編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2001.7月
7月25日(水)「事後避妊薬」って何だ
朝7時ごろ、減量の散歩をすると、総武線のガード脇で町内のラジオ体操。子供が
6人、大人が9人。区議会議員氏も参加している。
「選挙はどうですか?」と聞くと「やってはいますが、左の足がしびれて……」と
すぐ健康談議になる。
親分筋が参院選に出ているのに、それほど力が入っていない感じ。小泉人気におん
ぶしていれば良い、という油断?
隣町に入ったところで出会った知人は普段の健康談議に加えて新しい情報。「キミ、
事後避妊薬って知ってる」。
事後避妊薬?
要するに、やったあとから避妊できる薬。「プリベン」とか言うらしい。その最中
に避妊の準備を始めると、ムードが台無しだから、これはいい。
72時間以内に服用すれば良いらしく、レイプ犯罪の多いアメリカでは認可されて
いるとのこと。ご隠居、良く知ってる。帰ってから、じっくり勉強するか。
午後、雷。新幹線が普通。外出を諦めて週刊誌の乱読。おもしろくない。
夕方、Jrから「世論調査の集計が出来ました」。ご苦労さん。彼がいなければ、
ギブアップだった。「でも、表をホームページにうまく出せるかどうか」と彼、不安気。
「何とかなるよ」。WEBって、ストレスが溜まる。
夜、赤坂夜塾。テーマは「長野・脱記者クラブ宣言以降」。地元民放の幹部の話は
勉強になる。
深夜、YORON調査の集計を精査すると、まず気がついたのは「2代目魁」の読
者の4分の1が民主党支持、ということ。それに自由党の支持者が多いこと。実はある
程度、予想はしていたが、世間の流れとは幾分、違うかも知れない。
とても興味深い。世論調査、やってよかった。
<なんだか分からない今日の名文句>
避妊薬、買うフリをする空元気
7月24日(火) 塩爺と銀行屋さん
眼鏡がずり落ちて仕方がない。風が強く吹くので、麦藁帽子の紐を強く結ぼうとして
、眼鏡の蔓?と耳の辺りで“ケンカ状態”になる。
眼鏡が負ける。ずり落ちそうなって、眼鏡は鼻の先端部分で辛うじて止まる。
実にカッコ悪い。
リハビリが終わってから、内幸町の眼鏡屋で修理して貰う。すると「それより、レン
ズに傷がありますね」と店員が指摘する。確かによく見ると、何か、剥げているような
ところがある。
使い方が荒っぽいのだろう。懐と勘案して新品を作る。これで最近の馬券の稼ぎはす
べてなくなった。
眼鏡屋の鏡で見ると、何となく当方「二枚目」に見える。店員に「うぬぼれ鏡ではな
いのか?」と聞くと「そういうものではございません。店の照明を明るくするといい男
になるんです。この鏡、角度を変えることが出来るので、いい男に見せる角度というの
があるんです。明るい部屋で、ピカピカに磨いた鏡で見れば、誰でもいい男ですよ」
そういう仕掛けか。眼鏡屋の店員は朝か晩まで、鏡を磨く。新聞にも「磨かねばなら
ぬ処」があるような気がする。新聞を取りたくなるような衝動を掻き立てるような「鏡
」とは、何なのか。
昼、プレスセンターのアラスカで野菜カレー。まあまあの味。もっと辛い方が良かっ
た、と思うのは暑さのせい?
すでに35℃を越えている。
午後4時過ぎ、CSの「朝日ニュースター」で全国銀行協会会長・山本恵朗会長の記
者会見を録画でみる。(実際に行われたのは午後3時)
株価低迷で塩爺は山本さんに何を頼んだのか。
東京株式市場は朝から急反発している。選挙前までは株価底割れの危機を回避した謎
は?
興味がある。
都合51分の大会見。「塩川財務相とは、何を話した?」という記者団の質問に「私
は政治家ではないので嘘を言う必要もない」と言う名文句も飛び出して、大笑い。
銀行マンは「政治家の嘘」に何度も騙されているのだろう。山本さん、思わず本音?
すぐ、訂正した。
もっとも当方、銀行マンの「嘘」も何度も聞いたから、塩爺と全銀協の親分が「何も
なかった」と言われても信じられない。
それでも、山本さんは政府金融機関の資産管理について「デタラメだ」と言わんばか
りに批判する場面もあって銀行マンもようやく本音で「官」と渡り合う気概が出てきた
感じでもある。
「朝日ニュースター」の記者会見中継は、新聞記事、テレビニュースでは分からない
「真相解明の鍵」が転がっていて便利である。
午後6時、投票依頼の電話。「海江田万里の紹介で、お電話させていただく者です。
東京選挙区の……」。
そう言えば、海江田さんとはしばらく会っていない。選挙が終わったら遊びに行こう
。とは思ったが、当方、東京に選挙権はないので残念ながら依頼にはNO。
夕方の散歩は春日通りまで1.5キロ。中元で貰った高級ハム?を「お裾分け」で近
くの友人に届ける。まだ、コンクリートの照り返しで30℃を越えている。
夜、競馬の横浜新税問題で国地方係争処理委員会が「総務省と横浜市は協議を2週間
以内に再開せよ」と勧告した、とファックス。JRAのコメントを送稿する。
経緯を見ていると、この委員会は幾分、横浜市よりの雰囲気もある。取りやすいとこ
ろから税を取る悪税の典型なのに委員会は判断せずに「協議再開勧告」。国に何らかの
譲歩を求めることになるのか。
結果的にファンサービスがおろそかになる横浜新税には当方、大反対。やらずぶった
くりの「増税」を許すと「次は我が身に悪税」である。
国と地方の配分調整をする方法もあるだろうが、ファンに負担をかけない保障はまる
でない。むしろ10パーセント以上の国庫納付金を値下げするのが、良心的な姿勢では
ないか。
ファンのお陰でJRA(つまり国庫)は「数少ない特殊法人の優等生」であり得るの
だ。
さて「二代目魁YORON調査部」。調査の集計は結構、時間がかかる。副編の連絡
では「参加者総数171人」とか。200人ぐらいの参加を期待したが、まあまあの参
加率。喜ばしい。
結果報告は若干、遅れる。許されたし。
<なんだか分からない今日の名文句>
政治家より銀行より悪い○○は嘘つき鴎
7月23日(月) 暴落の赤札
朝、東京株式市場はバブル後の最安値を記録。3連休明けには良くある暴落のケースである。
銀行株が下げの原因?だが、むしろ、今の銀行の現状を考えれば高すぎる、という指摘もある。
新聞は「サミット政策に失望」と解説しているが、小泉政権は早くから、株は「痛みの最たるもの」と表明しているようなものだから株価は「痛み」の先取りのようなもの、と考えたい。
それにしても33の全業種がすべて下落しているのだから、自民党筋は「参院選まで小泉人気が持つかどうか。怪しい」とぼやいてもおかしくない。
夕刊を見て「暴落の赤札」を探した。
こんな暴落の最中「赤伝票」、つまり赤で印刷された「買い」の伝票が集まった銘柄。これは、短期的であれ、値上がりが期待出来る。
どれもこれも「へち株」ばかりだが、仕手株の様相大。仕手でなければ、確固たる材料があるんだろう。数銘柄をチェックした。
午後から出社。たまちゃんから、日曜日の楽しい「大井のイベント?」のことを聞く。「おけら街道」にでも書くか。
同僚が「仕事がつまらない。勝った負けた、がないとつまらない」と愚痴る。新聞記者が「勝ち負け」の分野から離れて穏やかなポストにつくと「燃え尽き症候群」になる。「俺だって……」と答えたが、正直言って「勝ち負けのない現況」でも、僕の場合、結構、緊張感はある。
前回「ここだけの話」で、外に出ないハズのマスコミ各社世論調査の「ナマ数値」が政党幹部に漏れている。そのくらいなら新聞は「ナマ数値」を書くべきだ、と書いた。
それが社内的に物議をかもし、夕刊特集のデスクに迷惑をかけた。頭を下げ、近く飯を食うつもり。
今週はマスコミ批判は休んで、地味だが、主張しておきたいことにした。
はじめての「二代目魁」の世論調査。24時締め切り。ご協力、ありがとう。
何人ぐらいの読者が協力してくれたのか。本当のところ、200人ぐらい投票してくれれば、意味があると思ったが、どうだろうか。
その結果をミュージシャン本間に訊こうと思ったが、深夜のことなので、翌朝にしよう。
結果は集計して、25日の更新分から発表したい。
<なんだか分からない今日の名文句>
狼狽売りは底を打つ
7月22日(月) 函館に行く
週末は贅沢に過ごした。
金曜日、花火を見たさに函館入り。前日まで強い雨が降ったが、夕方カラッと晴
れ、小さな花火大会決行。
すぐ終わるので、大観衆が集まる風もなく、どちらかというと、こじんまりとし
た爆音が小さな町にとどろく。
終わって十字丁筋の寿司屋。この辺り「銀座」と呼ばれた繁華街だったが、今
は、すたれのか、人通りはまばら。でもネタは抜群。酒は地酒ではなく、何故か新潟の八
海山。
翌朝、朝市。フェリーの船着き場に近い「道南食堂」の列に並んで「銀だら」を
食べる。うまい。
ご主人が優しくていい。何も言わないのに、気を使って薬用の水を用意してくれ
る。
朝飯を終えてから、隅から隅まで、一軒一軒、店を覗く。カニと夕張メロン、
それに「とうもろこし」。店の人はみんな威勢がいい。
店によっては、店に並べたものと違う商品を発送する輩もいるというので、函館
駅からちょっと離れるが「自由市場」の方が良心的、という声もある。
気ままな旅は良い。誰にも会わないのが良い。
別の食堂の暖簾の間から、調教師のFさんを発見。誰にも会わないのが良い、と
思いながら、久しぶりの再会で、こちらから声をかける。
「Fさん、俺だよ」
「いよう!久しぶり。今、来たんだよ。そっちは競馬?」
「競馬は午前中で止めて、あとは野暮用」
「残念だな。俺の馬、午後、走るんだ」ってな調子でしばらく立ち話。
旅先の立ち話。これも良し。
ホテルに戻ってから函館競馬。1レースが午前9時50分スタート。間に合わず
3、4レースを買うが、カスリもせず惨敗。
この後、大沼方面。幕末のころ、東京八王子から移住した人々のことを勉強す
る。あとは、いろいろなことがあったが……プライバシーだから省く。
函館は父・小林春吉の生まれ故郷なので、特別の思いがするし、何となく「哀
愁」を感じる。
さて「二代目魁YORON調査」。明日(23日24時)で投票締め切り。気が
向いたら、投票してくれ。
日曜、函館のとある処で多数のSPに遭遇。誰かの遊説なのか、あるいは皇室な
のか。選挙まで1週間。
東京に帰ると35度。ことしの夏は厳しい。
<なんだか分からない今日の名文句>
港町はブルースが似合う
7月19日(木) 創価学会報道の「及び腰」
暑さが幾分、楽になった。
終日、野暮用。
明日(20日)から3連休。どこかへ行こうと思うので、片づけることは済ませて置きたい。で、終日、野暮用。
夜、一週間分の新聞をチェックすると、結構、ベタ記事に記録すべきものが、いくつかあった。
例えば「創価学会会長を再選」(17日東京新聞夕刊)。
「創価学会は16日、会長選出委員会を開き、秋谷栄之助会長71歳も再選を決定した。任期は2006年までの5年。」
6行の短いベタ。この紙面では一番、短い記事である。
創価学会の関連記事は良きにつけ、悪きにつけ、小さ過ぎるような気がする。
例えば、池田大作SGI(創価学会インターナショナル)会長の世襲問題や、いかに。
創価学会関連裁判の行方や、いかに。(創価学会がおおむね勝訴しているが……)
フランスなどの創価学会に対する国際的世論や、いかに。
もちろん、公明党の政教分離や、いかに。
今回の参院選でも、当然、宗教社会主義?の公明党と政権がどんな位置関係になるのか。それが大きな争点だが、新聞は触れたがらない。妙な気がする。
外務省でも、法曹界でも、隠然とした巨大集団になっている創価学会の人々。彼らとの距離感、利害関係をもう少し、積極的に報道すべきではないか。
少なくとも創価学会の会長は何故「71歳、任期5年」なのか、読みたい。
何故、書かないのか。これも、僕が抱いている「マスコミの不思議」である。
毎日新聞の仲間に「新聞社の組織にいる以上、組織の中で改革の先頭に立てばいいじゃないか。外部に向かって、世間に向かって、新聞の自虐的な批判をするのはおかしい」と僕を批判する人もいる。その批判は甘んじて受ける。が、残念ながら、僕の置けれた社内的な立場では正直言って「改革の先頭」には立てない。
むしろ「隠している部分」を開示する形で、新聞は市民の共感を得る努力をした方がいい。その先頭に立つ。
新聞は企業が不祥事を起こすと「何故、企業の中から批判が出なかったのか、不思議でならない」なんて調子で報道するじゃあないか。
新聞だって、内部から「節度を持った批判」が出る方が健全だと思う。
だから言う。毎日に限らず、創価学会報道はあまりに「及び腰」である。
<なんだか分からない今日の名文句>
日蓮さんも、ここが知りたい
7月18日(水) ボーナスの使い道
やっと朝の“測定”で66.5キロになった。朝飯を食べたら、また67.5に
戻るが、とりあえず目標の第一段クリア。
体脂肪は正常以下だが、細胞脂肪がレベル10。これを何とか下げたい。
週刊誌の広告ページを見ると「男のデッ腹 引き締めバンテージ」なるモノがあ
るらしい。買ってみようか。藁をもつかみたい減食の日々。
シュプレヒコール! ウエスト84を80に戻すぞ!
外務省の不祥事。以前、かなり以前「捜査当局は沖縄サミットの汚職事件でお茶
を濁すだけで終わるつもりではないか」ーーと書いた。どうも、本丸の不正を追及する
力はないようだ。
その時点では、同時通訳、弁当、印刷、ハイヤーなどの発注で「松尾さんのグ
ループ」がキックバックを受けているという情報、その背後にSに近い政治家の関与が噂
されたという情報。いろいろあったが、果たしてキャリア、政治家の構造悪にまで、手
が伸びることは無理なのか。
雑誌「SAPIO」などが特集を組んでいる「外務省ODAの暗闇」まで、捜査
が進むということは、とてもとても、と言うことなのか。
それにしても、ハイヤーの一件を刑事事件にしたのも「大手柄」と評価する専門
家もいる……もう少し、見守りたい。
ボーナスが出たので、何に使うかと思案した末、PET(陽電子放射断層撮影
装置)でガン検診しようと決めた。
ガン細胞は正常細胞の3倍から8倍ものブドウ糖を摂取する。そこで、ブドウ糖
に信号を出す薬剤を体内に注入して、PETで覗けば「ガンの所在」が分かる、という
仕掛け。
PETは1センチ未満の早期ガンを発見するそうだが、金に余裕がなければ
まず利用出来ない。こんな「兵器」が保健で使えるようになると助かるのだが。まあ、
ボーナスがあるうちに、一度、試してみるか。
明日19日から仕事場がある柳橋では盆踊り。JR浅草橋東口を折り、江戸通り
を浅草に向かうと約150メートルで右手が柳橋中央通り。そこで、ちまちまと行われ
る。
昔は芸者さんが総出だったが……住民が少なくなって「小さな小さな盆踊り」に
なってしまったが、隅田川の川風は昔と変わらない。21日まで。
そして、その次の週は隅田川の花火大会。江戸の夏。
<なんだか分からない今日の名文句>
江戸の風 江戸の華
7月17日(火) 先輩! 何故だ。
朝、診療所の雑談で「保健点数」の話が出た。
1点10円のアレ。理学療法士の吉良さんの話では、言語聴覚士の治療は在宅の場合
「点数」がない。
家から出られない「言葉を失った人」を放置していいのか。たいとう診療所では、結
果的に「無料」で在宅言語治療をやっている。
リハビリの分野はあまりに“貧乏”だ。恵まれていない。薬や機械で治療するのでは
ない。すべて、人力、人の心で人間復活を手伝う。かなりハードな仕事だ。
薬屋さんが儲かっているかどうか、あえて指摘しないが、医療の金は偏在している。
厚生労働省が放置している、という問題ではない。
言語聴覚士(ちょっと前までは言語療法士という名前だった)の“業界”が主張すべき
ものは主張すべきなのに長い間、躊躇したままだったのではないか。
最近、掲示板に断面的に登場する「医療費値上げの直前?の出来事」。極めて興味深
い。じっくり読ませて貰うと、自分の意見を整理するのが、難しいが、とにかく勉強に
なる。もっともっと、情報が欲しい。
リハビリが終わった後、例の麦藁帽、半ズボンで御徒町を行く。午前中に5000歩
歩くのが、このところの日課。
昼飯はやたら辛いものが食べたくて「デリー」のカシミールカレー。800円。辛れ
ェの辛らくねェの。飯は減食中で半分残し、アメ横で100円の西瓜を立ち食い。
帰りは上野からJRで帰る。6500歩ぐらいになった。
仲間内からクレームがついた「ここだけの話・世論調査の不思議」、そのまま記事に
なった。
マスコミ批判を自分の所属するメディアで展開するのは難しい。誰もが、努力してい
るのに分かったようなことを書く当方に、仲間内が腹をたてるのは良く分かる。しかし
、誰かが言わないままで、気がついたら新聞を誰も読まなくなった、なんてことになっ
たらどうするのか。憎まれ役にならざるを得ない。
新聞人は他人を批判するのは上手だが、批判されるのが苦手だ。もっともっと批判さ
れ、打たれ強くなるべきだ。
夕方、プレスセンターで取材兼野暮用。少し危うくなった某件について。改めて書く
こともあるだろう。
週末、どこかへ旅行にでも行こうか、と思ってガイドブックのようなものを買う。
「週刊現代増刊・おとなの週末」。この中に「大橋巨泉 夢のセミ・リタイア生活
カナダの夏!」のグラビア。凄ぇや。まるで、この世の楽園にいるようだ。
彼、季節ごとに居心地の良い土地に移動する。それが、彼の哲学の実践だったのに、
何故、理想を捨てて「権力」に向かうのか。
先輩!俺には分からねェ(彼は日大一高→早稲田大学新聞学科の先輩)
小俣センセイもあの世で?首を傾げていますよ。(センセイは日大一高の国語教師。俳句の師匠で
彼を「巨泉」と名付けた)
分をわきまえて、一流の職人になる。それが両国筋の掟じゃあ、ありませんか。
日付けが変わる頃、雷雨。少し、過ごし易くなった。
<なんだか分からない今日の名文句>
巨泉に今は水なし
7月16日(月) 初代カリスマ美容師?
競馬評論家の原良馬さんたち“競輪好きの馬記者”から「新潟競馬から前橋競輪に転戦するツアー」に誘われ迷った。
行きたい。
でも一応16、17日の月火は出勤日(競馬記者は月火がお休み)。まさか出勤日で競輪の取材ーーと言う訳にも行かないだろう。
それよりも、土日月火4日間続けてギャンブルすれば余程の奇跡がなければ損をするに決まっている。
でも、行きたい。
一行は新潟から群馬県の温泉に一泊して、今頃、前橋のドーム競輪の乗り込む頃だが、一度、東京へ戻って、また新幹線に乗って高崎に行くのは面倒臭い。
最後まで悩んだ末、断念する。
次回は8月13日の松戸競輪。それまで我慢我慢。
猛烈な暑さ。「おけら街道」を書き「競馬ロマン」を書く、もう一つ「JR EAST」の原稿に取り組むが、途中でぐったり。もう少し、締め切りを延ばして貰おう。
夕方、東麻布の美容院に行く。
9年半前、専売病院に入院した時、その美容院で頭を洗ってもらった。それが縁でパーマをかけて貰う時は、この美容院でお願いする。と行っても1年に1、2度。
美容院の名前も覚えていないくらいだが、この店、腕は確かだ。
「センセイ」と呼ばれるご主人、と助手は奥さんを含め4人。ハサミを持つのは彼だけである。
職人気質であまりしゃべらないが、とにかく仕事が速い。遅く行ったので、お客は4人。カットが一人20分ぐらいで、サッサとこなす。客は必ず満足して出ていく。
二人きりになったので、はじめて「幾つから、美容師になったの?」と彼に質問した。「17歳の時。東京オリンピックの時だった。
まだ、男の美容師はほとんどいなかった」 気分が良いのか、彼、生い立ちを話し出した。
「高校に進む時、無理矢理、受験校に入れられて……学校に行かない、今で言う不登校さ。親父が仕方がないから『腕に職をつけろ』というので、映画館の看板描きになった。
絵が好きだったから。でも、俺は画家の学校に進みたいぐらいだったから、ペンキで看板を描くのはちょっと合わない、これもやめた。
たまたま、知り合いが『これからは男の美容師が生まれる』というので、大塚の美容院に住み込みで丁稚奉公した。
女の子は一部屋に何人かが寝泊まりするけど、男は俺一人だったんで、店の床に毛布を敷いて寝たものさ」
美容師が性にあったのだろう。23歳で独立した。
すぐ美容コンクールで港区第一位、東京第一位、日本第一位になった。何しろ、店内にトロフィーがところ狭しと並んでいる。
「努力した?」「まあ、寝なかったもん。東京の一位になった途端に、日本一の新作を考えなければならないんだ。寝なかった。
でも、優勝するコツがあるんだ。審査委員長の好みの髪の流れをうまく入れ込めば勝ちさ」
マスコミに追いかけられ、今で言うカリスマ美容師。いつの間にか、有名人とモデルの頭ばかりやるようになって、毎週のように一時間10万円の講演が入る。
「あの頃は生意気だったよ」
その彼がマスコミから姿を消したのは「舞台で見せる技術は偽物だと思ったんだ」
モデルの、美人の髪をやるより、普通の人が“綺麗になった”と喜ぶような仕事をしたいと思うようになった。自分の店でやるだけで、マスコミの仕事から姿を消した。
「病院に入院している患者さんが車イスでやって来て、綺麗になった、と喜んでくれると、職人になって良かった、と思うんだ」
彼の話、ちょっと良い話だった。
夜、麻布十番に移転したJRAの新事務所を見学。少し、狭くなったが、売り上げがダウンしているのだから、仕方ないだろう。
内幸町の日本記者クラブで人に会おうとしていたら、携帯で社から飛び出し。「ここだけの話」(17日東京夕刊掲載予定)の内容について社内に異論あり、とのこと。
再び出社して話し合う。ホンの一部、表現を変えたが「自分としてはこのまま書いて置きたい」と珍しく主張し
「ボツにするかどうかは、編集局幹部のご判断。それには文句は言いません」と答えて帰宅する。
コラムは感性の作品だから、考え方を変えてまで、書こうとは思わない。
ただ文句を付けざるを得ない彼らの立場も、もちろん、理解できる。
16日始めた世論調査。なるべくの多くの人に参加して貰いたい。
HPの世論調査をやろうと、思った背景にも「ここだけの話」で取り上げた“矛盾”が存在するからだ。
少しだが、ストレスを感じたので、缶ビール2本。減量作戦、一時、中断?
<なんだか分からない今日の名文句>
四面楚歌
7月15日(日) 失語症は馬鹿じゃねェゾ!
週末は新潟で過ごす。新潟も33度。暑い。
14、5日は「全国失語症者のつどい」(新潟市・新潟テレサ)。今回で19回目を
迎える大会は年に一度の失語症者が旅行をして、おしゃべりをして、勉強する交流の場
。全国から「言葉を失った障害者」と家族、リハビリ療法士、医師、看護婦など100
0人が集まる。
何しろ、言葉を失った人はついつい引き込みがちになる。だから、こういう交流が必
要なのだ。
この病気をそれなりに克服している人間の一人ということで「負けないゾ!失語症」
と題する基調講演をする。
「負けないゾ!」と題したものの、日常生活の僕は「あの言葉が出てこない」「この
字をどう書いたっけ」「また数字を間違えた」と悪戦苦闘。「負けてばかり」の毎日だ
。
ただ、昔とほぼ同じように原稿が書けるから、病を克服しているのかも知れない。
でも、この病は、人によって全く違う症状になる。だから、努力すれば治るというも
のでは断じてない。「我、病に勝てり」なんて話は意味がない。
少しでも励ましになればと、ドジと間抜けの闘病生活を通じて、失望せず、むしろ己
を尊敬する姿勢が大切ではないか、と話した。
1000人の観衆には、健常人でもあがる。失語症の当方、めっちゃくちゃにあがっ
た。
終わって地元の方と雑談。新潟では「失語症は馬鹿」といったような誤解があるとい
う。田中角栄さんが、失語症にあったとき、県民は「角さん、馬鹿になる」と思ったら
しい。
実に怪しからん。失語症の患者は全て現状を正しく認識しているが、ただ、言葉が出
ないだけなのだ。
病院の院長さんと談笑。彼は「医療負担(つまり医療産業)が30兆円、そしてパチ
ンコ産業が30兆円、そこに“妙な日本”を感じざるを得ない」と力説した。
リハビリの分野では保健の点数は極めて安く、医療機関は言語聴覚士を雇うことが出
来ない。
リハビリは薬で治すものではない。人間のサポートで直すものだ。人間性で治す病気
だ。
日本列島に薬で儲ける人があるかと思うと、薬を使わない医療が資金不足、人手不足
で苦しんでいる。ここにも矛盾がある。
夜、交換会。患者は名刺を作って交換する。楽しい。
80歳代の人も多く、日本酒が好物のようだ。おみやげに「越乃寒梅」の一升ビンを
貰う。
午後8時、競馬の取材で当地に来ていた「たまちゃんと友人」と落ち合って「入船寿
司」。鰺のにぎりがうまかった。
15日朝は宿泊先のホテル新潟。電話で例のTBSラジオ「牧太郎のザ・コラム」。
これを片づけて「史上初直線1000メートル」の新潟競馬。凄い活気。(この模様は
スポニチの「おけら街道」で詳しく書く)
夜9時、新幹線で帰京。
副編からメール。「世論調査、設問が多いのでは?」という意見。確かに、ちょっと
多かったかもしれないが、問題は設問の中身。中身が良ければ、回答者は増えるだろう
。
全くの素人世論調査部は明日(16日)スタートする。
掲示版に文章を書かない人にも「数字」で参加して欲しい。双方性の利便を味わう意
味で、ぜひぜひ参加して欲しい。
<なんだか分からない今日の名文句>
声なき声は世論調査から
7月12日(木) 小泉「汚れた愛」の計算?
「金沢文学」が主宰者、千葉龍さんから贈られてきた。
数年前、亡父・小林春吉の生い立ちを調べるために、能登半島を回った際、JR金沢
駅の売店で「金沢文学」を見つけ購入した。手にしたのは、これ以来である。
巻頭はその千葉氏の創作「新生のうた」。新聞社の論説委員が「青春への逆走宣言」
をするところから始まる私小説?
嫌に主人公に理解できるものばかりで気味が悪い。
その他、秀逸の詩作がいくつもあって、読みごたえがある、質の高い総合文芸誌であ
る。300ページを越す同人誌は珍しいのではないか。
同封の千葉氏の手紙によると、後輩の広岩君が親しくさせてもらっているらしい。
商業雑誌と同人雑誌。小説家を目指す者、どちらにスタンスを置くか、かなり深刻な
選択である。それに、WEB小説の分野も当然、選択のひとつにあり得る。
しかし、商業小説はタレントを探す志向で、タレントはモノを書くより、もっと多彩
な要求を求められる。だから、本来の小説はWEBも含めた同人誌が主流になりそうに
思うのだが。
週刊現代の「おやじ、ありがとう」の欄に鳥ちゃんが登場しているというので手に入
れる。鳥ちゃんのお父上の話、何度も聞いたが、写真を見るのはこれがはじめて。
あんまり似ているとも思えないが、強いて言えば、上唇かなあ。
ついでに週刊現代の主要ページを読破。意図的すぎる紙面づくり、を感じる。
大スクープ「小泉純一郎・汚れた愛」。
代々の首相批判で、名をあげているジャーナリスト・松田賢也の“作品”。「小泉家
の驚愕のタブー」なんてキャッチをみると、おどろおどろしいが、どこにでもある「離
婚の裏話」。
それでも、小泉さんには小さなマイナス要素?
その次の特集は「もういいよ!ヒステリー大臣、田中真紀子」。これも毎度のこと。
次は、宗男さんが韓国美女を膝の上に乗せてた「ご満足写真」。品が悪い。
全体として、いつもより反自民が鮮明である。別に驚くほどではないが、大橋巨泉さ
んの応援紙面が記憶に新しいだけに、何か妙だ。
参院選、候補者出そろう。
「二代目魁YORON調査部」は16日にスタートするつもりでミュージシャン本間
が頑張っている。間に合うか。
夜、大井競馬のナイター。第三回ジャパンダートダービー。7戦無敗の「平成のハイ
セーコー」トーシンブリザート見たさの観戦。たまちゃん、それに社内の同僚2人も加
わる。
楽々の圧勝。強い。めちゃ強い。今後は中央で走るのか。芝はどうだろう。夢、膨ら
む。
馬券は相手を人気薄で勝負したので10,010円を大的中。久しぶりの万馬券。久
しぶりに銀座中学前の「久原」に行って借金を返す。
このツキを週末の新潟競馬に持っていくぞ!
深夜の情報。トーシンブリザートはレース中、他馬と接触、故障。何と言うこった。
強い馬に必ずやって来る不運。残念。スター馬が故障すると、こちらが落ち込んでし
まう。軽ければ良いのだが。
小泉さんも強すぎて(あるいは正体がばれて?)故障するのかしら?
<なんだか分からない今日の名文句>
無事こそ選挙?
7月11日(水) 真珠は「白蝶貝」に守られて
知人のA氏から、朝一番で「オーストラリアの木曜島で養殖された白蝶貝」が送ら
れて来た。
彼が中堅広告代理店を退職、独立してから、今日(2001年7月11日水曜日)
で20年たった。
その記念品らしい。
A氏と始めて会ったのは、タレント・八代英太さんの東京・板橋の家だった。
ほとんど面識のない八代さんが「相談したいことがあるので、来てくれないか?」
と電話を掛けてきたのはその前夜だった。
社会部の事件記者でありながら、国会や芸能界をほっつき歩いては、正義派ぶった
記事を書いていた当方に関心があったのだろう。
八代さんの家に行くと真剣な顔つきで「選挙に出たいです。相談に乗ってください」
と頭を下げる。
恐縮した。自分より若い記者に有名なテレビタレントが頭を下げる。恐縮した。
ちょっと前、彼は誤って舞台の奈落に転落して、車椅子生活を余儀なくされていた。
でも、彼には色々な形で仕事はあったし、生活はまあまあ安定していた。
その彼が選挙に出たいという。
「何故ですか?」と尋ねると「車椅子になって、始めて日本の福祉政策がいかに貧
困なのかよく分かった。それを改めたい」。彼は熱く熱く、話した。
「でも、選挙は一人じゃあ出来ない」と僕が言うと「この二人が応援してくれる」
と隣の部屋にいた2人を紹介した。
それがA氏とO氏だった。
A氏は八代さんの石和高校の同級生。O氏は「身障者仲間」だった。
「あと、牧さんが応援してくれれば、鬼に金棒です」と八代さんは僕を口説いた。
30歳になったばかりの当方に何の力もないのだが、江戸っ子の血が騒いだ。
おっちょこちょいの僕は「出来ることがあれば……」と協力を約束して「車イス党」
という名前をつけた。(六年後、比例代表制が出来ると八代さんは「福祉党」と名乗
る)
全く、選挙に素人だった4人組が始めた選挙だから、何をやって良いのか分からな
い。悪銭苦闘。
週刊誌には「泡沫候補」と冷やかされる。しょうがないから「毎日新聞の旗」をつ
けた車を彼の選挙カーの後ろにつけて「マスコミに注目される候補」を演出した。
この選挙戦を通じて、僕とA氏とO氏は親友になった。二人とも、真摯だった。
特に車椅子でありながら、出納責任者を勤めたO氏は立派だった。彼は「昔の愛人」
にまで、お金の供出を頼んだ。金がないから苦労した。彼は障害年金で生活していた。
金がないから、元気な時の愛人にカンパを頼んだ。そして、みんなこれに応えた。
(彼には昔の愛人が5人いた)
正直なところ、僕は候補者としてはO氏がふさわしい、と思った。責任感、意志、
こころの優しさ、どれを取っても彼は、我々より数段上の人間だった。
でも、選挙には「知名度」がなくてはならない。「八代」でなければ勝てない。
O氏は「八代さんが車椅子になったのは、障害者に取って幸運」とまで話し、懸命
に八代さんをサポートして戦った。
A氏は大学時代、ボランティアの経験があったのだろう。勤め先を一時、休職して
選挙ボランティアに没頭した。会社は営業部長がいなくなって困っただろう。
もちろん、八代さんは死にものぐるいだった。
そして、彼はめでたく当選した。
あの選挙は、多分、八代さん、O氏、A氏の青春だった。
その後、Oさんは八代さんの秘書になったが、数年後、議員と意見が合わず去った。
八代さんが「自民党に行きたいのだが」と相談された時「あなたの勝手ですよ」と
言って、僕も彼から距離を置いた。そして、A氏も八代さんから去った。
八代さんがいなくても、僕ら3人は友達でありつづけた。
O氏は今、カラオケの先生である。(彼のことを書くと、おもしろいことばかりで、
未だに女子学生をナンパしているぐらいで「字」になる男だが今回は端折ろう)
A氏は20年前、独立した。小さな小さな広告代理店を開いて、いつもピーピーし
ているが「意味のある仕事」を選んでいる。
年に二度、ラジオを一日買い取って「交通安全キャンペーン」を繰り広げている。
そのA氏が、独立20年の誕生日に真珠貝を贈ってきた。綺麗だ。
多分、大事なお客さんに配ったついでに、くれたのだろう。真珠の貝殻を贈るなん
て、洒落てる。
「母なる海から生まれた真珠は海に抱かれて、この白蝶貝の中で育っていきます。
真珠は堅い2枚の貝殻に守られ、幾重にも真珠層を重ね、その美しさを増していきます」
挨拶状にA氏は、そう書いている。
白蝶貝があなた!というメッセージ。あなたに守られた20年。というメッセージ
だろう。
A氏も、O氏も、世間というものを良く知っている。
ありきたりの感謝で、十分に仲間が増える。だから環が広がる。
それにしても、八代さんは可哀想だ。虚飾の国会で、多分、人間性を失い、やるせ
ない毎日を送っているに違いない。
権力は腐敗し、そして孤独なのだ。
明日12日、参院選スタート。
<なんだか分からない今日の名文句>
友達の友達も、たまには妙な友達
7月10日(火) ホテルが儲かる参院選
夜9時にやっと「原稿」が間にあった。
友人の編集者が待つ中で、ワープロを印刷、どうやら要求の字数はクリアした。
ホッとする。
この「缶詰」状態で、この日は不義理2件。
一つは、たまちゃん主宰?のPOG(ペーパー・オーナー・ゲーム)ドラフト会議。
毎年、この季節になると、どの競走馬の馬主になるか、競り市のようなことをする。
いつものことだが、サンデーサイレンスの産駒が人気で、これに反発して、僕は全く系
統の違う馬を選ぶので、負けてばかり。
今回の欠席を奇貨として、今シリーズ、休戦とする。
もう一つは、毎日新聞政治部の先輩・田中良太さんが、参院選に出るというので「励
ます会」。彼とは同時期に政治部に在籍したが一緒に仕事をしたことがない。彼の思想
信条も分からない。どんな仕事をしたのか、記憶にない。
全くの「義理」で行くのも、失礼かとも思っていたので「よんどころない理由」が出
来て、むしろ良かった。
彼のこととは関係ないが、世の中を舐めた「ちょっと名の知れた人物」の立候補には
、いささか、うんざりする。
これは、彼のことでもあるが、昔の仲間にも来て貰う「励ます会」の会費が2万円。
舐めていないか。
知り合いが何人も、出ると出費が馬鹿にならない。
それで、当選すれば良いけど……。
儲かるのはホテルだけで、みんな「義理倒れ」する。
誰にでも被選挙権があるのも考え物だ(冗談)。
深夜、久しぶりに、掲示版を覗く。「やっと」という感じ。
1周年のお祝いが、幾つも来ている。感謝。長屋の人たちの何人かが、誕生日を迎え
た。遅ればせながら、おめでとう。
血糖値を下げる工夫伝授、ありがとう。
メールで副編さんが「選挙期間中に行う人気投票は法的に問題はないか?」と慎重な
意見。
ありがとう。
かなり前から、この点、考慮していたが、個人のweb「2代目魁」が、世論調査(
擬きのアンケート)をしても、不利を受ける「特定の人」もいないと考え、実施しよう
と思う。
法律から考えるのではなく、実態から考えるのが「2代目魁」流だ。
ただ、web時代にふさわしい「法改正」も、遅れているような気もするので、若干
、問題提起になるかも。
<なんだか分からない今日の名文句>
渡る世間に義理縛り、法縛り
7月9日(月) 何故「世論調査部」なのか
原稿締切を明日10日に控え、ワープロに没頭。
何も出来ない。
新聞も見ない。(休刊日で朝刊がなくって助かった)テレビも見ない。朝晩で散歩、計
5000歩強。
ただただ、打つ。
こんなこと、三十代半ばに、明治大学脇の「山の上ホテル」に缶詰めになって以来だ。
あのときは「小牧ひろし」のペンネームで3人で書いたが、結構、売れた。
売れるのを信じて打つ。売れなくてもいい。迷惑を掛けないように売れればいい。
誰かが、読んでくれるのを信じて、ただ打つ。
夕方「ここだけの話」のゲラ。今回は「書きたいなあ」と思ったものを、ただ、素直
に書いたが、地味すぎるか。
朝方、大急ぎで済ませたことについて、報告。
第1回「世論調査」の素案を作って、ミュージシャン本間に送った。
「2代目魁」一周年を迎えて、世論調査をやってみたくなった。
積極的に意見を掲示板に寄せてくれる人は、かなり増えた。が、アクセス数を考える
と、ただ、僕の日記と掲示板を読むだけの人もかなり多い。
それはそれで、大変うれしいのだが、何か、「誰にでも参加できることはないか?」と考え
、月に一度「世論調査」はどうだろうと思いついた。
ひとつは、掲示板とは違う「数字」の本音のようなものを、知るのもいいだろうとの
考えからである。
副編以下の仲間の了承を得た。月に一回やりたい。
はじめ、世論調査用のソフトがあると聞き、それが極めて高額だと、聞き、ボランテ
ィアに負担がかかりすぎる、と知り、挫折しそうになったが「貧乏人の個人WEB」に
ふさわしいものになりそうだ。
突然、やろう!と決意したので、ネーミングは「唐突ですが…世論調査部」にした。
<なんだか分からない今日の名文句>
渡る世間に「締め切り」ばかり
7月8日(日) フルハムロード?
週末は原稿と減量の日々。
友人の好意で、学習研究社文庫で「お笑い用語辞典」的な本の書くことになったのだ
が…それほど、苦労するものではないと考えていたのだが……締め切りが近くなってか
ら、自分の書いたモノなのに不満だらけで…
大量に原稿を破ったら、こんどは、原稿が足りなくなって……。
とにかく、週末は悪戦苦闘。髭ぼうぼうになった。
もう一つの苦労は「減量」である。
血糖血が高くなったので「歩け歩け」を続けているのだが、思うように痩せない。
恥ずかしい話だが、今日になって「人間には体内脂肪と内蔵脂肪がある」ことを知っ
た。
僕の場合、身長175センチ、体重68.5。体内脂肪は18前後。男性としては少
ないほうだが、内蔵脂肪はレベル10。9以下が正常値だから、脂肪が内蔵にこびりつ
いている。
要するに「ビール腹」なのだ。これは危険だ。ともかく、歩くしかない。
ワープロを打って歩いて、ワープロを打って歩いて、ワープロを打って……
何かやるせない。
知り合いの地方競馬騎手・佐々木竹見さんのラストランを川崎競馬場に見にいくつも
りだったが、それも駄目。引退の言葉を生で聞きたかったが……。
その「ラストラン賞」で81万円馬券が出たと、いう情報。見たかった。
これ以外に部屋にこもりっきりで、情報らしいものもない。
ただ、知り合いがくれたビラ。気になる。
「フルハムロード 良枝 アゲイン 7月20日NEW OPEN」
プルハムロード? 聞き覚えがある。
アンティークドレス、アンティークアクセサリーを扱う湘南・平塚「西海岸大通」の店。
Shop chiefが三浦良枝さん。Producerが三浦和義さん。
15年ぶり、この店も「娑婆」に帰ってきたのか。
OPEN初日、報道陣が駆けつけるのかしら。
<なんだか分からない今日の名文句>
渡る世間にメディアあり
7月5日(木) 硬派はナンパに
沖縄県北谷町で起こった女性暴行事件。進展見られず。
噂によれば、真紀子外相が「夜中、2時ごろ酒に酔っていたというじゃないか?」と
被害者女性にも問題あり的な発言をした。
この事件、あくまでも、法的に処理すべきだ。法以外に判断出来るものはない。
もし、真紀子さんが、そう言ったとしたら幻滅だ。
犯罪を未然に防ぐことと、犯罪の被害者になったことは全く次元の違う話だ。
多分「女性も気をつけなければ」といった注意を喚起するニュアンスだったのだろう
が、誤解を受ける。
今までも、彼女の発言にハラハラし続けていたが、もし真紀子さんが支持を失うとす
れば、女性が被害者になった、今回の「屈辱の事件」かも知れない。
法的に処理し、そして、法に不備があれば直す強い意志。冷静に、冷静に。そして、
ある時、果敢に。
東京で、渋谷で、携帯で、女子高校生が「援(助)交(際)メール」で売春する。携
帯に「助けて!3万円だよ」と飛び込んでくる「性のたたき売り」。やるせない。
沖縄は、歴史を引きずっているから、もっともっとやるせない。大学生時代、ベトナ
ム北爆の日に、たまたま「西南諸国・沖縄」に旅行した。その時のことを思い出す。
道路の脇に武装した迷彩服の兵士が隠れていた。コザのAサインバーに米兵の姿はな
く、女たちが、不満そうに立ち、こちらを睨んでいた。不気味だった。
日記を書いているうちに日付けが6日に変わった。
去年7月7日、二代目・日本魁新聞社を立ち上げてから、丁度、一週年を迎える。
感無量だ。
正直言って1、2度、やめちゃおうか、と思ったこともある。
月に20回ぐらいの日記を書くのが億劫になった時もある。新聞や雑誌に書いた方が
読者の反応があるのに、なぜ、大事な(と思っている)情報をHPで発信するのか……
それが、分からなくなったりしてしまって困った。
出版社の仲間が「書き下ろしの小説になるのに、何故、金にならないHPで書くんだ
」と言われ、そうかも知れない、と思ったりする。多分、そうなんだろう。
でも、でも……。
いつでも、始められるし、いつでも止められる。それがHP。
そして、止められないのが「二代目魁」なんだ。まるで競馬をやめよう、やめよう、
と思いながら、何年たってもやめられないのと同じような「二代目魁」なのだ。
別れよう、別れよう、と思いながら、肌を重ねる2人なんだ。
理屈で愛は存在しない。
そんな気持ちで、2年目を迎える。
最近、掲示版に硬派と軟派を分けたら、なんて意見が来る。
参加者が増えたんだろう。うれしい。
でも、断じて分けない。
硬派は軟派である。軟派は硬派である。感性は分けられない。
僕は、硬派は軟派仕立てで書く。軟派は硬派で書く。
ナンパは硬派で、硬派はナンパで、また一年、ゆるゆるやる。
頼むぜ!
長屋の諸君!
<なんだか分からない今日の名文句>
ナンパ男は硬派なんだ
7月4日(水) ジワージワーと橋本派
東京専売病院で大山ドクターの診察。血液検査の結果、血糖値が高くなっている。
もっともっと歩かねばならない。
「夕食を早く済ますように」とドクター。頑張ります!
診療室から出ると、知り合いの中堅落語家にばったり。「今日は師匠も来てまして」
。見ると、愉快な○蔵師匠。でも、病院では誰でも難しい顔付きになるのか。
この病院、結構、有名人がやってくる。
岡○○○子さんを良く見かける。菅○○太さんは「牧は元気になったか」と看護婦
さんに聞いていったらしい。
この間はコロンビアの「人生いろいろ」のプロデューサー氏を見つけ、追っかけた
が足が速くて、呼び止めることが出来なかった。
政治家では、よく見かけるのが大○○三さん。農水相を勤めた彼は橋本派と決別し
た。利権の守旧派と決別した。郵政族、道路族の橋本派は、今はじっと耐えてはいるが、
参院選が終われば、小泉降ろしに着手する。
ジワージワーと橋本派の不気味な足音が聞こえてくる。死闘を重ね、政界再編成、
ということになるのか。
小泉は「自民党を出ていくのは、お前たち守旧派だ」と言う覚悟が出来ている。
それでも数の上では、守旧派が圧倒的。そんな中で大○○三さんは橋本派と決別。
聞くところによれば、公の席で「余計なことだが、鈴木宗男クンは守旧派です」とキッ
パリ言い放ったらしい。
うれしい。痛快だ。
有希に電話。7月7日から始まる「有希inサンフランシスコ」の第1回をメール
で送ってきたので、感想。
「自己紹介するように」。彼女、友人の娘なのだ。
6日に更新する予定なので、末永く応援して欲しい。
午後、原稿。必死の原稿。間に合わないかも。
友人の須田洵さんから、自費出版「父・須田政美の奇跡」が送られて来た。お父さ
んがなくなられてから、10年たってやっと「父の生涯」がまとまった。
お父さんは北大を出て、樺太庁に勤め、満州、北東北、北海道で開拓と辺境農業に
携わた人物。「父が終生一貫して持ち続けた学究的姿勢と鋭い洞察力、分析力」と倅に
書かれた人物は幸せだ。一気に読む。感動また感動。
もし、辺境で利権を漁っている人物がいるとSれば、爪の垢でも煎じて飲ませたい。
(ああ、間違えました。「いるとSれば」は「いるとすれば」の間違い。訂正して、
謹んでお詫び申しあげます)
夕飯は、ライスなしのカレー。
<なんだか分からない今日の名文句>
小さな泉にも宝刀あり
7月3日(火) 「中国巨龍」を読む
朝7時から歩いて1時間。デニーズで450カロリーの朝飯。そして、また歩く。
何しろ痩せたい。
あまりに無様な姿だ。内臓に油がこびりついている。
JR浅草橋西口のコンビニで「中国巨龍」を発見した。週刊の中国情報新聞。31
0円で買い求める。12ページで310円はかなり高価だが、一面トップが「頼昌星の
身柄返還へ」。興味があった。
「アイモ事件」は中国建国史最大、最悪の汚職事件。元アモイ副市長に死刑判決が
下されているが、主犯格の頼昌星がカナダに逃亡している。
その続報。カナダ政府はどう出るのか。微妙だ。
しかし、中国という国は、あっさり死刑にしてしまう国なんだ。日本では、汚職で
死刑なんて考えられない。
法輪功弾圧?で200人以上の人々が、獄中死されている。
恐ろしい国だ。
それを「北京の空は青かった」なんて表現で、中国の政治・社会体制を賛美した日
本のマスコミは理解できない。今も、賛美しているマスコミ人もいる。
中国の属国のような論調?とは言わないが、彼らが大事にする「人権」が、あの国
でどうなっているのか、よく精査しないで、モノを書くのは危険だ。
ひょっとすると、ある種のマスコミ人は単なる不勉強なのかも知れない。
石原慎太郎が「不気味な国だ」と話すのが、よく分かる。しかも、東京では、中国
人の犯罪が急増している。
中国という国とどう付き合うか?
21世紀最大の課題かも知れない。
だからと言って「真紀子は中国寄り」という宣伝で、彼女の足を引っ張るのには、
もちろん反対だ。
問題を分けて考えよう。
何回も言うようだが、まず、機密費の問題で次官の更迭を断行する。このくらいの
犯罪行為があれば、民間なら役員総辞職がごくごく普通だ。これは個人犯罪のようだが、
構造的な「庁内接待犯罪」なのだから。
しかるのちに民間大使の起用する。真っ黒いODA(情報開示されないから「真っ
黒い」とも断定できない。それが、もっと大きな問題)にメスを入れる。
そこまでの道筋を作ることが、改革内閣の使命だ。
午前10時半から、原稿を書きまくる。実は枚数を勘違いしていたことに、前夜、
気づいた。締め切りが迫っているのに、枚数が足りない。真っ青。
昼、「二代目魁」ボランティアのJrが来る。
一周年企画の「世論調査部」開設の話。近くの天ぷら屋「江戸平」で昼飯。
午後、書きまくる。
夜、友人から貰った穴子があんまりうまいので、時々、訪問される近くの奥さんに
お裾分け。この奥さんにも、おいしいものをいただいていたので……喜んで貰った。
体重計を見ると、意に反して体重増える。
天ぷらの仕業だ。うた唄いの桔梗さんから貰った、蕎麦だけで済ます。
<なんだか分からない今日の名文句>
同じ、アジアでも……
7月2日(月) 「ザ・コンテンダー」と真紀子
毎日の朝刊社会面トップにやっと「たまちゃんの特ダネ」が載った。(筆者は千代崎
記者。機密費事件を担当している気分の良い奴だ)
機密費で種付けされた仔馬が今日(2日)セリ市に出るという話。この馬「フォーラ
ム2000」(牝)は種付け料2500万円、牝馬賃料(専門用語で「借り腹」)80
0万円。都合3300万円の機密費(つまり税金)をつぎ込んで生ませた競走馬という
ことになる。果たして生産者希望価格3500万円以上で取引されるか。
少しでも、国庫にもどるなら幸い、ということか。
午前中、必死で原稿書き。午後から出社。明日、ボーナスが出るので明細書を貰う。
今年から役職定年になったので、同業他社の水準から見れば、かなり悲惨な金額になる
。でも、リストラされないだけ、喜ばなくてはならない。
編集局で斉藤社長とばったり。「元気?」と聞かれるので「まあまあです」「いつも
記事、読ませて貰っているよ。君のはユニークだから」
「ユニーク」と言う意味、奥行きがある。誉められた、とも思えるが、貶されている
、とも取れる。まあ、いいか。もしHPの日記(7月7日「第4権力改革」)を彼が読
んでいたら、尚のこと、このセリフは奥行き深い。
社の隣の如水会館で「毎日俳句大賞 表彰式兼俳句αあるふぁ創刊10年の集まり」
。石寒太編集長の誘いで20分ほど覗く。大賞の正岡芳美さんは目が不自由な方で、姪
の方が代理出席されたが、ご高齢の芳美さんは「突然、ヒーローインタビューを受けた
野球選手のような感じ」と話された。喜びの表現がほのぼのとして、うれしい。等身大
の表現。これだけは勉強しても身に付かない。
グリーンチャンネルで例のセリ市の中継録画。「機密費の馬」、3500万円で買い
主が出ず、売買不成立。何となく、悲しい。この馬の行く末、悲しい。
「ここだけの話」のゲラ点検。北島三郎の奮闘ぶりを書いたが、本当は「最後の1行
」が書きたかった。
夜、映画「ザ・コンテンダー」(「競い合う人」といった意味らしい)を見る。
任期を2年残した民主党の大統領は、急死した副大統領の公認に女性上院議員のハン
ソンを選んだ。ハンソンは共和党の大物政治家の娘で、自ら共和党から民主党に鞍替え
した女性だった。
多分、共和党を念頭に置いた議会対策でもあったのだろう。ところが、保守派勢力は
女性副大統領誕生阻止に動く。下院の司法委員長は、彼女を不倫疑惑、セックススキャ
ンダルの主役に仕立て上げようとするーー。
ザッとこんな筋立て。それほど波瀾万丈ではない。映画の作りも、どちらかと言うと
平凡だ。
ただ、田中真紀子騒ぎを見ている当方には、他人ごとではない思いがする。映画で、
保守勢力が「あばずれ女」キャンペーンを展開すると「まるで日本と同じだ」という気
持ちになる。
保守VS改革、というより、底流にあるのは東西を問わず「男と女の戦い」ではない
のか。
「これは全女性に対する観念的なレイプなのよ」というセルフが出てくる。このあた
りが、この映画のテーマ?
日本の政界も、マスコミもレイプをしていないか。観念的レイプには、女性も加わる
ものだ。
昨今の「真紀子=ヒトラー説」にもレイプの片鱗を感じる。江戸っ子は「男」を強調
するが、観念的にもレイプはしない。紳士ぶって、インテリぶって、観念的にレイプす
る田舎野郎は、でえ嫌れエだ。
帰宅すれば、例の宗男クン、海外特派員協会で真紀子批判のニュース。でえ嫌れエだ。
<なんだか分からない今日の名文句>
男と女の間には、深くて……
7月1日(日) 「第4権力」改革、第1弾!
政府首脳報道のイカサマ
7月になった。去年7月7日、WEB「二代目魁」をスタートして、そろそろ1年
になる。
この間、何度か、友人からHPを始めた理由を尋ねられたが、まあ、これは出来心
のようなもの。強いて言えば「勉強」である。
HPとは、どんなものか。HPには、どんな可能性があるのか。どんな「落とし穴」
があるのか。得なのか、損なのか。時間の無駄なのか、誰でもやるべきものなのか、
新聞との関係、雑誌との関係、テレビとの関係……。ともかく、自分で実際にHPを経
験しないとWEB時代が理解出来ない。WEBを報道したり、分析したり、評論したり
することも出来ない。
HPを立ち上げたのは「新聞記者・牧太郎」のお勉強、広い意味での取材活動と考
えて貰いたい。
6月終わりに掲示板に「風見来多」という方から「日本経済新聞社の社員が会社か
ら個人HPの閉鎖を命じられ、事実上、懲戒免職扱いを受けた。貴方は毎日新聞社のお
許しを受けているのか?」といったような質問を受けた。
掲示板で答えるべきか、とも思ったが、広く仲間(読者)に伝えておいた方が良いの
で、あえて日記に書く。
僕のHPの開設は「勉強」である。モノを書き、一定の影響力を持とうとしたら、
新聞に、週刊誌にコーナーを持った方が、一年前には、明らかに有利だった。今でも、
そうかも知れない。
情報的にも、時間的にも、経済的にも“持ち出し”でHPをやるのは、これが「勉
強」だからだ。
道楽というよりは、少し前向きの「出来心」。誉められたとしても、けなされるこ
とはない。まして隠れてしようというものでは断じてない。
開設に当たっては毎日新聞社に「個人HPを始める旨の届け」を出した。簡単な決
まりがあった。
予測出来ないトラブルが起こり、毎日新聞社と読者に迷惑をかけないための約束事
である。HPと言えども、一社員が独自のメディアを持つのだから当然だろう。
まして、僕の場合は過去に「オウム真理教の追及キャンペーン」で、一つ間違えれ
ば毎日新聞の社屋にダイナマイトを仕掛けられそうになった苦い(人によっては「誇り
ある」と言ってくれるが)経験がある。慎重にならざるを得ない。
もちろん届け出を出したからと言って「自由な言論」が全て保証される、という訳
ではない。
「自由」ゆえに、人を傷つけたり、損害を与えたら、それこそ「自由」が泣く。
「自由」は人を傷つけない。
と言っても、言論・表現は人を結果的に傷つける宿命を持っている。これも、また真
実である。
人間、どこまでが自由で、どこまで不自由で、生きるか?
これは、生きるもの誰でもが悩むところだ。
神が偏在するがごとくに「自由」を偏在させて貰うことにした。自由は偏在する。
自由と言いながら、ある時は「息」を潜め、あるところでは「息」をつく。この呼
吸が「自由の偏在」の息づかいである。
その呼吸を僕は「節度ある等身大の言論」と位置づけた。表現することは、それほ
ど、カッコ良いものではない。だから、あざ笑われることもある。自由を標榜しながら、
あの体たらくーーと批判されたとしても塹壕に入ることだってある。
日経元社員氏のケースは知らない。何故、そんな行き違いがあったのか、その経緯
は知らない。
が、僕の場合、個人HPで他人を意識的に傷つける「あやまち」があったり、第三
者に、まして所属する新聞社に損害を与えたら、直ちにHP活動は停止する。この覚悟
はある。塹壕に入る覚悟はある。
これは建前でない。本音である。毎日新聞の読者と毎日新聞で働く人に取ってマイ
ナスに作用するとすれば、ひとまず塹壕にこもる。それが「節度ある言論」である。
さて「二代目魁」で、僕は所属する毎日新聞をたびたび批判して来た。これは「節
度のある範疇」と思っているからだ。
批判のための批判では、もちろんない。読者に対して、よりよいサービスを提供す
るための提案である。そして、おおむね(あくまでも「おおむね」ではあるが)同僚の
支持を受けている。
これは、特別、書く必要もないのだが、エピソードのひとつとして、書いてもいい
だろう。毎日新聞社の斉藤明社長は我が掲示板に登場した。(はじめは、誰かが社長の
名前をペンネームに借用しているのか、と思ったが、調べてみるとご本人の投書だった)
彼は尊敬する新聞記者の先輩だが、意見が会う時もあれば、異にすることもある。
彼は常々「生意気な奴」と思っているかも知れないが、彼は僕のHPを意識して、掲示
板に投書をしてくれた。秘書室のパソコンに「二代目魁」はお気に入りに入っている。
社内向けの講演などで、僕は「二代目魁」の現況を紹介して、読者の意見、意識を
披露したりする。もちろん、毎日新聞社に対する批判、おしかり、激励も伝えている。
「二代目魁」は、毎日新聞の社内で市民権を持ちつつある。あるいは周囲から「生
意気な奴」と陰口を叩かれているかも知れないが、僕には、それほど気にならない。そ
の程度の市民権を獲得した。
毎日新聞社には個人HPをやっている人間が何人かいる。趣味の延長線のようなも
のが多いようだが、中には毎日新聞の紙面作りに意見を率直に述べたりするものもある。
自分の記事に対する意見を求めるものもある。それなりに、市民権を得ているようだ
が、僕のように、定期的に更新するものは少ないようで、事実上、休刊しているWEB
もある。そんな現況の中で、毎日新聞には、HPを巡るトラブルはない。
さて、長々と「答え」を書いてしまった。(まだ、十分に答えていない、という指
摘もあるかもしれないが、他に譲りたい)
これからが「本論」なので、もう少し我慢して読んで貰いたい。
「二代目魁」が始まって1年近く。世の中は急激に変わっている。
世の中はようやく「腐敗した無能な権力」を打破しようという気概に燃えている。そして、民の願いは徐々にではあるが実現に向かっている。
「権威」が失墜した。立法も、行政も、司法も失墜した。国民と権威の戦いは広範
囲に展開され、わずかだが民の要求が実現している。(いま、外務官僚と国民のつばぜ
り合いが展開され、民の分断作戦に戸惑いつつもあるが、改革は徐々に進んでいる)
権威を総点検し、改革を断行する時代である。
しかし、今だ、手がつけられていないままの「権力」がある。「第4権力」である。
マスコミである。
なぜ「第4権力」(の一部)の腐敗と無能が、このまま許されて良いのか。不思議
なぐらいである。
マスコミの片隅にいる僕は、いつも、不思議だ、不思議だ、と呟いている。そして、
このままで良いのか?
悩んでいる。
WEBが一定の影響力を持った今、創刊2年目を迎える「二代目魁」は、声高では
ないが節度を持って「第4権力改革」を主張したい。
質問に答える形で、僕は、自分の“足かせ”について述べた。だから、残念ながら
カッコ良く「新聞批判」は出来ない。
それを前提に、ではあるが、徐々に「第4権力の罪」について、日々の日記で、そ
れとなく触れて行きたいのだ。
その第1弾は「マスコミが権力者に仮面を許す罪」についてである。
日本経済新聞6月30日朝刊にこんな記事が載っている。
「外務省処分人事に慎重 政府首脳は29日、外務省元室長による官房機密費(報
償費)詐欺事件を巡る外務省幹部の追加処分人事について『前例との整合性や処分の程
度を総合的に勘案し、相当な理由がなければ認められない。ただ単に、前回の処分が足
りなかったというのでは認められない』と語り、慎重な考えを表明した」
この記事には、甚だ、意図的なものを感じる。
それより先に問題にしたいのは「政府首脳」とは誰か?である。ごく普通に考えれ
ば「政府首脳=総理大臣」である。
小泉さんがこんなことを言ったら、大変なことになる。「前例にとらわれないのが
小泉改革」である。彼は堂々と、ぶら下がり取材を受け、その日その日の所感を話して
いるから、政府首脳は小泉さんではないだろう。
と、すれば、誰なのか。福田官房長官なのか。多分、そうだろう。
永田町の住人には「誰」と特定出来るが、一般の読者には判然としない「政府首脳」
という表現を使うのか。 不思議でならない。新聞代金を払う購読者に分からない新
聞、理解できない。
大体、この発言は内閣を代表しているかと言うとそうでもない。個人的見解か、と
言うとそうでもない。
これは新聞を使ったアドバルーンなのだ。打診なのだ。まず、外務官僚に対し「俺
は3大使1次官更迭」に反対なんだ、と意思表明をしながら「正式には言えないんだよ」
と訴え、自民党には「真紀子つぶしで行こうや」と呼びかけている。
それを「政府首脳」のという特定できない人物の発言として、メディアに載せ、打
診する。権力者の良くやる手だ。その政治手法は当然なのだが、問題はメディア側の姿
勢だ。
これは多分、懇談という取材形式で「政府首脳」と書く慣例があるからだろう。む
しろ、こう書くモノなんだ、と新聞記者は何の疑いもなく、信じてこんでいるのかもし
れない。
政治部記者(首相官邸キャップや外務省キャップもやった)の時、僕は極力「首脳」
と書かず「○○」と実名で書いた。権力者は実名で意見を述べるのが筋である。
ばかばかしいことだが、記事の中に「外務省首脳は××、また別の首脳は××」な
んて箇所を読まされたこともあった。外務省では大臣も、副大臣も、次官も「首脳」な
のだ。
第4権力改革の手始めに、新聞は「おかしい」と思っていることを一時も早く、
直そうじゃないか。それほど、難しい問題ではない。
第4権力改革第1弾!
権力者の発言は実名報道せよ!
長々と書いて、申し訳ない。明日の日記はコンパクトにするので、お許し願いたい。
<なんだか分からない今日の名文句>
新聞にフランス革命を!