編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2002.6月

6月27日(木) 「情を通じ」の4文字

 午前中の取材を終えてから、雨の中、中元の準備で銀座松屋へ。6月中に頼めば割引 がある。定価3000円が2500円になる商品もある。

 亡くなった母親の遺言の一つに「盆暮れの挨拶は忘れるな!」がある。家訓のような ものだ。(もっとも「学者、医者、長者と付き合え、役者、芸者、記者と付き合うな」 の家訓は守っていない)

 中元は市民のささやかな経済活動として必要なのだろう。だが、このご時世、大切な 中元と言えども節約、節約。「割引」でウン万円、助かる。

 気分転換に麻の夏服を買う。多分、引退した愛馬・デリキットの出走手当が入るハズ だから……。

 帰宅すると、社台から、そのデリキットの「引退配当金」の明細が来る。こんなに入 るのか。夏服がもう一着買えるぐらいだ。

 損をしたと思っていたが……走る労働者・デリキットは馬主孝行……収支決算をスポ ニチの「おけら街道」に書こう。

 毎日新聞社は明日(6月28日)の朝刊で「沖縄返還の密約が米公文書に明記されて いた事実」を報道する。

 当時(1972年春)、この密約の一端を報道した毎日新聞西山太吉記者は外務省機 密漏洩罪で逮捕された。

 その「密約」が彼の報道通り存在し、日本がアメリカに「これを隠してくれ」と頼ん だ経緯まで米公文書に記されていた。

 その頃、駆け出しの社会部記者だった僕は、この事件で「権力」の恐ろしさをまざま ざと見せつけられた。

 国民の知る権利、として、世間は毎日新聞の報道を支持した。ところが、権力は「西 山記者は取材協力者の女性外務事務官と情を通じ」と発表した。

 新聞、週刊誌はこの不倫スキャンダルのみに興味を示し、いつの間にか「密約の存在 」の真相は二の次で「不倫で手に入れたスクープ」だけが糾弾された。「情を通じ」の 無念の4文字……。

 世間から批判された毎日新聞の部数は激減、当時、もっとも信頼される新聞と言われ た我が社はその後、経営危機に陥る。ベトナム戦争に反対する唯一の「正義の新聞社」 は、権力と戦ったかのように見せながら、実は権力と一体の大新聞に押しつぶされた。 これを境に、毎日は経済的に苦しい新聞になってしまった。

 「権力」は恐ろしい。都合の悪い相手を拘束して、その間に世論操作を行い、30年 間も真実を隠す。隠すどころか、福田官房長官は未だに「密約はない」と言い切ってい る。許せない。

 しかし、事実は一つである。

 後輩記者が30年後に改めて真実を書く。素晴らしいじゃないか。毎日新聞は清貧の 新聞社でいいじゃないか。言論のない新聞社よりいいじゃないか。

 明日の新聞は感無量だ。

<何だか分からない今日の名文句>

これが毎日スピリット


6月26日(水) ドル安、株安→公的資金再投入?

 この10日間、極めて個人的な野暮用にかなり時間を使った。納税期の6月は一年で 一番、不愉快な月?

 中小企業の経営者の気持ちが分かるような気がする。

 相続税、固定資産税は酷税だ。だから税金の無駄使いには腹が立つ。あまりに滅茶苦 茶な公的資金の使い方には腹が立つ。でも、さらなる銀行への公的資金投入は避けられ ない、という予感がする。

 多忙ゆえ日記の更新をうっかり忘れることが多くなった。日記は書いたのだが、更新 作業をしてくれるJrに送るのを忘れて「午前11時まで」の更新が午後になる。Jr 、申し訳ない。読者の皆さん、ごめんなさい。

 午前中に「競馬はロマン」を書き上げ、タクシーで東京駅へ。旅行に行くわけではも ちろんない。雨が降り続くので、外で歩くことが出来ないので、東京駅の地下道を歩く のだ。

 2時間歩く。何しろ、ストレスが溜まっているので食欲が嫌に旺盛。雨で歩けないの で、体重は増える。体重計に乗りたくないほど、太ってしまった。歩かねば、歩かねば 。

 ついでに大丸で、次男のお嫁さんの誕生日プレゼントにポロシャツを買う。伊豆にい る姉に缶詰を送る。これも誕生日のプレゼントだが「好きなモノを」と電話したら「年 寄りには、いつでも食べられる缶詰が良い」と言うので、食品売場で缶詰を探す。店員 、冷たく「置いてません」。

 缶詰なんて食べる人間、いないのか。仕方なく、中元ギフトセンターでカニの缶詰セ ットを選ぶ。缶詰と言えば値段の高い「カニ缶」だけ。缶詰を馬鹿にすると、非常時に 泣きを見るぞ!

 午後、エコノミストの依頼で、中田・横浜市長にインタビューを申し込んでいたが「 やっと時間が出来た」というので、質問項目を送る。楽しみ。

 午後4時、例のお勉強。夜、たまちゃんから「手伝って!」とSOS。彼、かなり仕 事が立て込んでいるので、ネをあげている。広告局の努力で実現した「記事広告」の執 筆。たまちゃんだから書ける分野だから、頑張ってもらう。知恵だけ貸すか。

 深夜、アメリカの株安。深刻。通信会社ワールドコムの粉飾決算に司法省の手が入る との情報。

 日本の株価を直撃するか。不良債権処理はドロ沼状態、という人も多い。

<何だか分からない今日の名文句>

連鎖


6月25日(火) 動物脳を鍛える

 朝、夫を亡くした30歳代の女性が、凍結保存した夫の精子を使って夫の死後に人工 授精した“事件”。産経新聞で読む。産経のスクープなのか。

 すでに男児が出産して、法律問題が生じているそうだ。テレビの女性レポーターが「 亡くなった夫との間に子供に欲しい、という動機が美しい」と言うが、どうだろうか。

 僕は、新しい相手と子供を作る方が人間的だと思う。「人間的」と言うより「動物的 だ」と思う。「本能的」と言ってもいいだろう。

 妙なことばかり考えているうちに、人間は「動物脳」を萎縮させている。

 医学博士の大島清さん(京都大学名誉教授)が、何かに書いていたが、人間だけが「 巨大脳」を持っている。その「巨大脳」の下にある、こぶし大の「大脳辺縁系」(つま り動物脳)が逞しく生きる意欲(本能)を演出する。「動物脳」が生き生きと「巨大脳 」を支えていれば人間は意欲に満ちた人生が送れる。

 本能の崩壊……これが、人間を「妙な行動」に走らせる。部屋に閉じこもり、考えて ばかりいると「動物脳」は動かない。

 セックスは本能である(べきだ)。本能の生殖行動である。セックスがあり、それで も子供が出来ない。だから人工授精するのは理解出来る。応援しなければ、と考えてい るが、死後、セックスがなくなれば幻の恋、幻の愛になる。新しい相手と子供を産む方 がいい、と僕は感じるのだが……。

 「恋愛」は本能だから美しい。

 「おけら街道」を書く。外交機密費流用の松尾さんが「借り腹」で手に入れた馬が新 馬戦で勝った話。

 午後、極めて個人的な野暮用を済ませ、出社すると、同僚が「某氏があるものを飲ん だら、ガン細胞がすべてなくなった」と報告する。興味津々。ガンの民間療法の成功例 を身近で聞いたのははじめてである。

 「彼の周辺では、生命保険を解約して、あるものを購入している」とのこと。興味津 々。

 霧雨になったので「歩いて帰宅」を決行。何しろ、雨が降って歩けない日々が続く。 太って仕方ない。

 歩こう、歩こう!と「動物脳」が命じている。霧雨の中、傘もささずに歩いていると 妙な目で見られる。が、恥をかくのも、本能で生きる者の宿命だから仕方ない。

 三越まで来たところで、雨が強くなり、仕方なくタクシー。びしょぬれになるのが、 良いのかも知れないが……まあ、風邪を引いても困るから。

 帰宅後、韓国対ドイツのサッカーをテレビ観戦する内に就寝。ああ、動物的だ。

<何だか分からない今日の名文句>

汗かき、恥かき、ものを書く


6月24日(月) 公務員の定年延長が必要だ?

 梅雨の薄日。終日、野暮用。

 野暮用に向かう車の中でラジオニュースが「23日午後5時55分、JR中央線吉祥 寺駅のホームで自治省の課長(46歳)がホームへ転落した。自殺らしい」と報じた。

 電車の人身事故は、毎日のように起こっている。悲しいことだが、飛び降り自殺はニ ュースではない。公務員だからと言って、報道することもないので、ちょっと奇異な感 じがする。

 もし、報道する価値があるとしたら、それは何か。新聞を隅から隅まで見て、この人 物が、野中さんの自治相時代の秘書官だった、と知る。何か、政治的な動機があるのか 。

 最近、思うことだが、世の「天下り一掃」の機運に若干、疑問を感じている。

 民間人であれ、公務員であれ、今時、60歳で定年退職。これから悠々自適の人生ー ーなんてことはあり得ない。体力はあり、気力もあり、判断力もある人間が「毎日が日 曜日」になったら、これは困る。

 当然、次の仕事を探すことになる。公務員は自分の経験が生かせる分野を探すことに なるだろう。高級官僚であれ、下級官僚であれ「天下り就職」になってしまう。

 「天下り」を引き受ける企業は、すべてがそうではないが、昔の役所に対する「口利 き」を期待して、定年退職者を採用する。その「口利き」が天下りの前提である。これ は阿吽の呼吸で、双方とも理解して、天下りが実現する。

 厳密にいうと「斡旋収賄」的採用の側面は否定できない。警察、検察OBを引き受け る大企業の腹の内は分かっている。

 これが、犯罪的なものだと考えれば、止めなければならない。

 そこで、経済的にも精神的にも、次の仕事が欲しい。しかし、天下りはまずい、とい うことになったら……公務員は困るだろう。天下りを厳密に禁止するというコンセンサ スがあるとすれば、役人の定年延長を本気で考えなくてはならない、と思う。

 高齢化社会に相応しい「雇用確保」の工夫が是非とも必要なのに、次々に民間ではリ ストラが進む。こんな状況で公務員の定年延長なんていいだしたら、袋叩きになるのは 分かるけれど、公務員であれ、民間人であれ、定年延長が急務である。

 高齢者が税金を払うようにしないと、国の台所は完全に破綻する。雇用を確保せずに 増税を繰り返す「小泉流」は間違っている。

 みんなが働く国にしなければ……子供を作れる社会は、65歳まで国民が働く(税金 を払う)ことが前提ではないのか。

 掲示板で議論してもらいたい。

<何だか分からない今日の名文句>

寿命は長くして、稼ぎ、短かし


6月23日(日) 値下げの発泡酒に増税?

 金曜日(21日)は快晴。梅雨が明けたと思ったら、またまた曇天。気分が冴えない 週末である。気温が前日より10度も下がる。夏風邪が怖い。

 サッカー人気に大ニュースがかき消される。準決勝に勝ち進んだ韓国では、本来「大 統領の次男、あっせん収賄で逮捕」がトップニュースになっておかしくないのだが、国 民の関心はイマイチらしい。大統領は陳謝したが「息子は息子」で国民から“辞任コー ル”なし。日本とは「道義的責任の認識」が違うのか。それとも、サッカー人気で、そ れどころではない。

 しかし、友人の情報では、退陣した後、大統領への更なる追及が激しくなる、という 。韓国の大統領が辞任後、逮捕された、最近では2件ある。まさか、ノーベル平和賞が 逮捕されることはないだろうが、サッカーが終われば韓国の「権力争い」は一段と加熱 する。

 道路関係4公団の民営化を話し合う「民営化推進委員会」の委員に猪瀬直樹さ んが選ばれたことで、わが日本国も、小泉vs抵抗勢力の最終ラウンドを迎えている。

 小泉政権の「終りの始まり」か、それとも、橋本派の「終りの始まり」か。

 22日の新聞各紙に「発泡酒値下げ」の全面広告。発泡酒も仁義なしの「安売り戦争 」に突入した。キリン極生は135円が130円である。コストを抑えて、ギリギリの 安売り。デフレの象徴でもある。

 それなのに、業者の努力を横目にみて、政府・自民党は密かに発泡酒増税を決めたよ うだ。

 昨年は財務省主税局が「ビール税率と同率」と言いだして、世論の猛反対を受けたの で、こんどは2段階引き上げで行くらしい。350ミリリットル缶で約20円が価格に 上乗せられる。

 業者のギリギリのコストダウンを逆手にとる税務当局。タバコ税も同時に上げる意向 で、マイルドセブンは250円が280円になるらしい。

 世論がどう反応するか。

 週末は、資料整理と野暮用で過ごす。宝塚記念。大外れ。

        
<何だか分からない今日の名文句>

濡れ手に泡の財務省


6月20日(木) 牧場巡りの夏が来る

 終日、雨。終日、極めて個人的な野暮用。外に出られないのが辛い。

 暇を見つけては、ことしの社台サラブレッドクラブの募集馬リストを楽しむ。

 社台の一口馬主は40人で一頭の権利を持つシステム。他のクラブのように100人 、500人と共有会員が多いところとは大分、違う。

 負担する一口が25万円から100万円以上。どちらかと言うと、会員は30歳より 上?

 結構、会員に有名人もいるらしい。

 テレビタレントも、作家も、坊主も、裁判所職員もいるらしい。

 募集馬のリストが郵送されてから「今年は、どうしようか?買うとしたらどの馬にし ようか」と悩むのが、この季節の楽しみである。

 熱心な会員は募集前の牧場ツアーに参加する。先週の週末と今週の22、23日。2 回に亘って募集馬が“顔見せ”をする。何時も行きたい、と思いながら、今年も野暮用 があって行けない。

 22日からのツアーに参加する浅草橋のおもちゃ屋・伊藤さんからFAX。「代わり に見て来ます。馬のスリーサイズを入手しました。希望の馬があれば知らせます」

 折り返し電話。雨の日の長電話になる。

 彼の印象では、景気が上向いているのか、社台の牧場ツアー参加者は2回で都合80 0人と盛況。社台の“値付け”も強気だ。

 例えば「2番・カーリングの01」。(1歳馬は名前がないので、母の名前の次に生 まれた年をくっつけて呼ぶ。「カーリングが2001年に産んだ馬」という意味だ)

 この新馬、父はご存じサンデーサイレンス。母のカーリングは仏国産。フランスでG 1を含め6勝。宝塚記念に出走予定のローエングリンの母親である。

 良血には違いないが、1口375万円。総額1億5000万円。目が飛び出すほどの 金額である。

 誰が買うんだろう。多分、個人馬主でもある有名人が申し込むのだろうが、G1の一 つも取らなければ、計算が合わない。

 さて、貧乏サラリーマンの僕が手にするとなると……去年は、適当な馬がなくてパス したから、今年は買いたい。僕は夏のボーナスで買い、冬のボーナスを預金して飼い葉 料にする。

 初子は小さくて、必ずしも出走成績は良いとはいえない。が初子の「エルフィンフェ ザーの01」に触手が動く。父・エルコンドルパサー。凱旋門賞2着馬である。実は去 年、ノーザンファーム空港牧場に行った時「バランスの取れたエルコンドルの初子がい る」と聞かされ、見せてもらった。

 母はダイナカールの娘。リングレットの姉である。要するに、新馬は我が愛馬・リン グレットの姪に当たる。縁があるのだろう。

 1口50万円はお値打ちだと思うが、伊藤さんは「小さ過ぎるようだ」という。「よ 〜く見てきてくれ」と頼む。

 社台は凄い。経営者の吉田3兄弟はそろって億万長者。それもこれも、サンデーサイ レンスの成功があればこそ。

 ところが、そのSS、ことし5月10日、馬房内で脚をぶつけてフレグモーネに掛か った。種付け一時中止。一回のセックスが××××万円だから、大損害ではなかったの か。貧乏人の心配は小さい小さい。

 夕方、日高にいる知人から電話。「日高のセリ市に遊びに来なさい」という。7月は 日程上、無理だが8月は行けるかも知れない。

 もうすぐ夏だ。

<何だか分からない今日の名文句>

五風十雨


6月19日(水) 嗚呼、アケミボタン

 昨日(18日)の日記で「人の噂は……瀋陽は?」と書いたが、何のことはない。外 務省は我が国の主張を早々と撤回して「再発防止のための条約を作ること」で、中国と 手を打っていた。

 宗男逮捕の大騒ぎの陰に隠れて、とは言わないが、今日、川口外相はタイで中国の唐 外相と会談、握手をして事実上の決着した。そんなことで、良いのか。要するに何もな かったことにしよう、という政治解決ではないか。多分、何も解決されないだろう。

 若干の取材の合間に、日本橋三越の「とっておきの山形展」で名物・山形そばを食べ る。冷やしとろろそば(800円)。美味。24日までだそうだが、大変な賑わいであ る。

 予定通り、夕方、宗男、逮捕・拘留される。側近・佐藤優さんが拘置所で「ムネ オ逮捕に抗議して」ハンガーストを始める。

 外務省出身の自民党元幹事長・加藤さんは一億円のヤミ所得が暴露されても、お咎め なし。当然「口利き」の報酬と判断されているのに……一億円がセーフで、500万円 の宗男がアウト。ノンキャリの悲哀に泣いた佐藤さん、渾身の抗議だ。支持は出来ぬが 、気持ちは良く分かる。

 法の平等はどこに行ったのか。

 大井競馬場の5レース、運命の競走馬「明美牡丹」が8枠11番佐藤祐騎乗で7ヶ月 ぶりに出走した。かつて外交機密費流用の松尾さん、所有の馬。今は、馬主が変わって いる。

 愛人の名前を馬の名前にした松尾さん、いま、獄中にいるのか。愛人の名前の馬を買 うのに松尾さん、機密費を使った。しかし、もっと多額の機密費をキャリアの交際費に 使った。

 この松尾事件が、外務省汚職追及のスタートだった。そして、ノンキャリだけが次々 に捕まった。(若いキャリアが一人、捕まっているが、これは「捨てダマ」。「捨てダ マ」とは司法俗語で、主犯に都合が悪い供述をすれば起訴猶予にしても良い程度の容疑 者。多分、このキャリアは起訴猶予になるだろう)

 そして、外務キャリア官僚は平然としている。あんなに宗男に寄り添っていた奴らが 「僕は関係ない」と平然としている。外国へ逃げている奴もいる。

 加藤さんは、倅を後継者にして、選挙戦をするつもりだそうだ。加藤家、万々歳!

 運命のアケミボタンは、世の流れを知るか知らずか、今日も懸命に走った。と、その 瞬間、アケミの足がポキーン……

 宗男逮捕の日に、アケミ骨折!

 哀れだ。(これは競馬・競輪ロマン掲示板の常連「府中に出没」さんが現場から速報 してくれたニュース。詳しくは掲示板を必ず参照)

 何か、しみじみした一日になってしまった。

 大井競馬のG1帝王賞。「人気薄のカネツフレーヴから入ったら」なんて、柄にもな く予想家ぶって前発表したら的中してしまった。僕の予想が当たるなんて……妙な日だ 。

 馬券は3連単を選んだ。1着2着は当たったのだが、3着を間違えて、一銭にもなら なかった。

 ワイド好きの僕が、まるで外交官試験を受験するかのように、難しい難しい「3連単 」に挑戦したのが間違いだった。

 ノンキャリはノンキャリらしく、ワイド馬券が等身大なのかも知れない。

<何だか分からない今日の名文句>

哀愁の拘置所


6月18日(火) 人の噂は……瀋陽は?

 衆院議員運営委員会の秘密会で、宗男議員の逮捕許諾請求の審議が行われる。宗男ク ンの色つや、さすがに冴えない。明日(19日)夜には逮捕・拘留される。

 2001年1月17日の編集長日記で、初めて「外務省疑惑にS氏の影」と書いた。  かなりのマスコミ人が「宗男クンの黒い影響力」を知りながら、記事にしなかったか ら「Sの疑惑」は評判になった。少なくても、限られた業界仲間では「あんなこと書い て、いいのかな?」と評判になった。それから1年5ヶ月、である。

 松尾さんの外交機密費流用が明るみに出た直後で、その時、日記で「宗男官房副長官 が沖縄サミットで甘い汁を吸っている」と書いた。彼の疑惑は次々に表面化した。(そ の後、世界週報で「隣の国の村長に賄賂を贈る国会議員」の“お伽話”も書いた。いま でも、これが宗男疑惑の中心だと思っている。宗男クンは国際贈収賄事件の「贈賄側」 なのだ)

 あれから1年5ヶ月。宗男クン、ついに逮捕。それなりの感慨はある。

 が、昨日(17日)の日記「国策捜査の恐怖」でも、触れたように今回の逮捕容疑に は甚だ疑問だ。

 起訴できても、有罪になるかどうか、甚だ、疑問だ。

 今、検察の言いなりになっている「捜査協力者」が、裁判の場で供述をひっくり返す ことが大いに予想される。国策捜査で人権を無視している点ももちろん疑問だが、こん な無理な捜査で公判維持ができるのか。

 国策捜査が裏目に出て「宗男完全無罪」なんてことになったら……「ムネオ厳窟王」 なんてことにも、なりかねない。

 宗男クンを逮捕するには、もっと「核心の犯罪」でお縄にして欲しかった。

 ただ、地検関係者が「他の人間もお縄にすることもある」と言っているーーという怪 情報もある。そこに本筋の事件が隠れているのか。これに期待しよう。

 朝から、激しい雨。リハビリ中止。一日中、在宅。一時帰国中の有希から電話。サン フランシスコに戻ると言う。いつものような元気な声。安心する。

 夜、仕事場で、例の北千住駅前に創られる文化センターの打ち合わせ兼意見交換会。 若者の広場になる気配。

 たまちゃんに誘われていた大井競馬場の東京プリンセス賞。尊敬する我が社の「編集 のトップ」も参加するので是非、行きたかったのだが、打ち合わせが長引き、キャンセ ル。申し訳ない。

 もちろん、サッカーの日本VSトルコ。雨の死闘をテレビ観戦。良くやった。俺、サ ントスが好きになった。笑顔がいい。可愛い。「4年後、頑張る」。爽やかだ。

 深夜、書類の整理。人の噂も……とか。次々に起こる事件につい前の事件を忘れてし まう。明日は宗男一色になり、そしていつか忘れられる。何事も、一過性にしてしまっ てはいけない。

 例えば、忘れかけている瀋陽日本総領事館駆け込み事件。その後はどうなっているの か。ニュースがない。駆け込みはもっと増えるはずだが……ニュースがない。

 2002年、世界のキーワードは「北朝鮮」である。すべてが「北」を中心に動く。

 続けざまに起こる「駆け込み」がこの国の将来を決し、アジアの力関係を再構築する よな気もする。それまでが大変だ。

 すでに、中国では密かに「天安門広場で北朝鮮難民がデモを計画している」という極 秘情報もある。

 そうすれば、第二の天安門事件になる。目が離せない。地道でもニュースのその後を フォローする姿勢を今こそ大事である。

<何だか分からない今日の名文句>

遅くても「真相」


6月17日(月) 「国策捜査」の恐怖

 昨日の日記で、悪徳警官が逮捕されない「理不尽」を書いた。もう一つ、検察のやり 口にも、大きな疑問が残されている。

 「国策捜査」なる言葉が一人歩きして「行く行く無罪になっても、取りあえず逮捕す るのが国策に合致している」と検察が判断する。そうなると無理矢理、立件する。怖ろ しい恐ろしい「国策捜査」がまかり通っている。

 ムネオ事件について言えば、佐藤優の逮捕。背任横領と言うけれど、実質的には同じ 外務省の財布から出張旅費を捻れ出しただけじゃあないか。人を拘束するだけの犯罪 か。(昨日書いた悪徳警官の例と比べて見て欲しい)。拘束はまず普通に考えれば行き 過ぎ捜査である。

 「国策捜査」だから、あくまでも法に厳密に対処したーーとか、少しぐらいの無理も 仕方がないーーと言うのなら、何故、東郷元欧州局長を逮捕しないのか。

 別件逮捕でムネオ逮捕をこの背任横領事件の延長線で実現させるのだ、というなら、 まだ理解しよう。

 ところが、今回、宗男を逮捕する事件は林野関係。しかも贈賄側が時効になっている 古い事件だ。

 時効を迎えて関係者の供述(要するに貴方はお咎めなしだから、検察に協力しろ、と 言える立場が作った供述)で、シナリオを書く検察はあまりに力不足だ。起訴できても 、有罪は怪しい。

 もっと本筋の構造的事件で、宗男を逮捕して欲しかった。検察なら何でも出来る、と 誤解しているのではないのか。

 何故、検察は、必死に「国策捜査」に血道を上げるのか。それはすべて「調査費疑惑 」から、国民の目を逸らすためである。

 サッカー人気で「考えること」を忘れたマスコミ、市民の隙を狙って「調査費疑惑」 を隠蔽する。

 検察は怖ろしい。

 午前中、専売病院へ薬を貰いに行き、その後、JRAで若干の取材。「ここだけの話 」は不妊を医学的になくすのが少子化対策、といったことを書く。

 夜、昔の仲間と夕飯。「毎日新聞のデータバンク部門は他紙を圧倒している」という 情報。当然だが、うれしい。

 同時に、我が社の悪いことも一杯出る。サラリーマンだから愚痴も当然。「ひまわり 」に行くとガラガラ。

 サッカーがあるから仕方ない。

<何だか分からない今日の名文句>

露骨


6月16日(日) 汚職警官は逮捕されない!

 土曜(15日)午後3時、福島競馬場入り。JRAの馬単、3連複先行発売を「取材 」と称して楽しむ。メインは取るが、最終レース外れ。少し損。

 文化通りの居酒屋で、たまちゃん、東スポのなべちゃん(たまちゃんと生年月日が全 く同じ競馬記者。調教タイムを取る名人芸で知る人ぞ知る人物)と一杯やっていると、 実力派調教師の二人がたまたま現れて合流。なべちゃんは知り合いだが、当方はもちろ ん初対面。ざっくばらんな人柄で、何でも本音で話す。色々なことを聞かせてもらった 。

 彼らと別れてから、なべちゃんの行きつけの店でカラオケ。なべちゃんの「羽田発七 時五十分」絶品。まだ、歌い足りない二人と別れ、コンビニでコロッケを買い、ホテル で深夜まで、馬券検討。当てるぞ!

 翌16日、ホテルのロビーでロドリゲスを発見した。当地で午後2時から横浜対ヤク ルトが行われる。ロドリゲスがロビーでじっくり読んでいるのはスポニチ。日本語、読 めるのかしら。

 1レースから全レース参加。阪神のメインを含め、結果は13戦4勝9敗。かなりや られる。

 極道記者の塩崎はメインを取ったが、どうも全体的に元気なし。井崎さんとは、世間 話を長々やったが、特別の馬券情報なし。「牧原から買います」で、残念ながら井崎さ んオケラ。たまちゃんも、なべちゃんも惨敗。

 サンスポの西島さんは「難しいな」と言いながら、払い戻し窓口へ何度も。久しぶりに 会ったスポニチの本部長さまは「当たって損した」。どうしても、馬単、3連単は買う 点数が多くなる。

 阿部幸とはご贔屓の「橘大五郎」の話ばかり。彼が撮った大五郎の写真を進呈される 。「今週の土曜日、大五郎、浅草に出ますから必ず来て」と言われる。

 昼ごろ、愛馬・シルクコジーン、阪神の新馬戦に出走。グリーンチャンネルで観戦。 豊騎乗でダントツ人気だったが、出遅れで3着。初出走だから仕方がない。このレース 、一着になったワナ。これは良い馬だ。

 終わった時刻に「調布の悪友」から「残念でした」と携帯。彼のニヤニヤしている顔 が浮かぶ。「どこに居るの?」と聞くので「福島」と答えると「阪神じゃないの。たま ちゃんに義理を立てたの?」

 ホテルの部屋も、新幹線の切符も用意してくれたたまちゃんを袖に阪神競馬場に行く なんて、とても出来ない。まあ、たまちゃんに義理を立て「福島」にしたのが正解。久 しぶりに、サークルの仲間と旧交を暖めたたのだから。

 午後5時44分発の新幹線で東京へ(待ち時間に福島駅で評論家の松沢さんとビール を飲む。隣で、サンスポの名物ハンチング男が妙齢のご婦人とトコロテンを食べていた )

 帰宅すると、宗男君、6時間の取り調べの情報。いよいよ逮捕許諾請求の段取りにな る。

 ただ、逮捕容疑が国有林関係のあっせん収賄で、外務省関係の事犯でないのが不満だ 。NGOの大疑惑はどうなるのか。どうも摘発に不平等を感じる。

 いま、こんなことが起こっている。

 昨年11月、歌舞伎町の中国人クラブママが川崎の自宅で殺害された。その発見者が 現職の警察官だった。

 その警察官は新宿署保安係長だった。彼は、この中国人ママから金品を受け取り、彼 女の売春斡旋を見逃していた。

 殺人の発見者になってしまった彼は、その事実をゲロせざるを得ない。彼はクラブだ けではなく、違法カジノ、イメクラ、性感マッサージに対し、摘発を臭わし、暗に金品 を要求するような男だった。「ヤクザよりたちが悪い」と言われた悪徳。

 今年のはじめ、警視庁は収賄容疑で捜査を始めた。警視庁の動きに詳しい知人から「 奴は逮捕されるハズ。これは典型的な賄賂。これを逮捕しなければ、警察の信頼は地に 落ちる」と聞いていた。が、5月30日、書類送検で終わった。

 何故、逮捕しないのか。

 はっきり言おう。この悪徳警官は彼だけでなかったのだ。彼を逮捕すると、次々に「 風俗取り締まりの疑惑」が明るみに出る。責任は上部に波及する。

 「みかじめ料」を要求する警察官。ヤクザより悪い警察官。ムネオ並に、恫喝する警 察官。これを逮捕しないで、何を逮捕するんだ。

 警察署から外務省、法務省まで、キャリア官僚に責任が及ぼうとすると、見えない「 キャリアの団結」が、不正を隠蔽する。

 我々は「ムネオだけが悪人」キャンペーンに乗せられては断じていけない。

<何だか分からない今日の名文句>

悪人には友多し


6月13日(木) シルクコジーンが走るぞ!

 雨が降る。一日1万歩を目指している当方、ピンチ。片手に杖と傘を持つなんて、出 来ない。

 タクシーで日本橋三越に行き、屋上から地下まで隅から隅まで歩く。5000歩は歩 けたか。当然、買い物なし。デパートは屋内運動場。

 「税金は人殺し!」と昨日の日記に書いたが、小泉さん、与党党首会談で「減税前倒 し」を協議。そんなちっぽけな減税で、景気が上がると思っているのか。

 誰でもが納税する、公平な税体系が出来なくては意味がない。小泉さん「普通の首相 」になった。

 毎日が「宗男議員の逮捕許諾請求」を書くらしい。書くタイミングが難しい。苦労し ただろう。

 国会が延長されなければ会期後逮捕でも良いかも知れないが、延長されるとなると、 遅くも17日の週に許諾請求せざるを得ない。

 標的はムネオだけだろうか。

 直接の容疑が何になるのか、分からないが……。それにしても、東郷元欧州局長を海 外に逃した捜査はミスである。あるいは「逃がしてやった」のか?

 いずれにしても、政治家・ムネオだけの逮捕で幕を引くのは納得できない。外務キャ リアの腐敗が放置されていいのか。

 地検筋も「ムネオだけという訳ではない」と言っているそうだ。期待したい。

 週末、馬単、3連復を先行発売する福島へ行くつもりなので、本格的な予想作業? JRAの初の3連復でどうしても勝ちたい。競馬週刊誌「ギャロップ」を珍しく熟読。

 注目新馬のコーナーを見ていると、エッ!これ、俺の馬?という騒ぎになった。

 見出しに「大物感十分 シルクコジーン」とある。阪神の2日目(6月16日)の新 馬戦に登場予定のこの馬、父・コジーン、母・バウンドトゥダンスの芦毛である。俺が ささやかに出資している「あの馬」と全く同じ、血統馬ではないのか。年齢も2歳であ る。

 情報が間違いなければ、シルクコジーンは僕が「500分の8」の権利を持つ馬だ。

 シルクは名前が決まり、厩舎が決まったことを教えてこない。テレホンサービスで確 かめればいい、というのがシルク流なのか。社台は葉書で教えてくるのに……「500 分の8」と言っても、結構な額なのに。ちょっと腹が立つ。

 「ギャロップ」の記事によると、まずまずの調教時計を出している。武豊が乗るとい うから勝てる可能性は大いにある。俺の馬に武が乗るなんて、夢みたい。

 たまちゃんと福島に行くか。阪神に行くか。迷うところだ。

<何だか分からない今日の名文句>

競馬人気は武頼み


6月12日(水) 税金は人殺し!

 専売病院で定期検診。血圧126−70。順調。

 近くの「魚ゆ」で銀だら定食を食べる。いつものように列が続く。11時半には入る のがコツ。鰻丼900円。安すぎる。

 隣の美容院で”白髪ぼかし”をする。今や、友人になってしまっている主人(僕と同 い年のカリスマ美容師)から「元気がないね?」と聞かれたので、正直に「税金で、頭 が痛いんだよ」と答える。

 「俺も沢山、税金を払ったものだよな。もし、税金がなければ、もう仕事やめてるよ 。何で、まともに働いてる人間が損をして、税金を払わない人が環境がいい住宅に住め るんだ。おかしいよな」

 少しばかり所得があったばっかりに、都営住宅の入居条件に引っかかり、臍を噛んだ こともあったらしい。

 とにかく、税金は不平等だ。

 当方もバブルの頃に亡くなった母親が残した相続税に苦しんでいる。地価が10分の 1に下落しているのに、あの時の地価で計算した相続税を延納している。考えると頭が 痛くなる。

 税に踏みつけられて、自殺する人、数知れず。ごく普通の江戸っ子サラリーマンが、 家代々の僅かな土地を守るのは至難の技だ。

 江戸の地をアメリカに奪われる訳には行かない。

 薩長に江戸を蹂躙され、今度は、アメリカに先祖代々の土地を持って行かれる。官僚 国家日本は相続税をかけることで、アメリカの占領を後押ししている。

 ある時、気がついたら東京の半分はアメリカの所有地だったりするかも。

 土地を売ったら所得が生まれる。税金を払って当然だが、今まで、生活していた土地 にいると言うだけで、生やさしい額ではない相続税を20年も延納するなんて……

 午後、JRAで取材。その間にサッカーテレビ観戦。素人だから何とも言えないが、 突撃アルゼンチンの予選敗退は残念だ。攻めて攻めて攻めるアルゼンチンは好きだ。

 守り上手のチームばかりが残るのは俺の性に合わん。

 
<何だか分からない今日の名文句>

これもサッカー、これも人生


6月11日(火) やったぜ!サンデー

 朝、診療所。例の初台リハビリテーション病院が話題になる。「理想の患者主体の病 院」が経営的に成功するかどうか。どうやら、若いスタッフを採用することで、人件費 を大幅に押さえているから……というのだが……理想にはコストがかかる。(12日更 新の「ここだけの話・革命か、それとも賭か」を読んでくれ)

 それより、くも膜下出血で病魔と格闘している「六本木の帝王」が生還したら「初台 」でリハビリしてもらったら……と言う話になる。彼、愛される奴だから……。

 午後はかなり難しい「野暮用」。

 出社すると、サンデー毎日編集部に出版局長賞が出るとの朗報。例の井上参院議長の 不正追及報道に対してである。

 主筆賞(編集分野の最高賞。営業分野は「社長賞」が最高賞)を出したい気持ちだが 、まあ良いか。少ない陣容で、彼ら精一杯、頑張った。

 マスコミ業界では「サンデーは首相、議長の首を取った。こんどは最高裁長官の首を 切る」という冗談が流れている。

 司法の堕落が、日本を駄目にした、という意見が根強いのだ。

 読売新聞が応援している?業界紙が「毎日新聞のスクープ続発」を取り上げている。 一面がそんな記事で最終面が読売新聞の全面広告。新聞業界紙は編集と営業をキチッと 分けている。

 午後7時、雨が矢のよう降るのを避けて、東京駅近くのレストランで親しい友人の夕 食。「アメリカの大学は、提携大学を日本から中国・インドの大学に変えつつある」と の話を聞く。アカデミックな分野でも、日本は遅れを取っているのか。

 東京、梅雨入り。蒸し暑かった。

<何だか分からない今日の名文句>

インドの九九は19×19


6月10日(月) 閑古鳥のネオン街に行こう

 日曜日、例の銀座中学前の「久原」のママに府中で会ったら「サッカーが始まってお 客が少なくなって」と愚痴。

 そうだろう。「一杯、飲もうか?」なんて声、どこからも掛からない。誰もが、お家 に一直線。

 サッカーで商売になっている人、ならない人。ラクビーのワールドカップ予選もある のだが、全然、話題にもならない。競馬場もあの大きなテレビで「ターフでサッカー観 戦興行」でもやったらどだろう。

 昼過ぎ、近いところで、浅草へサッカーの経済効果を見に行く。確かに外人客が増え ている。いつもなら韓国のお客が多いのだが、イタリア系、中南米系が多いように見え る。団扇、浴衣、玩具の日本刀が売れている。

 儲かっているところもあるが、夜の街は閑古鳥。若ければ、繰り出して、店を閉め、 美人のママと二人だけでテレビを見るんだけれど。

 大衆芸能の「大勝館」に雑誌「JREAST夏号」を届ける。社長の斉藤智恵子さん 、75歳のことを書いている。(22ページ「浅草ブロードウエイの『秘密』」定価1 00円、本屋に置いてないので、読んでみたい方は03−5447−7856 ジェイ アール東日本企画へ)

 近くの小学生の同級生、黒ちゃんの勤める美容室を探し、大学イモをプレゼント。そ の後、出社。

 「ここだけの話」は、オープンした初台リハビリテーション病院」のことを書く。素 晴らしい「患者主体の病院」。激賞したいのだが、経営的に大丈夫か。不安は残る。そ の辺りの正直な感想を書いたのだが……親友のリハビリ部長の伊藤君は気分を悪くする だろうか。

 でも、お世辞より、正直な気持ちを書くのが、牧流だ。

 夜「おけら街道」を書き上げ、グリーンチャンネルで、リングレットの快走をダイジ ェストで見る。本当は凄い馬だった。

 そういえば、社台から「2002年度募集馬のご案内」が届いた。「走る労働者」デ リキットが引退したので、1歳馬が欲しいのだが、どうしようか。

 安サラリーマンが、一口馬主でも馬主になるなんて、似合わないけど。週末「福島」 へ、たまちゃんと旅打ちして、その成果で決めようか。

<何だか分からない今日の名文句>

猿に烏帽子


6月9日(日) ありがとう!
         リングレット、そして柳沢


 千貫御輿の鳥越神社例祭。8日、愛子、竜生、優之介が仕事場にやって来た。

 境内に露天商が150軒ぐらい出る。人気は「亀釣り」。小さな亀を、小倉アイスを 入れるふわふわしたアレ(何と言ったけ)要するに紙より柔らかいもので、すくい上げ るゲーム。こども200円、おとな300円。

 誰一人として成功しない。「金魚すくい」より難しい。釣れれば、亀が自分のものに なるが、駄目だったら原価5円ぐらい?のガムをくれる。

 5円のガムを200円、300円で売る。婆さん、儲ける、儲ける。儲け過ぎ。怪し からん、と思うのだが、でも、下町の縁日はどこかウキウキして、こんな小道具も必須 。子供が馬券を買ったような気分である。

 孫が3人が集まると、うれしい散財。奴らを帰して、ビールを飲んでいると携帯に電 話。

 「主人の携帯に貴方の電話番号が入っておりました。で、お電話するんですが、主人 、昨日、くも膜下出血で倒れて……危ないんです」。

 息を飲んだ。親しくしてもらっている脳卒中患者仲間。僕が「六本木の帝王」と呼ん でいる親友。右麻痺同士「携帯で電話し合い、失語症を直そう」と誓い合った仲である 。

 何故、彼が……目の前が真っ暗なる。やはり、一度倒れると、再発するのが運命なの か。俺も、長くはないのか知れない。

 眠れなくなった。

 本を読んだり、ホームページを見たりしたが、寝付けない。

 掲示板に「編集長はどんな方法でワールドカップの切符を手に入れたのか、答えてく れ」という質問。何もこんな時に……どうでもいい話だろう。こんなことにまで対応し たら……何て思うのだが、気を取り直して、深夜の回答。

 「六本木の帝王」から「熱海で一週間、安いホテルで合宿しようや」と提案され「俺 はサラリーマンだから無理だよ」とつれなく“拒否”したのが、悔やまれる。掲示板の 質問につれなくしたら罰があたる。短い一生、友達を大事に大事にしなければ……掲示 板の友達も大事にしなければ……その内に夜が明けた。

 東京競馬場の45年建築のスタンドが壊され、9階建てになる。9日を最後に東京競 馬は約一年間、開催がなくなる。今年最後の府中競馬。

 「帝王」のことが気がかりで、競馬どころではないが、競馬仲間から「必ず来いよ」 と言われていたので、こちらの約束も大事に、富士がくっきり見える府中のスタンドに 陣取る。

 7レース。頼りない愛馬リンクレットが最後尾から、なんと風のような15頭牛蒡抜 き。二着に4馬身も離して快勝。奇跡の二勝目である。23戦。良く走った。

 牧場に行った時、僕の右腕を噛んでくれたリンクレット。今度も俺に元気をくれた。 「帝王」だって助かるぞ!

 夜、パドックで競馬場スタッフのバーベキューに参加。(この模様は「おけら街道」 に書くつもり)

 もちろん、日本対ロシア戦をテレビで見ながらの酒盛りになった。

 後半6分、稲本の決勝シュート。万歳! でも、本当の主役は柳沢ではないのか。フ ワッとトスを上げた柳沢の妙技。スポーツ新聞は、多分、取り上げないかも知れないが 、これが運命を左右した。いぶし銀・柳沢に「ありがとう」と言いたい。

 病と格闘する友人のことを忘れてしまった。すまぬ。

 「帝王」が治ったら、ワールドカップのビデオを見せて、たっぷり説明してやろう。

 彼は生還する、という確信のようなものを感じる。

<何だか分からない今日の名文句>

憂患に生き、安楽に死す


6月6日(木) 王子さまの日本漫遊

 前日、よく寝たのが良かったか気分壮快。ほぼ夏風邪は治ったようだ。

 午前中「競馬はロマン」を書き上げ、そのまま月刊「コミュニティケア」の「街角ス ケッチ」を半分まで書く。締め切りが過ぎているので急ピッチ。

 午後2時、仕事場を出てJR中央線で国分寺へ。都立府中病院に知り合いを見舞う。 緑の多い、環境抜群の病院である。施設はかなり古いようだが「都立」だから予算の関 係もあり、そう簡単にビルの建て替え、という訳には行かないらしい。

 「知り合い」の女性は手術した2日後だというのに、すこぶる元気。安心する。久し ぶりに「知り合い」の娘さんにも会う。こちらもピチピチして、看護しながらテレビの サッカーに歓声をあげたりしている。彼女らしい。

 近くに来たので、親しい友人のオフィスへ顔を出す。

 府中でもサッカーの話ばかり。府中の東京スタジアムはサウジアラビアのキャンプ地 。金持ちの石油王国のこと、選手の派遣に始まって、今回の試合に国家として2億円使 うらしい。選手は新宿の高級ホテルに泊まっている。

 応援に6人の王子が来日している。王子が多いのが、お国柄?それぞれの「日本の休 日」を楽しんでいるらしい。

 9日には、王子の一人が東京競馬場にも現れるらしい。昼休みに民族舞踊が披露され る。競馬場の国際交流?

 テレビにかじりつくばかりがワールドカップでもない。この機会をどう楽しむか。

 東京競馬は9日を最後に、馬場改良とスタンド改築で約10ヶ月、開催がなくなる。 是が非でも9日は競馬場へ行くぞ!。サッカーに浮気しないで、競馬に行くぞ!

 でも帰りはロシア戦をどこかでテレビ観戦になるだろう。

 それにタイソンのボクシングもある。6月9日は大変な日曜日だ。

 4時半頃、携帯に横浜支局のデスクより「神奈川版に頑張れ!ニッポンのような原稿 を書いて欲しい」と注文。急いで仕事場に戻り、9時頃に出稿。土曜日の朝刊に載るら しい。

 何か「日本中がサッカーだけ」みたいな毎日だ。

<何だか分からない今日の名文句>

玉を持つ人による


6月5日(水) ボーナスの季節

 名古屋で33度。梅雨はどうしたんだろう。何時来るのか。来ないのか。

 朝から身体がだるいので、眠り薬を飲みベットに潜り込み、ひたすら寝る。夏風邪?

 3時頃、動きだし出社。社内では、組合がスト権投票を行っている。

 毎日新聞社の2001年冬のボーナスは朝日、読売が値下げしたのに、若干、値上げ した。もともと、億万長者の朝日、読売とは及びもつかない金額だが「上げた」ことに 意味があった。経営状態、少し上向き?

 ノンキャリ公務員並のボーナスで、いつも業界仲間から「気の毒に」と言われ続けて いるが、まあ、新聞社なんて中小企業だから仕方がない。テレビ局や億万長者新聞社 がもらい過ぎなんだ。

 編集局の幹部と世間話。

 例の政府首脳(つまり福田官房長官)の「非核三原則見直し発言」。3日の朝刊の扱 い。東京新聞は一面の頭。毎日は中面で小さい扱いだが、問題点を押さえている。とこ ろが、朝日新聞は全く扱っていない。

 このところ、朝日新聞はおかしい。特ダネが少ない。迫力がない。まるで政府の広報 紙のようだ。記者に足で稼ぐ意欲を感じない。

 東京新聞は特ダネ少ないが工夫している。産経はそれなりに「違う新聞」を目指して いる。同紙の韓国もの。秀逸。毎日はご存じの防衛庁をはじめ、生ネタで頑張ってい る。

 朝日新聞に、あの「雪印」のような世の中をなめきっている感じがする。どんな 企業だって「雪印」のように一夜に没落する時代なのに。

 サッカー・ワールドカップのスポンサー企業になった「おごり」のようなものさえ感 じる。戦争反対のハズが、いつの間にか大本営発表しか書かなくなった、かつての裏切 り者・朝日新聞に似ているような気がする。

 もちろん、毎日新聞も気をつけねばならない。老舗の堕落、にならないように。

 夏風邪なんて言ってるのが、恥ずかしい。夜、頑張って若干の取材。仕方なく、例の お勉強はお休み。

 日本橋・三越になかなか手に入らない清酒が発売中と聞き、取材の合間に寄る。試飲 して、サッカー・ツアーに誘ってくれた仲間に「お礼」として送る。

 雑踏の中、身障者の僕をサポートくれた仲間に酒の「お礼」だけでは申し訳ないが、 サッカー初観戦の感激をどこかで文章にするのが僕のつとめ。それを「お礼」と思って 貰いたい。

 夜、看護モノの本を読み、早々と寝る。

<何だか分からない今日の名文句>

清貧の新聞


6月4日(火) 埼玉スタジアムに立つ

 ちょっと前(正確には4日午後10時)、仕事場に埼玉スタジアムから帰ってきた。 興奮さめやらず、帰ってきた。

 首都高5号線をアマちゃん(たまちゃんとは別人。念のため)の車に同乗して帰る途 中、パトカー2台、覆面パト1台に護衛されたバス2台に追い越された。

 キャンプ地の静岡に向かう日本代表チーム?

 カーテンを閉めているので、車の中の様子は窺えないが、多分、みんな寝ているだろう。

 歴史的なゴール(みんながそう言うからそうなんだろう)を見て正直言って興奮した 。もの凄く興奮した。

 俺には縁のないスポーツだと思っていたが、スピード感抜群。サッカーって格闘技な んだ。思ったほど「小ずるいスポーツ」ではない。

 まあ、これほど熱中出来るのは、今時、幾つもないのだろう。競馬、競輪には叶わない と思うけど。

 興奮の模様は新聞に載るだろうから、気になったことを2,3書いておこう。

 結構、空席があった。64000人収容可能と聞いていたが入場者約55000人。 向表面に「Where are the tickets」の抗議の垂れ幕が、一時、ぶ ら下がっていた。すぐ外されたけれど。

 ベルギーのサポーターは数にして200人ぐらいだった。本国から応援にきた人間も それほど多くないし、日本に居住するベルギー人がもともと少ないのだろう。

 日本がいかに国際化されていない証拠?

 それでも「どうしても」と日本にやって来たい諸外国の若いサポーターは東京・山谷 の簡易宿泊所に泊まっているらしい。かつての「山谷のドヤ街」。山谷ブルースの舞台 がいま多国籍村になっている。一泊2000円ぐらいらしい。

 サポーターの一部が帰るカネがなくなって、日本に住み着くことになる。これも国際 化?

 何しろ、朝早くから、床屋へ行って威儀ををただし、チケットからタオルまで準備を 進め、遠足気分。午前11時に仕事場をアマちゃんの車で出発。集合場所のJR浦和駅 近くのホテルについて、近くで名物のウナギを食べ、専用バスに乗って40分。第一駐 車場から反対側の南ゲートまで歩き入場。三度、チケットを見せ、飛行機に乗るような 身体検査……と、結構、忙しく動いた。

 帰りは専用バスがあったので助かった。普通の人は、帰るまで日付けが変わる。

 人間の数にびっくりし、障害者には「快適」というわけでもないのだが「もう一度、 見たい」と思うのだから、やっぱり、サッカーは一流のスポーツなのだ。

 サッカー観戦ツアーに誘ってくれた仲間、ありがとう。

 それにしては、我が魁掲示板、サッカーの話題が少なすぎる。妙だよな。

<何だか分からない今日の名文句>

サッカー場で「日の丸」を見る


6月3日(月) チョコパイPART2

 朝起きると、喉が痛い。風邪が流行っているのか。寝冷えに注意。

 「世界週報」と「ここだけの話」と「おけら街道」が締め切りギリギリ。「ここだけ の話」の方は題材をどうするか、かなり悩んだ。

 実は、前回の「チョコパイまで赤面」で、僕は外務省の“接遇感覚”を批判した。

 中国の瀋陽総領事館北朝鮮人一家連行事件。何から何まで恥ずかしいことばかりの日 本外交だったが、キムさん一家がやっと仁川国際空港に到着した時、駐韓国大使が「日 本政府として中国から出国できるよう最大限の努力をしてきました。これは韓国で一番 おいしいチョコレートパイです」と5人にチョコパイを差し出した。

 命からがら韓国にたどり着いた、疲労が極限に達している五人に「おいしいチョコレ ートパイ」を手渡す。その神経が理解できないかった。

 報道陣に「キムさんはありがとう、と笑顔を見せていた」とレクチャーする“イベ ント感覚”にも、腹が立った。

 あまりに緊張感がない。この事件で、外務省が出来ることと言ったら「おいしいチョ コレート」をプレゼントするぐらいのことなのか、とかなり痛烈な批判をした。

 書き過ぎかな、とも思ったが、かなり多くの人から「その通りだ」という賛同を貰っ た。

 が、2人の方からメールで「これは、筆者の勘違いではないか」という指摘を受けた 。

 「チョコパイは、映画『JSA』の一場面を頭に描いた粋なプレゼント」と言うの だ。実は毎日新聞の紙面審査する同僚にも、一部、同じような意見がある。

 実は、兄弟分の鳥越俊太郎さんからも、同じような趣旨のメールをいただいた。

 もちろん、そう言う見方があるだろう。そこで、今週の「ここだけの話」で「チョコ パイPart2」として僕の考え方を説明しようと思った。

 ところが、である。そこへ「政府首脳という表記の問題」が起こってしまった。この 問題は以前から僕が「こんな報道スタイル、おかしい」と主張している事柄なのだ。ど うしても、これを書きたい。タイミングのこともあるので「政府首脳って誰?」を優先 させ「チョコパイ」の“続編”は、この日記で書くことにした。

 読んで欲しい。

 映画「JSA」にこんな場面が登場する。南の兵士が北の兵士に「チョコパイ」をプ レゼントする場面。そのやり取りは、鳥越さんが「ハッキリ覚えている」と教えてくれ た。以下である。

 北兵士 これを北朝鮮でつくれないものかな?
 南兵士 (思い詰めたような表情で)兄貴、南へこないか……
 北兵士 (えっ、という表情で)……
 南兵士 チョコパイたらふく食えるゼ
 北兵士 (口からチョコパイを吐き出しながら)おい、スヒョク(南兵士の名前)一 度だけしか言わないからよく聞けよ。俺の夢はいつか北朝鮮が南より美味しい菓子を作 ることだ。

 (北兵士はそう言って、一度、吐き出したチョコパイをそっくりまた口の中に戻し、 にやっと笑う)

 この場面は北と南の何とも言い難い関係を表現している。個人と国家、自由と義務、 富と罰……表徴的な場面だったのだろう。

 僕はこの映画は見ていない。キム一家にチョコパイがプレゼントされた時「このチョ コレートパイは映画『JSA』を念頭に置いたもの」と一部のメディアが解説したので 、WEBで映画の筋や評価を調べた。

 その結果……僕は、このような結論に達した。

 大使が自ら、この映画を見たか、友人、知人、部下がこの映画を見たことは十分考え られる。キム一家が、このチョコパイを意味ある贈り物と気づいたとしたら、それなり の意味はある。しかし、こんなことは全くない。

 この映画、北朝鮮の一部指導者が見たのではないか、と言われているが、北の市民は この映画の存在を知らない。キム一家はこの映画を見てはいない。命からかながら脱出 した一家が見るなんて考えられない。

 大使が差し出したチョコパイを見て「あの映画のチョコパイですか」と彼ら感動する はずもない。

 もし、大使が映画のチョコパイを小道具に使おうとしたら、大きな空振りである。

 だから、賢明な外務省官僚はそんなことはしないだろう、と思った。だから、あえて 「JSA」に触れず、いつも変わらぬ「接遇感覚」を批判した。

 キム一家を出汁にして、日本向けに「粋なプレゼット」をした、とPRしたとすれば 「偽りのイベント主義」である。

 日本人に対し、自らの博識と「粋な振る舞い」をPRする魂胆なら……

 あさましい「小道具」に、日本外交の底の薄さを感じ取られてしまう、と僕は考えた のだ。もちろん、僕の考え方が、少数意見かも知れないが……。

 と、言うわけで今週の「ここだけの話」は、掲示板でも問題になっている「政府首脳 発言」(4日夕刊)を書いた。読んでくれ。

 明日は埼玉へ、サッカー応援に行く。

<何だか分からない今日の名文句>

「AMOR」のないプレゼント


6月2日(日) その時、僕は「ひとりオペラ」

 5月31日はワールドカップ開催式。韓国で華々しく式典をあげている頃、テレビも 見ずに午後7時から、東京・新宿安田生命ホールで「ケンアマドひとりオペラ」を鑑賞 する。牧内さん(元スポニチ社長)のお誘い。牧内さん、ケンアマドを贔屓にしている 。

 ケンアマドは本名・村澤健壱さん。東京芸術大声楽科を出たソリストで、長いこと、 イタリアに留学していた人物だが、グレゴリオ聖歌からオペラ、クラッシック、ポッ プス、ジャズ……まで何でもこなすスーパー・ヴォーカル。無声時代の弁士・高島秀華 (のちの講談家・宝井琴窓)を祖父に持つ風変わりな人物である。

 この日の出し物はジャコモ・プッチーニ作曲「歌劇トスカ」。1800年6月17日 、ナポリ王国からローマに派遣された特効警察の警視総監、スカルピアが殺害されるド ラマである。

 ローマの権力者で、人でなし野郎のスカルピアが人気絶頂の歌手トスカに横恋慕した ことから物語が始まったらしい。(「らしい」というのは、オペラの意味が分からない ので、これ、推測なのだ)。

 「一人オペラ」なるものを初めて聞いた(見た)。「一人芝居」というのは2,3度 見たが、この「一人オペラ」は一人で3幕をこなす。約1時間半ぐらい。迫力満点。声 が澄み渡っている。感激した。

 彼が飲み屋で「オペラとは」と友人に説明したら、友人が「これをそのまま一人の舞 台にしたら」と話したのが「一人オペラ」の始まりだった。

 パンフを見て知ったこと。ROMAの綴りを逆にすればAMOR。何なく、若い女性 がイタリアに行きたがるのが分かる。

 6月1日の土曜は野暮用と野暮用の間に初台リハビリーション病院の開院セレモニー にお邪魔する。

 新築の地下1階から8階まで見学させてもらったが、驚いたことばかりである。例え ば、立地。山手通りに面している。道路を隔てたら、新宿の超高層の海。リハビリ病院 は人っ子一人いない田舎と決まっていた。それが、大東京のネオン目映いところに出来 るなんて。

 病院のイメージを徹底的に変えている。これはリハビリ革命だ。これは商売になるか 、どうか「賭」だ。改めて取材したい。

 準備に忙殺されていた石川誠院長も、伊藤君も元気だった。

 日曜日は充電。火曜日から、会期末に向け、永田町は緊張する。重要法案の勉強。そ れにしても、小泉内閣、失言が続いている。これから、どんなことが起こるのか。情報 を整理して、あとはテレビで安田記念。後藤騎手が54回目の挑戦で初のG1制覇。お めでとう。

 馬券はワイドでグラスワールドの総流し。ハナ差の4着。極めて残念だが、後藤の男 涙に当方も、ついもらい泣き。良かった良かった。

<何だか分からない今日の名文句>

何時かは微笑む「AMOR」