編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2002.9月

9月29日(日) 社利社略

 27日金曜、社台から愛馬・リングレット引退の知らせ。9月1日の新潟芝2200 mでゴール前、良く追い込んで2着と健闘した彼女だが、レース後、左前脚の球節部分 にむくみが出た。診断の結果、腱鞘炎と判明した。

 長距離が彼女に向いている、と判断されてからの2戦は1勝2着1回。これなら、あ と2勝ぐらい、と期待していたのに……無念の引退。エアグレーブの全妹という良血だ から、子供に恵まれるだろう。肌馬として出発。お前さんの子馬を必ず、手に入れるか らな。ありがとう。

 土曜日28日、リングレットの”後継愛馬”レースウインがやっとデビューした。調 教は岡部が跨っていたが、何故か、本番は見習い騎手の田辺。良いところなく9着。4 80キロを越えていたから……。

 すでに3歳の秋。二ヶ月の間に勝ち上がれなければ、こちらも引退の危機。頑張って くれよ。

 兄貴分の鳥ちゃんの「ザ・スクープ」がこの日で終わり。最後は、お得意の「北朝鮮 もの」で閉めた。「拉致事件は最後の一人が救い出せるまでレポートする」と話してい た鳥ちゃんだが、番組の方がなくなってしまった。

 夜、熱海の旅館で打ち上げをする、と聞いたので、バラの花束を送った。ご苦労さま 。「ザ・スクープ」は歴史に残る情報番組だった。30日からのスーパーモーニング、 期待しています。

 ただ、最後の番組で「日朝協議は正しかった」と鳥ちゃんが話したのは意外だった。 バランスの取れた外交と言いたいのだが、僕はかなり否定的だ。

 外務省プラス朝日新聞の世論操作が、ここまで浸透しているのか。

 北朝鮮支局第一号を狙う新聞社が巧みな世論操作をしているとすれば「社利社略」?

 世界週報の原稿が締め切りを過ぎている。同誌も「日朝協議大成功派」。でも、持論 を曲げるつもりもないのだ、外務省大批判の原稿になってしまった。

 同誌の対応が見物である。

 日曜日は雨かと思ったが、野暮用先は午前10時ごろから晴れる。久しぶりの散歩。 青空の下、幼稚園の運動会がウキウキと始まる。日本は平和だ、としみじみ思う。

 平和、平和、平和。非戦、非戦。それが、日本の大道だ。

 共産党さえ、イラク攻撃に反対するが、北朝鮮では、まるで沈黙しているような感じ 。なぜ、不審船のことに言及しないのか。「北」は戦争を続けているのだ。

 明日30日、小泉さんは「構造改革」のための小規模の内閣改造をする。せめて内閣 に「非戦派」が欲しい。

 好戦的な「旧福田派内閣」では、ちと困る。

 午後3時半、秋のG1シリーズの初戦スプリングS。

 いつも1000円以下の単勝は買わない、という方針なのでスポニチ紙面では「ビリ ーヴ本命」にしたが「十番勝負」ではトロットスターを選んだ。

 そして爆沈。しかし、武はうまい。天才だ。

 夜、Jrから電話で「参加者118人、的中者33人」と報告。投票、ありがとう。

 参加者が100人を越えれば、この企画、格があがるというものだ。

 次の「十番勝負」10月13日秋華賞。楽しみにして欲しい。

<何だか分からない今日の名文句>

別れは出発


9月26日(木) ああ、日本共産党

 今朝の「赤旗」が僕を批判している、という電話が入った。FAXで送って貰う。

 今週の「ここだけの話」で、拉致事件を追いかける元日本共産党員・兵本達吉さんの ことを書いた。熱心に拉致事件を調査していた彼が、何故か「拉致事件」を機に除名 されたことにも触れた。

 それが「誤った情報」だと言うのだ。「ジャーナリストとしての見識が問われる」と まで書いている。

 同紙は「兵本氏は98年5月に東京・赤坂の料理屋で警察庁の警備公安警察官と会食 し、国会議員秘書を退職したあとの『就職』のあっせんを依頼するなど重大な党規律違 反をおこない、党を除名されたのです」と書いている。

 拉致事件とは無関係だ、と言うのだ。

 僕のコラムを批判されるのは勝手だが、この共産党の説明には無理がある、と思う。

 兵本さんは、概ね3つの理由で除名されている。

 (1)公安警察官と会食し「就職」に関する話をした。

 (2)勝手に一人で韓国大使館を訪れ、情報を入手した。

 (3)神戸港に入船した北朝鮮の船を外務省の職員を共に調査した。

 この3つの行動が規律違反だと言うのだ。

 これはすべて拉致事件の調査のために彼が行った行動。事実である。(「就職」の件 に関しては誤りで「拉致事件の調査チームに入ってくれないか」という話はあるところ からあったが「就職」とは無関係だ、と兵本さんは言っている)

 彼は数多くの人々の協力を受け、調査を進めていた。それは時間のかかる膨大な調査 だった。だからこそ闇に消えていた、幾つかの拉致事件を発掘した。石川県の寺越さん 、埼玉県の新木さんのケースなどは、彼の発掘と言っても良い。

 人に会うのが調査の原点である。幅広い情報収集活動の対象には北朝鮮の人、韓国の 人、朝鮮総連の人間、韓国大使館の人間、外務省の人間、警察の人間がいておかしく ない。彼は堂々と、これらの人々と情報を交換し、独自な人脈を作った。兵本さんに取 っては、これは当然の仕事だった。

 「ここだけの話」で「最高幹部から電話があり」と書いたが、それは不破さんのこと だ。不破さんは電話で「拉致事件の調査はホドホドにしろ」と言い、兵本さんは従わな かった。不破さんには、不破さんの考えがあったのだろう。

 彼の除名が適当であるかどうか、言及するつもりはない。それは共産党の組織決定だ から、文句をつけるつもりもない。

 兵本さんが信じた「組織」が、彼を裏切っただけである。

 個人的には共産党にも好きな人間がいる。沢山いる。しかし「組織」として彼らが行 動するとなると、疑問に思うことが多い。多すぎる。

 何度か「赤旗」で「毎日新聞の牧記者が指摘しているが……」と当方の記事を元に自 民党を批判する記事が載ったことがある。去年も、共産党の職員が何度となく「宗男情報 が欲しい」と連絡を取ってきた。お会いすることはなかったが、もし、この方に会い、 飯でも食ったら、その人は除名されるのかしら。

 自分に都合いい時は「特だね記者」にして、都合の悪い時は「見識を問う」では、人 間的な付き合いなんて出来ないじゃないか。

 「組織」としての共産党とは、さらに距離を置きたい気持ちだ。

        目指せ!10戦10勝

 午後、東麻布で散髪。その後、国会周辺で勉強。仕事場に帰って、膨大な電力関係の 資料を読む。

 さて、いよいよ、競馬は「秋のG1シリーズ」。明日(28日)午前10時、初戦ス プリングSの出走表が発表になる。

 誰が馬券名人か、を競う「10番勝負」。3連単では、的中が出なかったが、もしか すると「10戦10勝」の奇跡の馬券師が出るかも知れない。

 競馬好きも、競馬オンチも、全員参加せよ!

 なんて書いていると「正義の政党」から「競馬狂いの記者」と言われるかな。

 でも、事実だから抗議しないつもり。むしろ、誇りである。

<何だか分からない今日の名文句>

「組織」より人


9月25日(水) 久しぶりの落語鑑賞

 朝、新聞を読む時間が増えた。

 日銀が「北朝鮮(良くも悪くも)フィーバー」に隠れて?銀行が保有する株式を買い 取る、と表明した。それ以降、株の動きを見ているが、それほど上昇しているとも思え ない。

 こんなことやっていると日銀資産が不良債権化するのではないか。

 午前「コミュニティーケア」の編集者2人来訪。この雑誌、介護の専門誌。「街角ス ケッチ」というコラムを連載しているが、これとは別に“介護先進地区”武蔵野市をレ ポートしてくれないか、という注文。興味があるので引き受ける。

 静岡県で住職をしている大学時代の友人から「来年のお盆に寺で講演してくれないか 」と電話。これも引き受ける。

 うれしいじゃないか。声をかけてくれる人が一人でもいれば、生きている実感がある 。

 「競馬はロマン」を書き上げ、夕方は例のお勉強。隣の生徒がゴホンゴホンしてい る。風邪が流行っているのかしら。

 夜、町内の髪結いの誘いで「鳥越落語会」。

 隔月で柳家喜多八の会。喜多八は昭和24年東京生まれ。学習院を出た学士さまで小 三治門下。たしか「小より」「小八」と言っていた時もあったような記憶がある。

 滑稽話も人情話も出来る中堅らしいが、どうも、僕には、彼の「間」の取り方が気に 入らない。これは好き嫌いだから仕方がないが…それにしても「代書屋」に登場する人 物が戦前の経済人では……若い人には「誰?」という感じである。

 「四つ目や」が登場する艶話も、昔の設定では客に理解されない。

 「間」を音の高低で、ごまかすようなところがあって、気に入らない。

 独演会で1800円の会費を取るにしては不勉強だ、とあえて言いたい。「目黒のサ ンマ」なんて独演会の出し物ではない。

 助演の林家たい平。風邪気味のようだったが、まずまず。そして、ゲストの「浮世絵 」の大家のお話。勉強になった。1800円は「浮世絵」の授業料と考える。

 (こんなに厳しくなるのは、俺、ひょっとして喜多八ファンになってしまったのか… …)

 いずれにしても、秋の夜長、話をじっくり聞くのも、良いモノだ。

 夜は大分、涼しくなった。

<何だか分からない今日の名文句>

「鳥越」の名前が泣くぜ


9月24日(火) 「安倍外務大臣」は消えた?

 内閣改造が極めて小規模になるらしい。主要閣僚は、塩川財務相をはじめ全員留任、 という情報が入る。

 噂では塩川さんに勇退して貰い、後任に小泉さんの「新しい恋人?」の川口さんを据 える。

 その後任に「安倍晋三」をーーというシナリオがあったように聞いたが、訪朝で事態 が変わったらしい。

 安倍ちゃんは異国の地で「共同声明にサインせず、帰るべきだ」と主張した。

 結局、小泉さんは外務省の言いなりになり、サインした。外務省を支持した。

 その後、外務省が必死に世論操作して、朝日新聞をはじめとする媒体に大本営発表「 歴史は動いた」のレクチャー。世論調査の支持率を上げた。

 今のところ、新聞の世論では「小泉圧勝」。外務省圧勝である。「バランスを取った 外交」を賞賛する考え方もあっておかしくない。が、僕はそう思わない。

 この雰囲気では「安倍外務大臣」は消えたようだが……国民が冷静になって「日朝の 真相」を理解すれば、事態は微妙に動くかも知れない。

 「ここだけの話・生きている『理由』」(毎日新聞東京版9月24日夕刊)で書いた 兵本氏のことに若干、触れたい。

 (兵本さんのことを、この日記の中ではイニシャルで「Y」と書いていたことがある 。彼は警察が「生命の危険あり」と時々、彼のマンションをパトロールしているような 「危険な環境」にあるので、これまで、似ているようで似てない「Y」を使っていた)

 彼は「8人は絶対生きている」と信じている。理由は「ここだけの話」で書いたこと だけではない。追々、書けると思う。(「ここだけの話」は25日午前11時更新)

 その彼は共産党の不破議長に電話した。「拉致事件を北朝鮮が認めた以上、僕の除名 は撤回すべきだ」と主張した。電話に出た本部職員は「君の除名は規律違反で、拉致事 件と直接、関係ない」と言ったらしい。

 その日本共産党は「拉致事件の真相究明はやらなければならないが、日朝協議は進め なければならない」という立場だそうだ。

 何となく、小泉さんの「新全体主義」に、古くからの全体主義が歩調を合わせている ようだ。(僕には別の共産党員の友達もいる。すべて、共産党がおかしい、と思ってい る訳ではない。念のため)

 出社後、6時半から社会部歓送部会。4人が社会部から出て、4人戻ってきた。

 ロートル記者の役目で乾杯の挨拶をする。

 駆け出しの新潟支局の時代、知り合った刑事さんがいる。僕のアパートに遊びに来た こともあった。

 その刑事さん、その後、新潟県警の捜査一課長に出世した。

 その時である。横田めぐみさんがいなくなった。たまたま、この時、長岡で殺人事件 が起こっていた。捜査一課長の彼は「長岡の殺し」に全力を上げた。

 10年以上たって横田めぐみさんが北朝鮮に拉致された、と知る。彼は動転した。す でに彼は警察を退職していた。「何をしたらいいのだ」。彼は、電話で僕に苦渋を打ち明 けた。

 「我々が世の中を変えるから」と僕は訳の分からない言葉で慰めるしかなかった。

 ただ、それだけのことだが、僕の言葉が僅かだが慰めになった。それだけのことだが 、友達って良いなと、お互いに思った。

 人事異動は新しい友達を作るチャンス。こんなに安い給料で泣いているが、毎日新聞 にいるから友達が沢山出来る。人生の暖かいものを感じることが出来るんだ。

 人事異動のチャンスを大事に、転勤先で友達を作ってくれーーというような話をした 。仕事場に緊急電話が入るのでは、と思い、二次会は欠席。でも、何も情報はなかっ た。

           
<何だか分からない今日の名文句>

仕事に関係ないから友達


9月23日(月) 中曽根さんの「外交の4原則」

 中曽根さんが主宰する財団法人・世界平和研究所から例の「麹町だより」が送られて きた。

 9月1日フジテレビ「報道2001」に出演した時の発言を整理したものである。

 題して「北朝鮮と小泉首相ーー日米韓国で中長期戦略を確立し、日本は国家戦略の基 軸を貫け」

 この番組を見ていなかったので、改めて読み返してみると、中曽根さんが9月1日の 時点で、かなり日朝交渉に「不安」を感じていたことが分かる。

 あまりに準備不足だ。国民も、新聞も「日朝」に浮かれて、上気していないか、と心 配している。あまりに、北朝鮮ペースだ、と危惧している。

 何故「9月17日」なのかを分析するのが、いかにも中曽根流である。首相の日程 から考えれば「9月30日」でも良かったと言う。それを「9月17日」にしたのは、 台風を計算に入れて不審船の全貌が明らかになるのは9月下旬と考えた人たちがギリギ リ「9月17日」にやってしまおう、としたのではないか。

 不審船の全貌が明らかになると、協議は色々の意味で難しくなる。

 中曽根さんは「誰」が日程を決定したかに触れていないが、外務省がこの日程に拘 ったのだろう。

 「北」は朝鮮総連系金融機関の問題を早く、議題に品しなければ……と考えている。 「北」の要求は莫大な金である。「金」が遅れると「北」は悪性インフレに陥る。

 中曽根さんは小泉さんは「冒険好きだが、勉強不足」と思っているらしい。

 中曽根さんに外交4原則がある。(「中曽根さんだけでなく、古今東西の変わらない 原則と思っているが)

 (1)国力以上のことをやってはいけない。

 (2)外交はギャンブルでやってはいけない。

 (3)世界の潮流に乗らなければいけない。

 (4)外交を内政に利用してはいけない。

 さて「日朝協議」に対する世論調査を見ると、小泉流を支持する人が多いようだが、 4原則のどれを取っても今回の「日朝協議」に不安は残る。

 特に、外交の成果を利用して最大の懸案「経済」から国民の目をそらす陰謀。この政 府の姿勢に疑問が残る。

 午後、「ここだけの話」(9月24日毎日新聞東京版夕刊)のゲラを点検する。実は 連休前に出稿していたので「日朝」の進展を見据えながら若干の手直し。

 それほど刺激的な内容とは思わないが、一部の関係者から「いらぬことを書いて…… 」と言われるかも知れない……が、あえて書く。少数意見でも、歴史をデッサンする意 味で残して置きたいことがあるじゃないか。

 「拉致を認めるなら現状回復」という自説も書きたかった。が、一週に1回しかない チャンスなので「生きている『理由』」にした。是非、読んだ欲しい。

 「日朝」のもう一つの狙いである「民主党隠し」。民主党代表選に関心は集まること もなく鳩山辛くも再選。ここでも小泉の圧勝?

 熊本オールスター競輪。テレビにしがみついたが神山に運なし。

 夕飯は遊びに来た長男と優之介とすき焼き。長旅で、少し疲れたので、8時過ぎに熟 睡。

          
<何だか分からない今日の名文句>

大道に戻る


9月22日(日) 誰が外務大臣になるのか

 週末は「取材旅行」と言うには、おこがましい越中、越後紀行を続行。

 20日(金)は越中八尾、高岡、21日(土)柏崎、新潟……。それが旅行の目的で はないが、行く先々に拉致事件の「現場」がある。

 例えば、夕方、日本海を見ようと出かけた高岡市の雨晴海岸。立山の写真を撮る絶好 の海岸。

 1978年8月12日に曽我ひとみさんが佐渡島から拉致された3日後、この雨晴海 岸でも拉致未遂事件が起こっている。

 20代のアベックが4人組に手錠をかけられ、頭から麻袋をかぶせられた。たまたま 近くを通りかかった人がいて、アベックは近くの民家に駆け込み、保護されている。

 連続拉致?

 78〜79年に拉致事件は次々に起こっている。が、その頃の拉致の指揮を取ってい た、と思われる人物の一人に北朝鮮の「K外交官」がいる。

 外交官がスパイであることは、かなりの国でごく普通だが、外交官が、何の罪もない 人間(軍人でも、要人でもない人間)をさらうなんて……極めて異常な異常な国である 。

 北朝鮮は「国家犯罪」を認め、陳謝した。認めたからには、即刻「現状復帰」するの が国際的ルールである。

 「現状復帰」するということは日本に戻すことだ。

 日本政府は「現状回復」を堂々と要求すべきだ。少なくとも「生存している」とされ た人物は即刻、帰国されるべきだ。その上で、彼らに改めて「意志」を確認すべきだ。

 補償云々の話が出ているが「現状回復」を、何よりも早くすることである。日本で、 彼らの意思を確認するのがまず先だ。

 土曜日は新潟へ出て昼に飄亭でウナギ。ここのウナギは昔からバカでかい。好物。

 新潟競馬場で知り合いと落ち会って後半3レース。1勝2敗。

 夜、東京からやって来た某証券の元トップも交え、夕食を取りながら「勉強会」。

 戦前の歴史に疎いので恥をかきながら「世界恐慌と戦争」を勉強する。結局「天皇の 戦争責任」に話が進む。日本人自身がすべき「戦争の総括」が未だに行われていない。

総括をしないうちに、新しい戦争に入るような危険を感じてならない。

 情報として「川口外相は北朝鮮で関与していない。蚊帳の外。発言しても、外務官僚 の言いなり。また外務大臣は、お飾りになった。内閣改造で誰が、外務大臣になるか。 それが見物だ」と話す長老。

 拉致事件で家族に誠意を持って対処してきた安倍官房副長官が、一連の外務官僚の独 走に腹を立てている。ちょっと前まで「安倍外務大臣」説もあったが、この角逐が、人 事にどう出るか。

 彼なら「現状回復」をきっちと要求で出来そうだし、バランス感覚がありそうだが… …。

 22日は一日中、新潟競馬。顔みしりになった穴場のおばちゃんに「払い戻しに並び ませんね」とからかわれる。2勝10敗。惨敗。

 
<何だか分からない今日の名文句>

伏魔殿の裸の(女)王


9月19日(木) 北陸路

 若干の取材を兼ねた北陸路。この辺り、古い家並みを保存して現代に生かす。風情の ある、良いところだ。

 高山、清見、御母衣ダム、白川、砺波……知り合いの菅原文太さんの家が清見にある と聞いていたので、亡くなった倅さんの霊前にーーと思い、立ち寄ったが留守。門前で 合掌。

 砺波で中越銀行のことを少し勉強。昭和18年、銀行合併で亡くなった歴史を見ると 、現代と重なる。

 銀行国有化が現実になるのか。すでに国有銀行候補が名前にあがっている。

 拉致関係で興味がある場所、人がいくつかあるのだが、果たして取材になるかどうか 。

 週末は日本海側を北上して、別の仲間と落ち合って、新潟競馬を楽しむつもり。

 拉致関係や東電関係の件で情報交換の携帯が鳴るが、少しずつ旅気分?

   世の中、誰が作ったのか「歴史は動き、悲劇が残った」キャンペーン。必死で「日朝 首脳会談は成功」を印象づけのだろうが、本当に歴史が動くのか。まだ疑問。

 まあ、鋭気を養うしかないか。

 静かに、静かに、状況を見極めるか。

<何だか分からない今日の名文句>

静かなること風の盆


9月18日(水) たまたま朝日新聞を読む

 終日、野暮用。(「野暮用」とは、日記に書くほどでもない事柄。たまに「書けない こと」もあるが、このところの「野暮用」は前者。どうでも良い毎日を送っている、と お思い下さい)

 日朝首脳会談を報じる新聞各紙を見比べるつもりだったが、野暮用で時間がなく、朝 日新聞だけ読む。たまたま、近くに朝日があっただけ。意味はない。

 同紙の政治部長が一面で書いた「痛ましい歴史、乗り越えて」の署名記事に「怒り」 を感じた。

 北朝鮮は「一緒に乗り越えるパートナー」なのか。

 僕はそう思わない。

 小泉さんの決断を評価するのには「時間」がかかる。とても即断できない。それが、 ごくごく普通の判断だと思う。

 これでは大本営発表の焼き直し記事ではないか。

 「冷静さを失っては歴史は逆戻りするだけだ」と政治部長さんは言われるが「冷静さ 」を失っているのは、一体、誰なんだ。

 2000年6月の南北首脳会談の「その後」を見て欲しい。共同声明で「ソウルに行 く」と言った金総書記は、金大中政権が終わろうとする今になっても、実現しようとし ない。それどころか、銃撃戦を引き起こしている。

 「8人の死亡」についても、まだまだ信じられないことが沢山ある。戦略的に死亡さ れていることだって、十分、考えらる。

 我々は、このところ「言葉」に負けている。小泉さんに「改革」と言う言葉を使うと ケチがつけられない。「民間」と言われると、創意工夫が行われる、と頭から信じる。 「内部告発」と言わるれと「正義の行動」と思いこむ。妙じゃないか。

 「言葉」より「中身」だ。

 お上から「歴史的な成果」と言われると、ケチがつけられない。そんな雰囲気が、報 道陣に充満している。

 変じゃないか。

 冷静になっているのは、ごく普通の人たちである。

 外務省の言い分だけを鵜呑みにするジャーナリストこそ「冷静さ」を忘れている。

 朝日がそうだ、と言うのではない。報道する人間が、概して「権力の言いなり」なの だ。

 昨日の日記の<何だか分からない今日の名文句>に「涙が枯れてから」と書いた。

 涙が枯れる時間が必要だ。

 朝日新聞に「冷静になれ!」なんて、言われるのは、片腹痛いでぇ。

<何だか分からない今日の名文句>

野暮じゃありませんか、従軍記者は…


9月17日(火) 填められた日本

 昨日(16日)の日記で<何だか分からない名文句>に「『心配するな。来れば分 かる』の謡文句」と書いた。

 北朝鮮と交渉したことのある人間が同じような言葉を何回も聞いている。韓国では、 隠れた流行語になっているらしい。

 「心配するな。来れば分かる」と言われて、交渉のテーブルに付くと「ああでもない 、こうでもない」と言を左右にする。それが「北」だーー同じような感想を持つ人が日 本にもいる。

 だから、小泉さんも気をつけろ!と言いたかった。

 しかし、日本はその術中に填った(と)思う。

 日本の外務省は「心配するな。来れば分かる」に騙され「拉致家族の安否を発表する 。ミサイルは当分、やらない、で国交正常化しましょう。心配するな。来れば分かる」 の言葉に騙された。

 水面下の予備折衝で「安否」とは8家族11人に関する生死、と限定された。(拉致 された疑いのある日本人は判明しただけで47人である)

 そして「何人かは亡くなっている」と知らされ、その安否の全容を話したのは、首脳 会談の直前ではなかったのか。

 一度は「政治生命を賭ける」と言った小泉さんは「そんなことは言ったことはない」 と言い出したことがあった。あの時から、小泉さんは疑心暗鬼だったと思う。

 しかし、ペースは「北」で進んだ。北朝鮮は「テロ国家」であることを認める。それ 相応の覚悟がいる。それは出来ないだろう、と考えるのが普通だ。よほどの工夫がない と告白することは出来ない。僕も日記に「よほどの工夫」が必要だ、と書いた。

 しかし、金体制は、どうしても「アメリカの圧力」を沈めなければならなかった。日 本の経済支援はどうしても欲しい。

 「よほどの工夫」は日本的な言い訳にした。「俺は知らなかった」である。

 テロ国家と認めることになるが、もともと、どの国も「ならず者国家」と知っている のだから構わない。当事者の日本が「国交正常化という形で許してもらえれば良い」と いう判断だ。

 国内的には「謝ったこと」を隠す。拉致事件の存在も隠す。この国ではコレが通用す る。

 「北」のペースだった。

 一年ほど前、当時「北」担当の外務官僚と食事をした時のことを思い出した。

 「横田めぐみさんが、死んでいたら……めぐみさんが死んでいたら、日本国民は国交 正常化を支持するだろうか。まして、彼らは2兆円を要求しているんだ」と話していた のを思い出した。

 「分かってくれ、軽々しく協議を続けるわけにいかない」という表情だった。

 延々と続くテレビ中継。拉致家族たちの涙を見ていられない。胸の中は土砂降りの涙 だろう。

 最初に、横田めぐみさんのお父さんに「めぐみさんは北朝鮮にいました」と通報した 男がいる。元日本共産党員のYである。いつもYとは電話連絡をしているのだが、今夜 は電話をかけるのを止めた。

 Yは「拉致事件の調査は程々にしろ!」と党から言われても「我々が調べなければ… …」と主張し、日本共産党を除名された。彼は何度も、今でも「拉致事件を新聞で取り 上げてくれ」と電話してくる。涙もろい彼のことだ。涙が止まらないだろう。だから、 電話は止めた。

 明日(2002年9月18日)の新聞はどう書くのか。

 NHKテレビの解説を見る限り「安否を確かめ、ミサイル訓練でも譲歩を得た」と言 うのが、マスメディアの評価らしい。

 だが、僕はそう思わない。

 内政の大失敗を隠蔽しようとした小泉自民党が、外交で得点を上げようとして功を焦 った、と思う。

 「包括的協議」と言ったばかりに、小泉さんは、交渉の場から、席を立つことが出来 なかった、というのが、僕の推測だ。

 もちろん、北朝鮮を国際的に孤立させることの恐ろしさは理解出来る。

 しかし、仲良くなるには、それにはそれなりの「義」があり、「時」が必要だ。

 やるせない、ではないか。

<何だか分からない今日の名文句>

涙が枯れてから


9月16日(月) 包括的協議?で良いの

 敬老の日。雨。終日、野暮用。

 75歳以上の日本人が1000万人もいる。東京に百歳以上が1000人もいる。日 本人は長生きになった。

 30年ほど前、社会部に抗議の電話が掛かったことを思い出した。

 「老婆、交通事故死」と見出しの付いた記事に「誰が、65歳を老婆と決めたのか? 」と言う抗議である。電話に出た当方は20代後半。正直に言えば「65歳なら老人だ ろう」と思いつつ「配慮に欠けた表現で申し訳ありません」と謝った。

 自分が60歳に近くになると、確かに「65歳は年寄り」は断じて“誤報”である。

 テレビで敬老の日特集を流して「家庭の平和が長生きのもと」と再三再四、主張して いる。本当は「家庭は崩壊して、老人は長生き」というのが本当?

 昨日(15日)の日記で「唐突な北朝鮮外交」について長々と書いた。あす(17日 )小泉が訪朝する。

 多分、この日記が更新される頃(17日午前11時頃)には、首脳会談の速報が流れ いるだろう。

 昨日は「唐突な北朝鮮外交」のマイナス面に触れたから、今回の訪朝の「若干の可能 性」についても触れなくてはバランスが取れない。

 しかし、その可能性はすべて「ブッシュの圧力」に起因している。

 金正日は「イラクの友達」と思われるのを打ち消さなければならない。アメリカの圧 力を最大限に意識すれば、彼は日朝交渉を不調に終わらせる訳にはいかない。

 彼は出来れば、小泉首相からブッシュ大統領に『米朝首脳会談を行う意向』を伝えて 貰いたい、と考えている。

 そのメッセンジャー役に「お土産はゼロ」という訳にはいかない。そこで、拉致問題 で「一定の譲歩」を見せるかも知れないが……。

 いつも、交渉前には「良い結果がある」と言いながら、平気で肩すかしをする北朝鮮 だから、これもあまり信頼出来ないが……。

 小泉さんは、その「北」の対アメリカ戦略を念頭に置くのか「包括的協議」という言 葉を使う。しかし「包括的」ということになれば、拉致問題はいくつかの「不正常な状 態から生まれた悲しい諸問題の一つ」になってしまう。「正常化までには解決されるで あろう問題の一つ」にされてしまう。

 「拉致問題が解決しなければ交渉に入らない」という小泉さんの「入り口懸案論」と は相容れない。それで、良いのか。

 外務省の関係者に一人ぐらいは「二代目魁」の読者がいるのでは……と思い、あえて 言わせてもらえれば、拉致問題だけが重視されるが、不審船問題はもっと重大な事柄で はないのか。

 不審船事件は、現在も日本に何人もの工作員を送り込んでいる証拠だからだ。

 いずれにしても、あすは「歴史的の日」を良くも悪くも華々しく報道する1日になる のだろう。

<何だか分からない今日の名文句>

「心配するな。来れば分かる」の謡文句


9月15日(日) 北朝鮮外交の不自然さ

 週末は曇天。終日、野暮用。

 その合間に、今、進行中な事柄を出来るだけ冷静に分析するように努めてみた。

 冷静になればなるほど悲観的になってしまう。

 結論から書けば、唐突な「北朝鮮外交」が、またぞろ日本を破滅させる道を用意して いるようにしか思えないのだ。

 多分、17日の小泉訪朝が終われば、全てのマスコミが声をそろえて「歴史的前進」 と書くかも知れない。少なくても「一定の前進」と書くのかも知れない。

 が「一定の成果」なんて“まやかし”以外の何物でもないだろう。

 不人情なことを書くようだが、僕は北朝鮮の政権が変わらない限り、拉致家族の解放 は極めて困難だ、と思っていた。今も、そう思っている。

 北朝鮮の現政権が拉致家族を解放すれば、全世界に「まともな国」でないと認めるこ とになる。そんなことは出来まい。全体主義の国がそんなことをするはずがない。余程 の工夫が必要だ。

 拉致されたのは日本人だけではない。韓国をはじめ、北朝鮮に拉致された人は沢山い る。日本人拉致家族をまともな形で返すことは、全世界に「人ざらいの国」と白状し、 他の国に拉致家族を解放しなければならない。

 北朝鮮にクーデターが起こり政権が変わる時こそ、拉致家族を奪還するチャンス、と 分析している。

 金正日は小泉訪朝を前に14日、共同通信に対する書面インタビューで「両国の関係 正常化は時代の要求だ。大きくない問題を持って中傷し、手足が縛られているが、関係 が改善されれば容易に解決される」と答えている。

 すべては、日本が「過去の清算」をしてからだ、と言っているようなものだ。

 日本の首相が訪朝する以上、村山内閣時代に表明した「お詫び」より後退した言葉を 使う訳にはいかない。明確な「陳謝の旅」になる。金正日は拉致問題を「大きくない問 題」と位置づけているのに、わざわざ「お詫び」に行く。(中国に文書でお詫びしてい ないので、この兼ね合いも難しくなる。多分、中国にも小泉さんは行かなければならな いだろう)

 詫びるには詫びるタイミングがある。

 不審船が北朝鮮のものかどうか、確定できない時点で何故、早々と詫びるのか。不審 船に残された工作員の遺体は「SA16」という対空ミサイルを構えていた。厳密に言 えば、両国は準戦争状態にある、と言っても良いだろう。

 そのタイミングで、何故、詫びるのか。解らない。

 北朝鮮が経済的に破滅状態であることは分かる。彼らが、国交正常化で経済的援助が 欲しいのも分かる。しかし、援助しても北朝鮮の民衆にコメが届けられるか、どうか。 甚だ、疑問だ。我々の税金が武器に変わることだって十分予測出来る。

 北朝鮮が会談を急ぐのは分かる。しかし、日本側が急ぐ必要は無いはず、だがどうだ ろうか。

 何故、外務省は焦るのか。それは「鈴木宗男事件の終結」と深く関係する。

 この捜査こそ、まやかしだった。ODA疑惑の巨悪を放置して、焦点を宗男疑惑に矮 小化し、少なくても東郷元欧州局長という“容疑者”を逃し、捜査を終えようとした。 外務省は、捜査集結とタイミングを併せて、世間の目が北朝鮮に向けさせるように計っ た。本来なら、マスコミは「捜査終結の疑惑」を追及するハズなのに、北朝鮮外交に気 を取られて「巨悪」を眠らしたことを報道しない。

 これが唐突な北朝鮮外交を急ぐ外務省の事情である。(もちろん、外務省は「何故、 検察は自らの調査費疑惑を調べないのか」と事実上、圧力を掛けた、と推測される)

 それに加え、かなり個人的な思惑もある。中国総領事館の不手際で窮地に陥った某官僚 の名誉挽回?という見方もある。

 そして、もっともっと大きい「見えざる意図」。内政の失敗を外交で隠そうとする、 言ってみれば「小泉内閣の脳天気的な意図」である。

 冷静に考えて欲しい。

 郵政民営化が出来なければ、日本は沈没するのか。(事実、本当の民営化は出来なか った)

 道路公団が民営化しなければ、日本人は飯が食べられなくなるのか。(事実、まやか しの民営化で終わる可能性大)

 改革は必要だが、郵政、道路だけで、日本が再生されるハズもない。

 小泉さんは「悪意を持たぬ詐欺男」なのだ。

 象徴的なテーマを挙げて「善」と「悪」を作り上げ、俺は「善」だ、「善」に加担し ろ!と雄叫びを上げて見せる。それだけの政治家である。

 一貫して、デフレ対策に全力を挙げなければならないこの1年。彼は問題を「郵政」 「道路」にすり替えてしまった。そして、当然ながら、経済で躓いた。

 そこで、新たな「詐欺師的展望」を用意する必要があった。と、言うより、事実上の 「第2の宗男」こと、福田官房長官の入れ知恵に乗って見た。(福田は陰の外務大臣だ )

 北朝鮮は小泉さんに取って「郵政」であり「道路」なのだ。

 歴史は「経済の失敗が外交の失敗を生み、戦争に導いた」こと記憶している。

 訪朝をすべて否定するわけではない。一定の意味もある。が、しかし、この時期、こ のタイミング……あまりに危険だ。小泉さんも、内心「困った」と思っているだろう。  もし「困った」と気づいたら、外務省のシナリオをもう一度、冷静に点検して貰いた い。

 真紀子なき小泉なんて……と外務官僚はあざ笑っているんですよ。

 小泉さんの訪朝の前に、あえて北朝鮮外交の「不自然さ」について、書いて置きたか った。

 さて、我が掲示板が賑やか。富士子さん、「新聞記者で死にたい」を読んでいただい たとか。ありがとう。

 キーちゃん、どうした!

 君がいないと淋しすぎる。

 喧嘩相手がいないと淋しすぎる。「10番勝負」には色々工夫して、参加されたし。

 年金論争は、おもしろい。これにも触れたかったが、長くなったので……。

 もう、(16日の)朝だ。

<何だか分からない今日の名文句>

頭隠して尻も隠す


9月12日(木) 人の行く末、分からねぇ

 連休を十分楽しみたいので、原稿の書き溜をする。朝の散歩はあきらめる。

 昼、Jr来訪。秋のG1単勝名人戦の打ち合わせ。結果を手動で集計するので、Jr には面倒かける。

 頼むぞ。Jr。

 投票ボックスの方は本間ミュージシャンが作ってくれる。ありがとう。

 昼どきなので「江戸平」の天ぷら。オクラの天ぷらがうまい。

 そのまま御徒町まで歩いて、松坂屋の地下でサンマの甘露煮を買う。これ、安くて旨 い。

 仕事場に帰ると、たまちゃんから「競馬ロマンの原稿が短すぎる」とクレームの電話 。早く仕事を終えようとしたばっかりに行数が10行ほど足りないのに気づかなかった 。ゴメン。恥ずかしい。

 (たまちゃんは、あの「タマちゃん」ではない。我が毎日新聞の競馬担当。この間も 、某美女に「たまちゃん、死んだのかしら」と聞かれ「いや、明日、飲むんだから。至 って元気」と答え、ちんぷんかんぷんだった)

 少し時間が出来たので風呂に入り、週刊新潮を拾い読みしていると、懐かしい名前に 出会った。

 朝日新聞のBさん。元気かしら。

 今から25年以上も前、僕が警視庁捜査2課4課を担当していた時、Bさんは朝日の 「旗振り」だった。「旗振り」というのは、担当記者チームのトップという意味である 。

 失礼だが、事件記者向きではないようで、いつも抜かれていた印象がある。(僕もち ょっちゅう抜かれていたが、彼ほどではなかった、と思う)。

 中日スタジアムの騒動に絡む「暴力団の4人殺し」(当時は大事件だった)が発覚し た朝、読売と毎日に「4人殺しで、今日、遺体発掘」というスクープ記事が載っている のに、Bさんは「これ、嘘だろう」と4課のS管理官に尋ねていた。すでに各社のヘリ コプターが現地で発掘の写真を撮っているというのに。

 その夜、人の良いS管理官は「Bちゃんには気の毒だったな。暫くは、俺の家に来 るな。Bちゃんが来たら、適当なネタ、話してやるつもりだ」と呟いていた。

 どうもBさんは、事件記者には不似合いな感じだった。警察の体質が合わないのだろ う。

 ところが「週刊新潮」に登場したSさんは、別人のようである。見出しに、こう書か れている。

 「警察外郭団体に天下る朝日新聞“癒着記者”の評判」。

 読んでみると、Sさんは20年以上も警察庁を担当した名物記者で、思わず「本官は 」と口走るような人物で、警察官僚に大変な影響力を持っていて、今度、警察の外郭団 体に就職する、と書いてある。

 本当なのか。あれほど警察が苦手だった彼が……歩く道が違えば、人生が変わる。

 25年以上前の読売の2課4課担当記者だったYさん(僕もBさんもYさんの特ダネ に何度も泣いた)は、警察とは直接関係ない「読売巨人軍」の球団社長になった、と聞 いたことがある。

 人生、分からねぇや。

<何だか分からない今日の名文句>

人生イロイロ


9月11日(水) 米中枢同時テロから1年……

 あれから何が変わったのか。多分、標的・ビンラディンは生きている。「テロとの戦 い」にアメリカは勝利したのか?

 分からないうちにイラク侵攻が現実になる。複雑だ。戦うことが目的化されている。

 この複雑極まりない心境を、朝一番で「9月の社説」に書いた。是非、読んで欲しい 。

 専売病院で血糖値の検査。朝飯抜き、薬抜きだったが血圧は142−86。薬を飲 まなくても、血圧は安定している。

 JRA六本木事務所に顔出すと、広報部長さんが僕がスポニチの「おけら街道」に書 いた「除外馬解消法」に関して、意見があると言う。ご不満らしい。双方に今日は用事 があるので、改めて、ご意見を伺うことにする。まあ、堂々と議論出来るのが良い環境 ではあるが、それほど誤った見方ではないと思うが……(「おけら街道」450回「1 日13レース」はリンクしてあるので、競馬ファンは読んでくれ)

 農水省競馬監督課から「承諾書を早く出してください」との催促の電話。実は競馬運 営委員の任期が9月15日で切れることになっていた。

 競馬運営委員会はあまり知られてはいないが、横綱審議会のようなもので、ものによ っては運営委員会の賛成がないと実施されないこともある。大事な組織だ。

 この2年、意味のある発言をしたと思っている。

 一つは馬連、3連複の新馬券の導入にあたって、競馬監督課は「16頭以上レースは 射幸心を煽ることになるので、馬単、3連複は発売しない」と言い張った。そんな馬鹿 な。射幸心を煽るから博打じゃないか。(競馬には、博打の他に楽しみ方はいっぱいあ るが、一つの柱はやはりギャンブルだ。その上がりで国庫納付金を政府に提供している )

 ダービーは18頭立てである。一般の国民が参加するお祭りのレースで、新馬券が売 れないなんて。おかしいじゃないか。猛烈に反対した。

 これは、その後、僕の主張通り18頭立てでも発売されることになった。当然である 。

 もう一つ「有馬記念が12月21日」と聞いて激怒した。

 有馬記念は年の瀬の風物詩。それが、クリスマスより早く行われては風物詩としての 意味がない。

 「12月28日が日曜日なら、その日に有馬記念をやるべきだ」と主張した。競馬監 督課は「地方競馬の売り上げの関係で、12月28日以降は中央競馬は法的に出来ない 」と反論する。僕も一歩も譲らなかった。

 その後、JRAと地方競馬の関係者の努力で来年は「12月28日の有馬記念」が実 現する見通しになった。

 うれしい。これを機に、JRAと地方競馬の協力関係が構築されるだろう。

 この2点は運営委員として、意味ある仕事だった、と自負している。ただ一つだけ「 競馬監督課という名称は競馬ファンを冒涜しかねない。名前を替えるべきだ」という僕 の注文に、未だに農水省は黙して語らず。これは時間が掛かるだろう。

 その競馬運営委員の任期が切れた。JRAに取っても監督課に取っては、僕は「嫌な 委員」だろう、と思っていたが、農水省は「引き続いてやって欲しい」。自由な議論が 前提になっているので、喜んで引き受ける。

 その委員留任「承諾書」を早く送ってくれと言う催促の電話である。

 9月9日消印で送られてきた文書を見て、転送するのが9月11日夜でも、それほど 遅れてはいないと思うが「もし、まだならFaxで」と急かせる。

 役所というところはかなり勝手で、民間を待たせることは度々だが、民間には強引に スピードを求める。

 とりあえず、faxで「承諾書」を送ったが…そのスピードがあれば、食肉改革も、 競馬改革も、すぐに実現するのに。

 出社後、編集局の幹部と雑談していて、例のお勉強を忘れる。

 夜は同時テロのテレビ番組を隅から隅まで。

 つい悲しさに、目頭が熱くなる。

<何だか分からない今日の名文句>

テロの連鎖を切れ!


9月10日(火) イラク攻撃、そして山口組

 9日、デトロイトでブッシュと会談したカナダのクレティエン首相は最後まで「イラ ク攻撃に協力する」と約束しなかった。イギリスとの会談とは大分、違う。

 このニュースは大きな意味がある。両国を結ぶ橋に「テロに屈しない新システム」を 導入して、そのスタートを祝う式典直前の会談である。カナダは最後まで抵抗した。

 英国との協調を演出したブッシュだが、カナダの頑なな態度には、かなり落胆したら しい。

 これは大ニュースだが、夕刊の扱いは小さすぎる気がする。

 小泉さんはどうするのか。新聞はどうするのか。

 イラク攻撃には、くれぐれも慎重であって貰いたい。

 ほとんど読まない新聞の一つに内外タイムスがある。夕方、友人が携帯で「一面の山 口組ものはスクープだ」と伝えてきたので、市川駅のキヨスクで買い求める。

 山口組は5日の定例会で「今後、取り調べで警察に一発でもどつかれたら弁護士と相 談して告訴すること。警察や検察が取り引きを持ち出しても、のるな」と通達した。

 事実なら、確かに画期的なことと言える。

 ヤクザの歴史を見れば、概ね「お上に逆らわないことで組織を守る」のが本筋の生き 方だった。警察から「月間なのでチャカを出しってぇな」と言われれば、ピストル不法 所持で犯人を出す。それが警察との付き合い。腐れ縁を作って組織を温存する。

 ところが、このところ、ヤクザに対する警察の取り調べがきつくなり、取り調べで暴 行を受けるケースがかなりある。えん罪もある。ヤクザが犯人に仕立て上げられるケー スは、一般の市民のケースと比べると、かなり多い。

 以前、えん罪に泣く広島のヤクザから相談を受けたことがある。この人、実録小説「 仁義なき戦い」に登場する人だが、とてもヤクザとも思えない「権力にいじめられ続け る老人」のような雰囲気だった。

 ヤクザにも人権がある、というのが、山口組の言い分。ヤクザの頂点・山口組は方向 転換して「これからは、俺たちも内部告発?するぞ」と居直った。

 でも、この強気の抗戦布告の背景には、全く違う状況変化があったのではないか。

 ヤクザものに詳しい内外タイムスでも書いていない、その背景?

 それは……検察の調査費流用を暴露した大阪の検事さんが、テレビ出演の寸前、ヤク ザから賄賂を貰ったと検察に逮捕されたことに関係があるのではないか。

 正義の検事さんを逮捕するのに、ヤクザ屋さんの協力が是非とも必要だった。ヤクザ 屋さんは、包み隠さず「正義の検事さん」との交際をゲロして、いち早く娑婆に出た。

 この過程で、彼らは検察・警察上層部の弱みを握った。だから、力関係が逆転した 「逆転した事実」を、こんな「通達」で組織に流した。

 内外タイムスは「宣戦布告」と捉えているが、僕は「山口組の戦況有利宣言」と見る 。

 これは、当方の深読み。多分、当たってないから、ヤクザ屋さんも、警察さんも、 お忘れあれ。

 昨日の長男宅訪問に続いて、夜、船橋法典の二男の家に遊びに行く。例の松茸持参。

 畑の向こうに真っ赤な夕日。明日は晴れるかな。

<何だか分からない今日の名文句>

ブッシュがお上、イラクは「ならず者」


9月9日(火) 流行るもの。内部告発、民営化…

 昨今、内部告発を恐れている人がかなりいるらしい。毎日のように大会社の不祥事が 続くと「ひょっとして、うちの会社も……」と不安になる人もいて当然だ。

 日本には暗い密告のイメージが残っているが、マスコミが「内部告発は善」と盛んに 囃した立てるから、今や誰もが「告発しますわよ」という時代。それが良いのか、悪い のか。

 今週の「ここだけの話」では内部告発の滑稽な一面を書く。

 ゲラを点検していると、担当のデスクから「次回は9月17日は休みです。首相訪朝 と重なるので夕刊のスペースが無くなるので休載です」

 当日は北朝鮮ものにしなければ…と今から頭を絞っていたので助かった。フリーの物 書きなら、一回分の原稿料が貰えなくなる訳だが、企業内ジャーナリストは収入に関係 なし。恵まれている。正直に言えば、一回分儲けた感じ。

 午後から道路公団の民営化について、若干の勉強。どうも「保有・債務返済機構」と 「民営会社」の上下分離方式なるものに「まやかし」を感じてならない。

 民営会社は道路資産を持たない会社で、資産を持つ「機構」から道路をリースして貰 う。

 機構は債務を返済するために高いリース料を設定するだろう。民営会社の主な仕事は 料金徴収。民間のサービスを取り入れる、と言っても限界はある。

 どうもおかしい。民営化されて料金は高くなって、利用者は少なくなる可能性大。最 大のサービスは値下げなのに。

 高速道路こそ国営化するべきだ。「利用料金に地域格差をつけた産業振興のための国 道」にすべきだと思っている。

 国土のバランスの取れた発展のために、必要な道はドンドン建設すべきだ、と思って いる。

 もし、大災害が起こったとき「保有・債権返済機構」にカネがなかったら修理一つ出 来ない。

 大体、高速道路がないなんて、地域差別だ。正義とは「平等の配分」である。

 この上下分離方式で儲かるのは、「新たな天下り先」を確保する官僚群ではないか。

 政府・与党の株価対策。年金のために用意した資金で株を買う。先月末のこの日記で 書いて「年金の危機」「銀行の国営化」が現実なものになりそうな嫌な雰囲気。どうし た良いのか。(銀行は国営化で競争がなくなる。国営化は断じていけない。高速道路は 競争がないから民営化は意味がない。ちなみに飛行機は競争があるから安くなった。が 、新幹線は競争がないから、民営化されても安くならない)

 関西に住む親しい医者から松茸が届いた。北海道の旅行先から毛蟹を送ったお礼だろ う。見事な枝ぶり(適当な表現がないので「枝ぶり」)。

 こんな高価なものを食べられるのも、もしかした最後か。倅一家に食べさせたいので 届ける。よって市川に一泊。

<何だか分からない今日の名文句>

民営化の枝ぶり


9月8日(日) 経済危機を隠す

 社台のテレホンサービスで愛馬・リングレットの脚の浮腫を知る。ガックリ。また放 牧に出るのか。来春、引退と決まっているこの時期に放牧とは。傷心。

 馬券も当たらないし、何となくブルーな週末。降る雨も激しい。

 3日の「ここだけの話」で、脳天気の武部農水相と図々しい農水官僚のことを書いた ら、未だに反響が続いている。大部分が、僕の言い分を支持してくれる。やっぱり、み んな「おかしいゾ」と思っていたんだ。

 8日の毎日新聞朝刊が武部さんにインタビューしている。(担当は荒木功記者)

 武部さん「猛省する。私も政治生命をかけたつもりだ」と話している。食肉問題を検 証する第三者機関を発足させるようだが、これを機に、武部さん、けじめを付けて貰い たい。

 まかり間違っても、内閣改造でも「1内閣1閣僚」という”小泉原則”に則り留任す るなんてことを考えたら、それこそ、彼の政治生命は「ハイ、それまでよ」である。

 これから一週間は、新聞は「小泉訪朝」ニュースで埋め尽くされる雰囲気。だが、目が 離せないのはむしろ株価である。

 この日記で「8500円の恐怖」を指摘したが、9000円前後が上下する様相で、 事態は「どん底」に入ろうとしている。

 そうなれば、公的資金再投入。銀行国有化、まかり間違えれば、国際通貨基金の救済 を受けることにも成りかねない。経済は土壇場である。

 その土壇場を「北朝鮮」ですり替えて、我々の関心を経済から離させようとする。

 それで良いのか。後になって「小泉は外交オンチ、経済オンチだった」では済まされ ない。

 9日発売のドイツの週刊誌シュピーグルが「経済成長率を0・5%下方修正する」と 伝えている。ドイツの不況も深刻。世界恐慌の兆し。

 大きく、中・長期的に見れば、アメリカの地球一極支配が崩れる一段階としての「世 界恐慌」……そう読むことも出来る。

 アメリカの好戦気分が、何となく分かる気がする。

 そんな時に「小泉」を選んでいるやるせなさ。嗚呼。

 そうそう9・11も気になる。

<何だか分からない今日の名文句>

徹底非戦


9月5日(木) 大治朋子記者のこと

 朝、押上まで歩いた。約3・5キロ。横十間川で釣り糸を垂らす人たちと雑談。ウィー クデーのこの辺りは、リタイア組ばかり。

 帰りは都営地下鉄にする。押上駅の地下階段は急なカーブで、ステップが極端に狭く なっているので、身障者には極めて危険だ。優しくない私鉄。

 午後、数々の不祥事にからむ情報が幾つか入る。が「字」にすべきものなし。

 「街角スケッチ」担当の編集者から、原稿の催促。締め切りが4日も過ぎている。申 し訳ない。約1時間半で書き上げる。も、手抜き原稿?

 柳橋たもとの「亀清楼」で、毎日OBの鳥越さんと現役の編集局幹部氏と会食。

 まず「毎日新聞3年連続新聞協会賞受賞」の話になって乾杯。

 我が社は編集部門で最多の19回受賞。朝日新聞をかなり引き離した。

 ことしは、大治朋子記者の「防衛庁による情報公開請求者リスト作成」のスクープ記 事に与えられた。マスメディア規制法の行方に影響を与えた本物のスクープである。ち なみに、ニュース部門で女性記者が受賞したのは初めてである。

 去年だったと思うが「サンデー毎日に凄い女性記者がいる」と聞いたことがあった。 その時、彼女は「バーニングプロダクションと政界の闇」を追及していた。J君(僕の 昔の部下)が「出来る奴ですよ」と話していたのを覚えていた。大治君、その後、社会 部に移ったが、直接、話す機会がなかった。

 「どんな記者なの?」と聞くと、編集局幹部氏は「実に面白い記者ですよ」。午前1 時ごろ、日常業務を片づけてから、今度は「個人的に興味のある事柄」の勉強を始める 。スマートな風貌とは、かけ離れた体力派。久々の大物出現。うれしいじゃないか。

 彼女が興味を持っている「ある事件」とは××××。本来なら、朝日新聞が追いかけ る(事実、追いかけていた)事件を全く違う角度で分析している。

 この××××問題が「防衛庁リスト」と特ダネに結びついた。

 「芸能界の闇」を追及した時に、彼女、組織暴力団△△組に脅かされた。みんなで、 スター記者を守らなくては……。

 浅草観音裏「ひまわり」でカラオケ。久しぶりに、鳥ちゃんの「赤いグラス」を聞く。 また腕が上がった。

 13年間続いた「ザ・スクープ」が今月で終わる。ご苦労様。鳥ちゃん、複雑な思い だろう。今度はテレビ朝日の「スーパー・モーニング」で月曜日から金曜日まで出演す る。二枚目だから専業主婦に人気が出るだろう。

 最後は編集局幹部氏の音頭で、店のお客さん全員で「あこがれのハワイ航路」「青い 山脈」を大合唱。歌い終わると12時を回っている。

 楽しい夜だった。

<何だか分からない今日の名文句>

雪崩も消える、花も咲く


9月4日(水) 恐怖の8500円

 4日の東京市場は歯止めがかからなかった。19年1ヶ月ぶりに日経平均9000円 を割り込んだ。

 8月26日の日記で「年金の危機」を書き、翌日「もし日経平均株価が8500円に なったら、大手銀行のバランスシートは厳しくなる」と「銀行国家管理の可能性」に言 及した。(よかったら、あの日記をもう一度、読んでくれ)

 この言及に反応は少なかったが「君の言う通りだ」と苦悩する経済人が何人か、電話 を掛けてきた。

 そして、約一週間後。株価はバブル後最安値を記録してしまった。福田官房長官は「 御身大事」で「株価は上がったり下がったりするんもんだ」などと開き直っている。

 いつものことだが、お上は嘘をついている。8月30日、4−6月期のGDP統計が 発表になったが、その中に恐るべきインチキが隠れている。1月−3月期の経済成長率 が年率5・7%のプラス成長から0・1%のマイナス成長に修正されたのだ。サミット に持参する数字を高めに設定した嘘?ではなかったのか。

 それにしても、あまりの酷い下方修正。市場がそっぽをむけるのも当然である。

 「恐怖の8500円」が近づいている。無いことを祈るが、指導者は明確に「850 0円」を認識しなければならない。

 再度の公的資金導入→国営化?

 ないことを祈りたいが……

 出社後、新橋方面で取材。新橋から有楽町まで歩いて、汗びっしょりになってから、 浅草橋で例のお勉強。少しおもしろくなった。

 夜、競馬サークルの親友2人と近くの「赤兎」で一杯。サンマの刺身、美味。

<何だか分からない今日の名文句>

恐慌知らず2代目、3代目


9月3日(火) 「読売」は新聞ではない

 「読売新聞社に自由はない」と聞いているが、やはり、噂は本当なのか。

 有田さんがホームページで、9月3日付けの読売には「長野県知事選」の関連記事が 全くない、と指摘している。本当なのか。

 実は「読売」にも大事な情報が詰まっているとは思うのだが、東京、朝日、日経、産 経に比べて、全体的に大味な紙面なので、普段は読まない。時間がないので読まない。

 だから読売が「長野県知事選の結果」を極力、抹殺しているとは知らなかった。

 「編集局長も渡辺恒雄さんのご機嫌を損すると、すぐ飛ばされる」と聞いたが、読売 は、ナベツネの独裁者紙面なのだろう。何か、恐ろしい感じがする。

 その読売が「マスコミ規制法」の修正案を出し、小泉さんが「これに沿って修正」な んておっしゃる。独裁者新聞と独裁者風権力者の猿芝居?

 俺なんて読売にいたら、何回、解雇されたか分からない。

 「ここだけの話」(3日夕刊)で「妙だ!ニッポン」を書いたら早速、読者の方から 「がんばれ!」というメッセージを何通もいただいた。「辞めるの農水相だ」と書くに は、それなりの覚悟が要ったが、読者の声が支えになる。

 社内に反対意見も当然、あるだろうが、この原稿で虐められるなんてことはまるでな い。

 当たり前の言論が当たり前に確保されている「毎日」に入社して、本当に良かった。

 夜、副編さんがお兄さんと一緒にやって来た。遅くなった「暑気払い」。

 お兄さんの苦労話、副編さんの奮闘。僕のドジ話で10時半まで。その間、電話で貴 重な情報一本。ただ「字」にするには時間がかかる。

 秋に競馬G1シリーズが近づいている。

 この秋から「名物・3連単」は中止して「2002年秋G1シリーズ・単勝選手権」 を開催する、と宣言、副編の了承を取る。

 9月29日のスプリンターズSを皮切りに12月22日の有馬記念まで、G1レース すべての勝ち馬を当ててもらう。

 的中馬券の配当金をトータルして「二代目魁・馬券王」を決める。

 近々、参加要領を発表する。

 キーちゃん、さすらいさん、Brian’s timeさん、おけら道人さん、元調 教師さん、府中に出没さん、万馬券造さん辺りが「馬券王」候補?

 意外にも「スティ命のおばちゃん」あたりも要注意か。

 ざっと30人ぐらいの参加が最低予想されるが、出来れば100人ぐらい集まらない と「選手権」らしくない。振るって、参加されたし。

 たまちゃんも、僕も、恥を忍んで、もちろん参加する。

<何だか分からない今日の名文句>

「敏腕」も耄碌すればただの××


9月2日(月) 「ここだけの話」を読んでくれ!

 朝、東京駅→柳橋を歩く。残暑厳しい。旭川で30度を越えている。

 朝のニュースは長野県知事選一色。「大人の喧嘩」のアホらしい第二幕。興味を持て と言われても……。

 「大人の喧嘩」は生産性ゼロ。長野県は時間を浪費し、公費を無駄にして、多くの人 が傷ついた。県議団のアホ、知事のアホ。

 喧嘩に懲りて「大人の修復」に努力されたし。

 午後、「おけら街道」を書いてから出社。

 三井物産、東京電力のトップ辞任の方向。当然だろう。古くは(ちょっと前だが「古 い事柄」のような気がするが)日本ハム、太古?では雪印。すべて辞任した。辞任すれ ば良い、という訳ではないが、けじめははっきりしなければならない。

 しかし、雪印に端を発した畜産不祥事に関しては、辞めるべきは農水相ではないのか 。辞めるべきは農水官僚ではないのか。

 今日、発売の週刊ポストが「プリマハムの犯罪」を書いているが、牛肉偽装は、これ だけではない。

 この偽装犯罪は、農水族と農水省が業者をそそのかし「儲けて結構」と検査を甘くし たから生まれたものだ。

 その背景を、何故か、新聞は書かない。そして「創業者が名誉会長に残るのはおかし い」と書く。書かされている、と言った方が良い。

 問題を日本ハムの人事にすり替えて、政官の「悪」を隠す輩。見逃して良いのか。

 1554億円の税金を投入して「偽装して結構」という顔を見せたのは、農水族と農 水省だ。

 「ここだけの話」(3日夕刊、一部4日の朝刊になる)で、この問題を書いた。是非 、読んで貰いたい。

 改革すべきは農水省。だが、彼らは、また、新たな「すり替え」を狙って暗躍してい る。

 改革の標的を他に転嫁する、お得意の世論操作。これは、近々、明らかになるから、 この時点で、論評するつもりだ。

 農水担当の記者さん、農水官僚の言いなりになっていると、生産者も、消費者も、め ちゃくちゃにされてしまう。

<何だか分からない今日の名文句>

農水の「意馬心猿」


9月1日(日) 北朝鮮の要求額?

   8月30日の金曜日は、あるいは歴史的な日になるかも知れない。

 韓国の夕刊紙「文化日報」の早版が「小泉首相、訪朝」を報じた。正午過ぎに早版は ソウル市内に配られ、インターネット版でも流された。

 多分、これが最初の「公の報道」だった、と思う。

 同紙の東京特派員に「消息筋」が耳打ちしたのが午前9時ごろで、その時点で「訪朝 」に気づいた日本のメディアはなかった(ように思う)。

 「情報筋」なるものが何者か。この辺に、訪朝の筋書きを解く鍵がありそうな気がす る。

 NHKが午後1時のニュースで「日朝会談」を流した時点で、掲示板に「訪朝に関す る書き込み」を“募集”する。

 午後4時ごろ、北畠某氏の書き込みが飛び込んだのを皮切りに、次々に貴重な意見が 寄せられる。水準の高い意見ばかりである。我が「二代目魁」は、さすがである。

 週末は「書き込み」も含めて「小泉訪朝」情報を点検して、素人ながら、背景を分析 してみる。

 政府が訪朝に踏み切った理由の一つには「ロシア外交」に隠されているよに思う。

 金正日体制は経済的に行き詰まっているが、政治体制としては「国内を空けても平穏 」を維持できる。実は、衛星の情報で、昨年は「クーデターがあったのでは」と想像で きる集団の移動があった。が、最近はそれもない。金政権は「外交の当事者能力」を持 っている、と見て良いのだろう。

 第2の理由は、アメリカは衛星で、拉致家族の居住地を確定できるようになった。そ して、大部分の拉致家族が生存していることを確認した、と思われる。

 知り合いの外務省官僚の一人は「北は法外な戦後補償を求めている。その見返りに拉 致家族を返す、と言われても、その生存を確認できなければテーブルにつく訳には行か ない。特に横田まゆみちゃんが生きて帰ってこなければ、国内世論は許さないだろう」 と漏らしていた。

 多分、拉致家族の消息がある程度、判明したのだろう。事実、日本のある筋は、アメ リカが北朝鮮を爆撃するとき、どうやって拉致家族を救出するか、研究している。

 そして、最大の理由は「ブッシュの露払い」である。

 「二代目魁」の2002年大予想の設問にあえて「年内にブッシュ米大統領は北朝鮮 は訪問する。YESか、NOか」と作った。「行くわけないじゃないか」と仲間に笑わ れたが……356人が「NO」と答え、44人が「YES」と答えている。外交はアッ と言う間に方向が変わる。

 ブッシュは「北爆」をちらつかせ、イラクに対する北朝鮮の武器輸出を止めさせたい 。そのための米朝協議を始めたいのだろう。その露払い?

 断片的な情報を僕なりに分析すると、こんなことになる。

 密かに流れているのだが、北朝鮮が戦争責任として求めている「けじめ」は2兆円ー ーだと言う。それが妥当な数字なのか。

 日曜日はゆっくり過ごす。新潟競馬7レース。愛馬リングレット、善戦。2着。1着 になったのは、ダントツ人気のマイネルアンブル。若草賞2着の若駒だから、負けて仕 方ない。休み明けで、このくらいなら、次走は期待できる。

 新潟のメイン、新潟2歳ステークスはワナが快勝。ワナは愛馬シルクコジーンが初戦 (阪神6月16日)で戦った相手。そのレースではワナが1着。コジーンは3着。その 時、4着だったマルロスが新潟2歳ステークスでは3着になっている。

 あのデビュー戦はレベルが高かったのだ。当然、我がコジーンにも夢が広がる。

<何だか分からない今日の名文句>

○○、豹変す