻痺した右足は、歩くと「ハンマー指」になる。「ハンマー指」は 指の先端が○くなる症状である。

 「じゃんけんぽん」で手が“ぐー”になったような状態を想像して欲しい。あの状態 が無意識で麻痺した足に現れる。

 丸まった時、右足の人指し指が何かにあたり、一瞬のうちに指が剥がれたのだろう。 血はドクドクと流れる。

 たいとう診療所に電話するが、すでに終わっていて、留守番電話に「助けてよ!」と 吹き込む。5分後、今井先生から電話。「消毒して軟膏の様なものを塗って置けばいい。 朝、いらっしゃい」ということになる。

 どくどく流れていた血も、今井さんの声を聞くころには止まる。

 半身不随は、いつ、何が起こるか、分からない。こんな時、診療所は「安心の館」だ。

<なんだか分からない今日の名文句>


人には飽くかぬが、病に飽く



4月16日(月) 自民キャンペーンも鎮静化?

 知人の推薦でCSヒストリー・チャンネルの「日本仇討事件簿」を見る。若干の映像(例えば仇討ちの現場)もあるが、ほとんどが「仇討ち文学」の朗読。これが結構、おもしろい。

 でも、仇打ちは恨みを晴らし、新たな恨みを生む。たまには見るのは良いが、正直なところ、毎回も見たいとは思わない。

 CSは、海外ニュース、天気予報、グリーンチャンネル、競輪、記者会見あたりで十分だ。情報過多症。

 午後1時前、NHKニュースが「雅子さま、懐妊の兆候」。マタニティ関連株、上昇。お元気で、ありますように。

 これで、一時は「懐妊ニュース」でいっぱいになる。まるで自民党キャンペーンのような総裁選オンパレードのテレビ報道は鎮静化されるだろう。

 「何故、総裁選でこの議論が忘れられているのか」といった視点で出稿した「ここだけの話」。デスクから手直しの注文。「なるほど」と思える部分は表現を変える。すこし、マイルドなコラムになる。これ、サラリーマン記者の限界?

 追随?(毎日17日夕刊、是非、読んで欲しい)

 午後「おけら街道」執筆。亡くなった「草分け」の競馬専門記者、佐野剛さんのことを書く。素晴らしい先輩だった。(18日のスポニチ)

 JREAST編集部から原稿の催促。風邪で、脱力感があり、原稿をほって置いた から、大分、溜まっている。それでも、この日記だけは何とか、書き続けた。

 本職を放り出して、ホームページの日記を書く姿勢に「おかしいじゃん」という同 僚の意見。日記は癖だから仕方ない。

<なんだか分からない今日の名文句>


追随も世渡り



4月15日(日)三波さんの結婚、そして最後の言葉

 土曜日(14日)野暮用のついでに御殿場の富士霊園へ忘父・小林春吉の墓参り。

 富士の裾野はソメイヨシノが今、満開。近くに富士スピードウェイ。何か、催し物があるのか。大変な人出、大変な車。

 一区画に墓が100。100区画ぐらいあるから10000基ぐらい墓が並んでいるのだろう。

 目の前に壮大な富士山。函館生まれの小林さん、永久の場所に良いところを選んだものだ。

 横浜に戻る途中の高速で携帯。朝日奈局次長から「三波春夫さんがなくなった。追悼文を書いてくれ」。

 癌と戦っていると聞いてはいたが、突然の死。何を書いていいものか。時計を見ると午後8時20分。13版までに出稿するには、10時半には書き上げなくてはいけない。慌てた。

 データがない。それより、追悼文を書く「覚悟」がない。

 車の方向を変えて社に向かい、データを手に入れて、近くのデニーズへ。腹が減って、戦が出来ぬ。

 昔「三波さんは何から何まで田中角栄に似ている」と実感したことを思い出し、一気に「三波さんは演歌の田中角栄だった」を書き上げる。約1時間。

 ところが、モバイルの通信が不通になった。どうしたんだろう。さあ、大変。社に戻って、同僚にあらためて、口述筆記してもらい、かろうじて13版に間に合った。

 刷り上がると、これも書けばよかった、あれも書けば良かった、という後悔ばかり。

 特に書きたかったのは「三波さんの結婚」。彼は1950年、妻・ゆきさんと見合いした。ゆきさんは9歳の時から、芸事全般を習った人で、当時、浪曲の一座を結成して全国を巡業していた彼は「この人しかない」と心に決めた。ところが、ゆきさんの方は「NO」で、三波さんは、この日から、3日に一度、日記風の手紙を出し続け、口説き続けた。

 亡くなる2時間前「ママ、ありがとう。幸せでした」と彼はつぶやいたという。

 久しぶりに午前様になり、起きると9時。咳が大分、治っている。そのかわり寝汗、じっとり。

 皐月賞を見に行くか、迷ったが、大事を取って、テレビ観戦。流石、タキオン。でも相手に狙ったミスキャストは内に入って6着。横典の下手糞。何故、外を回らない。中山の内側は荒れている。最終日、内に入るなんて……12000円の負け。

 夜、「ここだけの話」を書く。本来、論議して良い話が、何故、総裁選の争点にならないのか。こんな素朴な疑問を書いてみた。

<なんだか分からない今日の名文句>


最後は誰も神様



4月12日(木)いよいよ皐月賞。ミスキャストだ!

 知人の新宿区議の小野きみ子さんから区議会報告なるものが届く。その中に「堂本さ んは民主党から出るかもしれなかった」という興味ある“レポート”。

 1月16日、フェミニスト議員連の世話人会の席で、小野さんは、千葉県議の岩橋さ ん、船橋市議の石崎さん、松戸市議の中田さんから「堂本さんを知事選に担ぎだしたい のだが、さきがけ時代から縁が深い小野さんから話してくれないか」と頼まれた。

 小野さんは、その昔、秦豊参院議員の秘書を務めた人物で、一時「さきがけ」に所属 、現在は民主党で活動している。

 「民主党も堂本さんを推薦してもらいたい」とも言われた。

 翌日、小野さんは堂本さんに千葉県の無所属女性議員の意向を伝え、民主党千葉県連 の関係者に「堂本推薦」を申し出たという。当時、民主党はまだ、千葉県知事選の体制 は出来ておらず、小野さんは「堂本で自立市民統一候補」をイメージした。

 結果的には、民主党は別の候補者を立て、堂本さんは純粋無所属で戦ったーーという 隠れたレポートである。

 堂本さんの人脈からすれば、既成政党に近いと、思ったいたので「なるほど」という 気もする。

 果たして、堂本さん、民主党の推薦を受けたら、どうなっていただろう。

 ちょっと昔なら「推薦」は票になったが……多分、自民VS民主という昔からの構図 になってしまったのではないか、と思う。

 民主党はその辺の分析をしておく、必要がある。森さんを拒否した市民が、民主党を 支持している訳ではない。

 自民総裁選。橋本さんはやはり立候補してしまった。

 行財政改革担当の大臣が、構造改革に突っ走った元首相が「行財政改革は一休みして 、景気回復に全力を上げる」と言う。

 それでは、あまりに無責任だ。橋龍さんは責任を取って政界を去るべきだと思う。そ の橋龍さんに「彼だけが悪いのではない」と宮沢さん。A級戦犯が仲間をかばう。  恥を知れ。これでは戦犯政治家護船団方式ではないか。

 15日は皐月賞だ。昨年は♂馬クラシック3冠は全てサンデーサイレン産駒の勝利だ った。

 ことしも、その感が強い。しかも、その中に「異次元の馬」がいる。

 アグネスタキオン。異次元の強さだ。

 新馬初戦は上がり33.8秒。次のラジオたんぱ賞は2分0秒8。レコードである。 弥生賞は不良馬場だったが、2着馬に5馬身差もつけた。

 本当の怪物だ。皐月賞、競馬に興味をもたない人も見てくれ。「異次元の馬」を見て くれ。

 さて、そこで相手だが、僕はミスキャストだろうと思っている。2戦目で弥生賞にぶ つけ、それでも3着に滑り込んだ。お父さんはSSだが、お母さんはあのノースフライ ト(父トニービン)。はじめての女性厩務員に引かれた女傑ノースフライトの当たり馬 券を何度か、取った。その良血を信じたい。

 アグネスタキオンとミスキャストの1点勝負。

 もっとも、たまちゃんは「タキオンは敗れる」という卦。その理由。「前回、休み開 けで、不良馬場で精一杯、走ったタキオンに反動がある。2走ボケで負けるだろう」。

 それでは、何が来るのか?

 たまちゃん「ジャングルポケットだ」と断定する。

 この馬は暮れのラジオたんぱ賞でタキオンと戦い、2馬身半の差だった。この時、ジ ャングルポケットは休み開けのハンデがあった。

 今度は順調に来ているポケットの方が有利だ、というのだ。

 果たして、どうなるか。

 土曜日は中山グランドジャンプ。いよいよ競馬の季節。中山に行きたいのだが、それ まで身体が治るかしら。

<なんだか分からない今日の名文句>


名こそ惜しけれ



4月11日(水) 橋龍さん、辞めるなら今だ!

 朝、脳卒中仲間の奥さんが体調を崩した、というのでイチゴを買って見舞いに行く。 イチゴが好きらしい。

 柳橋から約1キロ。奮い立って「歩くぞ!」と気合を入れ、何とか歩けた。喉、 鼻はもちろん“完全”ではないが、気分的に大分、楽になったような気がする。

 僕のような一級身障者がちょっと格好が悪い姿で、頑張って歩く姿を世間に見せる「 意味」があるように思う。

 気後れして家に閉じ篭って外出しない患者仲間が何人もいる。家族が、僕の姿を見て 「おじいちゃんも、歩いたら」とキッカケを作ってくれれば意味がある。

 訪ね相手も「君を目標に歩いてみよう」と言って、頑張っている。彼が堂々と街を歩 くためにも“つれあい”の健康は欠かせない。

 あまり美味しそうでもないイチゴだったが、彼女、喜んでくれた。

 午後、野暮用で市川へ。桜はほとんど散っていたが、市川真間・手児奈堂の遅咲き桜 は見頃だった。

 某大新聞社がドジをした話。知人が電話で知らせてきたが、別に“報道”するような 事でもないので「ホームページでも書くか」と冗談を言った。そうしたら、関係者がビビッて 「ホームページでも反響が出るでしょう」と不安顔だという。

 「冗談ですよ、と伝えてくれ」と連絡を頼んだが、自分で気がつかないが「二代目魁 」は、特定の人々の間では影響力があるのかしら。

 総裁選の話。亀井さんの立候補の裏に中曽根さんがいる。江崎・亀井派の会合で、中 曽根さんは「絶対、立つべし」と譲らなかった。「今、立たなければ、いつ立つのか」 。中曽根さんの発言は計5回。

 情報通の話では、亀井さんが石原慎太郎さんに「日本のリーダーは誰がいいか?」と 聞き、慎太郎は「中曽根さんで良い」と言ってたらしい。それを聞いた中曽根さんは「 私は83歳。冗談じゃない。石原さんと親しい亀井が立つべきだ」と言い続けていた。

 それが「立つべし」に繋がった。

 もちろん、中曽根さんは独特のカンで「こんどの総裁選は展開が違う」と看破したの だろう。田中・木曜会→竹下・経世会→小渕・平成研(橋本、野中、青木連合軍)の流 れは、ここに来てついに崩壊する。

 だから、誰にだってチャンスがある、と見ている。

 あれも、これも、橋龍の再登板があまりに国民を愚弄しているからだ。

 景気軽視・構造改革断行で、平成大不況を作った橋龍。彼のおかげで倒産し、自殺した人間は何人もい る。

 その構造改革派の橋龍が、もう一度首相になりたいばっかりに「景気重視」に方向転 換する。

 もし、この人間を首相にしたら、日本は世界の笑いものになる。

 橋龍さんよ、辞めるなら今だ!

<なんだか分からない今日の名文句>


断腸の思い



4月10日(火)橋龍、冗談は顔だけにしてくれ

 朝、都内の病院へ見舞い。その後、大江戸線を利用して家の近くに戻り、たいとう診療所で診断を受ける。

 しつこい風邪で「結核じゃないか?」と勘違いするほど。今井先生は「使いたくなかったが、使いますか」で抗生物質を処方してくれた。

 相変わらずの脱力感。何もやる気がしない。たまちゃんをはじめ“遊び仲間”が電話してくれたが、話すのも、かったるい。

 亀井さんが総裁選立候補。かなり早く政権構想をまとめていたらしい。

 一時は反小泉の“統一候補”に担がれた麻生さん、橋龍さん出馬となって静かになるかと思われたが「自らの意志」で立候補の構え。これで候補者は4人。あと二人、高村、堀内が出るという話もある。

 それにしても、何で橋龍さんが立つのか?

 理解に苦しむ。

 本人は「推していただき光栄だ」なんて話しているが、冗談は顔だけにしてくれ。大不況の超A級戦犯が、平気で「第一派閥の名前だけのリーダー」という理由で立候補する。舐めるなよ!

 立候補は自由だ。勝手だ。しかし、日本人は「恥の文化」を大切にしなければならない。

 候補者を乱立させ、予備選で小泉さんに得票が集中するのを避けようというシナリオ。野中さん辺りが考えているのだろう。だから、野中さんの遊撃隊・堀内さんまで「出る!」と言いだす。

 しかし、そうは問屋が卸さない。

 野中さんは「貴方なら勝てる」と橋龍さんをおだてているのだろうが、勝敗は微妙だ。非常に微妙だ。

 直前になって「総裁選に出ない」と言い出したら、橋龍さん、笑われる。総裁選で負ければ、もちろん笑われる。もし……万一と言った方が良いかも知れないが、総裁選で勝ったとしよう。それでも、自民党は参院選で大敗する。幹事長で参院選に敗れ、3年前、首相で敗れ、また、この秋、敗れる。橋龍さんは笑われる。

 笑われる、という事は「自民党のAAA戦犯」として政治的に殺される、ということだ。

 当然、橋本派は□□派に変っているだろう。2代目、3代目の政治家は読みが浅すぎる。

 総裁選は政治家の器量を見極める格好の舞台である。

 ロンドンのサンデー・エクスプレス紙が「口蹄疫のウイルスが入っていた試験管が研究所から盗まれていた」と報道している。

 ウイルスをばらまく破壊活動? 日本の新聞では小さい扱いだが、これは見逃せない。

 夜、この日記を書こうと思ってモバイルに向かう。少し元気になったようで、珍し くハミングが出た。

 テレビで、ちょくちょよく聞くCM。耳にこびりついているのだろう〜〜はじめての悪魔……何て唄ってしまった。

 しばらくして「はじめてのアコム」と気付く。苦笑。でも、アコムも悪魔だろう。

 ニガ笑いが出るのは、少し、元気になった証拠かも知れない。

<なんだか分からない今日の名文句>


CMもチラシもネオンもみな金融(盗作しました)



4月9日(月) ××××

 新聞休刊日。朝、読む物がないので、駅前に週刊誌を買いに行っただけで、あとは ベッドの中。

 体温36度8分。平熱を上回ってはいるが「熱がある」というほどではない。だが、 身体中が痛い。咳は相変わらずである。

 結核じゃあなかろうか。

 昼、起き出して、必死で「おけら街道」を書き上げる。その他の原稿は、しばらく 放って置くしかない。

 何しろ、頭が働かないのだ。

 ちゃらんぽらんな方だが、原稿が間に会わなくて他人に迷惑を掛けるのが嫌で、つ いつい頑張ってしまう。

 意外や意外、半分以上「遊び」と考えている、このホームページのことも、若干、 ストレスになっているのかも知れない。

 手抜きで行こう。掲示版の仲間の書き込みに期待するしかない。

 頼むぜ!

 ともかく、何もしないで、眠るしかない。

<なんだか分からない今日の名文句>


××××



4月8日(日) 日記も書けない

 完全ダウン。何故か、体温計では熱はないのだが、身体の奥に、火の玉のような熱 が絡んでいるようだ。

 喉にタンが絡んで、咳こむと、胸が痛くなる。節々、特に脚の膝あたりが痛い。ベッド から離れられない。

 まいった。

 それでも、約束事の野暮用は必死でこなしたのだが、脱力感が激しい。

 ホームページを見る気力ない。

 桜花賞の馬券は頼んでいたので、テレビを見るが、他人事のよう。テイエムとダイ ワルージュの一点勝負が、外れても、何とも、思わない。

 日記も、これ以上、書けない。「柳橋物語」第2章2回分、9日に更新する予定だっ たが、それも出来ない。

 申し訳ない。

<なんだか分からない今日の名文句>


風邪は万病のもと



4月5日(木) 喉風邪らしい

 朝、喉にタンが絡む。風邪らしい。たいとう診療所の今井先生に診察してもらう。

 「心労で、眠れないのがいけない」。薬をいただく。

 公開の日記では書けない「心労」。誰にもあるが、このくらいで、へばるなんて情け ない。

 患者仲間から「最後に引いた風邪は厄介だ」と脅かされる。

 今井先生から「食欲は?」と言われ「あります」と答えたので、しっかりしたものを 食べなくてはいけない。

 診療所の帰りに「フォリーズ」(浅草橋5−5−5)で、タンシチューを食べる。こ の辺では美味と評判。延客の大半が30前後の女性。彼女らの談笑エネルギーを奪い取 るような気持ちで、もりもり食べるが、いつもの味でない。微熱があるのか。

 午後、野暮用1件。これが難儀。「心労」の一つである。

 毎日新聞夕刊の競馬欄。「牧太郎の競馬はロマン」は「人編」をひとまず終えて、4 月から「競馬用語集」に変える。第1回「上がり」を書く。

 友人から携帯に電話。「TBSラジオのお前が出る時間、変わるの?」

 知らなかった。問い合わせると、日曜日午前8時20分が午前8時に変るとの事。時 間は約7分で変わりなし。

 早稲田大学政治経済学部吉村正ゼミの同窓・富沢秀機君が「日本経済新聞社・常務取 締役就任」の挨拶状を送ってくれた。どうやら奴が出世頭? まあ、サラリーマンとし ては役職を登りつめるのが、出世なんだろう。

 学生時代から権力志向がもの凄かった。おめでとう。

 身体の節々がだるく、日記を書く気力もなく、午後9時に就寝。

<なんだか分からない今日の名文句>


一に看病、二に薬



4月4日(水) 日販までピンチ?

 玄関にカメレオン・ハイドランジアの植木鉢を飾った。最初はライトピンクのガクア ジサイ。その後はライムグリーン、チェリーレッドと花色が変る。だからカメレオン。

 アジサイの季節は早すぎるが、しっとりして、いい感じだ。

 朝、定期検診で東京専売病院。血圧130ー70。すこぶる順調。おでこが、赤く腫 れているので、質問すると「老人性の湿疹。気にすることはない」とのこと。「老人性 」なる表現にしばし落ち込む。

 帰りに芝公園の桜見物。満開は過ぎたが、夜桜の場所取りが始まっている。

 午後3時、講談社ぺック社発行の「月刊ウォーキング」の取材を受ける。右半身麻痺 の身体障害者のくせに、毎日毎日、歩きまわっているヘンな人間ということで、取材を受 けることになった。

 日頃、歩く事は身体に一番良いと思っているので、進んで持論を話す。

 取材に来たライター氏は僕と同年配。早稲田大学の新聞学科卒だという。

 長いこと出版業界で、飯を食っているので「ここだけの話」をウンと持っているのだ ろう。次々に僕の知らないことを話してくれた。

 その中でも「取次ぎの日販はピンチ」と言う話には愕然とした。業界最大手の取次ぎ が経営的に行き詰まるなんて、ちょっと想像も出来なかった。

 彼の話によると「取次ぎ」は金融機関のようなものらしい。

 新刊本が出ると、出版社から「取次ぎ」に配本される。その時点で「取次ぎ」は前払 で出版社に本の定価の70%を支払う。

 書籍のほとんどは委託販売。書店で本が売れると、本の定価の22%が書店の懐に入 り「取次ぎ」は8%を手にする。

 出版社70%、「取次ぎ」8%、書店22%もシェアである。

 これは首尾よく本が完売された時のこと。売れないと書店→「取次ぎ」→出版社のル ートで返本される。「取次ぎ」は前払いの金を出版社に請求する。当然である。

 ところが、大多数の出版社は、返本、返本の山で支払いたくても払えない。

 そこで、帳簿上の操作が行われる。返本の支払いの代わりに、新しい本を配本する形 で、帳簿上は出版社から前払金が戻ってきたようにするのだ。

 考えて見れば「取次ぎ」は本という金融商品を扱っている「出版業界の銀行」のよう なものだ。

 次々に「取次ぎ」にやって来る書籍という金融商品の大部分は不良債権になる。

 とにかく、本は売れない。東京のJR駅前の小さな本屋は次々につぶれている。一カ 月の売り上げが100万円。その22%の22万円が荒利。それでは、とても従業員を 使って商売する訳にはいかない。

 実は「出版界の金融機関」は、本屋に店舗拡大の資金を用だてている。ここでも、 不良債権が生まれる。

 出版社は「読者が喜ぶ作品」を作るのではなく、とにかく前払い金の返済になる「新 たな抵当商品」になる格好な本を作る。そして、愛読者離れが起こる。

 日販から、株主である大手出版社に経営立て直しのための「人的支援」をするように 、要請したことから「日版ピンチ説」が流れているのだそうだ。

 このシステム、誰か、先頭に立ってぶち壊さないと、日本の文化はだめになる。

<なんだか分からない今日の名文句>


死ぬときは前のめり(坂本竜馬)



4月3日(火) スポニチに秘密兵器?

 ホリプロ会長の堀威夫さんから、自伝「いつだって青春」が送られてきた。「小西良 太郎さんのパーティ」で20数年ぶりに会って「こんど食事でも」と別れたが、早速、 会う事のなかった20数年の空白を埋めるように彼が書いた本を「私の自己紹介です」 と断って送ってくれた。

 堀さんはカントリー&ウエスタンの王者。芸能プロを作ってからは、守屋浩、舟木一 夫、和田アキ子、石川さゆり、山口百恵、森昌子らを育てた。

 「水商売」の芸能プロを安定した企業体として確立。ホリプロは業界初の株式公開を 果たした。

 その波乱万丈の青春。こう書くと青春本と取られがちだが、むしろ冷静な分析が光る 。

 後書きで彼自信が触れているように、初めは一年かけて、口述したが、リライト原稿 に満足できず、結局、リライト原稿を破り捨て、始から終わりまで、自分で書いた、と 告白している。

 もちろん、芸能界の裏話満載だが、新年度がスタートする時、読んでみると、彼のす さまじいチャレンジ精神に驚かされる。(東洋経済新報社刊)

 午後「おけら街道」を書き上げ、夕方から、スポニチ・マスコミ塾の講師。マスコミ 各社の試験がソロソロ始まる。文章講座を中心にした講義だが、作文は人間の総合力を 試されるので、ちょっとした文章テクニックでは良い文章は書けない、と話す。生徒3 0人前後。社会人も3人。どちらかと言うと、おとなしいという印象だった。

 終わって、深川の小料理屋でスポニチのレース部幹部と懇談。さすが売上で健闘する スポニチの幹部、熱気あふれる。

 今月から、予想陣に秘密兵器が登場するとの話。明日あたり、社告が出るらしい。

 「まさか」という人選。「これぞ競馬、これぞバクチ」という究極のキャラクターの 登場。これは面白いゾ。

 深夜、毎日新聞朝刊に最大派閥・橋本派が「橋本擁立に動く」という記事がでるのだ。 夜回り取材の結果らしいが、理解できない。経済政策で立ち往生、参院選挙惨敗で責任 を取った元首相の再登板。理解できない。

 この10年、何も出来なかった指導者は、むしろパージされるべきだ。

 その情報通の電話を切った時、グラグラ。静岡震度5強。東京は震度2ぐらいか。

 富士山周辺が動きだした。

 いつものことだが、NHKからコメントを求められた学者先生が、まるで歴史学者のよ うに「過去の地震」を説明する。火山学者はそれでいいのか。

 余知に関しては、すでに一定の成果を上げている学者グループもある。歴史学者のよ うな“権威”だけでなく、本当に役に立つ研究グループに予算をつけるべきだ。

<なんだか分からない今日の名文句>


止まり木ブルースに春爛漫



4月2日(月)ニューヨーク・タイムズ特派員は?

 新年度スタート。銀行の新しい看板に戸惑う。どの名前も軽い。デフレで日本銀行券 の価値はあがったが、それを商品とする銀行は軽やかな名前で再スタート。名前にふさ わしくない、情け容赦ない不良債権処理に突入する。

 リストラで痛みを感じる銀行、と言われるが、情報通によれば「不良債権を膨らませ た経営責任はそのまま。未だに世間と比べると、銀行員の給料はかなり高い水準」。

 公的資金をもらっている銀行は行員の給与を情報公開すべきだ。税金で助けてもらっ ている銀行員のプライバシーは守られ、銀行から金を借りた人間のプライバシーは銀行 の手にある。これでは、信頼関係が保てない。

 ああ、官僚国家ニッポン、銀行国家ニッポン。

 バブルの頃、無理に「金を借りてくれ!」と頼んだ銀行が、取りたてに窮して担保を なげ売りする。

 その陰で、外国資本が、そして一部の日本人資産か東京の土地を買い占めている。そ の辺の実態を知らせなければ、マスコミは官僚国家ニッポン、銀行国家ニッポンの広報 係りに過ぎない。

 午後、参議院議員会館で民主党の円より子さん。約10年ぶり。お互いに近況報告。彼 女のニコニコ離婚講座は息長く続いている。

 「民主党政権になれば、円さん、官房長官?」と話したら「冗談じゃない」と叱られた 。

 3時半、溜池の喫茶店で知り合いの昇進祝いのコーヒータイム。

 5時、内幸町の日本記者クラブで、ニューヨークタイムズ東京支局長・ハワード・フ レンチさんの取材を受ける。

 テーマは「森さんと料亭政治」。かつて政治部記者で「宇野首相のスキャンダル」を スクープした男で、しかも料亭の倅ーーということで、取材対象になったらしい。

 通訳兼助手の日本人女性が「二代目魁」の愛読者で「柳橋物語」を読んでいた。それ がキッカケらしい。

 何故、森さんは料亭が好きなのか。説明する。大半の政治家がホテル派になったのに 、森さんは毎夜毎夜の花街通い。赤坂の花柳界から感謝状を送られるほどの精勤ぶりだ。

 僕の方から「君は、次の首相は誰が良い、と思うか?」とハワードさんに質問すると 「もちろん、野中さん」。

 理由は「自民党は役割を終えた。野中さんが古い世代のシンボルとして首相になれば 、自民党は選挙で大敗北。時代を押し進める事が出来る」

 なるほど、なるほど。東京にいる特派員の大多数がそう思っているのだろう。

 6時半、出社。「ここだけの話」のゲラを見た後、社会部会。新しく部長になった常 田さんの施政方針。「社会部は強くならねばならぬ!」。威勢の良い軍団風の挨拶。ど ちらかと言うと、嫌いではない。

 野暮用一つ、こなして帰宅すれば、もう眠くなる。

 忙しい新年度初日だった。

<なんだか分からない今日の名文句>


赤坂の森は更けいく



4月1日(日)「ケイシュウNEWS」休刊

 朝、コンビ二で中央競馬専門紙「ケイシュウ」を買う。今日で休刊(南関東公営版 は引き続き、発行する)と聞いたので、せめて1部でも売れたらいい、記念に保存しよ う、と思った。

 3月15日のこの日記で「競馬専門紙の苦闘」を書いた直後の休刊。やはり専門紙 の経営は泥沼に入ったようだ。

 「ケイシュウ」は昭和28年から50年間競馬専門紙を発行していたが、会社の名 前は「昼夜通信啓衆社」。戦前は大衆を啓蒙する言論の新聞社だったらしい。

 パーフェクト予想で「競馬の神様」と言われた大川慶次郎さんを編集長に迎えた頃、 売上げは業界の中で1,2を争ったというから老舗だったのだろう。

 今でも、礼の極道記者・塩崎利雄さんの「行きのエビス、帰りの閻魔」と題する人 気コラムもあって、一味も二味も違う競馬専門紙だった。

 その塩崎記者は最後のコラムで「鉄火の手離れー最後の崖っぷち」というような表 現で“専門紙のいばらの道”を表現した。

 ここでも大幅なリストラが行われるのだろう。

 昼「ここだけの話」を書き、テレビで競馬観戦。4月馬鹿ではないが、オペラオー が敗れる。去年、一度も負けなかった馬が敗れる。

 4月は新らしい息吹が飛び出す「交代の季節」?

 夕方、早稲田大学政治経済学部教員会に出るつもりだったが、野暮用が入って行け なくなった。

 去年、たった一度、特別講義をしただけなのに、声をかけてくれたのに欠席。申し 訳ない。

 早稲田が付属の小学校を作るという話(早稲田大学系早稲田実業学校初等部が20 02年4月開校?)知り合いからもっと詳しく聞くつもりだったが、残念だ。

 夜、柳橋物語第2部を出稿。お待たせしました。

<なんだか分からない今日の名文句>


どこが潰れても不思議じゃない