編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2001.10月
10月30日(火) 失業率は5.3%なのか
未明、この日記を書きながら、ついウトウトして、途中で書くのを止めてベットに入
った。少し、辛抱が出来なくなっている。歳なのか、秋の寒さなのか。
29日の日記では「AERA」のことを書いていた。
小さな特集「日本政策投資銀行の大罪」は読ませた。地方に点在する
「第三セクター大型プロジェクト」の破綻状況を詳しくレポートしている。
眉唾もののリゾート計画にいつも融資したのは「日本政策投資銀行」(旧名・日本開発銀行)。
とても融資なんて出来ないハズの計画でも融資したのは、事業主体が第三セ
クターだからだ。第三セクターの中核の地方自治体。町や村が手にする地方交付金、国
や県の補助金が、いわば“担保”のようなモノで、貸し倒れになったら、地方自治体が
全額損失補償する仕組みになっている。だから平気で貸した。
第三セクターはどれもこれも破綻寸前である。
誰が責任を取るのか。
競争を知らない国営金融機関が、なんらリスクを負わずに融資を続けた。大罪。「A
ERA」はこの銀行の歴代総裁の大半は旧大蔵省事務次官だったーーと結んでいる。
日本の破綻は資本主義の国と言いながら、競争原理を忘れたことに起因する。そして
、競争に負けたら責任を取ることをしないことに、すべては起因している。
資本主義の原則は「競争、責任の明確化」ではないのか。民間はリストラという名の
「責任」を取っているのに、官僚たちは「誰の責任なんでしょう」という涼しい顔だ。
午前、来客1組。特殊法人を選ぶか、民間を選ぶか、特殊行政法人なのか、難しい選
択に悩むリーダーの苦悩を聞く。何もお手伝い出来ないが、知恵を出そう。
午後、頼まれ原稿。一時間で800字。
届いた夕刊に「完全失業率5.3%」。ホントかしら。もっと高いハズだ。関西では
確実に6%を越えている。地域別の数字を出すべきだ、と思う。
「卸売り、小売り、飲食店」は前年同月比32万人増。狂牛病が原因なのに、厚生労
働省は「因果関係は分からない」とコメントしている。
正直に言え!
これでは「責任逃れ」と思われても仕方ない。
夜、プレスセンターで、たまちゃんの「Vライン2」の出版記念飲み会。気心知れた
参加者10人。奥さんの功、大、ということで全員からマフラーを贈る。たまちゃん、
お礼に参加者全員に虎屋の羊羹を配る。
たまちゃん、当方に「一冊しかない金粉入りの豪華特別製本」をプレゼントしてくれ
た。友人の「大口製本」の労作。見事だ。
たまちゃんの競馬必勝法を「Vライン」と命名した功績に応えるプレゼントだそうだ
。ありがとう。
ともかく、この本、売れている。
<何だか分からない今日の名文句>
みんなで嘘つきゃ、怖くない
10月29日(月) 責任者は誰なのか
浅草橋の問屋街はクリスマス一色。樅の木にサンタクロース。
近くの「なんでも屋」?のオヤジに会うと「大井で一日にG1が2レースだって(3
1日)。G1の格が下がるよな」と不満そうだ。
大井で賞金総額3億円はバブル時代より高い。さて、興行的にあたるだろうか。
駅前の売店で「AERA」を買う。この雑誌は出来不出来が激しい。前週号は「同時
テロのとオウムが似ている恐怖」と言ったような切り口。これがまるで取材せずに、か
つてのオウム側の御用学者?に聞いた「意見」をそのまま載せている。御用学者の意見
を載せることに反対しないが、取材努力がないと、カネを出した方は裏切られた感じが
する。この記事がトップだから「AERAも三流誌か」と思ったりした。
ところが、今週は読みごたえがあった。
どれもこれも、期待に応えている。デスクが毎週ごとに変わるのかしら。
「日本政策銀行の大罪」は特におもしろかった。
地方に点在する大型プロジェクトが、どれもこれも破綻寸前である。第三セクターに
莫大な融資をした国営金融機関。その辺に責任があるように思うのだが、プロジェクトの
現場を点検している。
先頃、弘前に行った時、弘前中央駅というところから大鰐町に向かうローカル線を見
つけた。はじめ「鰐」という字が恥ずかしながら「わに」と読めず、地元の人に聞いた
。その時「温泉があるところですよ。一時間に1本ですから不便ですよ」と言っていた
。
だから、この記事に「青森県南津軽郡大鰐町」とあると興味を覚えた。太宰治の紀
行文「津軽」に登場するこの町に1987年「地域総合開発株式会社」が出来、「スパ
ガーデン湯ーとぴあ」を作った。73億円かけてつくった。それが無惨な施設になって
いる。
観光客がまるでいない。どうしたらいいのか。
この破綻が日本全国にある。
ここまで、日記を書いたのだが、眠くなったので止める。以下はあした。
<何だか分からない今日の名文句>
太宰は金儲けが嫌いだった
10月28日(月) 秋田で世界俳句大会!
天皇賞の予想を見ようと、日刊スポーツを勝って見たら「日曜日のヒーロー」という
欄で「ニュースを食らう鳥越俊太郎」の大特集。一面、全て鳥ちゃんだ。
鳥ちゃん、メジャーになった。
インタビューを細かく読むと、毎日新聞の若い記者時代は「山あり谷あり」だったと
いう。大阪府警担当、テヘラン特派員。羨ましいポストなのだが、鳥ちゃん、実は不満
だったらしい。
不満だったが「その時があったから今の自分がある。人生勝負の結果は焦ることはな
い」と話している。
余裕たっぷりではないか。弟分の僕としても、焦らず焦らず行こう。
来年9月、秋田県雄和町で世界俳句大会が開かれることになった。友人が送ってきた
「秋田魁新聞」で知る。
石寒太の影響で、急に俳句に目覚め?子規の革新運動に興味を持つようになった。子
規の研究は今や世界的で、今年5月、ロンドンで「没後100年記念研究会」が開かれ
た。参加者は130人あまり。
そこで日本で初めての世界俳句大会開催が決まった。
子規の作品は写生的。今で言う「CMコピー」の面白さもある、外人には「分かり易
い作風」なのではないのか。
アメリカでも俳句は大流行の兆し? 短詩型メールが新しい文化を作りつつあるのも
事実だろう。
なぜ、世界大会が「秋田県雄和町」か、と言えば、この町、俳句革新運動の重要な人
物・石井露月が生まれたところ。近くに象潟、田沢湖など「吟行」に似合う土地がある
。
松山と言い、秋田と言い、土地土地が俳句を大事にしている。「中央」は日本独自の
文化をないがしろにしているーーとは言わないが「お金にならなければ文化じゃない」
と平然としている面もある。結局、地方・地域の発信が日本本来の文化を守り、発展さ
せる。
アメリカの属国になることが、正義と勘違いしている中央の指導者の頭には「
日本の文化」なんて、頭の隅にもない(のでは、と疑う)。「米百俵」だけが文化、で
は断じてない。
炭そ菌、アメリカ国内の超右翼グループの仕業、という米紙報道。何が本当やら、分
からない。
社民党大会が福島瑞穂さんを幹事長に選ぶ。品位に難ありの辻元さんを政審会長に起
用するのには、いささか疑問を感じる。
辻元さんは、かつての浜幸さん、近くは鈴木宗男さんのような「匂い」がする、と思
っているのは多分、僕だけだろうが……どことなく、好きになれない。
テレビが「おもしろタレント」と大騒ぎするのは勝手だが、公党の指導者としてどう
だろうか。
いずれにしても、今の社民、おままごとの布陣?
午後3時半すぎ天皇賞。どう考えてもテイエムオペラオーとメイショードトウとしか
考えられない。でも、馬連の2−6は300円ぐらい。考えに考えた末に「ワイドで行
こう」と決意した。その方がつける。
オペラオーとメイショドトウがゴールインした後、少し離れてゴールする3着馬は何
か?
重に強いと思われるアグネスレジタル。毎日記念で良いところを見せた8歳馬・ダイ
ワテキサス。それが来れば、ワイドとしてはマズマズの配当だろう。2−10、6−1
0、10−11、2−11、6−11のワイドで勝負。
ところが、そのアグネスが一着に来てしまった。競馬に絶対はないんだ。当たりはし
たが、妙な気持ち。
雨が降り続き、夜、寒くなった。
<何だか分からない今日の名文句>
アメリカ、誤爆、社民は誤選で自爆?
10月25日(木) アシュカ王の教え
朝、「競馬はロマン」執筆。競馬用語で「ボロ」とは馬糞のこと、といったようなど
うでも良いことを書く。
出社。埼玉県に住む若い友人が相談事があるというので、昼、地下一階の「大作」で
落ち合う。知り合いのカメラマンも一緒である。
「市議会議員の選挙に出る。応援してくれないか。いま、カメラマンにポスター用の
写真を取って貰ったところ」。結構じゃないか。
10年前、彼が僕の部下だったころから「選挙に出たら良い」と思っていた。彼、「
愛と知恵」を持っている。明るくて、何でも隠すことなく話し、知恵を絞り、あくまで
も平等に判断し、平等に行動する。政治家向きだと思っていた。
奴なら地域社会のリーダーになり得る。「カネ以外のことなら何でもやる」と約束す
る。正直なところ、ロクに力にもなれない僕に、相談してくれたのが、うれしかった。
夕方、出版社勤めのKがFを連れてやって来た。3人は早稲田大学第一政治経済学部
新聞学科の同級生。Fとは昭和42年卒業して以来の再会である。
Fは今、静岡県内で浄土宗の住職をしている。元々、徳川家由来の寺の跡取りだった
が、新聞記者になりたくて、早稲田にやって来た。そのうちに政治思想史に興味を持ち
、政治学科の大学院に進んだ。ところが色々あって、やむなく親の跡を継ぐことになり
、仏教大学に入り直す。28歳の時に住職になった。
そんなこと、まるで知らなかった。
最近、僕の「新聞記者で死にたい」を読み、急に会いたくなって、Kに当方の居所を
尋ねて、やって来たという。思わぬ再会に当方、大喜びである。
話題は仏教の改革。明日(10月26日)浄土宗のヨーロッパ総局を作る準備ために
フランスへ行くという彼、訥々ではあるが、熱意を込めて「生きている人間のための宗
教でありたい」と話す。
その昔、戒名に「犬」「猫」「馬」「牛」と言った文字を使った宗派があった。死ん
でも差別する宗教。それでいいのか。という話。始めて聞いた。
僕に言わせると、戒名に「並」「上」「特上」があるのが、けしからん。だから坊主
は尊敬されない、といったような意見を述べるが、それには、異論もあるようだが……
。
まあ、そんなことに始まって、30数年前のように、いやにまじめな議論になった。
缶ビールを7本開ける。
Fは当方に同時テロについての意見を求める。いつも、この日記で書いているような
ことを話す。
彼の意見は概ね「浄土宗の基本的な立場」である。
「ちょっと前までアメリカが声高に叫んでいた『グローバリズム』がテロの一撃でバ
ブルのように消え去った。西欧キリスト教文明が生んだ『近代』の普遍性も否定された
……としても、血の宗教戦争になってはいけない」という立場である。
彼が持ってきた浄土宗新聞はこんなことを書いている。
「ユダヤの民が信ずるエホバの神とキリスト教の神、イスラムのアッラーの神は、す
べて同じ神様だ。旧約聖書はユダヤ教、キリスト教が共有し、イスラム教は預言者ムハ
ンマドとその聖典コーランだけを唯一絶対と信仰するのではなく、ユダヤ教の『律法』
キリスト教の『福音書』をも尊敬している。イスラム教徒にとっても最初の人類はアダ
ムとイブなのだ。
今こそ、インド古代仏教を集大成したアショカ王の言葉を大切にしよう。『すべての
宗教の基本となるものは言葉を慎むこと。すなわち、不適当な機会においてもっぱら自
己の宗教を賞揚したり、他の宗教を非難しないこと。穏和であること』。アシッカの言
葉を味わおう」
浄土宗は「縁」によって生き、他を認め許しあう「共生」の思想に立っている。
F、Kと再会を約し、別れてから、仕事場の近くを夜の散歩。ちょっと汗ばみ、気
分爽快。
今日は楽しいことばかりだった。
<何だか分からない今日の名文句>
同気相求める
10月24日(水) 逆さ見る
朝、深川の閻魔堂・法乗院に墓参り。母・ふみがなくなったのは1996年10月2
3日。今日は六回忌。来年は七回忌になる。
死ぬ五年前、僕が脳卒中で4日間、意識不明になった時「わたしゃ、逆さを見る訳に
はいかない。太郎はそんな親不孝はしない。絶対に死なない」と葬式の準備をそれとな
く進めていた周囲をどやしつけた。
お袋より前に死ななくてよかった。いつも、墓の前に行くと「俺は親孝行だろう」と
胸を張る。コーヒーが好きだったので、墓の上からコーヒーをかける。
閻魔堂は改築中。若干の寄進をする。
出社後、午後4時に例のお勉強。3週も休んだので、前回、教えて貰ったことをころ
っと忘れてしまっている。駄目だな。
社に戻ると、たまちゃんが「菅原文太の倅が死んだ」と言う。倅の薫クンが世田谷区
北沢の小田急線踏切で、遮断機をくぐり抜けようとして、電車にはねられた。
馬鹿野郎! 親不孝!
文太さんの子供は確か3人。男は薫クンだけだと思う。だから、文太さんも、インテ
リの奥さんも目の中に入れても痛くない存在だった。
文太さんは若い時から、健康に人一倍、注意していて、お宅におじゃました時、僕の
前で血圧を計っていた。トラック野郎を演じていた頃なので「一番星が血圧を計るなん
て……」とからかうと、役者は健康だけが財産、と言っていた。
それなのに……思いもよらぬ倅の事故死。文太さんは遺体に寄り添って、岐阜の山荘
にもどったという。
68歳の親父に突然、やって来た不幸。逆さを見るのは、やるせない。思わず、もら
い泣きする。
暫くしてから、岐阜に線香を上げに行くつもり。
夜、副編に来て貰う。主にパソコン絡みの相談と助太刀。彼がいないと、万事休すで
ある。
世間話。ダイエーはどうなるのか、ゼネコンはどうなるのか。暗い話が多い。
<何だか分からない今日の名文句>
朝に紅顔ありて夕べに白骨になる
10月23日(火)横浜国大・腰原久雄教授の意見
前夜、市川で一泊。JR市川駅北口の「ヤマザキ」の2階にあるレストラン「PA
STAT」で、モーニングサービスを食べる。トースト、ゆで卵、ミニサラダ、ミニデ
ザート。それにコーヒー、生ジュース、日本茶、ウーロン茶が飲み放題。450円は「
お得」ではないか。コーヒーを2杯。オレンジジュースを2杯。ゆっくり飲み、ゆっく
りスポーツ新聞を読む。
それに、この店、トイレが実に綺麗だ。朝から、得した気分。
午前中、若干の医療機関取材。続いて原稿。
夕方、道端で横浜国立大学経済学部の腰原久雄教授にぱったり会う。誘われるままに
、近くの教授の家におじゃまする。お互いの倅が市川市立真間小の同級生ということで
親しくなり、10数年前まで、何度か近くの居酒屋で飲んだが、自宅におじゃまするの
は始めてである。
10年前、僕が脳卒中に倒れ右半身麻痺。8年前、今度は教授が出張先の徳島で「く
も膜下」で倒れた。彼は運良く手術が成功して、全くの健康体に戻ったが、それから5
年後、今度は脳出血で倒れて、教授、ついに左麻痺になってしまった。
お互いに「酒の飲み過ぎ」と原因が分かっている。同病相憐れむ、である。
教授、頑張っている。医師から「大学へ戻ることは出来ないでしょう。金輪際、電車
に乗ることは出来ない」と言われた。かなり病状が重かった。「そう言われたのが悔し
くて、何とか歩けるようになった」。今では、杖を頼りにどこまでも行く。見事なもの
だ。大学の仕事の他に各種審議会でも活躍している。頭が下がる。
左麻痺だったので、言語に障害がなかったのが幸いしたのだろう。それにしても「駄
目!」と言われると、逆に闘争心に火がつくタイプなのだろう。僕とやや似ている。
教授の一家は市川市真間辺りでは有名な秀才一家。倅2人も東大卒。もちろん、当人
は天才に近い。彼の日比谷高校の同級生に加藤紘一、利根川進ら有名人がいっぱいいる
。
倒れなかったら、学界でもっと“出世”したかもしれないが、教授は倒れてから「人
間の幅」が一段と広くなったように思う。
「退院して始めて家の前を歩いたら、小学生が『頑張ってね。おじちゃん』と声を掛
けてくれた。うれしかった。その時、俺は地域を大事にしなかったじゃないか、と思っ
て、情けなくなった。大学の行政をやるけど、地域のボランティアもやるつもりだよ」
と話す。
地域より職場に対する帰属意識が強いのは、僕も同じ。これに気がついたのも、僕と
同じだ。
彼の専門の統計学の説明をはじめ、教授の“講義”を受ける。統計学って、おもしろ
い。
専門以外の話はもっとおもしろかった。
「栄養士は患者に何々をどのくらい摂取しろ。何々を食べるな、と餌を与えるように
指示する。日本人は餌を食べるのではない。日本食という文化を食べるのだ。日本の食
文化をめちゃくちゃにしているのは、戦後、アメリカ追随の食文化を提唱し、その癖、
ガンが死亡原因になると、日本料理がいい、と言い、やたらカロリー制限をする栄養士
」と主張する。
なるほど、なるほど。教授は日本の食文化を大切にする頑固者で、アメリカ人に「か
つおぶし」を食べさせて、悦にいる人物だ。
もっとおもしろかったのは、教授のアメリカ観。 彼、若い時、アメリカで勉強した
。
「アメリカは多民族、多文化、多宗教、州によって決まり、秩序がまるで違う。だか
らアメリカ人には国家意識がない。ナショナルがないんだ。ナショナルがないんだから
、インターナショナルなんてあるはずがない。アメリカ人はそれを良く知っている。だ
から星条旗を掲げて、国家意識、インターナショナル意識を高揚するように努める。そ
れが、しょっちゅう戦争ばかりする理由だ」
アメリカの戦争ごっこに、氏はかなり批判的だ。
もう少し話したかったが、当方に用事があり、約1時間半で辞する。今度は、ゆっく
り飲むか。
総武線で東京に戻る。午後7時、柳橋の仕事場に友人の弁護士先生。野暮用一件。彼
を誘っての夕飯は近くの「赤兎」。弁護士先生も豪快に飲む。酒飲みの東大卒とは何故
か、気が合う。丹波の黒い枝豆が大きくて、うまかった。
その間、携帯に演歌歌手・桔梗さんから「テレビの取材を受けている」と報告。少し
前、僕が「『お帰りの詩』を歌い、刑務所を慰問し続ける歌手」と紹介したら、このコ
ラムを読んだNTVが彼女の特集を組むようになったのこと。同慶。
少し、余分に飲んだ。眠るのが遅くなった。
<何だか分からない今日の名文句>
酒は天の美禄
10月22日(月)自治労とライジングの類似点
秋の知能犯2大事件「自治労」と「ライジング」の類似点が次第に明らかになってい
る。
(1)巨大な裏金。巨大な債務。
自治労は80年代の「組合員200万人獲得運動」で闇の金が必要だった。組合費の
預金額を抵当に、10億、15億と巨額な借金をする。これが38億円の簿外債務にま
でなった。
ライジングプロダクションの平哲夫・前社長は「ある理由」で裏金が必要だった。「
ある理由」については後述する。そこで架空の取引をでっち上げ、キックバックした2
5億円の所得を隠した。
(2)総会屋、右翼、暴力団の関与
自治労の元特別執行委員の長谷川陽光さんは、ゴルフ場開発に投資した一件で右翼に
脅され、右翼対策費を使わざるを得なかった。
ライジングは「ある理由」で、総会屋、右翼、暴力団に恒常的に資金源にならざるを
得なかった。その理由とは、平さんが「組織暴力団I会の隠れ構成員」であることであ
る。平さんが「地域対策費」と説明する資金は、安全な地方興行のために必要というよ
り、ライジングが「企業舎弟」的な存在なのだ。
(3)そして大物政治家
当局が「標的」と考える政治家が存在する。自治労事件では民主党のY。ライジング
事件では2K。(実は18日の日記で「K」のことに触れた。その頃、朝日新聞が19
日の朝刊で加藤紘一・元自民党幹事長がライジングから借金をしていた、と報道してい
た。確かに加藤さんと平さんが再三、カラオケに行っている。僕が「標的」と書いた「
K」は二人いる。もう一人の「K」は平さんの兄貴分と親しい「K」である。だから「
2K」と書いた方がいいだろう)
類似点を並べてみると、右も左もない。権力は腐敗し、ハイエナが群がる。
出社。銀座中学校前の「くはら」から「開店5周年」の記念品が届いている。平成1
4年の「和風日めくり」。今年も、あと70日か。早い。
午後、雨になる。夕方、市川へ優之介の顔を見に行く。途中、毎日新聞を退社して、
大学教授になったMに会う。生き生きとしている。
性に合っているんだろう。羨ましい。
肉屋が「当店は味、安全な豚肉を用意しています」と盛んにアナウンスしている。八
百屋盛況、魚屋まずまず。肉屋パラパラ。今年の税収が思いやられる。
深夜、タリバンが日本人記者を拘束のニュース。従軍記者ではなく、自分の目で確か
めたいと思う記者は命が幾つあっても足りない。心配だ。
<何だか分からない今日の名文句>
金が仇
10月21日(月) 留学生の人権
週末、共同電が「同時テロ実行犯2人のアパートから地下鉄サリン事件を特集した米
誌が押収された」を報じる。炭そ菌事件は、やはりオウムの「亀戸・炭そ菌実験」とは
無縁ではなかった。
米食品医療局(FDA)はジプロに加えて、ドクシサイクリンとペニシリンの2種類
の抗生物質を酸そ菌感染の薬として緊急認可した。
僕のあくまでもカンだが、特定の薬品会社の株を大量に買ったグループが犯人だと思
う。彼らは社会不安をかきたせ、その裏で「聖戦の資金」を獲得している。
毎回、この日記で主張しているが、日本の炭そ菌対策、万全を期してもらいたい。株
で儲ける奴がいても、念には念を入れて、対策を取るべきだ。日本列島でテロを起こさ
せないのが、世界への最大の貢献。
大銀行の命も大切だろうが、人命はもっと大事だ。公的資金の使い道を冷静に考えて
くれ。
あまり報道されていないようだが、大学の留学生調査がかなりのテンポで進んでいる
。特定の国(20数カ国)からの留学生の身元調査。当然ではあるが、人権尊重を忘れ
ないで欲しい。
イスラムは敵ーーという風潮がキャンバスに蔓延したら、留学生に金を使う日本独自
の「安全保障政策」がガタガタになる。
APECの開かれた上海で、隠れた話題は「中国外務省がビンラディンに数百万ドル
の資金援助をした」という英紙ガーディアンの報道である。アメリカがアフガニスタン
攻撃に使った巡航ミサイルの不発弾を手に入れたいと考えた中国がビンラディンに接触
した、と同紙は分析している。
APECの開催時期に合わせた疑惑報道で、開催国・中国は窮地に立たされている。
米中の情報戦も佳境。
日曜日、デリキットは新潟競馬のメインレースで7着。働き詰めだから、しばらく休
養か。
菊花賞はご存知の通り。スローペースを忘れた近代競馬だからこそ、突如、飛び出し
た番狂わせ。アッとさせられる。夢の4万馬券。だから競馬はやめられない。
夕方、親友から「取ったらしいな?」と携帯。実は「この秋、再大の事件はマンハッ
タンで起こった。だから、マンハッタンカフェが勝つ」と妙な予想をしていた。「もち
ろん、總流しで、万馬券!」と威勢よく予想していた。
ところが木曜日、たまちゃんが「マンハッタンカフェ? どうですかね」と否定的に
言うので、買うのは止めた。
競馬場にいるたまちゃんが「奴の言った通りだ!」と叫んだので、競馬仲間は僕が4
万馬券を取り、それを隠している、と誤解している。買ってない。断じて、買ってない
。
でも、買っておけばよかったな。たまちゃんが悪いんだ。ああ、残念無念。やけ酒は
缶ビール2本。
<何だか分からない今日の名文句>
あなたのカンを信じなさい、ホレ信じなさい!
10月18日(木)ライジング事件の標的「K」
知能犯事件の摘発は「100日戦争」と言われる。秋口から摘発をはじめて、うまく
行って「標的」を逮捕、起訴にもちこんだら、お正月ーーである。
だから「秋の大事件」の導入部分は9月半ばに摘発される。9月中旬には強制捜査に
入ると思っていた「ライジングプロダクションの脱税」は大分、遅れて、今日(18日
)平哲夫・前社長が捕まった。
逮捕者9人。妹の現社長も捕まっている。そこに地検の意気込みが感じられる。
この事件、10ヶ月も前の税務調査で脱税がばれ、平・前社長も概ね“自供”したの
だが、東京地検が強制捜査に拘った。時間はかかったがようやく「標的」が見えてきた
。
捜査当局が狙いを絞っているのは、このプロダクションから裏金を貰っていてもおか
しくない「K」だろう。
政治とテレビと芸能界の構造悪にどれほど肉薄できるのか。
朝、診療所。雨が降っているので患者が少ない。大好きな患者仲間I君の顔を見ない
ので、気になって聞くと、I君が転がって、顔一面、青あざだという。ご子息の就職が
決まって、ついお酒を飲み過ぎて転がったとらしい。彼らしい、とうれしくなった。
I君は当診療所で一番男前。気性がさっぱりとしていて人気抜群。子供じみた立ち振
る舞いが母性本能をかき立てる。
女じゃなくても好きにならざるを得ない男だ。せがれの就職決定で、右半身麻痺の体
を考えもせず、深酒するなんて、彼らしい。いい男だ。
脳卒中患者だからと自己規制して生きるなんて、だらしがない。彼、水泳も始めた。
実に積極的だ。
顔のあざなんて名誉の負傷だ。でも、I君にあったらからかってやろう。
午後3時。歯医者。歯医者のあるビルの警備が一段と厳しくなった。アメリカ企業と
提携が報道された企業が入っているからか。歯医者の診療券をガードマンに提示するの
が、面倒臭い。
たまちゃんの予想がファックスで飛び込む。今年の菊花賞は3強が強いから、はじめ
ての3連単の的中者が出る可能性がある。参加者は現在(18日夜)で20人を越えて
いる。
願う!全員参加。
<何だか分からない今日の名文句>
当たるも八卦
10月17日(水) ナチスに「悪魔」を学べ
雨。季節はずれの妙な台風の影響か。昨日の快晴が嘘のようだ。秋の空。
午前中、東京専売病院で検診。血圧126ー76。ベストである。ロビーで倅と会う
。風邪が長引いているらしい。
帰宅すると、郵便物多数。まるで面識のない方からの郵便物は気味が悪い。いま、全
世界で郵便物を開けるのを躊躇する人が何人もいるはずだ。
パーティの季節か、その種の案内状が多い。「総合ジャーナリズム」の池田恵美子さ
んが「出版女性史」を出した。女性が仕事をすることが難しい時代を駆け抜けた女性出
版人31人の物語。
これは意味のある仕事だ。彼女、7年かけて取材し、一冊の本にした。
このパーティだけは万難を排して出席するぞ。(11月12日、日本プレスセンター
)
我が一口馬主の愛馬・シルクハイネス引退のお知らせ。ラムタラの子。12年8月
31日に遅いデビュー。13着、13着、13着、最後は14着。一頭も抜くこともな
く、淡々と歩いた。いや、間違え。悠然と走った。
一度として、前を行く馬を抜こうともせず、あまり抜かれもしなかった。良いな、そ
んな生き方。
北海道の上野育成牧場で肌馬になる。
馬代金の10%で肌馬として売却するので、わずかだが出資金が戻ってくる。未勝利
馬なので、補償制度が適用される。代替出資証書が送られてきて、そこに記された「出
資金の約50%の金額」で、次の馬に出資する事が出来る仕組みである。さて、どうす
るか。
炭疽菌騒ぎ、さらに深刻。米下院では保菌者が30人を越えているらしい。パ
ニック状態になるな、というのが無理である。
CSテレビで「もうひとつの歴史」を見る。秘密結社「オデッサ」の話。ナチスドイ
ツが終戦直前に作った「資産隠し」と「ナチス残党支援」の闇情報機関。ユダヤを地球
上から抹殺するのが、彼らの目的だった。
すでに消滅したと言われるが、この十年間に起こったイスラエル関連のテロ事件に関
与が囁かれたこともある。
映像が凄い。ナチスに殺された人々の山をアイゼンハワーが見る場面。骨と皮の人間
が残土のようになっている。
狂気の愛国心は、それほど残虐になり得るのか。
日本は、そのナチスと組んだ。ナチスドイツの残党、アイヒマンは平然と「俺が殺し
たのは600万人」と話している。
日本はそのナチスドイツと組んだ。そして、戦い、日本人は次々に命を落とした。そ
の代償として平和を獲得した。
戦争を始めるものには大義がある。立派そうな大義がある。しかし、我々は「大義に
隠れた狂気」の存在に目を向けなければならない。
同時多発テロは「狂気を正当化するアラブの大義」である。狂気がすべての出発点で
ある。いま、アメリカに大義はある。しかし、戦争の大義は意味を持たない。なぜなら
、大義は双方にあり、愛国心は双方にあるからだ。
そして、その結果は、ただ狂気の地獄絵が残るだけである。それは歴史が語っている
。
アメリカの選択をどうこう言うつもりはない。ヨーロッパの選択にどうこう言うつ
もりもない。同じ自由陣営の結束にそれ相応の負担があっても、それは町内会費のよう
なもので、これにどうこう言うつもりはない。
が、断じて、日本は狂気に荷担してはならない。大義は狂気に変わる。
そんなこと、誰もが十分に判っていながら、今の日本は「大義」に負けそうになって
いる。「大義」に乗り遅れてはいけない、と思い始めている。
日本には「交戦権を放棄する正常な大義」があるではないか。慎重に慎重に。
夜、もう一人の倅が遊びに来る。こじんまりしたスーパーに勤務している彼、不景気
を嘆く。
狂牛病対策の遅れが日本経済をめちゃくちゃにする、というのが彼の意見。まあ、頑
張れ。何かあったら、俺がいるじゃないか。と酔って、偉そうなことを言う。
僕も今年の暮れは、狂牛病自殺が次々に起こるような気がしてならない。
<何だか分からない今日の名文句>
問答無用は偽大義
10月16日(火) 小泉さん、偽りの求心力
快晴。朝、隅田川沿いを散歩。昨夜、少し食べ過ぎた。食べ過ぎると確実に太る。秋
だなあ。
取りあえず歩く。地元の区議さんにばったり。焼きたてのパンを貰う。
「町内の運動会の寄付集め。手ぶらでもまずいので……」。そこで自転車の駕篭にパ
ン袋を大量に入れている。下町らしい心遣い。この区議、なかなかの人気者だ。
蔵前橋を渡って本所、東駒形、吾妻橋……銀杏の葉が道路を転がっている。
この辺り、外食産業がなく、喫茶店もない。職人の町には喫茶店が似合わない。職場
で「10時」「3時」のおやつが出て、お茶にする。職場のコミュニケーションをこう
して守るのが下町風なのだろう。
やっと向島あたりで喫茶店を見つけ、あんみつをお昼代わりに食する。
急いで帰って「おけら街道」を書き上げ、午後、出社。
毎日新聞の「悼」の欄(土曜日夕刊)に尊敬する藤山洋吉さんを取り上げることにし
たので、デスクに写真を出す。良い写真だ。実に品の良いお顔だ。
原稿が写真に比べ出来が悪い、と感じて3度、書き直した。ひょっとして、その人物
を評論する最後の記事になるかも知れない。
そう思うと、妙に原稿に力が入ってしまう。力を抜くカンどころが難しい。
たまちゃんに彼の近著「Vライン2」を「菊花賞3連単遊びの賞品に出してくれ」と
頼む。たまちゃん、快諾。彼の話では三強の力が抜けているので、今回の菊花賞は比較
的予想が易しく、初の3連単的中者が生まれる可能性大。そうかなあ。たまちゃんにも
、当たって欲しい。
テロ対策支援法衆院通過。言うに耐えない小泉内閣のドタバタ。公明党が自民党と民
主党の接近に激怒した、という舞台裏。相変わらずの永田町の綱引き。ブッシュと約束
した「時間的余裕」がなくなって、小泉さんはかなり焦っている。永田町の綱引きに負
けている。求心力は急速に落ち込んでいる。
実は自分の党だけが、自分の派閥だけが、自分の家庭だけが、本当は自分だけが大切
な「内なる哲学」の人物が、あたかも自分より家庭、家庭より派閥、派閥より党、党よ
り日本を大事にする「外向きの哲学」を装い、突如「愛国心」を言い出す。「愛国心」
に忠実な党=私を重用せよと、居丈高になる。これが「悪党」でなくて、何が「悪党」
だ。そんな人物が残念ながら永田町には居る。
「自己愛だけの愛国心」なんて信じられるか。
法案成立に力を貸した人間が、次の“人事異動”で、何を要求するか。見えるようだ
。
でも、毎日の調べで、内閣支持率81%。恐ろしい。
<何だか分からない今日の名文句>
おっちょこちょいの「愛国心」はいらない
10月15日(月) 権力に寄り添う人
朝、来客1組。元銀行員で、現在ビル管理会社の顧問という方がやって来て不動産投
資?の話をされる。さして興味はないが、土地の値段暴落が日本を苦しめていることだ
けは事実。少し「土地」を勉強しなければ、とは思うけれど。
鎌倉市長をしている元朝日新聞の竹内謙さんから印刷した挨拶状が来る。何故、三選
を目指さなかったか、彼としては丁寧に説明しているつもり。「草の根の市民が主役に
なる市民主義選挙」を確立するための勇退らしいが、今一つ、この文章からは真意が分
からない。
「春は春の仕事を終えればその地位を夏に譲るのが天の道です」。読む方が何となく
恥ずかしいような文面(失礼)で、当方、ドギマギする。
行政能力はなかなかのものだった。竹内さん、ご苦労さまでした。
昼、日本記者クラブで保守党党首・野田さんを囲む昼食会。なかなか時間がなくて、
この種の勉強会に出席できないが、たまたま時間が空いた。幸運である。
実は野田さんという人物の本当の面相を見たかった。
テレビを見る限りどうも悪人面で(失礼、僕の周囲の人の大半がそう言っているので、
そうかなあ、と思っている程度で)好きになれない。ところが、彼の言い分を活字にす
ると、結構、まともなのだ。彼は損をしているのか。本当は「善人」なのか「悪人
」なのか、見極めよう、という不埒な了見で参加した。
会費2800円。料理は水準以上。党首としては人気がない方なのか、参加者は少な
かった。
で、話は……正直言っておもしろくなかった。でも、彼は「善人」だと判明した。野
田さんは損をしている。
では何故、野田さんは損をしているか。これは僕の分析。あくまでも、勝手な想像で
ある。
彼は「自分が頭が良い」と思っている。それは正解だ。が、その頭の良さが「並」で
あることを理解していない。ごく普通の頭の良さである。
何が「並の良さ」かと言えば、最初に出た言葉が「時間もありませんから」だから、
並の良さなんだ。
忙しいのはお互い様だ。まず「お忙しいところ集まっていただいてありがとうござい
ます。お互いに忙しいので、核心のことからお話します。実は……」と話始めるのが、
礼儀である。「並の良さ」であれば、これが礼儀である。
自分より聡明な人が聴衆の中にいる、と思えば、尚更である。
聴衆は彼の「頭の良さ」を知りたくって集まったのではない。彼の理屈を聞きたいの
ではない。具体的なエピソードを聞き、知識として利用したい。だから、やって来たの
だ。僕のように「面相」を見たいと思った人もいるかも知れないが、集まった人だけが
知る「情報」が欲しいのだ。
人々は「教え」を乞いに来た、と勘違いするから、この人、損をしている。「並の頭
の良さ」に酔っているから善人なのだ。
サービス精神に乏しい。政治家は人気商売である。官僚なら許されても、このサービ
ス精神の欠如は致命的だ。権力に寄り添う小党のリーダーは枯れ葉のような存在である
。民主党と自民党は一緒になるかも知れない。
もっと謙虚になったらどうか。
「アメリカは陸上(の戦い)は期待していない。海上だ」とか「このままでは、自衛
隊一人一人に法制局員をつけなければならない」と、彼としては思い切ったことを話し
ているが、聞く方は「また頭の良さを披瀝して、一人悦に入っているんだろう」と誤解
する。
笑うタイミングが不味い。自分の発言が終わるか、終わらないかのうちに笑う
。これは致命的だ。一呼吸して、聴衆が笑ってしまったあと、ジワッと笑う。すると「
さすがに、話術の一流」と言うことになる。
政治も話術も「間」である。早く笑おうとするから、唇が薄くなり、不人情に映るー
ー何って、いい加減なことを指摘する当方は「並の大馬鹿」。
ちょっと質問したいこともあったが、時間の無駄のような感じでやめた。報道陣も来
ていたが、果たして新聞、テレビが取り上げるか。
夕方、市川へ優之介の顔を見に行く。大きくなった。市川シャポー1Fの「ダ・パア
ラ」でパスタ。息子の嫁さんとパスタ。美味。
テロ対策支援法案で小泉・鳩山会談決裂。シナリオ通り。この間、小沢一郎の意見が
あまり紹介されていないのが、若干、不満ではある。
爆撃8日目。罪のない人々が、今日も死ぬ。
<何だか分からない今日の名文句>
「愛国心」は悪党の最後の逃げ道
10月14日(日) オウムの炭疽菌入手先
週末はことし一番の青空? 野暮用の合間に湘南、相模湾沿いをドライブした。コス
モスが綺麗で、多賀から伊東は秋祭り。紺碧の空。気持ち良い。
でも、心の底では「気分爽快」なんて言っていて良いのか。不安だ。
アメリカの一部はパニックに近い状態らしい。炭疽菌テロは深刻である。
9月24日の日記で「オウムが東京・亀戸の建物に備蓄していた科学物質を日本政府
は完璧に分析したのか。生物兵器、化学兵器に対する防御はどこまで進んだのか」と書
いた。この時点で、かなりの確率で「オウムの炭疽菌を真似するタリバン」を予測して
いた。正確に言えば「オウムだって試みたのだから、タリバンがやってもおかしくな
い」と確信した。
その恐れが現実になった。
あの時、オウムの炭疽菌が完全なものだったら、東京・亀戸地区は大変なことになっ
ていた。何人死んだか分からない。
政府は、この経験を生かし、化学テロ防御を準備すべきだった。横浜市はこの時、オ
ウム騒動を契機に薬品をかなり備蓄した。が、国はまったく放置したまま、と言ってい
いだろう。
9月24日の日記で「日本はアメリカの軍艦について行くより、まず、列島でテロを
封じ込めることである」と主張した。テロ防止法を一日も成立することばかり考える小
泉内閣。メンツばかり大事にして、国民に降りかかる化学兵器の恐怖を取り払う努力を
していない。多分、週明けに何か手を打つとは思うけれど、それにしても遅すぎる。
戦争ごっこに興奮している時ではない。アメリカを支援する前提は「日本国内でテロ
を防止し、テロを無力化する覚悟」である。(9月24日の日記をもう一度読んでくれ
)
「ああ言えば上佑」の詐欺師野郎がHPで「炭疽菌の先輩面」して何か書いている。
一部新聞に載るそうだが「盗人に盗みの手口」なんて聞きたくない。
1989年10月、我々サンデー毎日がオウム真理教と戦っているとき、チンピラだ
った上祐クンはビデオカメラを持って、編集部に忍び込み、ダイナマイトを仕掛ける場
所を探していた。
権力側とどんな約束をしたか分からない、当然、監獄にいておかしくないのに、様々
な事件に「関係ない」と抗弁し、娑婆に出てきた詐欺師野郎。平気で「テロ評論家」を
演じている。
実に不愉快だ。国の対策が甘いから、テロ風インチキ宗教に馬鹿にされる。
国家は国民の安全を守る。これは国家と国民の契約ではないか。
言いたくないが、捜査当局はオウムの「炭疽菌入手先」を最後まで追及しなかった。
もちろん、裁判でも曖昧にしたままだ。改めて、当局は当時の事件を再検証すべきだ。
午後、京都では秋華賞。水曜日の追いきり情報では、フオーラルグリーンとノブレス
オブリッジが良さそう、と聞いていた。そこで「ブリッジ・熊沢」で勝負したんだが、
4角で失速。また外れた。
菊花賞で巻き返すぞ。
今週は「当てモノ・3連単遊び」。是非とも参加してくれ。
<何だか分からない今日の名文句>
テロがテロを笑う
10月11日(木) 悲しむべき田原、
楽しむべきG1の秋
朝、知り合いの銀行員さんが転勤のご挨拶。十月も人事異動の季節?
「マスコミ芸能笑辞典」が店頭に並ぶ。戦争ものが売れるご時世だから、
漫画チックな表紙が良かったかどうか。明日(12日)の新聞に広告が載るらしいが、
朝日と読売で、毎日には載らない、とのこと。実に残念。
午後、歯医者に行ったので携帯を切っていたら、この間、たまちゃんから留守番電話が5本。
何かあったのか、と連絡を取ると「田原逮捕」。某君から「栗東で家宅捜査」という情報が
たまちゃんのところに入った。夕方からJRAが会見するらしい。
9月18日の日記で「非常識なT調教師、放置して良いのか」と書いた例の田原である。
スポニチのコラム「おけら街道」(9月19日)で「JRAは臭いものにフタをするのか」と書いた。
その時も「薬との関係」について触れようか、ずいぶん悩んだが、心配したことが現実になってしまった。
スポニチから「何か書いて貰いたい」との電話。こういう時、競馬を愛するものとして、悲しくて悲しくて。
書くのが辛い。
JRAに何人も友人がいる。彼らの馬に対する愛情を知っているから、こんな原稿は書きたくない。
でも、書かなければならない。書かなければ、競馬サークルの人間は世間を甘く見る。
田原の馬鹿野郎!
夏、北海道のセリ市でもの凄い「買い物」をして、周囲を驚かせた。が、その時、女性連れでホテルにいた田原は
報道陣に悪口狼藉。こんなことは以前にもあったが「やつ、薬でもやっているのでは」という噂になった。
田原の息がかかったジョッキーに、同じような噂があることをJRAの幹部は知っているのだろうか。
でも、件はしばし忘れて、我々は秋のG1を楽しもう。
秋華賞は水曜日の追いきり情報では、フオーラルグリーンとノブレスオブリッジが良さそう。
でもグリーンは本番に弱いから「ブリッジ・熊沢」で勝負しよう。
そして来週は菊花賞。3連単遊びに是非とも参加してくれ。
<何だか分からない今日の名文句>
今日も行く行く「おけら道」
(田原が行くのは奈落道)
10月10日(水) 富の再分配
朝から土砂降り。57歳の誕生日を迎える。
体育の日だった10月10日はいつも晴れていたのだが「totoの日」になってか
ら雨。totoに興味がないからか、誕生日を「totoの日」と言いたくない。
「俺の誕生日は体育の日。東京オリンピックの開会式の日、20歳になった」と言い
たい。あの日の青空、一生、忘れない。
朝、ビルの管理人から花を贈られる。「ひまわりが好きらしいけど、10月に入ると
もうないから」と彼女、ひまわりによく似た黄色い花を選んでくれた。部屋が急に明る
くなった。
朝飯前に「JREAST」の原稿を書き上げ、昼間は取材1件。取材と言っても、身
内みたいな人に取材すればいいのだから助かる。
一端、仕事場に戻って、午後4時からの「お勉強」に備えているうち、さらに雨が強
くなり、外出不能。半身麻痺に刃物はいらぬ。雨の3日もあればいい。
悲しい。半身麻痺になってから9年目の誕生日。身障者になってから、新しい友達も
増え、人生の幅が広がり、本当の平等が分かり「カタワになって良かった」と思っては
いるが、傘が差せないのがやはり悲しい。
誕生日に思うこと。
「豊かさの再分配」をしようではないか。豊かさの独り占めが諸悪の根元ではないか
、と思う。再配分が先進諸国の文化ではないか。
僕だって、僅かだが税金を納めている。これは所得の再配分。豊かさのお裾分けであ
る。
再三、言うが、アメリカの世界の独り占めが度を越えている。すべての価値観がアメ
リカ流のマネー、マネー。科学が神の領域に入り込み、科学の浪費を続ける。
その典型が温暖化防止京都議定書。一度は認めた約束事を破り、自国のマネーを優先
する。アメリカは勝手だ。国連に対する拠出金、アメリカはロクに払ってはいない。
テロは絶対に容認できない。「狂気の正義」を隠れ蓑にして王様になろうとする卑劣
な悪魔。撲滅する。
しかし、このテロを退治しても、世界の反米感情はさらに大きくなるような気もする
。貧者のテロが続発するかも知れない。21世紀は「テロの日常化」と戦いになる。そ
れを恐れるのだ。
200万とも、350万とも言われたベトナム戦争の犠牲者。「共産主義者をあぶり
出すため」という大儀で殺された人々。日本のマスコミは「第2のベトナムになりかね
ない」という表現を使うが、その意味は「長期化でアメリカが負ける」という意味であ
る。勝ち負けの予想のデータとしてベトナム戦争を例に出しているだけだ。何故、ベト
ナムの犠牲者に言及しないのか。犠牲者にはアメリカ人も含まれるが、圧倒的に多いの
は 思想に関係ないベトナムの名もない人である。
何故、日本は近隣諸国から戦争責任をいまだに追及され、アメリカには戦争責任の声
が挙がらない。おかしい。そんな子供たちの素朴な疑問にどう答えるのか。
アメリカは仲の良い、紳士の国だ。が、マネー、科学万能の悪い病気にかかっている
。思想的、軍事的挑戦国・ソ連が崩壊し、経済的挑戦国・日本が挫折して以来、覇権国
・アメリカを「分配より独り占め」に走っている。同盟国・日本は、アメリカの厄介な
病気を指摘しながら、なすべき協力を惜しまないバランスの良い姿勢を取らなければな
らない。そのバランスを日本の指導者が冷静に考慮する時ではないか。
そんなことを考えているところに、某誌の女性編集者から電話で原稿の催促。
57歳最初の日は深夜の執筆になった。
<何だか分からない今日の名文句>
隣町にも町会費を
10月9日(火) 毎日新聞って暖かい
報復戦争で9日夕刊の紙面がきつく「ここだけの話」は掲載見送り。当然である。
用意した原稿は来週そのまま使って貰うことにする。時期を逸し、残念だが、次の材料を仕入れることがないので儲かったような気もする。
南関東4競馬場のSPAT4(電話投票)会員に向けた情報誌「ザ・ウィナーズ」のインタビューを受ける。インタビュアーの村瀬岳男さんは「二代目魁」の愛読者らしく、当方のこと色々とご存知で、正直に話さないとまずい。「馬券は当たりません」と正直に話す。
「競馬場に注文は?」という質問には「トイレを綺麗に」と陳情する。
出社したら社会部長の常田君から「これ読みましたか?」と九州本社の社報を見せられる。
4ページ「豪放さと繊細さとーー戸澤正志編集局長の足跡」とタイトルがついている。
8月24日、彼は急死した。つき合いはないが、苦労人で、部下に愛された人物で
ある。
全精力を傾け、新鋭輪転機の導入に取り組んでいた彼が、その試運転の朝、急死した。ショックだった。
その彼の足跡を九州本社は社報にした。思い出話が泣かせる。
一社員の死を社報にする毎日新聞って暖かい。だから毎日の社風が好きだ。良かった、「みんな辺恒の使用人」の読売に入らなくって。
昨日(8日)の日記で未確認情報として発信した「科学生物テロの件」。スポーツ新聞が10日の新聞でかなり大きく報道するらしい。
果たしてテロかどうか、まだ分からない。
夜、3日連続の空爆のニュース。戦争情報が麻痺する。
<何だか分からない今日の名文句>
大木の下に小木育つ
10月8日(月) 平常心のニッポン
空爆初日の朝、いつもよりちょっと早く出て、都心で独自取材? ちょっと寒い。イ
ギリス大使館あたりの警備が厳しい。
午後4時ごろ、副編さんの電話で「二代目魁」の日記の部分が白紙になっていること
に気づいた。どうしたんだろう。開けたら白紙ーー腹を立てた人もいるだろう。
急いで直して貰ったが、かなり時間がかかった。お詫びする。10月7日の日記、バ
ックナンバーで改めて読んで欲しい。
まるで第三次世界大戦のような雰囲気でヨーロッパはあちらもこちらも参戦決意。あ
る程度、予測出来たが、フランスあたりはすでに特殊部隊をアフガンに送り込んでいる
らしい。
日本の指導者が「遅れてはならじ!」といささか焦り気味なのが心配だ。ここは我慢
の為所。日本はあくまでも法治国家。交戦権を放棄しているのだから、慌てて(事実上
)参戦することはない。ヨーロッパに任せて置けばいい。戦争の経験がない自衛隊が参
戦したら”同盟国”の足手まとい? ゆっくり国内議論に時間をかけよう。「テロ対策
法案は土日も審議」と小泉さん、スピードばかりを気にしている。
まるで「月月火水木金金」ではないか。
平常心のニッポン、で行こうじゃないか。あわてた法改正で、いつの間にか一歩一歩
、戦争の渦の中に入り込むのは嫌だ。
平常心で、情報を整理しなければならない。
まずパキスタンの動きを見ておかなければならない。反米デモがこれ以上、激しくな
ると、アメリカの筋書き通りに行くかどうか。怪しくなる。イスラム聖職者協会の幹部
を自宅軟禁処分にしているようだが、これがむしろ裏目に出て、現政権は窮地に追い込
まれることだってある。
パキスタンは核を持っている。政権が変わったたら…核があると、ないでは、大変な
違いである。
もう一つ、気になるのは、アメリカとイスラエルの関係。このところ、ののしり合っ
ているよだが、すでにアメリカのシナリオに微妙な影響が出ている。
日本はあくまでも難民救済に力を貸す。それだけで良い。アメリカの報復戦争に理解
はすれど参戦せず、で良いじゃないか。
それよりテロ対策だ。科学生物兵器は大丈夫か、WEBテロは大丈夫か。アメリカの
一部地域で、妙な細菌が発見された、という未確認情報もある。
テロの被害に合わない科学的防御に金を掛けるのが先決だ。
「筑波の助教授殺し」のことを思い出してみれば良い。日本にも「狂気の人々」がい
ることは、想像に難くない。
テロ根絶とは「テロに強い国」を作ることだ。ビンラディン一派を捕まえることと同
時に、日本が「テロの被害に会わない国」にならなければ意味がない。
日記を書いていると(9日午前2時)、空爆第二波。
<何だか分からない今日の名文句>
平常心こそ正義
10月7日(日) 報復戦争開始!
でも、何が解決されるのか
週末、徹底的なギャンブル三昧。6日は東京競馬場で4レース。二勝二敗。新潟のメ
インレースで、我が愛馬・デリキットがメインに登場。格上げ初戦だから、精々3着か
な、と思っていたが、その通りなった。
ワイドの総流しをしていた。一着三着は670円だったが、二着三着は21220円
。我が馬券人生、三番目の高配当。儲かった。デリキット、良く3着に逃げ残ってくれ
た。ありがとう。
今日(7日)は京王閣競輪。自転車振興会の友人が「是非、見に来て」と誘ってくれ
たので共同通信杯を特別席で観戦。
10レースから3レースやったが、カスリもせず大惨敗。柄にもない特別席ではカン
が鈍る。やはり競輪は、ホームレスのような出で立ちで、風に吹かれて見なければ駄目
だ。
「ギャンブルをするのも反戦」ーーと大言壮語した手前、ギャンブルだけで過ご
した2日間。楽しかった。本当に楽しかった。
この日記を書きながらテレビを見ていたら(8日未明)ついに報復開始。ブッシュの
最後通告が行われていたので連休明けになるのかと思っていたが、予想より1日早かっ
た。
雪の関係で、ギリギリのタイムリミットなのだろう。
蚊帳の外の外務大臣に報復開始の連絡が遅くなり、真紀子さん、自分の車で首相官邸
入り。危機管理の面で極めて不安だ。日記で「辞任して反戦の立場に立ったら」と提案
したが、このギクシャク、解消しないと国民が迷惑する。真紀子VS外務官僚の「報復
戦争」は泥沼化している。
さて、本来のアメリカ・英国VSタリバン・ビンラディンの「報復戦争」。かなり大
がかりである。
ミサイル攻撃が一段落したところで無人探査機で戦果を検証して、アメリカは第二波
の戦いに入ることになる。
しかし、皮肉なものだ。1995年頃、アメリカはタリバンの最大の理解者だった。
アメリカの大手石油会社ユノカルが中央アジアの未開発油田を手に入れようと、タリ
バンに近づき、アメリカは国を挙げてタリバンの協力を求めた。もちろん、イラン封じ
込めにタリバンを利用した面もある。そのためにCIAは2000万ドルの「イラン攪
乱秘密予算」を計上した。
戦いは恒に「利権の戦い」である。これはアメリカと元使用人「タリバン」の戦いで
ある。自由を守る戦いではあるが、典型的な原始的な利権の戦い、貧富の戦いなのだ。
テロは憎むべき存在である。法によって裁かねばならない。被害者アメリカの報復開
始は十分、理解出来る。が日本が熱烈に支持する、と言う代物でもない。
日本は国内のテロ防止に全力を上げるだけで良い。軍備的にお手伝いするモノは出来
るだけ最小限に押さえるべきだ。自由主義国家群の町内費で十分だ。
日本は積極的に難民救済に手を貸す。難民救済に限ることで「日の丸」(存在感)を
見せればいい。何も戦場に日の丸を立てろ、と町内会長のアメリカも要求していない。
アメリカの軍事・外交施策は、どうしても中東では、どこかに怨念を残す。報復戦争
で勝利しても第2、第3のビンラディンが登場する。ビンラディンを倒しても、テロとの
戦争が終わるとも思えない。長期化する。
日本は「いい加減さ」を武器に、憲法を武器に、戦いを拒否続けるべきである。戦い
に距離感を取るべきだ。過剰反応する必要ない。小泉さんは正義感が先走る面があるか
ら心配だ。
いま、午前5時。隅田川の日の出。熱い一日が始まる。
<何だか分からない今日の名文句>
反戦を貫け!
10月4日(木)農水大臣閣下、ご冷静に
外務大臣閣下、開き直れ!
診療所の帰りにアメ横でジーンズを買う。理由は減食の成果で、現在着ているジーン
ズがずり落ちるから。仕方ない出費である。
店員から、今、流行はゆったりした503ーーと勧められたが、ぴったりした502
にする。1000円サービスしてもらって8000円強。
池之端で気の毒なことを目撃。「牛骨屋」たる「牛骨ラーメン」たるものを売る店。
覗くと、たまたまだとは思うが、ガンラガラガラ。ネーミング最悪。気の毒でならない
。
狂牛病の騒ぎは、同時テロ以上の経済的損失を生んでいる。
何しろ、農水省の対応というか、テレビに出る農水大臣閣下の脳天気と言おうか、情
けない。
この夜もニュースステーションに出演した大臣閣下は、まるでマスコミが悪い、と言
わんばかり。消費者サイドの不安にまったく答えない。生産者サイドという指摘もある
が、むしろ役所の言い訳ばかり。逆に久米さんに食ってかかる。
大臣閣下、ご冷静に!。あなたは、我が国の食料供給責任者なんですよ。
自分の選挙ばかりが気になって、切れる寸前。このままでは大変なことになる。僕が
総理大臣閣下なら更迭する。
真紀子大臣閣下に「天皇内奏の中身を漏らした」という嫌疑。またぞろ、やり玉にあ
がっている。
アメリカの機密事項を漏らした、と外務次官が難癖をつけた件(国務省職員の避難先
を証した件)では、当方「何が機密か。アメリカ人なら誰でも知ってる。そんな足の引
っ張り合いはご免被る」とラジオで話した。当方のような意見も多うかったのだろう、
次官はわざわざ記者会見して「あの時点では機密だったから真紀子が悪い」。外務官僚
は何が何でも、真紀子大臣更迭を実現したいのだ。
天皇内奏の件。小泉さんの「行け行けドンドン」に批判的な真紀子さんが率直に天皇
に胸の内を吐露した、ということだろう。
内奏の内容を明かすことはルール違反。(一度だけ僕も天皇と話したことがあるが、
その内容は話してはいけない、とその筋から釘を刺された。だから天皇が乗馬だけでな
く、競馬にも興味があるなんてことは喋れない)
ルール違反の真紀子さん、責任を取り、大臣を辞めたらいい。違反ついでに、辞任後
、天皇のお考えを推察したものを発表したらいい。
天皇は、果たして自衛隊派遣をどう考えているのか、僕は知りたい。
アメリカは本当に自衛隊の派遣を求めているのか。難民救済の経済的負担を要求して
いるのではないか。
戦いの度に難民を作るアメリカが「テロのない国」になるなんて……夢に近い。ここ
で100万、あそこで200万をやむを得ず?殺さざるを得なかった「世界の警察」ア
メリカ。戦争に勝って、新たなテロの怨念を生む。怨念を最小限度に止めるために、平
和国家・日本の難民救済の道がある。ブッシュの願う役割分担は、自衛隊でなく、難民
救済だ、と外務大臣閣下が言ったとしたら、天皇はうなずいたのかしら。
真紀子さん、ここ一番、あなたの決断が、日本を救う! 開き直れ、真紀子!……大
声を出したところで目が覚めた。何と日記を書きながら、ついウトウトして、夢を見て
しまった。どこまで、夢だったか分からない。
(夢のことまで規制されたら暗黒国家だ。念のため) テレビを見れば、イスラエル
の飛行機、誤認爆破?
何でもテロの過剰反応も仕方ないが、指導者は冷静かつ果敢でありたい。
<何だか分からない今日の名文句>
反戦の夢
10月3日(水) 今時420億円の美術館
大鳴門橋近くで目覚め。海がキラキラしている。
午前9時半から。お目当ての大塚国際美術館を見学。世界初の陶板名画美術館(徳島
県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65−1 TEL088−687−3737)
世界の名画を陶板に写した1074点。スクロヴューニ礼拝堂の壁画に始まって、ピ
カソ、ミロ、ダリまで。すべて見終わったら午後2時。途中、コーヒー、昼食を取った
が、その寸暇を除いても約5時間の鑑賞。時間を忘れるほどの壮大さに息を飲んだ。(
何かに「鑑賞体験記」を書くつもり)
鳴門にテレビのクルーらしき人々、多数。タクシーの運転手さんに聞けばテレ朝の「
さすらい刑事」の撮影らしい。正月スペシャルの二時間もの。もう、正月なのか。
午後3時の飛行機で羽田へ。
一泊2日の松山・鳴門行。強行軍。かなり疲れた。家に帰ると、忘れていた「ここだ
けの話」の更新をするのが関の山。掲示版を見るのも億劫だったが、それでも見た。
「9月中旬の大事件」についてのお尋ねがあった。改めて書くつもりだが、大事件の
一つはすでに発覚している。自治労が発表せざるを得なかった「あの事件」の陰の人物
とは?
その他にも立件できるかどうか微妙だが、もっと大きな事件が内偵されているのは事
実だろう。競争関係にあるマスコミの質問(ではないと思うけど、結果的に結構、多く
のマスコミ人が「二代目魁」を見ているようだから)に答えるわけにも行かない。この
くらいにしてくれ。
窓を開ければ、東京も満月だ。
<何だか分からない今日の名文句>
秋の夜長を短く過ごす
10月2日(火) 若い市長さん
朝、JALで松山へ。同時テロ以来初めて乗る飛行機。検査が厳しくなった影響か、
離陸時間が大幅に遅れる。
子規没100年。松山市道後公園1−30、市立子規記念博物館で「人間100年祭
in松山」の展示がある、と一ヶ月ほど前にTBSラジオで紹介した。「行ってみたら
」と話した手前、早く行きたいと思っていたが、視聴者より大分遅れて、やっ
と松山行きが実現した。
松山は学生時代、友人と一緒に行った以来。道後温泉の裏手の民家でヤクザ屋さんがや
っていたブルーフィルムを見た記憶がある。あの時は怖かった。ヤクザ屋さんも怖かっ
たが、人間そのものが怖くなった。それ以来、その種の雑誌も映像も見ていない。
JRの松山駅は未だに二階建てだが、街には活気がある。町を行く女学生が「こんに
ちは」と挨拶してくれる。お遍路さんを迎える礼儀が未だにここに残っている。
記念博物館では森学芸員の案内で一巡。まったく知らなかったことが沢山あった。
柔らかい表現。素直な表現。機知に飛んだ表現。とっぴな表現。従軍記者としてのリ
アリズム。ともかく、子規は日本最初のコピーライターだった、と思う。
市役所に中村時広市長を訪ねる。初対面。彼、41歳。日本で一番若い市長ではない
のか。市の観光の先頭に立つ意気込みを滔々、話す。気が合いそうな男だ。5日に東京
へ来るというので、再会を約す。
時間が1時間あるので、同行の先輩2人と道後温泉でカラスの行水。体が不自由なの
で、周囲の人たちの協力で、なんとか風呂場に入ったが、湯船には怖くて入れず、身体
にお湯をかけるだけ。それでも、癖のない温泉は気持ち良い。
松山駅の蕎麦屋で「じゃこ天うどん」380円。美味。うどんは四国に限る。
午後3時46分発の伊予バス「吉野川エックスプレス」で約3時間。徳島着。それか
らタクシーを飛ばして鳴門で一泊。お月さんがやたら大きい。
夜、テレビのニュース。クレアさん、宣戦布告。そろそろか。
同時テロ関係のニュースが終わったら「松山市で職員の横領事件発覚」とのニュース
。約6時間前にあった「若い市長」が夕方、陳謝の記者会見をしている。
横領の事実が分かって、本人に正したところ、しぶしぶ自供。本人が警察に出頭した
ので、急遽、記者会見をしたらしい。そんな悩みがあったのか。
自信たっぷりの若い市長、実は苦闘しているのか。大変だなあ。
窓を開ければ、さすが鳴門、風しゅしゅうと寒い。
<何だか分からない今日の名文句>
若ければ、人生、渦潮
10月1日(月)「マスコミ笑辞典」が出来た!
10月になった。名月の夜だというのに、東京は一日中、氷雨。
学研M文庫から出版する「マスコミ・芸能界笑辞典」の見本が出来た。表紙は小泉さ
ん、真紀子さん、田中知事の漫画だ。
マスコミ界の隠語、方言を並べ、愉快に解説した肩のこらない本である。早稲田大学
の同級生の勧めで、6月ごろ、一気に書いた。
「ホームページに宣伝文を載せてくれ!」という友人の命令。そこで、こんな風に書
く。
質問1 例えば「アカハラ」って、何のこと?
質問2 「アゴアシ」って、どんな足?
質問3 「雨傘番組」って、どんなテレビ?……そんな質問に答えられますか? 知
っているようで知らないマスコミ用語をおもしろおかしく解説した本。マスコミ、芸能
界、政界、広告業界……いわゆる「特殊ぎょーかい」だけで通用する環境方言、社会方
言、階級方言のオンパレード。新幹線の東京→大阪間の3時間で、拾い読み出来るのが
ミソーーと、まあ、こんな風に書いてみた。
「二代目魁」の読者には、ぜひ一冊、買って貰いたい。宣伝して貰いたい。この「マ
スコミ・芸能界笑辞典」が増し刷りになれば、印税が増えてホームページの運営資金の
足しになる。なんて勝手なことを考える。
名人・志ん朝、死去。「明烏」は忘れられない。花魁の仕草では右に出るモノなし。
昭和16年、彼が3歳の時、落語界は東京・浅草寿町「本法寺」の境内に「はなし塚
」を作って、非国民的噺53作を葬った。泣く泣く葬った。その非国民的、非時局的落
語のナンバー1が「明烏」。それから落語界は戦時落語が大手を振った。「事変酒」「
防空演習」「出征祝い」……金語楼の天下になった。
戦争は文化を壊す。戦後、父・志ん生は古典落語復興に汗を流した。父を継いだ志ん
朝は、廓噺に命をかけた。父とは芸風が違う。だから「6代目志ん生」襲名を拒んだ。
この古典落語を守りたい。巷の、本物の文化を守りたい。
今日も、テロ報道に熱心な夕刊紙が「限定空爆あす未明か」と報ずる。
いささか、不愉快な従軍新聞。ゲームセンタ−で戦争のおもちゃで、遊んでいるよう
な輩が作っているのか。
<何だか分からない今日の名文句>
真実は廓にあり
9月30日(金) 言論規制に気をつけよう
金曜日(9月28日)、ダガーボの古木杜恵記者がやって来た。新聞の第三者機
関についてのインタビュー。ダガーボも結構、固いテーマを取り上げるんだ。
古木さんは「様々なメディアに対する法規制は詰まるところ、WEB規制を意識
しているのではないか」という疑問を持っている。
手柄のために、部数のために、会社のために、生活のために、ついつい「いい加
減なこと」を報道する三流メディアが次々に”やり玉”に挙がっているうちに、良質な
メディアまで権力に規制される。これが怖い。
同じようにWEBの世界でも、悪貨が良貨を……ということにならないと良いの
だが。多分、悪質WEBの規制問題が行く行く焦点になり、恒常的なメール盗聴が行わ
れるかも知らない。
新聞は「アリバイ」と思われても、第三者機関のチェックを受けている実績を作
り「権力側の攻撃」を防がなければならない。
この物騒な世の中だからこそ、大らかな「言論の自由」「発信・受信の自由」を
守らなければならない。そのためには「節度ある言論」が前提だ。
「節度」とは何だ?と聞かれれば「愛と知恵」と答えることにしている。ピスト
ルを抜くような「自由」には知恵もなければ愛情もない。
週末はゆっくり、掲示板を読む。揺れ動く日本人の姿が、この小さな掲示板に
も、にじみ出ているような気がする。同時に知らないことが沢山、飛び出すので勉強にな
る。
我が掲示版には愛も知恵もある。それが自慢。(もっとも例外はあるけれど)
一つ気になったのは「預言者」という言葉の意味を引用された方がいたこと。
「予言」と「預言」は全く違う言葉。テレビなどで、かなりごっちゃになっている。言論
に誤解があってはならない。
土曜日(29日)、時間を探して、久しぶりに愛子、竜生に会いに行く。竜生は
階段をのぼるようになった。
帰りに中山。2レースやって、2レースとも1着3着、2着3着。下手くそだ。
中山競馬場長の友人に顔を出すと「11月から府中京開催の場合、中山競馬場は
バイキング付きのWINS特別席を作る」と張り切っている。野菜バイキングなら、女
性の人気を集めるだろう。
少し寒くなった道を約3キロ歩く。おけら街道はアップダウンがあって、右半身
麻痺には応える。疲れた。
韓国で市民団体553団体が「戦争反対!」。日本の再軍備にも懸念を示す。日
本では反戦が大きな流れにならない様子。
30日は原稿を書きまくる予定だったが、朝、同時テロ、昼から競馬(シルクハ
イネスが新潟で走る) 終わればマラソン、夜、普段は見ないや「プロ野球は長さん、
最後の東京ドーム」。やっと、モバイルに向かったのは深夜だった。
<何だか分からない今日の名文句>
愛と知恵