編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2001.5月
5月16日(水) 「お伽噺」という手法
昼、市川で優之介の初節句のお祝い。倅の仕事の関係で大分、遅くなった。
嫁さんの実家が熱心で実現した昼飯会。こんなことがないと、ヘタをすると倅夫婦と
一年も会わないことになりかねない。感謝する。
優之介、3ヶ月も会わないと、大きくなる。
午後4時から「世界週報」の原稿と格闘する。
「世界週報」は1920年、国際通信社から「国際週報」としてスタートした雑誌で
ある。
国際通信社は我が国初の本格的通信社で、契約していたロイター通信が入手した外国
経済市況を「国際週報」に載せ、評判になった。
1924年、国際通信社と東方通信社が合併して「新聞聯合社」になってからは名前
は「国際経済週報」。1930年に日本電報通信社(電通)と合併して、国策に沿った
同盟通信社が誕生すると「同盟世界週報」と名前が変わった。
戦後、同盟通信社が共同通信、時事通信、電通に3社に分かれてからは「時事通信の
世界週報」として、数少ない海外情報として健闘している。
つまり「世界週報」は日本の通信社の歴史を刻んでいるのだ。
この「世界週報」、5月29日号で4000号を迎えた。おめでとう。関係者のご努
力に敬意を述べたい。3号で休刊する雑誌が大部分なのに4000号とは、凄い。
国際、国内ともに日誌が細かく掲載されているのが、売り物なのだろう。学者をはじ
め固定ファンがいる。
頼まれて、3年ほど前から月に一度「漂流・日本社会」という欄で原稿を書いている
。読者に官僚、特に外交官が多いと聞くので、どちらかと言うと外交がらみの“事件”
を書いているのだが、今回は迷った。外務省騒動の件を書くべきか、どうか、迷った。
僕は正直なところ、一部の外務官僚に対して必ずしも好意的な印象を持っていない。
今回の騒動を書くと、真紀子さんよりの原稿になり、あるいはバランスを失うかもしれ
ない。
はたして、この雑誌の編集者、読者がどう思うか。自信がない。
実は2年ほど前、苦い経験をしている。同じ時事通信社が発行する「週刊時事」とい
う薄い雑誌にコラムを書いていた。編集者と親しいので、出来る限りホットな、読者に
喜ばれる特タネを書こうと努力して?「竹下さんの裸踊り」のことを書いた。
おもしろい話だと、思った。が、編集長さんからクレームがついた。
「下品だ」というのだ。表現を変え、書き直したが、今度は「貴方は竹下さんの裸踊
りを見たのか?」と詰問された。僕は見ていない。でも名前は言えないが「料亭・K」
の女将が何度も見ている。彼女だけではない。複数の人が見ている。竹下さんだって、
別にこんなことを書かれても文句は言わない、と言ったのだが、その編集長は「訴えら
れたら、誰が責任を取るのか?」と言われた。「それほど言うのなら」と僕は執筆陣か
ら降りた。
中に入った編集者には迷惑をかけた。
翌週、全く同じ話を毎日新聞の「ここだけの話」に書いたら、読者から「おもしろか
った。日本の政治手法が良く分かた」とほめられた。もちろん、竹下さんの陣営から文
句なんて全くなかった。
何故、言論の自己規制をするのか。
「週刊時事」と喧嘩別れしたから「世界週報」からも“降板”するのかと思っていた
が「世界週報」編集部から別に文句も出ず、引き続いて、こちらは執筆を続けている。
編集者の人間性で方針が違うだけで、会社の方針が硬直化している訳でもないのだ。
しかし、今回は、かなり気をつけなければならない。いま外務官僚は神経過敏だ。一
方的に外務大臣の味方になると思ったら、彼ら、怒るだろう。
それに、僕は彼らの言い分を十分、聞いているわけでもない。しかし、何時かは、書
かねばならない「部分」でもある。
最初に「世界週報」の読者に訴えることは意味がある。
そこで、考えに考え抜いた末に「お伽噺」と言う手法を取ってみた。
「お伽噺」だから実在しない話?だが、教訓は存在する、という手法である。この手
法、司法のトップが昔、使った手法である。
これで、編集部がOKを出してくれれば良いのだが。
締め切りが一日遅れた。
<なんだか分からない今日の名文句>
もの言えば唇熱いこともある
5月15日(火) 帝銀事件の真相
朝「おけら街道」を書き上げる。テーマは「競馬俳句」。ホームページで「石寒太
のしりとり俳句」を始めたので、その宣伝を兼ねる。
ともかく「石寒太」の名前を印象づけたい。
昼、東京慈恵病院に友人の見舞い。取材先の某社では、先週木曜、金曜に続けざま
に病人が出た。いづれも、親しくしてもらっている仲間。2人はそろってこの病院に入
院した。一人はすでに手術を終え、何でも食べられるというので、西瓜とH本と饅頭を
持っていく。
一人は木曜日に手術するというので、花と「手術の経験談」をお見舞いにした。
医療技術はもちろんのことだが、この病院、外来は古い建物だが、入院棟は最新設
備を備えたホテルのような病室。一度は、こんな病院で検査入院してみたい。
新橋のコーヒー屋でシュークリームとアイスコーヒー。この辺り、散髪屋戦争。
「19分カット、シャンプー髭剃りで1900円」を選ぶ。
有楽町まで歩いて、ニュートーキョー8階の「高尾」で「柳クラブ1971年OB
会」に出席する。
「柳クラブ」というのは、丸の内警察署の3階にあった「一方面記者クラブ」のこ
と。ニュースの宝庫「銀座の柳」から、この名前が生まれた。
全共闘暴動前夜の1971年、このクラブに所属した本沢義雄さん(朝日)清水良
一さん(NHK)斉藤彰さん、城山邦紀さん(読売)と僕。5人が集まった。
30年ぶりである。
ゲストとして、当時の丸の内警察の平山修副署長、福士武美刑事課長が顔を出して
くれた。
思い出話の数々。懐かしい。
平山副署長は僕と飲み歩いた果て、僕の市川の家に泊まり、翌朝、2人そろって警
察に出勤したと言う。僕はすっかり忘れていた。
当時、僕26歳。平山さん45歳。今、僕56歳、彼75歳。良く取材し、良く遊
んだものだ。
名物刑事の福士さんは80歳になっていた。
「牧とは何度も喧嘩したな」と言われるが、それも記憶にない。
おもしろい思い出話。有楽町に渡辺プロがあったが、そこに脅迫状が届いた。「タ
レントの××を誘拐する。されたくなかったら500万円の束を飛行機から××に投下
しろ!」。大きな事件でホシを捕まえたが、新聞記者は一人も気がつかなかった。等々。
報道されなかった事件の方が多かったのだ。
平山さんが「これは秘密だったんだが、福士さんは帝銀事件で平沢死刑囚を逮捕し
たデカだったんだ」
これには、全員「本当?」
そこで福士さんから真相を聞くことになった。目白警察勤務の若き刑事、福士さん
は事件発生直後、現場に一番乗りした。その凄惨な現場は、語るに語れない。
「必ず、ホシをあげるぞ」と決意する。
そして、ある名刺の洗い出しで「平沢画伯」が捜査線上に上がる。その名刺をもっ
ている人物しか、この犯罪をする事は出来ない。100枚あった名刺を次々につぶし、
最後に平沢画伯にたどりついた。
事件の翌日、出所不明の大金を持ち、平沢画伯は借金を払っていた。これも決め手
になる証拠だった。
小樽に彼を逮捕に向かったのは「7人の刑事」だった。その日、平沢画伯が自殺し
てはいけないと考え、福士さんは牢屋に一緒に入った。その時、画伯が話した言葉……
福士さんは平沢死刑囚は真犯人と確信しているという。
えん罪と世間が疑問に思った帝銀事件。福士さんは、数々の証拠を上げ「間違いな
い」と断言した。「証拠はあるが、どうしても明らかに出来ない事実もあった。いまで
も、言えないことなんだ」
僕の想像だが「言えないこと」と言うのは、青酸カリの入手に関することではない
か。(平沢死刑囚が犯人として推理した場合だが)
果たして真相は?
今となっては「闇」としか言えない。
<なんだか分からない今日の名文句>
事実はひとつ、真実は幾つも
5月14日(月) 石寒太のこと
朝4時に起きて、まだ「しりとり俳句」のページが出来ていないのに愕然とする。連
絡不徹底。僕が悪いのだが「14日午前0時スタート」と書いのにまだ出来ていない。
どうしよう。
ボランティアの仲間は眠っているだろう。どうしたら良いのか。
慌てる。
しばらくして副編が処理してくれたのか、めでたくリンクが終わりスタート。スター
トすると、すぐ、しりとり作品の第1号が飛び込む。ホッとする。
石寒太に強引に「俳句塾をやろう!」とけしかけた手前、成功させなくてはならない
。
「アクセス件数を表示するかどうか」で議論になった折り、中島嬢が「アクセスが
少ないと恥ずかしい」と言うので、僕も「ない方がいい」と判断した。
結構、この数字、ストレスになる。
何しろ、寒太のために成功させたい。
寒太に初めて会ったのは1991年11月の末だった。寒太は角川書店から毎日新聞
社にとらばーゆして、単行本を作っていた。
当時、サンデー毎日の編集長だった僕は、芥川賞作家の畑山博に「サンデー毎日70
年史」を小説タッチでお願いしたいと頼んでいた。畑山は最近は「銀河鉄道」で売れて
いる作家で、日大一高の先輩だった。
「書くけど、石寒太で単行本にしてくれ」と先輩のたっての希望だった。二人は角川
の時から昵懇の間柄だったらしい。
この時、はじめて毎日新聞に「石寒太」という妙な奴がいることを知った。
そこで、銀座の8丁目の行きつけのバー「Y」で落ち合い、談合。連載後、寒太の協
力を得て単行本にすることで一件落着した。その後はカラオケで2時、3時まで、歌い
続けた。
畑山は「リンドウ咲いて、恋を知る」と言う文句が大好きで、一曲歌う度に「りんど
う咲いて恋を知る」と声高らかに、名文句を唱える。変な男だ。
寒太はあまり歌わず、ニコニコしていた。
寒太によれば「お前が脳卒中で倒れる4日前だった」という。
寒太は見舞いに来た。が、僕は「ウオーウオー」と叫ぶだけで話すことが出来なかっ
た。
9ヶ月後、出社した僕を見たとき「廃人のようだ」と彼は正直に言った。みんな「元
気になって……」と言ってくれた時、暖かい口調だが、彼だけが正直な感想をしゃべった
。僕は彼が好きになった。
彼は、俳句ブームに乗って毎日新聞が俳句の雑誌を作ることになり「俳句α」の編集
長になった。角川書店で「芭蕉の本」というベストセラーを作った実績が買われたのだ
ろう。
と、まあ、そんな間柄である。彼の風貌は「石寒太のしりとり俳句塾」のイラストを
見てくれれば分かる。
ある有名な似顔絵師?が書いたものだ。
寒太と僕が21世紀の文化のために?(オーバーですが)「しりとり俳句」をしよう
と、決意した経緯は明日(5月15日)の「ここだけの話」で書いた。ぜひ、読んでも
らいたい。
実は何年か経って、寒太から「あれは、痩せこけた君の顔が、芭蕉の様な俳人と言ったんだ」
と打ち明けられ「廃人と俳人」のとんだ間違いに大笑いした。
俳句のページが順調にスタートしたのを確認して、急いで、昼までに仕事を片づけ、
松戸競輪場に向かう。
最近、親しくなった競馬記者仲間の数人が「一緒に競輪に行こう」と誘うのだ。月曜
日は競馬サークルの全休日。僕は競馬記者でもないので関係ないが、僕を「競馬記者仲
間」と思ってくれている。友達が増える。うれしい。友達に感謝する意味でも、博打に
参加する。
もちろん、門司競輪廃止など競輪不況の取材にもなるので、これは仕事でもある、な
んて自分を騙し、大好きな車券推理。
成績・2勝4敗。それでも大きいところを当てたので、帰りのタクシー代ぐらいは儲
かる。
一度、お手合わせしたいと思っていた「競馬○○センターの社長」が参加しなかった
のが残念だ。彼は競馬サークルの車券名人。奴には一度は勝ちたい。
競輪の合間合間にテレビで「菅VS小泉」論争を見る。それほどの迫力はない。
松戸は東京に隣接する町。江戸川土手に「みやこわすれ」の群生を発見。さっそく、
しりとり俳句。これは「言葉遊び」だから、上手い拙いは関係ない。
北松戸東口の「華春楼」で中華。浅草に本店があるこの店。なかなかの味。新松戸の
「小料理・藤」で美人ママの揚げたニンニクを食べる。
午後9時、帰宅後「世界」6月号の歴史教科書特集を読む。力作。その後、鎌倉市大
町の小さな小さな出版社「有限会社・港の人」から送ってきた小雑誌「港のひと」を読
む。16ページの雑誌だけれど、詩ごころ満載で洒落ている。
<なんだか分からない今日の名文句>
友達の友達は皆、友達
5月13日(日) 「真紀子包囲網」にあきれる
「真紀子包囲網」なるものが出来上がっているようだ。
自民党に、野党に、外務省に、そしてマスコミにも、包囲網が出来上がっている。
例えば、5月11日の読売新聞朝刊「田中外相、外国要人と夕食会欠席、次官の早
期更迭も示唆、外務官僚あきれる、米大使館も『見識疑う』」
田中外相がアルゼンチン外相との夕食会を欠席。今後、外国人要人との夕食会を基
本的にセットしないように事務当局に指示した。アミテージ副国務長官との会談もキャ
ンセルした。前例にない行動、これには外務官僚はあきれかえったーーという論調であ
る。
この記事、旧外務官僚グループが流した情報をもとに書いている。真紀子さんの
「ヒステリックな行動」を際だたせる情報操作である。
外交の儀礼的おつきあいを分担するために副大臣がいる。大臣が出る出ないはケー
ス・バイ・ケースだ。
米国に失礼、というけれど、米国側に会談をキャンセルされたこと、数知れず。冗
談じゃない。外交には駆け引きがある。いつまで属国気分なのだ。
アミテージさんの件、別に誉められたことではないが、こんな程度の非礼は外交上
日常茶飯事である。
旧外務官僚グループは、次官早期更迭に恐れているのだ。しかし、外務機密費を私
物化したグループの中核的人物は現次官だ。国民に納得して貰うためには、次官更迭で
ケジメをつけるのは当然である。
真紀子さん、頑張れ!
性格的に、真紀子さんはあまり好きなタイプではない。恐ろしほどの迫力。好きな
タイプではない。
しかし、彼女だから「大掃除」が出来る。今回は筋が通っているように思う。
テレビのコメンテーターは「志は尊いが、やり方が悪い」なんて話している。馬鹿
言って貰っては困る。
そんな認識では、政治革新は絶対に出来ない。これは革命である。「無血革命」で
ある。肉体的には「無血」だが、社会的には血を流す。これは当然である。やり方云々
は大目に見るべきではないのか。マスコミは保守的である。(断って置くが、日頃、革
新ぶりてはいるが、大事な時になると、平気で後ろ向きになる朝日は反動である。毎日
もかなり近いが、可能性はある。ベトナム戦争の時「泥と炎のインドシナ」を連載して、
米国と戦ったのは毎日新聞だけである)
「2島返還論」の背後にいる”国際的利権屋S”を守ろうとする旧外務官僚。ご用
新聞を使って、情報操作したつもりだが、例え、田中外相が挫折しても、第二の真紀子
が現れる。時代の流れはくい止められない!
競馬仲間の長老・「農水のドン」桧垣徳太郎さんは「田中真紀子は変人だが、筋は
通す。真紀子が尊敬出来るような人物が外務省の幹部にいれば改革は可能だ」と話して
いた。(2週間前、スポニチの「おけら街道」で書いた)
今のところ、外務省には真紀子が尊敬出来る人物はいないらしい。彼女を利用して
外務省革命をしようとする人物はいないのか?
旧外務官僚グループは「何もやっていないで、機密費でパーティばかりやっている」
と批判されるのが、怖くてしょうがないのだ。税金泥棒と言われるのが嫌なのが、イ
ンテリの常である。
その読売新聞。「21世紀 日本人の意識」全国世論調査を掲載している。銀行の
イメージに近い言葉を選んでもらう調査で「利益第一主義」が40%、「大企業の味方」
が39%、「冷たい」が25%。
1976年の前回の調査では第一位「信用」53%、第二位「確実」40%だったが、
ともに数値が半分以下に落ち込んでいる。
官僚国家、銀行国家を信じられない時代なのだ。
古い体制を守る新聞社も、世論調査の数字はごまかせない。世論を無視できないと
ころに来たのだ。
市民も、テレビや巨人戦のキップの「おまけ」で新聞を選んではだめだ。
主義、主張で選ぶべきだ。その方がカッコ良い。
多分「景品」で読売を選ぶ人は笑いモノになると思う。
14日から「石寒太のしりとり俳句」のページを新設した。21世紀の言葉遊び。
是非、参加して貰いたい。
夕方「ここだけの話」執筆。はじめは外務省騒動の話を書こうと思ったが、このと
ころ、読者の反応が数多く、返事も書けない状態。許して欲しい。
今回の「ここだけの話」は激しいテーマは、ひとまずお休み。「しりとり俳句」に
纏わる柔らかいテーマにした。
<なんだか分からない今日の名文句>
度胸一代、無法真紀
5月10日(木) 真紀子はS追放に決起した!!
今年に入って、この日記で「S」氏の悪巧みを何度も書いて来た。が、ついに田中外
相は決断した。
「S」とその一派を追放するのだ!
その第1弾が「外務省人事凍結」である。外務省は昨日から内戦状態である。
河野前外相は退任直前、親しい人物に「外務省の秘密会議が終わって10分も経たな
いうちに、内容がSに漏れる。こんなことがあっていいのか」と漏らしていた。
河野さんと真紀子さんは、結婚寸前になった間柄である。真紀子さんは河野さんの悪
口を言うが、気心は通じている。
そんな人間関係とは関係なく、真紀子さんはやる。必ずやる。徹底的にやって欲しい
。
「S」、つまり組織暴力団・橋本組野中一家代貸・S?は「闇の外務大臣」。闇に
紛れて大変なことをやっている。
国際的犯罪である。
ここまで書くのが、やっとだが、ともかく、凄いことをやっている。
真紀子さんは小泉さんと「S追放」で一致した。
今回の組閣では、ジャーナリズムの大半が気づかないが、農水大臣の起用もポイント
である。山崎派からの起用で、ここでも「S」人脈の追放を進める。農水利権も橋本組
の支配下にある。
ここでも官僚は「S」の脅しに屈し、Sと共に利権漁りに走った。
野中さんの後ろ盾を良いことに「S」は日本を牛耳ろうとしている。
「S」を許してはいけない。
これは「二代目魁」の社説である。
朝、町内の写真館の奥さんが、鉢植えを覗きながら、小さな小さな蕾を指さし、教え
てくれた。
小判草。
確かに小判のようだ。初めて見た。花の季節だ。
午後から出社。石寒太と「しりとり俳句」の打ち合わせ。中島女史、たまちゃんも加
わって、ああでもないこうでもない。うまくいくだろうか。
ミュージシャン・本間が、一生懸命にシステムを作ってくれる。
いよいよ5月14日、「石寒太のしりとり俳句塾」スタート!
間に合うか。心配だが、胸ワクワクである。
<なんだか分からない今日の名文句>
狼の衣を奪え!
5月9日(水) 東京・芝。やすらぎのコーヒー屋
おでこに湿疹が出来た。それほどではないが、気になる。専売病院の主治医の大山副
院長が「老人性の湿疹……」とからかうのでガックリしていたが「専門の診察を受けた
ら」と言われたので、思い切って皮膚科の門を叩いた。
脂漏性皮膚炎。皮脂分泌の多い部分に出来るそうだ。そういえば体にもある。
薬をいただく。
大山先生に「行って来ました」と報告すると「脂が出るほど若い、ということだよ」
とまた冗談。医師と友達のように話せるのが幸せである。
帰りはJR田町駅まで歩く。その途中で「メチャうまいコーヒー屋」を見つけた。珈
琲豆挽売店「Daphne ダフニ」。「アポロとダフニ」のdaphneである。
11種類の豆を挽いてもらって飲む。香りがうまい。実にうまい。(港区芝5丁目1
0−11 TEL03−3451−9440 10:00〜19:00 定休日土曜)
この辺り、桜田通りと日比谷通りに囲まれた下町。大通りは高層ビルが林立するが、
裏通りは昔のままの裏長屋が残っている。そんな町でひっそりと営業している。
その道30年のご婦人が一人でやっている。
話もおもしろい。「田町のいい店探検隊」が「おすすめの店」にノミネートしている
。
そのまま“野暮遊び”に出かける。(「野暮用」とは、ここで書けない用事のこと
。「野暮遊び」とは他人に言えない「遊び」のこと)
「ここだけの話」で朝日新聞批判を書いたが、反応がもの凄い。掲示版の投書はもち
ろん、メールにも投書が続いている。
「良く書いてくれた!」という激励のお手紙が多いが、メールの中には、かなり過激
な反論、暴論もある。
覚悟の上だが、あまりいい気持ちではない。
再三、言うが「本来のジャーナリズム」から逸脱した大新聞の「おごり」を批判した
のであって、別に朝日VS毎日を意識したわけではない。
僕は昔からジャーナリズムを「誰よりも早く、誰よりも恐れず、誰よりも謙虚に、歴
史をデッサンする者」と定義している。その理想とかけ離れているのが、許せないのだ
。
覚悟して書いたが、リアクションが強過ぎると、コーヒーや野暮遊びに逃げたくなる
。逃げが勝ち、も勝負のうち。これも「文吉流」。意味のない議論はしたくない。
午後10時、風呂に入り就寝。
<なんだか分からない今日の名文句>
狼に衣
5月8日(火) 顔に「青春」がある
朝一番で「おけら街道」を書く。たまちゃんの「滑稽なる話」。おもしろいから読ん
で欲しい。
一眠りして、午後2時頃、とろろ飯の朝昼兼用の食事。テレビを見れば「弘前の武富
士強盗殺人放火」の速報。10年間も不景気が続くと、この種の事件、多発する。嫌だ
、嫌だ。
社に電話すると、号外を出したらしい。
野暮用を一件こなしてから出社。同僚から「サンデー毎日が変わりました、と言うけ
れど、どこが変わったのか。出版局の人間はみんなガッカリしている」との厳しい意見
。サンデーの周辺に危機感が溜まっているのだろうが、門外漢の僕には発言権がない。
ただ今週の号、あまりに見出しがまずい。「小泉首相を丸裸にする!」。工夫がなさ
過ぎる。何がニュースなのか、分からない。
見出しは週刊誌の命。いい加減に作るな!作り手の熱い思いが通じなければ、週刊誌
は売れない。
「そのくらいなら『元妻が小泉さんを丸裸にする!』の方がまだ良い」と冗談を言う。
午後6時半から日本記者クラブで「松岡英夫さんを偲ぶ会」。松岡さんは毎日新聞政
治部の大先輩。都知事選に社共統一候補として鈴木都知事と戦った人物である。
その昔、退社した松岡さんに会うと「牧君、部長になったか?、えっ、まだ。俺は3
2歳で部長になった」と言われた。そして、部長になってからは、事務補助員の仕事で
ある「鉛筆削り」ばかりしていた、という。
変な先輩だな、と思った。
その松岡さんは最後の力作「安政の大獄、井伊直弼と長野主膳」(中公新書)を書き
終えて4月8日、なくなった。
岡野・元明大学長が「彼の顔には『青春』が幾つになってもあった」と話されたが、
燃えたぎる意志が、顔面にあった。
その松岡さんにも愚痴の1つや2つ、あったらしい。
岡野さんによると「社会党から選挙に出てくれ、と頼まれたら断れ。落ちたらサーと
いなくなる。共産党の方が敗戦処理をキチッとやる」と松岡さんは話していたそうだ。
何となく理解出来る。常々「インテリもどき」の社会党は、自分勝手だと思っている
が、その無責任さが社民党、民主党に受け継がれているのかも知れない。
会場にはマスコミ人が圧倒的に多く、数人の先輩から「良く書いたな」と言われた。
ちょうど配達したばかりの夕刊の「ここだけの話」の話。朝日新聞の「古い体質」を書
いたが「同業他社を正々堂々と書く姿勢が21世紀には必要だ」というのが先輩方の意
見。励まされた。
もっとも、毎日の女性OBの忠告。「毎日の方が古い、と言われるゾ」。確かに毎日
も古い。覚悟している。が、僕に言わせれば、朝日も毎日も関係ない。新聞が古すぎて
市民から遊離しているのが問題なのだ。
「ここだけの話」で言いたかったのは、新聞社同士の宣戦布告ではない。新聞革命を
しなければならないから、書いたのだ。
パーティ会場で落ち合った石塚弁護士と新橋に出て一杯。彼は、松岡さんの奥さん(
80歳)のピアノの弟子(58歳)。松岡家の愉快な話を聞いたあと、時事放談。話題
は日教組批判。「日本の教育を駄目にしたのは奴ら」という意見には概ね賛成だが、教
育 の現場を良く見ていないので、簡単に批判するわけにもいかない。
雨が小降りになったので帰宅。深夜、腹が減ったので、近くの「小料理・都」の女将
さんにサバ焼き、ニラ玉、焼きニンニクを作ってもらいテイクアウト。
寝るのが、ちょっと、遅くなった。
<なんだか分からない今日の名文句>
届かなければ「情熱」ではない
5月7日(月) 実は尾行していたのだ?
出社する道すがら、軒下に提灯がぶら下がっているの見つける。神田祭りの季節だ。
某出版社から本を書いてくれないか、と依頼。「何を書くんですか?」と聞けば「小
泉さんの本」。「内容は何でもいいから」と言われるが、小泉さんとは面識もない。(
新聞記者として口をきいたことはあるが、少なくとも2人きりで話したことはない)
断る。断固として断る。
これで同種類の依頼、2件目。小泉ものは売れると判断しているのか。儲かればいい
、という話ではない。
このところ「断るケース」が多い。NTVの「知ってるつもり!?」とかいう番組か
ら「三波春夫さんの一生を取り上げたい。ついてはインタビューに応じてくれないか?
」という依頼。三波さんがなくなった時、僕だけしか知らないことを書いたので「三波
さんの専門家」と勘違いされたのだろう。
断る。一生の輪郭を語るほど、知識はない。
それに、テレビに写るのは嫌だ。「麻痺した顔」が出るのが嫌だ。もう少し、まとも
な顔になってから、必要があればテレビに出ればいい、と思っている。
午後、歯医者。一応、今回で治療終了。やっかいになった。先生、毎日新聞の愛読者
で「ここだけの話、鶴ヶ嶺に会ったという話、よかったですよ」と言ってくれる。「鶴
ヶ嶺はふるさと鹿児島の出身力士で応援していたんです」とのこと。なるほど、固有名
詞を出すことが、読者を作るコツなのかも知れない。
金さん不正入国の件。情報通から抗議のような意見。「キミは、HPで『知らぬふり
で入国させ、尾行すればとよかった』と書いたようだが、これまで、そうして来たんだ
。今回の件は、ある決断があったからだ」と話す。
情報通によれば、金さんは約一週間半前にも来日している。「ある人」に会った、と
言う情報もある。つまり不正入国を黙認して、当局は尾行していた。しかし、内閣が替
わり、小泉、真紀子内閣は、この曖昧な対応を止め、強制送還で北朝鮮に「カード」を
投げかけた。
情報通はこう説明する。果たして、これが真相なのか。まったく分からない。が、前
に書いたように、尾行はお茶の子サイサイであることも事実だ。
永田町では、かなり具体的に「金さんと会った人物(政治家)」の名前が取り沙汰さ
れているが、これも霧の中である。
個人のHPでも、権力(幅広い権力)が監視?しているという忠告?もあるので、こ
の問題については、しばらく沈黙する。
編集局次長の朝比奈さんから「鳥越俊太郎・日本記者クラブ受賞を祝う会」の呼びか
け人になって欲しいと要請。「喜んで」と答える。弟分が呼びかけ人になったらおかし
いか、とも思ったが、出来るだけ多くの人に祝って貰いたい方がいいに決まっている。
夜。約束の野暮用。新聞社に興味のある人物なので、編集局を案内。9階のアラスカ
で夕食。
皇居の緑は青々としている。でも外に出ると、東京の夜は嫌に風が強かった。
<なんだか分からない今日の名文句>
日本にもいた?007
5月6日(日) 知らぬ顔で尾行すべきだった
冴えない中年皇太子ご一行の不正入国も、パンダ帽子の「経堂のボンボン」逃走経
路も、イチローのMVPも関係なく、GWを楽しんだ。
幸せだった経験【その1】
「マグロすき焼き」を食べた。ネギマ鍋ではない。鮪のカマ、豆腐、ネギ、くずきり、三つ葉、おふ、椎茸、エノキ。
カマが美味だ。三崎港の「立花」(京急三崎口駅からタクシーで10分「魚市場前」。
バスなら15分「三崎港」下車。TEL0468ー81−2158)
女将に聞くと「当店が考え出したメニュー。多分、ここだけ」
列を作って、午後7時半から2時間待って、至高(嗜好)のひととき。
【その2】
暗闇をついて、やっと「キャンセルが出たホテル」に向かうがナビの調子悪く?
日付けが変わる頃、やっと見つける。しかし、これからが大変、エレベーターがない
古いリゾートホテル。悪銭苦闘して、3階の部屋に着くまで約30分。まいった、まいった。
幹線から農道に入った時、立て札に「三戸部落」とあった。とんだところに紛れ込んだ。
とにかく、泥のように眠る。
そして翌朝。凄い。凄い。海がホテルの目の前に広がり、水平線がくっきり。そし
て、遠くに富士。素晴らしい。
人里離れた、知る人ゾ知る「滞在型ホテル」。建物は古いが、最近もビューティフ
ルライフのロケ現場になった、と説明される。
海辺で車中泊した若者が、朝早くから起動。遠くにヨットの群。見ているだけで、
充実感。朝の牛乳がうまかった。
【その3】
夕方、床屋に行きたくなって、おみやげ屋のおばちゃんに聞くと「島にも
ある。ムラタ床屋」。隣のおばちゃんが携帯で「開いているか、どうか聞いてあげる」
の親切。
概して、小泉さんの地元は優しい。人気抜群の首相を生んだ誇りに満ち満ちている。
幸せな経験は、まだ幾つもあった。何しろ、ビューティフルなGWだった。
さて、帰って、北朝鮮皇太子問題の新聞記事を読む。
政府の対応に意見マチマチ。すぐ帰したのは是か非か。こんなこと、意味のない議
論だ。
僕はこう思う。英国の情報機関から通報があったとすれば、知らん顔で入国を認め
て、後を尾行すれば良かった。
何故、来日したのか。誰に会ったのか。これを調べあげれば良い。平気で出国させ、
また来日するところを、準備万端して、ご用にすれば良かった、と思う。
情報機関に、こんなことは、お茶の子サイサイである。
北朝鮮は国交がない。日本人が何人も拉致されている。ここだけの話だが、密かに
2兆円の経済支援を求めている。
その敵対する国の皇太子がルールを破って、不正入国すれば、尾行して国益に相応
しい情報を取るのが当然である。
捕まってしまえば、強制送還するしか道がない。
知恵を使えば良かったのに。日本政府は国際問題では素人だ。
何故、僕のような意見が出ないのか、理解に苦しむ。
<なんだか分からない今日の名文句>
日本にいるのか、007
5月3日(木) 旅行中につき××××
時々、強い雨。どうも天候がぐずついている。
でも、決意は固い。新聞を点検。メールを点検。ホームページを点検。
午前中から東京脱出。
今日から人並みのGW、と宣言し、家を忘れ、職場を忘れ、ホームページのこともス
ッパリ忘れ、××××。
いつもと変わらないのは、競馬と競輪ぐらいである。
いざ、出発進行!
<なんだか分からない今日の名文句>
駿河の国に茶の香り
5月2日(水) 「しりとり俳句」とは
事情があって、午前中に日曜朝のTBSラジオ「ザ・コラム」を収録して貰う。T
BSの玄関ロビーも閑散としている。
出社。論説委員のM君に永田町の空気を聞く。「80%を超す支持率には誰もが驚いている。ワイドショーの力なんだろう」という分析。身近な政治家でなければ、支持されない。
気さくで、エネルギッシュ。これは、昔からの政治家の要諦。それにしても、鳩山さんには一日も早く裏方に回るように進言したい。このままでは、民主党のアイディアが全て小泉自民党のモノになる。
夕方、上野ABABの並び「みはし」で、おでん茶飯で腹ごしらえ。(「みはし」のクリーム蜜豆、女性陣に人気)
鈴本演芸場の新緑寄席。贔屓の権太楼がトリを務める。彼の人情話にはいつも泣かされる。
発見! 歌之介。凄い。もの凄い。30秒の間に3回笑わせる。喬太郎も一回り大きくなっている。新作に風。それにつけても、小三治、やる気なし。
出て、一杯やろうと思ったら携帯に留守番電話。何が起こったのか。観劇、披露宴は携帯を切るので、情報孤島。
スポニチさんから「タキオン故障。すぐ何か書いてくれ!」
タキオンがデビューした頃から「本当の怪物」と言い続けていたので「無念の想い」を書かせようというのだろう。
時計を見れば、午後9時半。超特急で書き上げるが、出来、すこぶる悪い。
さて、お約束の「しりとり俳句」の説明。
これ、石寒太と相談してシステムを作った「新しい俳句」。俳句は5・7・5。その下の5を取る「しりとり」である。
例えば「古池や かわず飛び込む 水の音」
この句で、下の5は「水の音」。そこで、参加者は「しりとり」して「水の音」を最初の5にして、句を作る。
水の音 ………… ………
という訳だ。
一週間「水の音」で始まる句を投句してていただく。
その中から師匠・石寒太が優秀作を選ぶ。
その優秀作の下の5を頭にして、新たな一週間の投稿が始まる、という仕掛け。
優秀作は石寒太が編集長を勤める「俳句αあるふぁ」で発表される。
俳句のHPは沢山あるが、多分「しりとり俳句」は始めてであろう。
5月14日スタート。現在、スタート句を作れ!という師匠の命令で、頭を捻っている。
ふるって、お参加あれ。
<なんだか分からない今日の名文句>
無事之名馬
5月1日(火) 大手銀行員のご意見
朝、ひんやりする。診療所に行けば、理学療法士の伊藤さんの溌剌とした顔。彼、
ドイツから帰って来た。
「どうだった?」と曖昧に聞くと「日本のビールの方がうまい」。それはそうだろ
う。日本のビールは世界一だ。
伊藤さん、元気で良かった。かなりの強行軍と聞いていたので安心する。リハビリ
視察旅行の件はじっくり聞くつもり。もしかしたら原稿になるかも知れない。
目一杯、自転車を漕ぎ、滑車を漕ぎ、一時間半。厳しい伊藤さんがいると、ついつ
い力が入る。
終わって上野、不忍池あたりを歩く。右足の怪我で、ちょっとの間、歩かなかった
ら、たちまち脚が細くなった。歩け!歩け!だ。
昼飯は湯島天神近くの「天久」で名代のかき揚げ丼。浅草の大黒屋風。厚さ4セン
チ?
天神の男坂をあがる。手すりがあればあがれるが、振り返ると怖い。
午後、原稿書き。たまったメールの整理。4月24日「ここだけの話」で「公的資
金を受けている銀行は給与体系を開示すべきだ」と書いたのに関して、数通のご意見が
来ている。
同感という意見。同感だが「銀行員の貰いすぎ」を理由に返済しない人間が出ると
困る、という意見が多い。
その中で、痛烈な反対意見も一通あった。
大手銀行に勤める40歳後半の方で「昨年やっと1500万円に到達しました。こ
の年収は世間より相当高いと思いますが、あと数年で第2の職場に移らねばなりません。
その時は、現役時代の6割程度です」と実状を明らかにしてくれた。
「むしろ、マスコミの給与水準が高い」と指摘する。
ご説の通り。マスコミの給料は極めて高い。このことについては、僕も再三、指摘
している。ちょっと前にも掲示板でも触れた。公共の電波を使って、若造が1000万
円なんて、貰いすぎ。これも問題だ。雇用関係の二重構造。外部の人間を安く使って、
正社員だけが高給を取る。これは問題だ。
しかし、銀行員も貰いすぎている、と思う。ごく普通のメーカーのサラリーマンと
比べると、大手銀行員の給与はやはり高すぎるように思うが、どうだろうか。
「だいたい、毎日新聞自体本来的には倒産していた筈ですが、三和銀行に助けても
らったのではありませんか?よくこんな記事がかけますね」とも、その方は言われる。
その辺は認識が違う。毎日新聞が銀行から融資を受けているのは事実だ。「過去に
事実上、倒産した」と言われる方もいる。
しかし、我が社は融資を受け、返済に全力を尽くしている。融資先は銀行のお客さ
んではないのか。銀行に返すために、社員が安い給料で我慢している。これは、仕方な
いことで、多分、僕が貰っている給料は世間並み以下である。しかし、多大な融資を受
けている企業に勤めているのだから仕方ない。それが責任というものだ。
その結果、毎日新聞社の借金はかなり少なくなっている、と聞いている。
認識の違いだから、仕方がないが「カネを借りている組織の人間に自由な言論はな
い」と言われているようで、正直言って不愉快な気がした。
日本銀行券は銀行のモノではない。預金者から預かっているモノである。調達金利
が極めてゼロ金利に近い状態で預かっている日本銀行券である。
銀行側に「貸してやる」という思いがあるとすれば、それは思い上がりではないの
か。
しかし、こうした正直な意見は僕に取っては貴重である。勉強になる。
丁重に、そして率直な意見をメールにしたためた。もちろん、恥ずかしながら、僕
の「低い年収」も書き添えた。でも、この年収で、結構、楽しく暮らして生ける。
アメリカとの約束だから、不良債権処理が急ピッチで進むだろう。加熱する小泉人
気の裏で「痛みを共有する季節」がやって来る。
職をなくした人に「40歳後半1500万円」は羨ましい。これは嫉妬の範疇では
ないのか。
巷に、銀行VS民間企業、特に中小企業の不信感が膨張しているように思えてなら
ない。
「しりとり俳句とは、どんなもの?」というメールも幾つかあった。が、少し疲れ
たので「しりとり俳句」の説明は、明日の日記で改めて書くことにする。
<なんだか分からない今日の名文句>
一文惜しみの百知らず
4月30日(月) フランス料理は変わっている
朝から雨。
野暮用を終えて、友人と「どこかに旅行に行く、という訳でもないから、うまいも
のを食べようぜ」と言うことになる。
南青山の「ラマージュ」。フランス語で「小鳥のさえずり」。ビルの5階にあった。
ベランダの庭園が緩やかな時間を演出しているようで、雰囲気は抜群である。
実は、フランス料理は値段が高い上に、ソースばかりに力を入れ、好きになれない。
だから食べない。
しかし、この店の料理は素晴らしかった。素材が素晴らしい。シェフの腕がしっか
りしているんだろう。小さいところに気を使う。特にトマトは絶品である。
客席チーフに「フランス料理は嫌いだったが、うまいネ」と声をかけると「フラン
ス料理に偏見があるんです。パリは内陸部。海の素材が揃わない。そこでソースの旨さ
でフランス料理は売ってきた。そこがイタリア料理に負けたところです。それが、最近、
パリの店でも素材を空輸して素材で勝負に変わった」とのこと。
フランス料理は変わっている。確かに、この店、魚の素材がいい。
「トマトが甘い」と言うと「トマトは栃木が一番。すべて生産者の名前が明記され
ているから安心です」とのこと。農業も競争時代に入っている。
5時近くになって、ようやく薄日。野暮用先に戻って、一仕事。その後「おけら街
道」を書く。
新聞各社の小泉内閣の支持率80%前後。ご祝儀相場を差し引ても、空前の数字で
ある。
多分、半分ぐらいは真紀子さん人気。一ヶ月前には小泉さんを「派閥人間」と滅茶
苦茶に批判していた真紀子さんが、勝ち馬候補に乗ってから、世の中、変わった。
「外務大臣がいい」と彼女の方から、ポストを指定しても仕方がない、と思う。
それにしても、日本人って、人気投票が好きだ。
これを好機に衆参同時選挙が日程にあがる様相。
その前に試金石の都議選。石原慎太郎とツーショットのポスターを作った都議候補
が先を争って、小泉さんと写真を取りたいと、申し込む。
あっと言う間に風向きが変わるのが、この世界。
何度も言うが、それにつけても、民主党は「鳩山」では負けるぞ!
<なんだか分からない今日の名文句>
真紀子も、君子も、凡人も、豹変す