編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2002.5月

5月30日(木) 夢のマジック

 たまには、うれしいことも報告したい。

 大井競馬場で「400万円馬券」が誕生する現場に遭遇したのだ。

 午後6時過ぎ、第6レース。ハイペースで有力馬が総崩れする中で、ユメノマジック が抜け出した。

 たまたま隣にいた70歳ぐらの「歯なし」のおばちゃんが「当たった!」と叫んだ。 僕に馬券を見せる。単勝100円券だが、お見事!である。もしかすれと、万馬券かも 知らない。

 「あんたはどう?」「連複だけど俺も当たった。安いけど」「そう、おめでとう。夢 のマジック、名前が良いもんね。朝から狙ってたんだ」とおばあちゃん。

 隣のボーイフレンドに「ビールおごるからね」。

 まあ、縁もゆかりもない当方におごってくれることもなく、ビールを買いに行こうと 立ちあがった瞬間。アナウンス。

 「3連単11−9−13、400万940円」。

 一瞬、シーンと静まりかえた。次に怒濤のような歓声。おったまげた。おばあちゃん 、腰が抜けた。

 我が国レース史上最高配当額が生まれた現場。ついに夢に見たウルトラ大万券が現実 になったのだ。

 27万1066票のうち、的中は5票。どんな奴が当てたのか、と想像するより、こ の歴史的瞬間を共に生きたい。

 社に残っていたたまちゃんに「この事態、原稿にせよ!」と頼んで、おばあちゃん、 そのボーイフレンドと紙コップのビールで乾杯。おまあちゃんの単勝は1万1560円 。僕の連復6−7でも6910円もついたから、ビールがうまい。

 他人の幸福を祝い、嫉妬しないのが競馬の良さである。実は、9−8−11の3連復 を持っていたので、ちょっと惜しい気持ちもしていたが、どこにいるのか分からない4 00万円獲得者にお祝いする。

 穴を開けた酒井騎手は、廃止になった新潟競馬から川崎に移籍した29歳。苦労人も これで人気者になるだろう。

 9レース。お目当ての東京ダービー。これまで5勝4着1回のキングセイバーで間違 いない、と思い、馬連、ワイドを買う。

 新聞を見ると人気がまったくない。何故だろうか。大井で走った時、一着馬と1秒2 も離されていたので、人気がないのだろうが、あの時は、向こう正面で他馬に蹴られた アクシデントがあった。それ以外は完勝。

 セイバーで勝てる。勝利を確信する。

 「何を買うの?」とおばあちゃん。「9だよ。キングセイバー」「良い名前だね。で も大レースは的場に決めているから」とおばあちゃん。

 結果は確信した通り、セイバー、直線のたたき合いを抜き出して快勝。 (後で、気 づいたが騎手はこれもまた酒井だった)

 万歳!

 万歳!馬連でも11160円の万馬券。万歳!

   おばあちゃんに「あんたはプロじゃないの」と言われる。そんなに誉められたのは初 めてだ。

 でも、おばあちゃん「あんたの言う通り、買えばよかった」とは言わない。「私は大 レースは的場よ。的場しか買わない。私もプロだから」とゲラゲラと笑う。

 素晴らしいおばあちゃんに乾杯。たまちゃんに「気の毒」を言いながら、京急で家路 につく。(たまちゃんはどうしても東京ダービーに行きたかったのだが、仕事の関係で 行けなかった。それに、馬券も、カスリもしなかった)

 他にも記録したい事項、多々あるが、今日は競馬の素晴らしさ胸に寝ることにする。

<何だか分からない今日の名文句>

大きな運、小さな運、どれも運


5月29日(水) 東郷元局長は容疑者
          何故、参考人なのだ!


 新聞各紙に「支援委不正事件で、東京地検、東郷和彦元欧亜局長、参考人として事情 聴取へ」という記事が載っている。

 海外逃走中?の東郷さんから27日夜、電話が掛かってきて「事情聴取に応じる意思 」が示された、という。ついに観念したか、と思ったが、そうでもないらしい。

 どうも、水面下で「参考人でどうだ」といった交渉があり、東郷さん側と当局が“合 意”したという見方がある。

 実におかしい。

 この事件、国際学会の費用を支援委から不正支出しようと発案したのは、元国際情報 局主任分析官・佐藤優さん。決済書を起案したのはロシア支援室課長補佐、そして、決 裁したのが東郷さんだ。

 この犯罪は3人セットで考えるものだ。(もちろん、その後ろには、宗男クンがいる のだが、僕は、この学会は意味があった、と思っている。財布の出所が間違っていたと 思うが、やる意味はあった と思っている。でも、これを厳密に犯罪として立件するの なら、厳密な「法の平等」が維持されなくてはならない。外務省の「巨悪の犯罪」は放 置されたままだが、それは他に譲る)

 3人セットの犯罪なのに、何故、佐藤、前島さんが逮捕され、東郷は「参考人」なの か。

 東京地検さん、刑法247条を良く読んでくれ。間違いなく、東郷さんは背任容疑濃 厚である。

 何故、「容疑者」として取り調べないのか。

 多分、佐藤さんの拘置期限が6月4日なので、それまでに東郷さんの供述が必要なん だろう。そこで「参考人」で手を打った?

 と言うのは、好意的な見方。本当は官僚の助け合い。官僚国家ニッポンの老舗「東郷 家」から微罪で逮捕者が出ては申し訳ない、という「情状酌量」が存在するからだ。祖 父が外相、父が駐米大使だから、お咎めなしなのか。

 佐藤さんは、情報収集能力に卓越した人物だ。外務省で一番、仕事をした人物だろう 。だが、悲しいかな、ノンキャリの悲哀に泣いていた。そこを宗男クンにたらし込まれ た。

 宗男事件は「キャリア官僚がインチキ政治家の言いなりになった」犯罪だ。

 なぜ、その張本人・東郷さんがお咎めなし、なのか。見えない「指揮権発動」が行わ れている、と確信する。

 毎日新聞5月21日夕刊、22日「魁」に更新の「ここだけの話・加藤、セーフ!は 誤審」を読んでくれ。これが、恒常的指揮権発動の始まりなのだ。

 「良く、そこまで、書いたな」と新聞記者仲間の知人に言われた。当局から毎日新聞 に情報が入らなくなって困るんじゃない、と言うのだ。まさか、小さな小さな僕のコラ ムで「毎日虐め」が起こるとも思えない。

 なぜ、新聞は社説で堂々と「奇妙な情状酌量」を書かないのか。そろって書けば、怖 くない。

 新聞は官僚の悪口は書くが、司法官僚を批判しない。

 マスコミ規制法が出来ない内から「自由な言論」を放棄して、何が、正義だ!

 昼間は若干の取材。昼飯、浜町藪の「せいろ」、夜、親しい人と、川の向こうで「ど じょう」の丸。

 世間に「怒り」を感じた日、江戸っ子は美味三昧。ストレス解消、ストレス解消。

<何だか分からない今日の名文句>

ノンキャリ、お白洲の涙


5月28日(火) 再会!黒ちゃん

 「おけら街道」を書き上げ、午前10時から「たいとう診療所」。

 話題は、親友の伊藤君のこと。正月まで、この診療所のスタッフだった理学療法士の 伊藤君。彼が中心になって東京・西新宿に建設中の「初台リハビリ病院」はいよいよオ ープンする。土曜日に見学会が開かれるそうだ。

 何しろ、これまでの病院とは、大分、違う。東京になかった「チャレンジ型病院」。 準備で猛烈に忙しい様子なので、伊藤君に会えなかったが……うまく行っているのか。 彼のお弟子さん?吉良先生(たいとう診療所に残った逸材。年齢的には、伊藤君より若 い)の言によれば「新しい病院は哲学が違う。例えば、スタッフの給料も実績主義で払 うらしい」。医療従事者の実績をどう計算するのか。楽しみだ。

 昼飯は御徒町「デリー」のインドカレー。極辛のカシミールカレーにするかどうか悩 んだが、極辛は真夏の楽しみに取って置いた方がいい。

 仕事場に帰り、エコノミストから頼まれた書評(「田中角栄邸書生日記」)を一気に 書く。

 午後6時、出社。9階の「アラスカ」で「さつき会」。毎日新聞出身の大学関係者の 会。僕は関係ないのだが、一時、上智大学で非常勤講師をやったことがあるので、いつ も「案内」が来る。

 嶌信彦君に会う。顔の色つやが良い。彼が横浜市長選に出る出ない、と騒がれたころ のことを話す。「ジャーナリストを目指したのだから……」と彼。現在60歳。70ま では一線のジャーナリストで行く、と決意。俺もだ。

 斉藤明社長の挨拶。毎日新聞東京本社があるパレスサイドビルの株式は当初40%が 毎日新聞社、40%がリーダーダイジェスト社、残りの20%が三和銀行が持っていた 。リーダーダイジェスト社が左前になった時、毎日新聞が40%を買った。毎日80% 三和20%。それが、ことし三和銀行から「残りの20%も買ってくれないか?」と頼 まれ、毎日が買った。

 「すべて毎日のものになりました」と斉藤さん、誇らしげに先輩に報告する。社長、 頑張っている。

 このほかに、運動部の冨重記者さんのサッカー予想講演。彼女によれば「日本は予選 敗退?」。やはり経済効果を考えと、勝ってもらいたいのだが。

 午後8時、仕事場に帰ると「黒ちゃん」から突然の電話。「これから、そっちへ行く 」。

 「黒ちゃん」は育英小学校6年3組の同級生。当時、僕はクラスで一番背が高く、黒 川さんは一番、背が低かった。

 最前列の「黒ちゃん」が立ち上がって国語を読み出したのに「黒川さん、立って読ん でください」と最後尾からヤジを飛ばし、彼女を泣かしたことがある。担任の中田先生 にこっぴどく怒られたことを覚えている。

 何ごとか?

 復讐にやって来たのか。待つこと30分。

 「今日は告白に来たのよ」。何だ何だ。

 実は彼女、同じ同級生のMさんが僕を創価学会主催の絵画展に誘った、と聞き「それ ならば」とやって来た。

 1987年9月15日の写真を持っている。伊豆熱川の旅館で同窓会をした時、彼女 が僕を写した写真。あの時から会っていない。

 「牧君一人だけ写したんだからネ。私、実は、小さい時から君に憧れていたんだ。牧 君、背が高いんどもの」

 本当かよ。57年間、人間やっているけど「憧れた」なんて言われたことなんてない 。

 「この写真、持って、何度か、このビルの下まで来たんだけれど……」

 僕の書いた新聞記事をすべて読み、本もすべて買ったという。感激した。

 「せめて14年前に言ってくれればなあ」と、お互い大笑いする。

 深夜、メール点検。夕刊の「ここだけの話」に感想が届いている。外務省批判をかな り痛烈に展開したが「良い文章」とお褒めのものばかり。珍しいこと。こちらも、恐縮 の行ったり来たり、だ。

<何だか分からない今日の名文句>

少年時代は二度ある


5月27日(月) 野中さんは復権?それとも

 江戸通りを散歩中に、毎日OBのNさんと会う。彼から聞いた浅草橋最新ニュース。

 この日記でも、何度か書いた「ジャンボくじで一億円が二年続けて出たJR浅草橋前 宝くじ売り場」。列が出来、宝くじは飛ぶように売れる。

 この辺りの「運」を独り占めした売場の親父。ジャンボ発売2日目。仕事を終え、マ ンションに入ったところで「追い剥ぎ」にあった。被害額300万円強。売り場から、 彼の後ろを付けていたのだ。

 気の毒に。「知らなかった?新聞に載っていたのに」とNさん。新聞を。隅から隅ま で読む習慣がなくなって久しい。これはまずいな。

 しかし、ここまで不景気が続くと、誰もが犯罪の被害者になってもおかしくない。

 夕方、赤坂プリンスで、恒例の中曽根元総理の誕生パーティー。お元気だ。乾杯の音 頭を取った瀬島龍三さんもお元気だ。

 ともに現在の日本国を憂慮しながらもお元気だ。

 知り合いと政治談義をする。

 いろいろ話したが、一番、印象に残ったのは「公明党は自民党と連立しているのでは ない。橋本派と連立しているのだ」という言葉。蘊蓄がある。確かに、小泉VS「野中 +公明」の図式がはっきりしている。

 新聞によっては、郵政民営化問題で「小泉は独裁者」と怒りを露にした野中は徐々に 復権ーーと書いているところもある。彼の出方で、重要法案がすべて廃案なんてことも あり得る。公明の数を利用して、揺さぶりをかけることも可能だ。

 しかし、永田町の水面下で言われているのは、宗男逮捕のあとの「意外な展開」。

 大手商社から宗男周辺に流れた莫大な献金の背後にX氏あり、という仮説に立って、 地検は40人体制を組んでいる、と言う穿った見方がある。かつての「金丸」事件を思 い出す強力布陣だという。そうなれば、次なるターゲットは?

 橋本派も安閑としているわけには行かない。

 「加藤立件せず」は見えない指揮権発動、と僕は見ている。小泉さんの意向を見て、 検察は「お咎めなし」の道を選んだ。検察と政界の繋がりは微妙だ。

 いずれにしても、検察が握る政局。風雲急?

 夜、掲示板を見る。良識派の意見、歓迎。

<何だか分からない今日の名文句>

逆指揮権


5月26日(日) ダービー一色…濁酒を飲む

 朝、TBSラジオ。今日は当然、話題はダービー。中村キャスターが「それで、 牧さんは何を買うのですか?」と聞くので、自信を持って「18番から総流し」と答える。

 調教が抜群なゴールドアリュール。ダート馬でも勝てそうな気がする。13番人気だ から、相手がどんな馬でも万馬券になる。

 昼、府中に着いて、18番の馬連500円、ワイド1000円総流しを購入する。2 万円強の出費。何か、億万長者になるような気がする。

 総理大臣が来るというので、JRA関係者は緊張気味。一部の新聞が「小泉、人気取 りで競馬観戦」といった調子の記事が載っている。「新聞は怪しからん」と怒っている 幹部もいるが、気にすることもない。

 JRAが誘って実現した「44年ぶりの現職総理の競馬見物」。それだけで、話題に なる。宣伝効果は一億円ぐらいの価値がある。

 何と書かれてもプラスだろう。小泉さんの気分転換に貢献したのだから……国民に取 ってもプラス。

 さて、その日本ダービー。僕のゴールドアリュールは、大方の予想に反して、直線先 頭に立つ。やったぞ!ラジオを聞いていた人のうち、何人かが、この馬から馬券を買っ たかも知れない。これはお手柄ではないか。  ところが、である。

 デザートに抜かれ、岡部に抜かれ、それでもワイド馬券を大丈夫、と思っていたが、 一瞬のうちに豊に抜かれる。

 ああ、無情。

 スポニチのダービー観戦記を一時間で書き上げ、競馬場事務所の打ち上げに参加する 。例の「農水のドン」(宗男のことではない。本当のドン、清潔なドン)は「牧君、ど こで見ていたんだ。今日は10勝2敗だ」とご機嫌である。中国の農業の話を若干、す るが、つい、ダービーの話に逆戻り。

 聞くところによれば、小泉さんも儲かったが、飯島・総理秘書官は大儲けしたらしい 。

 豪雨の中、調布の焼き肉屋へ。京都に単身赴任している友人が、久しぶりに府中に顔 を出したので一献。ものすごい大男が数人参加して、よく食べること。

 濁酒を勧められ、恐る恐る飲む。「どぶろく」なんて、10年ぶりだ。

 強い馬が、良い勝負で勝つと、馬券を離れて、気持ちがいい。好きな男と再会すると 、酒はうまくなる。濁酒はコップで2杯で我慢。

 帰宅後、深夜「田中角栄邸書生日記」(片岡憲男著・日経BP企画)を読破。書評を 書く準備。やっとダービーから離れた。読み終わると朝方だった。

<何だか分からない今日の名文句>

濁り酒 純な酒


5月23日(木) 「あさま山荘」映画は?

 朝一番で「競馬はロマン」を書き上げ、午前中は若干の取材。昼、浅草まで歩いて「 お稲荷」を昼飯代わりに買い求め浅草東映へ。

 親しい友人から「『突入せよ!あさま山荘事件』という映画、僕の印象とは大分、違 う」という。気になっていたのだが、時間が出来た。

 僕も30年前、あさま山荘前の現場で、凍えるような取材に加わった一人である。

 午後1時4分の2回目の上映。観客30人ぐらい。見終わっての僕の印象。

 はっきり言って、これは駄作だ。

 理由(1) 原作者の佐々淳行の史観で、すべての現象を分析するのに無理がある。 要するに勝手な解釈ばかりでいささかウンザリする。

 佐々さんは中心人物だが、彼の力だけで、事態がうまく言ったというものでもない。

 理由(2)従って、警察内部の縄張り争いばかりに焦点が集まる。警察内部の学習映 画?一般の商業映画にはなじまない。

 (3)歴史というものは、権力者の言いなりになるものだが、あまりにも、佐々流史 観でまとめるのは……

 第三者の取材を通して、この種の映画は作られるべきではないのか。

 (4)暗い警察権力の話だから仕方ないが、音声が低く、何を話しているか、分から ない。映画技術としても二流?

 (5)全体として、有事立法を後押しする意図で作られた、とう印象が極めて強い。

 午後7時、JRA錦糸町駅前の居酒屋で、柳クラブの同窓会。柳クラブは丸の内警察 署に基点を置く警視庁第一方面担当の事件記者クラブ。1972年当時のメンバーが5 人集まった。朝日のM氏、読売のK氏、NHKのS氏、それに毎日の僕とT氏。ゲスト は当時の平山副署長。

 思い出話のついでに、瀋陽の事件について若干の情報交換。例のビデオの「続き」は 存在するのか。もちろん、存在したのだが……「共同通信はすべて国民に見せるべきだ 」ということになる。

 社会部出身の記者が集まると、徹底的な情報開示を求める方向になる。政治部記者が 集まると、そんな方向にならない。不思議なものだ。

 映画「突入せよ!」はK氏が見ていた。突入の日、K氏の隣にいたテレビの記者が散 弾銃で撃たれた。僕は、その約3メートル後ろにいた。

 カップ麺を食べ、夜中の張り番をしたあの日。警察だけでなく、ありとあらゆる関係 者の青春があさま山荘に残っている。

 朝日のM氏は突入の日、結婚式だった。同僚が式場から次々に職場に帰って、式場は ガラガラになった。

 ああ、あの時、彼に祝電を出し忘れたことに気づく。あの日、K氏も僕もあさま山荘 の前にいたんだ。

 NHKのS氏は「今週のここだけの話、おもしろかった」と言ってくれた。(あっ! 「ここだけの話」22日に更新するのを忘れていた)

 別れて、早稲田大学新聞学科の先輩でもあるT氏と「ひまわり」で二次会。勝手なこ とばかり言う当方にTさん、優しい。

 水戸に帰るTさんを上野駅に送る。

 深夜、競馬新聞と格闘。駄目だとは思うがダービーは2−18で勝負することにする 。

 浅草観音裏は25、26日、植木市。東京の下町は祭りの季節である。

<何だか分からない今日の名文句>

歴史は「権力」の言いなり


5月22日(水) 底入れ?本当?

 官邸は各新聞社の世論調査実施の時期を知っているようだ。

 「真紀子さん切り」以来、内閣支持率が落ち込んで、世論調査の行方が気になるのか 。

 景気の底入れ宣言なども、世論調査を意識したものだろう。仰々しく「景気底入れ 宣言」なるものをしたのも、多分、支持率40%確保を狙ったのだろう。 しかし、本当に「底入れ」したのか。

 土地の値段が下げ止まりしなければ「底入れ」なんて言えない。銀行から融資を受け ている人は「担保割れ」に死ぬ苦しみだ。よく、平気な顔で「底入れ」なんて言える。 はなはだ疑問だ。まして、世論調査を意識した「架空の底入れ」だったら……。

 このところの異常な円高は、異常な「底入れ宣言」の悪影響である。円高で、輸入関 連は打撃を受けた。政府は市場介入するようだが……小泉内閣のドジ。本当に小泉さん 、経済音痴?

 昼のニュースが中国に拘束されていた北朝鮮の5人がマニラ経由で韓国へ向かうこと になった、と報ずる。

 何よりだが、日本外務省は自らの「嘘」を隠蔽して、中国だけを悪者にした。ああ、 恥ずかしい。

 それよりも、当たり前のことだが、北朝鮮が悪の中軸なのだ。この種の事件はまだま だ起こる。早急に難民の扱いについて、国民的コンセンサスを作らないと、外務省は「 嘘」に「嘘」を重ねることになってしまう。

 午後、例のお勉強。この間、僕より年かさの方が加わったが、今日は僕の前のイスに 小学生。生徒はドンドン増える。

 夕方、社に顔を出す。たまちゃんが「有力馬がすべて不運に泣いているから、こんど のダービーは混沌としている」と頭を捻っている。予想記者さんは大変だ。ダービーは 当てるぞ!

 仕事場にもどり、余裕があるので掲示板をじっくり見る。一時、閑散としていたよう だが、盛況でうれしくなる。

 ちょっと気になること。ペンネームで登場している人の身分を詮索するのはよそうで はないか。

 編集長の僕にメールで「誰々」と実名を名乗って「××」の名前で参加します、と言 ってくる礼儀正しい方もいれば、何の断りもなく、一人で幾つかの「名前」を駆使して は「見せかけの議論」をでっち上げる人もいる。でも、これは、WEBの宿命のような ものだろう。

 でも、ごく当たり前のことだが、WEBをやって他人に迷惑を掛けてはならない。詮 索した人物と全く違う人物ということもある。

 僕の場合「野暮用」という表現で「日記に書きたいが書けないもの」を処理している 。

 本名を明かして議論に参加する方があってもいい。が、議論がエキサイトすると、 この世の中、何が起こるか分からない。

 魁掲示板では、発信者の身元を詮索するのは御法度である。

 主宰者の僕は身分を明らかにするのが、当然だが、それ以外の人物はペンネームでい いじゃないか。

 身分を明かしたことで「自由な発信」が出来なくなるのなら、掲示板の意味はまった くない。

<何だか分からない今日の名文句>

俺だって「透明人間」なんだぞ!


5月21日(火) 浅草観音裏ストーリー

 ちょっと仕事が立て込んで、暇を作るのが難しかったが、昼前、小学校の同窓生から 出席を“懇願”されていた「創価学会・世界の少年少女絵画展」のオープンセレモニー に顔を出す。(東京・台東区根岸4−12−13創価学会東京平和講堂 5月22日〜 5月28日AM10:00〜PM9:00)

 161ヶ国から送られてきた児童画400点。生き生きしている。「夫婦けんか」と いう韓国の子供の貼り絵。微笑ましい。

 アフガンの子供の絵は鉛筆で書いてあるモノクロ。背中に銃を背負った子供の自画像 ?夢のない絵だ。

 子供の目は素直。どれもこれも生き生きしているが、アフガンの子供の絵は暗い。何 故だろう。

 創価学会の地域リーダーに紹介される。「副会長」という偉い人にも引き合わされた が、学会には「副会長」が何人もいるらしい。

 まあ、絵画展のお誘いなら良いが「入信のお誘い」は御免乞うむる。僕は、広い意味 の無宗教。神の存在は信じているが、この世に宗教団体は必ずしも必要はない、と考え ている。

 「神」は胸に存する。

 午後一時前に仕事場に戻り、例の「足立の勇み肌」と建設予定の足立文化センター( 仮称)の話。Jrのお父上(広告代理店社長)にも入ってもらい、知恵を出し合う。

 全国の文化センターはほとんどが赤字だから、褌を締めてかからないと……。

 午後3時過ぎ、ご贔屓の児玉が高松競輪で間違いなく勝つ予定?なのでCSで観戦。 予定通り一位で入り大儲け、と思ったが、長い審議の後、失格。奴には、いつも損ばか りさせられる。でも、好きだ。

 午後5時半まで秋葉原へ運動を兼ねた散歩。例の「こごめ大福」を買い求める。

 6時過ぎ、友人3人来訪。仕事場で世間話一時間。「赤兎」に移り、自家製さつまあ げを食する。馬鹿でかいが実に旨い。

 「カラオケをしよう」というので浅草観音裏へ。二日続けての「観音裏通い」である 。昨日(20日)朝、魁の女性読者から「尋ね人の消息が分かった」との知らせがあ った。

 20歳の頃、カネがなくて家庭教師をしていた。その教え子の一人が浅草観音裏のト ンカツ屋「豚笛」の兄妹。その後、どうなったのか、気になっていたのだが、店がなく なって消息が分からなかった。

 このことを日記に書いたら、女性読者から「豚笛にゆかりがあります。探してみまし ょう」と約束してくれた。彼女、20年ぶりに三社祭を見に行って、昔なじみの芸者さ んに会い「豚笛の娘さんが小料理屋を開いている」と知った、というのだ。

 知らせを受け、夜「割烹M」を探し当てた。

 店を開いていた女性は確かに「豚笛」の娘さんだったが、僕が家庭教師をしていたのは、 その女性の弟と妹だった。

 「弟は腕の良い調理師になったが、50歳になっても瘋癲癖が治らない」とのこと。 僕が家庭教師をしていた15歳のタカシ少年は確か「不良少年」だったが、嫌に優しい ところがあった。

 「タカシ君は優しかったナ」と話すと、姉さんは「タカシがいなくなると、必ず新し い女と一緒なのよ」。

 優しいから、女が出来て当然である。

 いずれにしても、我が「教え子」現在、行く方不明。妹さんは、早稲田出のご主人と 幸せだとのこと。良かった。

 今夜は、カラオケということなので例の「ひまわり」。ママに昨夜の顛末を話すと「 人生色々、私の母親は4人の子供がいる男の後妻に……」と身の上話。「16歳で上京 して、色々やりました」と話す彼女、「50歳過ぎてフーテン暮らし」が許せない様子 だが、でも、色々あらナ。

 一年ぶり会った友人は得意の「知床抒情」を歌い、当方「大阪しぐれ」で夜が更ける。

      
<何だか分からない今日の名文句>

強いばかりが男じゃない


5月20日(月) 城山さんのこと

   出社して、例の「城山三郎さんと毎日新聞のトラブル?」について”取材”する。

 週刊文春5月23日号の53ページ「新聞不信」の欄に「毎日新聞の『大本営参加』 」という記事が載った。

 城山さんは「諸君」の対談で、桜井よしこさんとメディア規制法について話している 。その中で、城山さんは「毎日新聞の『時代の風』欄に書いた文章を勝手に直された」 という趣旨のことを話している。

 城山さんは編集部が勝手に原稿を手直し、権力が「大きな網をかける」つもりで規制 法を作っている、という主張を展開したのに「大きな網をかける」という言葉がタイト ルから消えているーーと腹を立てている。事実なら大変なことだ。

 この対談を元に、週刊文春は「毎日新聞が大本営の言いなりになっている」という意 味の批判記事にまとめた。事実なら「毎日新聞『大本営参加』」という見出しになって もおかしくない。

 魁の掲示板に「本当なのか?」

 メールにも「もし本当なら、読売と同じような権力の言いなりではないか」という意 見が殺到している。

 事実はどうなのか。僕の出来る範囲で検証しようと、毎日新聞の関係者、数人に”取 材”した。

 問題の「時代の風」欄は2002年3月10日付け。「人権三法」と題して、城山さ んは極めて明快に、権力側の意図を書いている。

 文章の流れを見ると、別に彼の意図とかけ離れた文章とは思えない。しかも、見出し は「大きな網をかける狙い」とはっきり印刷されている。

 編集サイドと行き違いがあったのか。一部、事実関係が明白に間違いである部分、編 集部が勝手に削除したところがある。このあたりに、原因がありそうだが、文意を損な った箇所はないように思う。

 城山さんの思い違いではないのか、というのが、正直に言って僕の感想だ。

 社会部の規制法担当記者I君は城山さんと良好な関係を持っていて、電話で「先生の 思い違いではないのか」と話すと「そうか、今度、桜井さんと別の機会で対談する時、 訂正しておこう」と話されたようだ。

 サンデー毎日は発売中の号で城山さんに登場していただいている。出版局では、彼の 本を出そうという計画もある。

 実は、マスコミ規制法に危機感を感じているのは、新聞の中で毎日新聞が一番だと思 う。かつて、外務省秘密漏洩事件で逮捕者を出し、その結果、外務省ものを書くのは危 険、という思いがマスコミを支配し、その挙げ句、今の外務省の体たらくを放置した。 毎日新聞には苦い経験がある。

 言論が規制されれば、国が滅びる。それを知っている新聞社だから、規制法に反対な のだ。

 断じて、毎日は「ご用新聞」ではない。週刊文春に悪意はないと思うが、言論機関を 無理矢理、喧嘩させて、規制法批判勢力を分断させる権力の意図を感じないわけではな い。毎日のトップが権力中枢と血縁関係にあることを捕まえて「毎日はいずれ、権力 に屈する」なんて馬鹿なこと言う奴まで出てきた。

 冗談じゃない。正義の筆は閨閥とまったく無関係だ。我が社のトップはジャーナリス ト魂を持ち続けている。

 「メディア規制法反対」の意見広告を出すというので、全員カンパ。競馬で儲けたの で、5000円カンパする。

 夜、浅草観音裏、ゆかりの人に会う。これはあす書く。

       
<何だか分からない今日の名文句>

誤解に隙あり


5月19日(日) 物書きの悲哀

   時々、午前2時頃に起きてしまうことがある。昼間、何か興奮することがあると目が 覚め、寝つかれなくなる。

 昨日は別に興奮することはなかったが……ちょうど午前2時に目が覚めてしまった。

 仕方なく、枕元に置き去りにしていた「諸君」を読む。最初から最後まで読む。眠れ ない。

 実は日垣隆さんという作家が書いた「天声人語『神話』の崩壊」という文章を読んで 、よけい眠れなくなった。

 簡単に言うと「近頃の天声人語はどうしようもない愚作ばかりだ」と言ったことを 率直に書いている。「天声人語」の筆者の生活ぶりにまで触れて「現場に行かない」「 オリジナリティと意外性がない」と批判している。糞味噌である。

 実は5月3日の「天声人語」を旅先の香港で読み「心がない文章だ」と怒りに似た感 想を持ったことも事実である。赤報隊事件が時効になるので書いた文章だが、何かアリ バイで書いているようで、若くして殺された同僚の無念に「心」が応えていない。情け ない、と思った。

 しかし、これほど、糞味噌に批判されるのか。文章で飯を喰う人間は、軽々しく、他 人の文章を貶すことは出来ないものだ。それを承知で、この作家は批判している。

 少なくとも「天声人語」を書く方(どんな人が書いているか、知らないが)の筆力は 当方より数段上だ、と思っている。ものによっては、僕の方が上手に書くのに、と思っ たことはあるが、毎日毎日、一定の水準の原稿を書くのって、神業だ。天声人語の筆者 は一流の人だと思う。(ただし、毎日の「余録子」の足下にも及ばないことも事実だが )

 こんな一流の筆力が悪し様に言われる。物書きはつらい仕事だ、と思うと、ますます 眠れなくなった。

 朝方、ちょっとだけ眠って「ここだけの話」を書く。もちろん愚作。ただ、加藤紘一 氏の処分に対して、黙ってはいられないので書いた。

 外務省のドジに関心が集まった頃を見計らって、脱税政治家を情状酌量する当局の陰 謀。許して良いのか。そんな気持ちで、駄作を書く。

 マスコミ規制法が通って、官僚の悪口を書いたら逮捕される日がやがてやって来る。 今の内に官僚群が日本を堕落の底に突き落としたことを、書いておきたい。たとえ「駄 作」と言われても。

 野暮用の合間を見て、昼すぎ、オークスの府中競馬場へ。

 何故か、馬券絶好調。7、8、9レース的中。10レースは惜しいところで外したが 、オークスの軍資金はタップリ。

 G1戦国時代、苦労人の常石がこのあたりで一発?と応援して、オースミコスモの単 、馬単、ワイド、目一杯、賭けた。が、とても勝負にならなかった。

 距離に無理があったのか、前走が無理使いか。でも、気持ちの良いオケラ気分。

 最終レースで、吉田が良いところを見せると、何故かハッスルする後藤の腕に賭け、 的中!プラス決算で終わる。4勝2負は久しぶりの大勝である。雨がぱらつくなか、野 暮用に戻る。

 さて、今週はダービー。3連単遊びは、今回のダービーでひとまず終えて、秋はG1 全レースの一着を当てる「魁新聞主催・単勝名人日本選手権」をやりたいと思っている 。

 だから「最後の三連単」。誰でもいいから、美酒を挙げてもらいたい。

<何だか分からない今日の名文句>

天声に変な声あり、人語に悪意あり


5月16日(木) オークスはコスモで行く!

 小さん、大往生。

 もっと聴いておけば良かった。

 「男はつらいよ」の山田監督が、寅さんの叔父・おっちゃん役の二代目になってくれ ないか、と小さんを口説いた、と何かで聞いたことがある。その時、小さんが辞退した 言葉、聞いたことがあるのだが……何だっけ……忘れてしまった。

 もし、小さんが二代目おっちゃんだったら「寅さん」はそれほど大ヒットしなかった ように思う。小さんは「主役を喰う」ようなところがあった。何事にも、隠れて全力投 球してしまう人だから。

 師匠、ご苦労さん。ゆっくり休んで下さい。

 さて、落語界、どう動くか。小朝の影響力がさらに強くなるのか。

 午後、合間を縫って浦和で競馬の取材?

 3連単の大穴を次々当てる奴がいるという話。会ってみると、ごく普通の人だった。

 ついでに馬券を買うが、当方、当たって損する。

 まあ、オークスで挽回するか。人気薄のオースミコスモと心中するつもり。目一杯、 掛けるぞ!

 オークスが駄目ならダービーがあるさ。

 45年ぶりに育英小学校の同級生から携帯に電話。名前は覚えているが、姿形は記憶 にない。「相談事があるので」と言うので、夕方、仕事場に来て貰う。

 最近、子供の就職に関する相談事が多いので、多分、そんなことか、と思っていたら 左にあらず。「世界の少年少女絵画展」(5月22日〜28日・創価学会東京上野平和 講堂)へのお誘い。創価学会主催、ユネスコ後援。161国・地域10万の中から40 0点が出品されるという。

 どうやら、彼女、熱心な学会の信者らしい。もしかすると、観客動員がノルマになっ ているのか。創価学会の教えには全く興味はないが、時間があれば見に行く、と約束す る。確かにパンフレットにある子供たちの絵は素晴らしい。

 「45年ぶりの再会」と思っていたが、1987年、伊豆熱川の同窓会で会ったこと があるという。彼女、その時の写真を持っていた。撮影日時があるからそうなのだろう 。どうも、忘却、甚だしい。

 加藤紘一さんの脱税。立件しない、との報道。冗談じゃない。もっと脱税額が低いの に逮捕された人もいる。

 この日記で「在宅起訴」と見通しを書いたが、裏切られた気分だ。今の日本、法の平 等がどこかに行ってしまている。

<何だか分からない今日の名文句>

情状酌量は東大法卒?


5月15日(水) 近ツリの方がマシだ

 午前中は野暮用。昼、新ロマンを書き上げ、午後から外に出て若干の取材。午後4時 から例のお勉強。少しはおもしろくなって来た。

 夕方から少し寒くなったが、もう少し取材活動。

 中国瀋陽の日本総領事館で起こった亡命連行事件。一家はフィリピン経由で韓国に向 かうらしいが、中国側は「こんなことは決まっていない」と猛反発。人道的な部分の解 決がまた少し遅れる。

 どうも、外務省は中国対応と国内のマスコミ対応の使い分けが出来ないようだ。中国 は北朝鮮に配慮して、一家の身分を確認しないうちに「誰だか分からない」状態で第三 国に出国させるつもり。その前に日本で、すでにレールが出来ているような印象を与え る報道が続くと拙いのだろう。

 このあたり、日本も配慮しないと拙い。日本のマスコミは外務省を質問責めにするが 、上手に「知らぬ、存ぜぬ」で押し通し、一件落着したら、キチッと国民に報告すれば いい。

 自分に都合の悪いことは隠し、相手側がアウンの呼吸で「ある時期までは秘密」とし ていることを平気でマスコミに流す。愚の愚。少なくても、外交交渉で「合意した」と マスコミに書かせる時は、同時発表か、それに準じた工夫が講じられる。記者も記者で 表現に神経を使う。早く報道すれば良い、というものでもない。

 外務省の幹部は世間知らずで、自分だけが頭が良いと思っている。「脳天気な役人」 とあざ笑いながら記者は彼らにお世辞を言っている。人間関係なんてまるでない。

 外務官僚は常々「天皇陛下に任命された全権大使」が総理大臣より格が上と考えてい る。政治家なんて、落選すればただの人。マスコミ人なんて人間の屑としか思っていな い。

 馬鹿にしている。慇懃無礼に馬鹿にしている。その癖、何かあるとマスコミに怯 える。万一、自分の昇進に傷が付くことが起こったら、と心配する。そこで、外務官僚 は突然、マスコミ人に過剰サービスする。その挙げ句、ドジを踏む。ああ、情けない。

 この一件が明るみに出てから、中国は、結構、上手に世論操作をしている。何となく 「日本が頼んだからやった」という印象を与えている。

 この事件をどう外交上のプラスにするか。考えている。下手をすると、不審船の引き 上げ問題を持ち出すかも知れない。

 我が国に外交はなくなった。外務省の出先は国会議員の海外旅行のお手伝いをするぐ らい柔な組織になってしまった。

 そのくらいのことなら、日本旅行で十分だ。近ツリで十分だ。近ツリの方が観光旅行 なら上手だろう。もっとも、外務省は売春斡旋をするらしいから、近ツリよりサービス が良い、と自慢する奴もいるかも知れないが…。

 ああ、情けない。

<何だか分からない今日の名文句>

外交の恥は掻き捨て(出来ぬ)


5月14日(火) 毎日は読売とは違う

 久しぶりの快晴。暑い。リハビリを済ませ、御徒町で例のインドカリーを食す。辛い。 暑い。暑いとカレーが食べたくなる。

 新聞界も熱い。

 例のメディア規制法案。個人情報保護法案、人権擁護法案の読売修正試案なるものに 応える形で、自民党は修正作業を始めた。

 読売新聞の「提言報道」というやり方は、確かに新しい企画ではあるが、その実、そ の内容は「ワンマン社長の主張」を形にしたもの。過日の新聞協会の議論の中で、法案 反対の先頭に立っていた読売新聞の編集幹部が、突然「修正でも……」と話し出した時 「ナベツネさんはどうしても、法案を通したのだな」と勘ぐった。

 その邪推が当たって、提言報道という形で、読売は法案成立に世論操作を始めた。

 読売社内では、編集幹部でもナベツネさんに反対すれば人事異動で飛ばされる(と親 しい読売の人に何度も聞いた)

 まあ、どこの新聞社でも、そういうことはあるが、読売の場合は極端である。

 そのワンマン社長は政治的な立場をハッキリさせている。

 若い頃は共産党支持だが、記者になってからは一貫として自民党支持である。自民党 を支持する立場で、自民党を批判する強面の言論人である。(新聞記者・渡辺さんの力 量は尊敬している。が、自民党の利権政治に度々登場するのに、僕は批判的だ)

 今も盟友・中曽根さんと共に、小泉政権を牛耳ろうしているのも事実だろう。

 読売試案はナベツネ試案である。

 その認識を念頭に置いて、試案を読まなくてはならない。

 5月12日読売新聞朝刊はこの試案を提言する同時に「欠陥を是正して成立を目指せ 」という社説を載せている。力点は「成立」である。

 その中で社説子は「一部の俗悪週刊誌などの、目に余るプライバシー侵害は論外だ」 と書いている。

 「俗悪」という言葉を使って週刊誌報道を全面的に否定している。

 しかし、である。権力が隠そうとしたものの多くは週刊誌の報道で発掘された。新聞 も、テレビも、特ダネを提供しているが、どちらかというと、週刊誌報道が世の中を動 かしたことも多いのだ。

 次々に権力から情報が発表され、これを処理するのが忙しくて、独自取材が出来ない 新聞にかわって、週刊誌が事実を発掘している。ムネオ疑惑も、山崎さんの金権セック スも、週刊誌が暴露している。

 権力は内心「大新聞は我々の言いなり」と思っている。(冗談じゃない。我々は権力 側では断じてないが、彼らを新聞を甘く見ている)

 権力が怖いのは週刊誌である、と経験から、彼らは思っている。この法案を「週刊誌 弾圧」に使おうという狙いが、歴然としているのだ。

 つい、読売は、権力側の狙いを白状している。

 誰でも、有害図書に反対する。規制する工夫はないか。そう思う「善意」を利用して 、週刊誌の取材を狭めようとする巧妙な意図。これに読売は荷担している。

 午後、出社すると、編集局幹部の一人が「毎日は読売とは違う」と断言した。この問 題で新聞協会などの窓口になっている彼は、僕と同意見。

 「明日、我々の考え方を紙面にだす」。頼もしい。大賛成だ。

 小川一記者が「懸念消さぬ読売試案 報道制約の実態そのまま」を書いた。大事件が 多く、扱いは2面だが、毎日の立場を鮮明したのは良かったと思う。

 しかし、新聞社同士がいつも同じような紙面を作るより、昨今は緊張感があって良い ではないか。

 是非、小川記者の記事を読んでもらいたい。

<何だか分からない今日の名文句>

批判なきメディアこそ「俗悪」


5月13日(月) 出来レース?

 午後、東京・足立区に住む知人が突然の来訪。知人氏、足立区総合センター(仮称) の責任者に選ばれたいう。

 JR北千住駅は一日に100万人を越える乗降客がある、東京北東部最大のターミナ ル。西口に再開発ビルが建設中である。

 このビルの10階から12階は劇場、ギャラリー、アトリエ、講義室。舞台芸術上演 の貴重な場になる予定だという。

 「区の運営でなく、民間の資本、人材を活用する」というのが、鈴木区長の考え方で 、知人氏が運営会社の社長に推薦されたという。

 正直言って、全国に限りなく存在する「文化センター」はほとんど赤字。このご時世 に、こんな割の合わない仕事を引き受けるなんて……電話で相談を受けた時は「馬鹿だ な。止めろ」と言ったが、故郷を愛する彼は「結局、引き受けることになったんだ。知 恵を貸してくれ」とやって来た。

 千住は江戸時代、日光街道の初宿で江戸文化の集積地だったが、これを受け継ぐ作業 がある意味で放置されている。その現状を打破する仕事なら意味がある。応援したいが 、正直言って、前途多難。でも、彼は今までも、恒に前向きで、成功しているから…… とりあえず、僕の知る舞台関係者を紹介することにした。

 北千住に関心のある方、地域文化に関心のある方、伝言板に良いアイディアを書き込 んでくれ。

 夕方、小泉首相は自民党役員会で「メディア規制二法に関する読売の修正試案(12 日の読売の提言)を参考に修正作業をせよ」と指示する。

 「透明性の確保」の原則は報道分野への適用を除外するーーというのが、読売の修正 試案の目玉。それならマスコミ各社も文句は言わないだろう、というのが、小泉さんと 「ナベ恒」さんの思惑なのだろう。権力とご用新聞の出来レース?

 この問題は、マスコミ人の自由の問題だけでない。市民の発信の自由の問題なのだ。 ホームページで誰でも発信出来る時代の「自由」について、国民のコンセンサスをどう 構築するかの問題だ。

 表現に携わっているものは「廃案」を求めるべきだと思う。読売新聞にいる善意の人 々は表現を守る立場で、権力と決然と対峙すべきだ。ご用新聞だけが「自由」になって も、市民の「自由」は確保されない、なんて、許せない。朝日、読売、毎日は自由だか ら、静かにしろ!なんて。これに同調するのは「表現者の自由」を放棄するものだ。

 さて、マスコミ各社はどうするのか。(出来レースに荷担することを決めているマス コミもあるやに聞くが)

 夜、脳卒中患者の新しい家に遊びに行き、ついでに競馬評論家・清水成駿さんに紹介 された根津の寿司屋を探し当てる。が、何と定休日。残念無念。

 近くの小綺麗な焼き鳥屋ですます。とろろ揚げ、美味。

<何だか分からない今日の名文句>

独裁者が作る読売


5月12日(日) 「ニュースの自由」を考えよう

 5月12日はナイチンゲールの誕生日。ジュネーブの国際看護婦協会は1965年、 この日を「国際看護婦の日」と定めた。1990年以降、日本では、この日が「看護の 日」。

 頼まれて、昼から会津若松市の「会津風雅堂」で開かれた福島県看護協会主催の看護 大会で講演。闘病経験を通じて僕が感じたままの「看護の実態」を話した。

 例えば、国政選挙の不在者投票が病室で実施されるのだが、看護婦さんはあくまでも 善意なのだろうが、患者が誰に投票するかをジッと見守る。これは「投票の秘密」を踏 みにじる行為なのだが、看護婦さんはそれに気づかない。

 「患者は、看護婦さんが特定の政党の支持者で、事実上、監視することで投票を依頼 している、と疑ってしまいます」と話す。中国の亡命騒ぎと同じで、外交官が「主権」 を忘れ「人権」を忘れたのと同じ“勘違い”が看護の現場にもあるのではないか。

 辛口の講演になったが、500人ほどの看護婦さんが最後まで熱心に聞いてくれた。

 楽屋の裏話。例の九州の看護婦4人組の連続殺人事件で、全国80万人の看護婦さん はひどく落ち込んでいる。このイメージダウンをどう回復するのか。確かに気の毒であ るが、世間は看護婦(看護士)さんの思いやりを信じている。それほど、気にすることはな い。

 会場を午後4時過ぎに出る。新潟の最終レースにリングレットが出走するので、急い でテレビを探したが、当地では競馬中継がなかった。見られないとなるとイライラする 。レースが終わった頃、携帯でたまちゃんに結果を聞くと「おめでとうございます。2 着です」。万歳!僅かだが、馬券でも儲ける。

 夜遅く、今週の「ここだけの話」を送稿する。これから暫くは「ニュースの自由」に テーマを絞って書いてみたい。一回目は香港そして中国本土の「ニュースの自由」。

 「ニュースの自由」にテーマを絞って書かなければならない、と思うようになったの は、メディア規制3法が、あまりにズサンな立法作業で生まれたからである。何かを弾 圧するために「ニュースの自由」を奪い取ると権力が決意すれば、どうにでも解釈する ことが出来る悪法だからだ。

 市民は「ニュースの自由」をもう一度、考えなければーーと思う。僕に与えられたス ペースで「自由」を論ずるには「ここだけの話」しかない。らしくない「正論」を何度 も書くようになるが、読んで貰いたい。

 メディア規制3法だけでなく、国民的規模の討論が必要な重大案件が山積しているの に、中国の総領事館で起こった亡命者問題。メディアはこの事件でも、全力投球せざる を得ない。が、この種の騒動を追いかけているうちに、市民から「ニュースの自由」を 奪い取る法律が成立するかも知れないのだ。

 非常に危険な季節である。

<何だか分からない今日の名文句>

風前の灯火


5月9日(木) 真紀子を中国に特派せよ!

 朝、野暮用でビル管理会社に勤める友人、来訪。「世間はリストラの嵐。高学歴で一 流企業に勤めていた人たちが、ビル管理人の募集に殺到している」

 ビル管理人は大変なお仕事だが、どちらかと言えば、低賃金。月16万円程度と聞く から、消して満足がいく待遇ではないだろう。

 それでも採用されれば喜ばなければならない。リストラ地獄。我が国の自殺者は年に 3万2000人。その多くが不況と関係がある。不況だけで死ぬ人は少ないが、病苦、 孤独、肉親との別れ……などと合併して死を選ぶ。

 「ムネオ疑惑」は司法に任せ、マスコミは経済問題、有事立法、表現の自由にシフト と変えなけれまずい。

 経済政策の失政を隠すための「権力のスキャンダルごっこ」。これを許して置くわけ にはいかない。

 毎日新聞朝刊社会面の片隅に情けない「訂正」。「『消防士やけど』の見出しで『太 田』は『大田区』の誤りでした」

 どうしてこんなことが起こるのか。僕も失敗が多いので偉そうなことは言えないが、 不況の中で、新聞を買ってくれる読者に申し訳ない気がする。

 以前から「週刊エコノミスト」編集部から「人間ものを書いて欲しい」と注文が来て いた。4月から毎日新聞社には新たに「専門編集委員」というポストが出来た。

 専門ライターを優遇する制度で、僕もその一人に選ばれた。ありがたい。その専門編 集委員の一つの要件に「新聞以外の本社出版物へ協力」がある。出来る限り、この種の 仕事もしなければ、と考えていた。「興味のある人物で結構」というので「中田宏・横 浜市長」を選んだ。

 人を介して、インタビューの申し込みをする。新市長は忙しすぎる、とは思うが…… 実現出来ればいいのだが。

 香港で買い求めた雑誌の翻訳を横須賀支局の網谷利一郎記者に頼む。網谷君は元北京 特派員。本来ならライン部長になって良いのだが、次々に昇進を断り、取材の最前線で 頑張っている。

 ここだけの話だが、僕らは競輪仲間。いつも競輪の話ばかりしている。

 彼の競輪狂は、親父譲り。彼のお父さんは日本ではじめての競輪予想新聞を作った人 物である。

 「急ぐのか?」と彼が言うので「急ぐ」。快く夜までに翻訳をしてくれた。

 午後は若干の取材活動。それに暇を見つけて、テレビの国会中継を見る。小泉さんの 顔が蝋人形のようだ。

 日本総領事館に亡命した北朝鮮一家が、敷地内で中国の武装警官に拘束された大事件 。小泉さんの対応、あまりに生ぬるい。

 死を覚悟して、しかも事前通告して、総領事館に入った人物をみすみす「不法に入り 込んだ中国」側に引き渡した事実は、許されないことだ。これは、はっきりさせなくて はならない。

 これが外交である。

 小泉さん、こんな時こそ、真紀子さんを中国に特派して、亡命一家を救い出せ!

 夜、寒い。浅草まで歩いて「三定」で天ぷらをテイクアウト。12チャンネルの「男 はつらいよ・寅次郎純情詩集」を見ながら、キスの天ぷらで一杯。

 世の中、苦しんでいる人が多いのに……これで良いのか……と思いながら寝る。

<何だか分からない今日の名文句>

□と○は、使いよう


5月8日(水)橋本派が三役に入り、
         慎太郎さんは都知事兼首相?


 東京専売病院で検診。血圧130−70。順調。

 近くにJRAの六本木事務所があるので、ついでに取材。

 数日前、例の「極道記者」さんが顔を見せたようだが「えらく元気がなかった」とい う噂。気になる。

 一日に40〜50万円も馬券代に使う「極道記者」さん、手元不用意になったのかし ら。業界のことを教えてくれる彼に元気がないのは困る。どうしたんだろう。

 週刊文春、週刊新潮がそろって発売。新潮の「地下金脈疑惑のドン・青木幹雄第2回 」。興味のある続き物で、かなりの新しいデータも入っているのだが、事実関係が詰め 切っていないような気がする。取材が難しいのだろう。

 文春の山崎モノの続報。山崎さんから「事実無根」と訴えられた文春としては「これ でもか、これでもか」と書くしかないだろう。変態女性関係を証明するホテル領収書4 00。部屋番号まで記録してあるから、山崎さん、万事休す。

 「あれは病気だから」と呆れ顔の永田町では、山崎さんの更迭の時期、ポスト幹事長 人事で、綱引きが始まっている。

 焦点は最大派閥・橋本派から3役が出るかどうか。

 最後まで、小泉体制に協力せず、野垂れ死を待つか。それとも執行部に入るか。

 村岡元官房長官が幹事長か、総務会長に入る、という話もある。村岡さんは人柄はい い。が、建設会社のオヤジという雰囲気はどうしても変わらない。適任か、宇のどうか 。

 それとは別に、小泉体制を入って、一気に小泉体制を崩そうという向きもある。

 古賀前幹事長の返り咲き。そんなことあるのか。

 盟友の変態で苦しむ小泉。子分の宗男で動けない野中。その間で、首相靖国参拝の地 ならしで、小泉に「借り」を作った“野中の一の子分”古賀の存在。中曽根さんが「力 を持つ奴を使え」とアドバイスしているのも、微妙に関係するだろう。

 もし、古賀が幹事長になったら小泉改革は完全にポシャる。これで良いのか。

 新聞で石原慎太郎が「2期はする」と話したが、とても信じられない。彼の狙いは国 政である。周囲から求められ、首相になるつもりなのだ。

 彼、都知事と首相を兼任する法的整備まで考えているはず。週刊誌に田中真紀子と同 列に「次の総理大臣」と言われるのが、気に入らないから、暫く、静かになっている作 戦だろう。

 慎太郎さんは、総理大臣になりたくて仕方ない「太陽族」なのだ。

<何だか分からない今日の名文句>

真実一路、実は「権力一路」


5月7日(火) 佐伯校長、退職す

 久しぶりに「たいとう診療所」。この日から、外来リハビリが「週3日」から「週5 日」になる。患者さんの急増で、そうせざるを得ないのだろう。同時に予約制が導入さ れ、一応、僕は「毎週火曜日」を予約することにした。

 言語障害がひどい会計士の石井君に会うと「オーイ、牧クン」と笑顔で手を挙げてく れた。えっ、こんなに上手に話せるの?大変な進歩である。これなら、僕ぐらいの会話 は可能だろう。

 彼、発症6年、脳卒中の後遺症はある程度、時間との戦いだ。

 帰ると、仙台市立宮城野中に勤務していた佐伯洋昌クンから「定年退職」の挨拶が来 ていた。

 高校時代、僕が郵便友の会全国委員長を勤めた時、副委員長をやった佐伯クンである 。(佐伯クンが高校3年、僕は2年生。彼の方が人気があり委員長に相応しかったが、 東京の高校生の方が郵政省と折衝するのに都合が良い、というので、僕が選挙で選ばれ てしまった)

 佐伯クンは昭和40年4月に念願の中学教諭になり岩手県東磐井郡千厩中学校に赴任 した。それから37年。無事、教職生活を終えた。おめでとう。

 千厩中で女子バレー部の顧問になり「郡中総体で一勝をあげたら、サッカー部を作っ てもいい」と先輩に言われ、しゃにむに特訓。見事一勝。千厩中に初めてサッカー部と 郵便友の会を作った。

 同中の郵便友の会員は120人。その半数が国際文通をしていたのは珍しいことだっ た。

 僕が早稲田を出る昭和42年、佐伯クンは第一回青年の船の隊員に選ばれ、3ヶ月に わたって、東南アジア7カ国を訪問した。遅れている自分に焦りを感じたことを覚えて いる。

 彼は昭和44年、同中に知的障害生徒の特殊学級が新設したとき、自ら手を挙げて担 当になった。

 ともかく、積極性がある人物。長いこと、仙台の名物校長として地域のリーダーを努 めていたが、これからは?

 「のんびりするつもり」と言うけれど、週の大半は仙台大学で教員を目指す学生を相 手に過ごすらしい。ただ、毎朝、午前5時46分発の一番列車で丸森町から仙台に通勤 することは終わる。自宅で新聞を読んでから、家を出ることにするらしい。

 ご苦労さん。暇を見つけて、仙台に遊びに行くか。

 昼すぎ出社。社会部の幹部と「メディア悪法」の扱いについて、話し合う。

 マスコミの「表現の自由」だけを主張すると言うのではなく「市民権」としての「表 現の自由」を主張すべきだ、というのが僕の意見だが……。

 夜、現代書館の「包囲されたメディア」を読了。

 たまちゃんが勧めるので、夜中に起きて、サッカーの「日本・Rマドリード戦」を見 るつもりなので、早く寝る。

<何だか分からない今日の名文句>

蝋燭は身を減らして人を照らす


5月6日(日) 香港・マカオの旅

 4月30日夜、スポニチマスコミ講座の講義を最後に暫く「仕事」をすべてやめ、成 田へ直行、翌日から目一杯、香港、マカオで遊んだ。

 日記を書くのもやめて、モバイルも持っていかなかった。パソコンのない生活。これ も充電のコツ?

 もちろん、競馬に行き(これはスポニチの「おから街道」に書く)、マカオの教会に 行き、女人街の下町を歩いた。

 印象に残ったこと。

 (1)ホテルのルームサービスで「神戸産のステーキ」を頼んだら「日本の牛をやめ た」。メニューにはあるのだが、当分の間は、日本の牛はNO!

 (2)街頭で、法輪功に対する弾圧抗議の運動。内陸では、何人かのメンバーが虐殺 されている様子。

 (3)当地でも、牧師の少年に対するイタズラ事件が起こっていて、新聞のトップニ ュースになっている。

 (4)観光客はメーデーの週になったので、内陸の中国人が圧倒的に多い。両替商は 「元歓迎」。「円歓迎」というところはない。中国の経済成長、目覚ましい。

 (5)40階前後のマンションが林立しているが、道路が整備されていないから、町の 機能はマヒしている。 香港は住みたくない印象。それに比べ、長いことポルトガルの領土だったエキゾチック なマカオは、カジノを除けば、ゆったりとした天地。100万香港ドル(1800万円 ぐらい)のマンションを買えば、永住権が貰える。住んでもいいな。

 6日帰国。香港のホテルでNHKのBS報道を見ていたので、大体のニュースは承知 していたが、明日(7日)から、スキャンダル国会が始まるらしい。

 深夜「ここだけの話」のゲラを点検して仕事再開。山崎幹事長が週刊誌を訴えたこと を取り上げることにした。

 長いこと、ヘッドライン日記を休んで申し訳なかった。

 留守中?「書き込み」を続けてくれた長屋の住民に多謝。一時間かけて読む。結構、 おもしろかった。

<何だか分からない今日の名文句>

立夏