編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2004.5月
5月30日(日) 「今日の犠牲者○○人」
28日、イラク・マハムディヤで、フリージャーナリスト・橋田さん、小川さん襲撃。心配していたことが起こった。それにしても‥‥
小泉さんは「危険だから行くな! と言っていたのに」と言わんばかりのコメント。情けない。子供が池に溺れた、とでも思っているのか。
腹が立つ。
外交官襲撃、日本人人質事件と比べると、今回は何故か、衝撃度が薄い。麻痺している。マスコミもまるで他人事のような感じさえする。
出社すると、気のせいだが、何か編集局に熱気がないように思う。ヘンだ。このままでは、交通事故死のように「今日の犠牲者、イラクで
○○人」なんてことになる。
麻痺することが、怖いのだ。「この事件は大変なことなんだ!」と叫びたいような衝動に駆られる。もし、橋田さんのような、果敢なフ
リーの記者が居なければ、イラク報道は官製の報道ばかりになっていただろう。彼らが好き勝手にイラクに行くのではない。メディアが必
要とし、読者が、視聴者が必要としているから行く。もちろん、橋田さんも、小川さんも覚悟していたのだろう。
それでも「そこを見たい!」という衝動。「伝えたい」という衝動。歴史をデッサンする衝動。彼らは、それに忠実だったのだろう。こ
の記者魂! 頭が下がる。小川さんだって、安泰を願うのなら大NHKに居ただろう。その立場をかなぐり捨て、戦場に行った。その覚悟
に頭が下がる。
一体、俺は何をしているのだろう。何も出来ない。一日、落ち込む。だからと言って、いまさら戦場レポートが出来るほど、俺には知力
も、体力も、気力もない。ああ、情けない。
午後、たいとう診療所。今井クンに「何故、人間は便秘になるのか」という深遠な理由を聞く。今井クン「牧さんの場合は××が原因。
一リットルの水を飲めば出る」という。土曜日は野暮用と資料整理。少し、気分が落ちついた。日曜日は、もちろんダービー。もちろん府
中。毎年、スポニチで観戦記を頼まれていたが、ことしは注文がなかったので、ゆっくり観戦出来る。
3レース、愛馬フェザーレイ出走。8馬身離して大楽勝。バンザイ!バンザイ! これで、一口馬主として17勝。目標「60歳までに
20勝」は多分、無理。だが、フェザーレイがあと一勝。レースウィングが、この夏、1000万円下で、あと一勝。仕上がりが早い2歳
馬・ロックスピリットがこの夏、デビューして1勝‥‥と皮算用。そんなに上手く行くはずはないけど‥‥夢が膨らむ。イラクの悲惨なん
て、すっかり忘れる。俺って、勝手だ。
ダービーは、北の☆・コスモバルク、抜群調教のスズカマンボと心中した。吉永みちこさんが「マンボが来れば万馬券よ」と言うから、
締め切り寸前に「マンボのワイド流し」を買い足す。
その結果、コスモバルク8着。マンボ5着。レース後、払戻しに向かう、例の女性弁護士さんから「マンボの汗、見なかったの?」とバカ
にされる。悔しい。汗をかいても、強けりゃ来るんだ。
それでも、久ぶりに強い「変則2冠馬」誕生に、気分は爽快。馬券と気分は必ずしも関係ない。
今年は観戦記がなかったので、時間が出来て、親しい人たちをダービーに誘った。「隣のトトロ」さん組。TBSラジオのデレクター氏
と女性気象予報師、「ここだけの話」の担当デスク。皆、喜んでくれた。馬券は皆、外れたそうだが‥‥その中で、たまちゃんは6レース
で4万円馬券を取り「ご祝儀です」と言ってコーヒーを奢ってくれた。たまちゃん、本番のダービーでも、しこたま儲けたという噂。Jr.
が携帯で「掲示板のダービー3連単、的中者2人」と報告してきた。やった! 名人は居るんだ。「抽選で1人にダービーパネル」と告知し
ていたが、思い切って2人に送ることにする。ちょっと物入りだが、まあ良いか。
夜、東京競馬場の打ち上げを覗いて、その後、親友のスポーツ新聞代表ら、競馬仲間と調布の「れんこん」で一杯。イラクを忘れた貴重
な一日。
もうじき6月。梅雨が来る。
<何だか分からない今日の名文句>
競馬は平和のシンボル
5月27日(木) 軽井沢に勝ち組バルブ?
「関係がある」と言えば関係がある、「関係ない」と言えば関係ない、でも、ちょっと気になる大手「T不動産」の業績。時々、株価を
見たりする。その「T不動産」が売り出していた軽井沢の別荘地が完売した。CBC信越放送がニュースで報道したらしい。
軽井沢は1886年、カナダ生まれの宣教師が、この地に別荘を建ててから、江戸時代の宿場町から一気に変貌、国際的避暑地になった。
戦前、環境を守ろうとする「軽井沢避暑団」が結成されたことはあまり知られていないが、戦後にも、国に先駆けて「売春禁止法」を制定
するほど、環境を大事にする、誇り高い町だ。
それが、バブル景気の頃、次々にホテル、別荘が建ち、まるで、原宿のような賑やかな町に変わった。平成2年のホテル新築35、別荘
新築は538。まさにバブルである。
それが、バブル崩壊。別荘の新築は殆どなくなり、建物はあるが、所有者がいなくなるケースが増えていった。
それでも、昨年辺りから変わってきた。「T不動産」のプロジェクトは飛ぶように売れた、という訳ではないが、9ヶ月かけて4000
万円前後の全区画が完売した。「T不動産」は別の地域でも、同様な別荘地発売を始めている。地元の業者も健闘している。
これまで沈滞気味だった軽井沢の別荘地が動き出した。景気上昇の裏付け? この土地の上に5、6000万円の上物を建てる人が多い
らしく、旧軽井沢は新築ラッシュだ。
しかし、である。これは全員参加のバブルとは、まったく違う。ここ数年の「勝ち組」「負け組」の仕分けされた。それが一段落して
「勝ち組」が堂々と“資産の移動”を始めたということなのだろう。
今の景気、徹底したリストラ(首切り)で、生き延びた一部大手企業と、ハゲタカのような外資が支えている。犠牲者(負け組)の屍の
上に、辛うじて立っている景気。どうなることやら。日銀が安易に金利引き上げに踏み切ったら、犠牲者は更に増える。「勝ち組」だけが
涼しい夏、と言う事か。
拉致家族会イジメ。馬鹿馬鹿しくて、腹も立たない。あまりに感情的だ。家族会の方が一貫して冷静だ。(一部に不穏当な発言もあるが、
それは彼らの置かれた立場を考えれば、むしろ、無理もないことだ)。イジメの正体は2チャンネルか。我が長屋の掲示板には、紆余曲折
はあるが、あんな馬鹿げた奴らはやって来ない。幸せである。バランスが取れているから「言論」。バランスを無視できれば、誰でも、
言いたい放題で、存在意味が無くなる。
さて、今年も、経済行き先不安、歪んだ衆愚政治の中で、ダービーがやって来た。今年のG1はSS産駒を買わない、という持論で押し
通している。皐月賞は当たった。でも、心情馬券は、その時、2着に泣いた「地方の星」コスモバルク。父ザグレブ、母の父トーショウ
ボーイ。勝たせたい。北海道は「負け組」ではないぞ!
<何だか分からない今日の名文句>
バランス取るのが正論、
バランスを取らないのが大穴
5月26日(水) 小泉さんにも七光り
タレントの小泉Jr.は首相の七光りで、ドラマの主役を貰った、と聞いていたが、何のことはない、小泉さん自身“七光り組”だった。
例の「幽霊社員」騒動。参院本会議で、広野ただしさんがしつこく追及した。1970年4月から74年11月までの4年間、小泉さん
は何故か厚生年金に加盟していた。サラリーマン生活の経験がない、と言っていた小泉さんが何故?
書類上、彼は横浜市の不動産屋の社員だった。しかし、この時、小泉さんは大学を出たばかりで、福田赳夫さんの書生。勤務の実態はな
い。72年12月に衆院選に当選した後も、不動産屋の社員だったことになるが、彼が勤務していたところを目撃した人はいないらしい。
この時の月給20万円。70年ごろの20万円は現在の貨幣価値にすると多分、80万円ぐらいか。当時、僕が目一杯、夜勤をしても、
精々5万円ぐらいの収入だった。
誰が、大学を出たばかりの男に80万円も払うのか。しかも、勤務実態のない若造に80万円も払うのか。
年金未払い問題は、もうたいがいにしろ! と言っているが、この「幽霊社員問題」は、まったく別のことだ。
小泉さんは、大臣経験のある父親の七光りで80万円を貰っていた。福田赳夫の七光りで、80万円も手にしていた。自民党に対する七
光り献金ではないのか。
「○投げ首相」の原点がここにある。二世議員だけが、大臣になる元凶がここにある。これは、年金の問題ではない。哲学の問題だ。
終日、野暮用。貧乏人はただただ働く。健康に良いので、働く。良い天気が続くのが幸いか。
<何だか分からない今日の名文句>
「七光り」は自民党の社会保障
5月25日(火) 雑誌印刷部数が‥‥
某出版社の友人が別の用事で掛けてきた携帯電話で「雑誌の印刷部数を公表せよというのは、弱小出版社を整理することだ」と愚痴を言
う。
これまで、雑誌は「年間発売部数」を基本に雑誌社が自己申告していた。だから「公表部数」は当てにならない。3倍の水増し、なんて
普通だ。
サンデー毎日は部数考査機構日本ABC協会に加盟しているから、本当の部数(実売部数)が分ってしまう。が、このABCが発表して
いる雑誌は130誌ほど。後は「自己申告」。広告を取るために「3倍の水増し」なんて仕方がない。
そこで、日本雑誌協会は新しい「印刷部数」方式を考えた。
印刷部数は実売部数とは違う。「印刷部数=実売部数+返本部数」。だから「公表部数」よりは真実に近い。「それでも、弱小出版社に
はこたえる。スポンサーから印刷部数を公表しないと広告を出さない、と言われそうで」
広告代理店の力がまた増す。
勝ち組雑誌社と大手広告代理店が、広告の独り占めを狙った改革に打って出た、と友人は言う。例えば、権力が都合の悪いことを書く
雑誌を苛めるために、各種業界に「何故、印刷部数も発表しない雑誌に広告をだすのか?」と文句を言う、なんてことも在りえる。経営が
しっかりしないと「言論の自由」は保証されない。
そうなると、良質なホームページの力が期待されるようになるだろう。
終日、野暮用。夜、テレビでアテネ五輪バレーボール最終予選男子「日本×オーストラリア」戦を腹を立てながら見る。あまりに身勝手
な応援。オーストラリアに対する応援ゼロ。日本の当たり前のプレーに拍手喝さい。
幾らホームグランドだとは言え、あまりにマナーを逸している。
日本の選手がこれに甘えている。一点取ると、まるでヒーローのような顔をする。しかも、ニヤケ顔で‥‥信頼できるのは杉山マルコス
とかいう選手だけだ。もちろん、負ける。当たり前だ。
急に野暮用発生。、日記、ここまで。
<何だか分からない今日の名文句>
ニヤケたスポーツ国家主義
5月25日(火) ああ「運命」で飯を喰うなんて‥‥
「運命」とでも言えば良いのだろう。祖国・北朝鮮が「ならず者国家」で、お前たちの親は「ならず者」に拉致されてきた日本人だった
んだ、と聞かされる瞬間。それを想像すると、居たたまれなくなる。多分、平気な顔で聞くだろう。親が大事だから平然と聞くだろう。
だから、隠されたショックは大きく、重い。こんな小説みたいなことがあるのか。年ごろの子供には祖国に残した恋人もいるだろう。また
「運命」が引き裂く。
「運命」は時に悲惨で、時に‥‥せめて、テレビや新聞、雑誌は“騒ぎ”をやめて、距離感を置いてもいいじゃないか。とは、思うが、
そうとも言えない。覗きたい人がいれば、代わりに覗く、この商売で、今まで、飯を喰っていた。マスコミは他人の「不幸な運命」で飯を
食っている。
小説家はうらやましい。フィクションで飯が喰える奴は幸せだ。ああ、ノンフィクションで飯を喰うと、人相が悪くなる。何か、やるせ
ないなぁ。
小泉再訪朝後の世論調査。日朝首脳会談を「評価する」と答えた人は朝日新聞67%、毎日新聞62%、読売新聞63%。意外だった。
5人の家族の帰国をテレビの映像が代わる代わる映し出す。「とりあえず良かった」という素朴な思いが、支持率に反映しているのか。
「運命」が小泉さんの味方?
ある女性がテレビを見て「家族会は偉くなったのね。小泉さんが行かなければ、5人は帰ってこなかったのに。何で小泉さんを苛めるの」
と腹を立てていた。僕はそうは思わないが‥‥家族会メンバーに「他の内閣に頼むしかない」というようなことを言った人物もいて「政治
的過ぎる」と思った人もいたようだ。
横田さん一家の覚悟ある対応を見ていれば「家族会は生意気だ」なんて感想を持つはずがない。でも、一部の家族会メンバーにテレビ
慣れした評論家的な存在もいる。選挙に出る、という噂もある。噂だけでも、違和感を感じる人もいる。
家族会も「小泉批判」だけでは、事態を進めることが出来ないだろう。正念場になるのか。
朝から「ここだけの話」。「選挙のための外交」をからかってみた。
午後、出社。たまちゃんのダービー談義。彼は、キングカメハメハで鉄板だと言う。そうだろうか? スポニチ「おけら街道」では
「コスモバルクを応援したい」と書くつもり。カメハメハと直線、叩きあい、を見たい。が、そういう風に行かないのが競馬。また、荒れ
るかも。
<何だか分からない今日の名文句>
愛のため、愛を引き裂く
5月23日(日) 訪朝のキーワードは「時間」
外交の成果は歴史が評価する。小泉さんの訪朝に関して、僕はかなり否定的に捉えている。
24日朝、TBSラジオのザ・コラムでも「キーワードは時間だ」と話した。何故、この時期に訪朝するのか。水面下では、経済援助
欲しさに北朝鮮はかなり譲歩せざるを得ない状態になっていた。食料不足。去年の冷夏で、さらに深刻である。今から、準備して積み出し
ても、冬に間に合わないような事態だ。背に腹は変えられない。北朝鮮は追い詰められていた。見えない折衝では、押しているのは日本
だった。もう少し、我慢すれば広い意味の経済制裁法案も可決される。更なる圧力が形になる。
そんな環境でありながら、小泉さんは決断した。「推測だが」と断って、以前、日記に書いたが、福田前官房長官の謎の辞任。多分、
彼は「突然の訪朝」に反対したのだろう。何故、この「時間」に小泉さんは訪朝したのか。参院選を控え、年金法案が怪しくなり、ブッシュ
の大義が怪しくなり、自衛隊イラク派遣にも、方々から異論が出る。それなら、舞台を北朝鮮に一変させよう。と考えたのは飯島秘書官?
小泉さんは飯島さんを選んだ。そして、この「時間」を選んだ。
先週の毎日新聞「ここだけの話」で「待て!外交を内政に利するな、と言える人はいないのか」と書いたのは、小泉さん・飯島さんの
周辺で「NO!」と言える人がいなくなったのではないだろうか。
今回の訪朝の映像で、小泉さんの後ろにいたのは飯島秘書官である。飯島さんのルートで、訪朝が決まり、25万ドルの支援も決まった。
飯島さんは「25万ドルで最終調整」を報じた日テレに「同行取材をさせない!」と凄んだが「25万ドル」は、間違った報道ではなかっ
た。飯島さんは「25万ドルを引き換えに8人を取り戻す」と言われるのが嫌だったのだろう。
「時間」が足りないから、日本側の根回しが出来なかった。外務省の先遣隊はジェンキンスさんを説得することが出来ない。「日本には
行けない」。外務省は「総理が行けば、違う」と報告したのだろう。
全ては北のペース。会談は1時間半。午前11時2分に始まった会談は午後0時30分に終了した。記者団は「中断」と思ったが、暫く
して「中断ではなく終了」のアナウンス。あまりに「時間」が足りない。
小泉さんはジェンキンスさんに会えば‥‥と思ったのだろう。「強制送還しない」という念書まで書いた、という報道もある。もし、
そんな念書があったら、アメリカは何というだろう。
北のペースで「時間」ない。それが訪朝の中味だった。でも、これでも、小泉人気は揺ぎ無い。テレビの映像が、小泉さんの味方になる。
TBSラジオからオークスの府中へ。色々の人にあった。社台の吉田照哉さんに会う。「僕を批判して書いた、あのコラム、意味が分ら
ない」とクレーム。「社台は社会的責任を持つべきだ、と書いただけだ」と僕。「社会的責任は取っているつもりだ」と平行線。また
ゆっくり話すことにした。
「私、競馬好きのおばあちゃんです」と声を掛けてくれる人もあって、意外に賑やか。某証券会社の元社長さんが、手帖を取り出す。僕
の記事が貼り付けてある。感激。「名文だ」と言われると、恥ずかしいが、うれしい。
記者席で、東スポのナベちゃんが「ムードを買わなければ恥をかく」と言う。オークスは荒れるべきだ、と思っていた。サンデーサイレ
ンスばかりが勝つべきではない、と思っている。
少し人気になりすぎているが、ヤマニンアラバスタから行こう、と決めていた。馬券はアラバスタの一頭軸の3連複七点ボックス。これ
で行こうと思っていたが、尊敬するナベちゃんの「ダンスインザムードを外すと恥をかく」という言葉が気になった。馬券師は強い馬を毛
嫌いしてはいけないのだ。素直に「武のムード」を絡めるのが本道なのだろう。そこで、方針変更。アラバスタの一頭軸の7点ボックスか
ら、アラバスタとムードの2頭軸の3連複総流しに変えた。
ところが、である。アラバスタは出遅れ。最後の一追いで3着になって、バンザイ!したのだが、嗚呼、何と、大本命のムードが、何と、
何と、嗚呼、嗚呼、嗚呼、何と言うバカ。大バカ。もし、始めの狙い通りの馬券なら、35万円は儲けていたのに。涙、涙、涙。
夜、事情を知らぬナベちゃんから「おめでとうございます」と電話。嗚呼、何と答えればいいのだ。
この悔しさをダービーにぶつけるぞ!
<何だか分からない今日の名文句>
急いてはことを仕損じる
5月20日(木) オークスも荒れろ!
午前中、 小雨の浅草まで歩いて、午後「名馬と時代」を書く。その間、来客3件。
取引のある銀行の異変で、ちょっとお勉強。この異変で、住友信託はこれで三菱信託を抜き、信託分野でナンバー1になる。
福島みずほさんが近著「神は『憲法』に宿りたまう」(佐高信さんとの対談集)を送ってくれた。
正月、多分1月4日、それまで面識のない彼女から突然、年賀の電話?があり、知り合いになった。
と、言っても、その後、2回会っただけ。
聡明な人だ。ただ、抑揚がない、間のない話し振りで損をしている。公党のトップに失礼ではあるが
「ゆっくり話したら」とアドバイスした。
彼女の言わば「憲法大好き宣言」のような本。サラッと読んだが、中々読ませる。
でも、この対談集も、抑揚がないように思えてならない。この抑揚のなさが、社民党の弱さだ。
タイトルに訴えるものがない。知識をひけらかすような響きがある。政治活動は弱者と強者の戦い。
やり方はイロイロあるが、要するに政治活動は弱者のための革命だ。
失礼だが、福島さんは「安全地帯にいる弱者ぶった強者」のような感じがする。僕の勘違いなら良いのだが。
55年体制で、ある種、利権をしゃぶった社会党の残滓を引きずっている人たちがいる。
福島さんも、これに引きずり込まれたら‥‥自民、民主の見せ掛けの2大政党。オール与党の時代に
社民党には第3極になって貰いたいのだが‥‥
午後、野暮用をしている最中に宅急便で大量に中華饅頭が届く。「北大のスダホーク」と
勝手にニックネームを付けている元官僚氏が、突然、送ってくれた。
何故?突然?
中に手紙が入っていて「天皇賞で大穴をあけてので、お裾分け」とのこと。
単勝、複勝、馬連、三連複、全て当たった、との報告。自慢の中華まんである。
大荒れの天皇賞。でも、八戸の仲間も完全的中。JRAのO君は馬券が買えないので、残念だが
「間違いなくイングランディール」と予想して、周囲を驚かせた。結構、僕の周辺には馬券師がいるんだ。
スダホークさん、おめでとう。今度、大穴が開けたら、何か、送りますから、待ってて下さい。
さてオークス。オークスも荒れるべきだ、と思う。SS産駒ばかりが勝つのが許せない。
馬券は雨が降っても、晴れてもヤマニンアラベスタ。ダンスインザムードで鉄板ではないぞ。
理由@フラワーCで、ダンスインムードの0・2秒差の2着。この時、上がりタイムはムードが36・5、
アラベスタが36・1。この時は1800、オークスは2400。距離が延びれば逆転可能
理由A前走の桜花賞は1600。彼女には短すぎる。始めから投げての8馬身差9着。出遅れもあった。
理由B問題の体重減だが、少しは、戻ってきた感じ。435キロ以上なら勝負になる。
理由C穴男・江田の騎乗。忘れたころにやって来る。
理由D血統はグレインブリン系。父ゴールデンフェザントは古馬になって活躍。ジャパンカップ2400を勝つ。
母の父、タマモクロス。もちろん長距離血統だ。2歳時8戦で早熟型と勘違いしているが、晩成型のステイヤー。
理由E同馬主人気薄。これ、僕が作った格言‥‥と無理やり、理屈を付けてアラベスタで勝負!勝負!
まず、外れるとは思うけど。何しろ、中華まんのお返しがあるから。頼むぞ、江田さん。
なお、三連単はダービーで、やるつもり。
<何だか分からない今日の名文句>
競馬に絶対はない
5月19日(水) ヘアが命取り?
東京専売病院で大山ドクターの問診。便秘が激しいのでカマとかいう便を柔らかくする薬を貰う。
ああ、歳を取るものではない。身体中、欠陥だらけだ。週刊現代に「あなたの前立腺は大丈夫か」という特集が載っている。、立ち読み。
「前立腺肥大の予防に大豆、ゴマ、にんにく、ニラ、ヤマイモ、なめこ、モズクが良い」と書いてあると、急いで、ノートに書き留める。
ああ、歳は取るものではない。
それにしても、週刊現代のヘアヌードは大胆だ。よく「××教授、のぞき」なんて平気で批判記事が書けるものだ。センセイ、女高生の
パンツを見たのかどうか、分らないが、ヘアグラビアの方が、猥褻物ではないのか。
H先生、妙な気になったら本誌を見ろ!というようなもの。良くまあ、裸で商売しているのに、鬼の首を取ったように「手鏡パンチラ」
を書く。
このエロ本的なヘアグラビアが、何時か、権力のターゲットになる。そんな不安を感じないのか。週刊現代のスクープを高く評価する
からこそ、早く、エロ本から脱却して欲しいもの。ヘアグラビアで販売差し止め、だって在りえる。
出社して世間話。民主党の3役の顔ぶれに呆れている同僚が多い。昨日の日記で「岡田民主党さん、真面目だけでは駄目ですよ」と言う
意味の、少し刺激的なことを書いたが、この3役人事を見ると「冗談は顔だけにしてくれ!」という気になる。本気で、天下を取る気があ
るのか。これほど、陳腐な陣容はない。藤井さんが、テレビに出れば出るほど、支持者はいなくなる。ああ、このままでは、青木さんが言
うとおり、民主党の崩壊は時間の問題。そして、自民圧勝、そして小泉さんのヒットラー化。それでは困るのだ。断じて困るのだ。
日本テレビが「コメ25万トン支援で最終調整」と報じたのに、官邸は神経を尖らせ、日テレに「取材源を明らかにしないと、北朝鮮同
行取材を認めない」と開き直った。実は、この「数字」が焦点なのだ。何人戻ってきて、幾ら出す、という印象が持たれては困る。下手を
すると、コメ外交を内政に利する小泉政権の姿勢に一気に批判が出るかも知れない。
民放の中で、最も、小泉内閣に近いとされる日テレだが、これには我慢できず「訪朝同行拒否」の一件を明らかにした。毎日はこれを書
いた。官房長官は「報道統制するつもりはない」と言ったとか。それにしても「同行拒否」と開き直った、驕れる総理大臣秘書官だ。
夜、27年ぶりに、早稲田の同窓生I君と再会。全然、変わらないのに驚く。若い。
彼、相変わらずの皮肉屋さん。当方をコテンパンにする。でも、楽しい。
学生時代、一緒に東北旅行をしてカネがなくなり、やむなく××××をしたことを思い出した。反省しきり。一緒にダンス教室に通い、
二人ともまったくモテなかった。ロクに授業に出なかった。早稲田大学新聞学科は当時、一番の人気学科だったが、権力志向に薄い奴ばっ
かりで、クラス全員が出世に縁がなかった‥‥と、そんな話で11時まで。たまちゃん以下、競馬仲間も加わって、楽しい時間だった。
<何だか分からない今日の名文句>
驕れる権力、驕れる週刊誌
5月18日(火) 民主党の悲劇?
民主党が岡田クンを代表に選んだ。民主党は終わりだ、と言ったら失礼だが、この選択はかなり致命的だ。
なぜなら(何となく「クン」と言ったような良いと思うほど)岡田クンは嘘をつかない。嘘をつかない、ということは、それだけで
政治家として失格だ(と、思っている)。
政治家は上手に嘘をつくから、影響力を持ち得る。小泉さんは嘘の名人。「(イラクで)どこが非戦闘地域で、どこが戦闘地域か、
私に聞かれたって分るはずがない」なんて、平気で嘘をつく。嘘と見破る人が40%といても、この“はぐらかし”に騙されるアホが
60%いれば、何でも出来る、と小泉さんは信じている。多分、そうだろう。政治家は嘘がつけなければいけない。
嘘をつきながら「僕は嘘をついた事がない」と胸を張らなければならない。要するに“嘘の自覚”がないということが、政治家の要件だ。
だれも、政治家が嘘をつかないなんて思ってるはずがないから、バレてもともと、と看破する。
それなのに、民主党は「嘘をつかない党首」を選ぶ。鳩山さん、しかり、岡田さん、しかり。菅さんは上手くはないが、嘘をつくから
まだ良い。が、ともかく「嘘の言えない人」を選ぶ。これが、民主党が「高校の生徒会」レベルなのだ。生徒会レベルの革命しか出来ない。
竜馬を見ろ! 嘘つき竜馬を見ろ!
生徒会レベルが好きなインテリおばさんもいるにはいる。が、支持者としてパワーにならない。大体「嘘をつかない男性」が好きという
女性は、本人が嘘つきか、緊張感がない生活に慣れているのだろう。
嘘は時にセクシーだからこそ、爆発的な力になる。自分の相棒がセクシーで、たまには嘘をついてくれると、納得するのがオンナである。
ドキドキしなければ、男とオンナの緊張関係はない。
小沢さんも嘘というより、豪腕で行こうとする。いつも「小沢が、そう言うのだから本気だろう」と思わせる。それは、それで嘘なのだ
が、嘘に艶というか、セクシー度に欠ける。「高校の生徒会」レベルよりはマシだが、嘘の艶がないから、言うことに夢がない。民主党は、
今回も、嘘のつけない代表を選んだ。当分、苦戦するだろう。(因みに、新聞記者は、本当は嘘がつきたいのだが、常に「嘘を書いてバレ
たらどうする?」と自問し、結局、嘘をつかない。だから、面白くない人生になってしまう。嗚呼、情けない)
「おから街道」を書き上げてから、六本木ヒルズで取材。ついでに美脚のGパン? を買う。その後、JRA六本木事務所。それから
出社。どんよりとした一日。
たまちゃんと世間話。3連単が先行発売される夏の札幌。一緒に行こう、と約束する。相手がたまちゃんだから、緊張感がない。ああ、
情けない。
<何だか分からない今日の名文句>
嘘も100回言えば真実
5月17日(月) 深遠なり、年金の哲学
年金未納未加入騒動は、いい加減にして欲しい。今度は小沢さん。代表を引き受けたり、辞退したりする真意は、もちろん分らないが、
年金未加入で小泉辞任に追い込む「刺し違い作戦」なら、政治の本道ではない。
厚生年金天引きのサラリーマン以外は、思い違いで、未納の時期があって不思議ではないのだから、こんな「過失」で、お互いに傷つけ
あって、どうするのか。どんな政治をするのか、分らない奴らが、スキャンダル探しで、ごまかしている。マスコミも能がない。早い話、
フリーの物書きが「××は未納」と書いているが、本人が未納というケースなんて、どこにも転がっている。
では、何故、こんな混乱が起こるのか。整理しなければなるまい。
その原因は「年金の哲学」にある。年金は「自分だけのためではなく、日本人全員が助け合う制度」と理解するか、ハタマタ「今のうち
に保険を掛けておけば、老後が保障される制度」と自分本位に理解するか。その「年金の哲学」が曖昧になっている。
17日付けの毎日夕刊で千葉大学の広井良典教授(社会保障論)が分りやすく、説明しているのだが、日本はその哲学が崩壊している。
年金制度は元々、2つの哲学に分けることが出来る。@社会保険タイプ(払った保険料の見返りに年金を貰う=報酬比例年金)A基礎
年金タイプ(すべての高齢者に一定の所得を保証する=所得再配分型年金)。つまり、この二つの年金は「哲学」として、まったく違う
性格のものだ。
日本は、この2つの年金を組み合わせている。当初は、ドイツが採用していた@の「保険・貯蓄型」、それが1986年からは、ガラッ
と変わる。イギリス型のAを考えた「共通の1階部分を基礎年金にする」方式に変えた。つまり厚生年金の1階部分が国民年金。つまり@
とAの折衷である。
相容れない哲学を折衷案で、さらに分りづらいものにした。(政治家のうっかりは1986年に起こっているケースが多い。基礎年金
部分、つまり所得再配分をすっかり忘れ、幾ら払えば、幾らもらえる、ということだけを政治家は考え、貰い分が大きい、貯蓄型の議員
年金を払えば良い、と勘違いした。「年金の哲学」を理解しなかった)
国民は「年金は、どうしたら得か」、それだけを考えている。「所得再配分」を忘れている。
広井先生も、指摘しているが、年金は税(=所得再配分)で済まそう。@の保険型は、それそれが高い保険料を払って高い年金を貰う
「民間年金」に任せば良い。
金持ちに、高い年金を払うことは、国家がやることはない。政治家がすべきことは「年金の哲学」の整理で、未納議員を探し出す努力
ではない。
「ここだけの話」は、それと、若干、関係するテーマで書き上げ、午後から上野方面で取材。佐竹商店街の入口で「自家焙煎珈琲豆
専門店・ベースキャプテン」を発見した。生豆から煎るので15分掛かる。この間「本日のコーヒー」をサービスしてくれる。タダで
喫茶店にいる気分。素敵な店だった。(モカマタリ200g800円)
<何だか分からない今日の名文句>
スキャンダルで儲かるためしはない
5月16日(日) 新東京タワー
14日は池袋のホテルメトロポリタンで「毎日メトロポリタンアカデミー」の講演。社業の一つ。このホテルの関連企業が集まって、
勉強をする。毎日の読者もチラホラ。
「表現の自由・ここだけの話」と題して「皇太子の苦悩」などを話す。象徴天皇に「表現の自由」はあるのか。そんなテーマ。真剣に
聞いてくれて、感激する。
土日は野暮用。ことしも三社祭を見ることが出来なかった。
自転車で台東区内をくまなく走り回る、例の区議に出会ったら「日出新聞が出ました」とプレゼントされた。「日出新聞」は上野、浅草
の地域新聞。昭和25年に第三種郵便物認可を受けているから老舗である。今度の第1470号は当然、浅草の最大のニュース「浅草花や
しき再生問題」がトップ。地元のバンダイグループが全面支援することになった。
2番手の方が、僕には興味がある。「新東京タワー建設構想」。2009年を目途に、隅田公園北詰か、産業貿易センターか、どちらか
に「新東京タワー」を誘致しようという計画だ。浅草、上野にいまや観光の目玉がない。下町チャンピオンとは言いかねる。六本木に国立
図書館が出来て、文化ゾーン上野もうかうかしてはいられない。
そこで新東京タワーの計画が飛び出した。4月28日夜、初めての会合が行われたらしい。
「さいたま新都心づくり」に携わった大学教授が講演したようだが、その「さいたま新都心」も「新東京タワー」に名乗りを上げている。
神田にも、こうした誘致運動があるから、ことしの終わりごろから、大乱戦。
小泉さん、やはり訪朝する。6月に入ってから、と聞いていたが、急に早まったのは、年金未加入疑惑が出たから、舞台を替える意味で、
急遽5月22日になった。
首相再訪朝という最後のカードを切る。小泉さん、少し焦っている。
<何だか分からない今日の名文句>
外交を内政に利する
5月13日(木) あの顔、この顔、みんな未納
またまた太った。夜の会食の後、仕事場に戻って寝る前にビールを飲む。これが、いけない。ジワジワと太る。見苦しい。が、それより糖尿が怖い。朝、2時間掛けて
人形町甘酒横丁まで歩く。
行き返りで約3.5キロ。この界隈、ビルの新築が結構、多い。東京だけは、景気回復なのか。
東京の地価も、下げ止まりしているようだが、デフレが続く中で、東京の土地は次々に外資のものになって行った。どのくらい、外資のものになったか分らない。が、
例えば、ゴルフ場。バブル崩壊以前は国内資本だけだったが、ゴルフ場業界の1、2位はついに外資になった。1位のゴールドマン・サックス・グループは110ヶ所の
ゴルフ場を配下に押さえている。ゴルフ場産業はハゲタカの草狩り場。国土の何パーセントは外資のものになった。
東京の土地の何パーセントかは、確実に外資のものになっているハズ。領土の面でも、日本は「独立国」ではなくなっている。
だから、景気回復と言っても、金利を上げるまでには行かないだろう。内閣府の試算では、金融機関の貸し出し金利が1%アップすれば、約1万9000社の経常利益が
4兆円減るという。
午後、TBSラジオで野暮用。「キャスターが軒並み、年金を未納している」と言った噂話。もう良い。まるで魔女狩り。年金を払っていない人に発言権なし、と言った
風潮が怖い。
この騒動のプラス面を考えなければなるまい。年金一元化はまだ先のこと。でも、恵まれすぎている議員年金を廃止することは出来る。これが、騒動のプラス面?
国民年金は40年払って年間79万円の支給。議員年金は10年払って410万円強。中曽根さんは741万円だ。まずは議員年金の廃止!
日本記者クラブで上智大学の猪口教授が講演をするというので駆けつけたが、遅れて聴くことが出来なかった。出席者の一人が言う。「猪口さんは、日本は国連安保委の
常任理事国になるべきだが、別に憲法改正して軍備を持ってから、と考えることはない。平和主義の日本として常任理事国になるメリットがある」と話したという。「彼女、
成長した」というのが、出席者の概ねの感想。
夜、内幸町から銀座2丁目まで歩く。減量!減量! 日航ホテルの筋向いの古びたビルから出てきた男性が「牧さんではありませんか?」と声を掛けてくれた。よく見ると、
フリーライターのOさん。経済もので活躍している売れっ子ライターである。「ここに居るんですか?」と聞けば「エレベーターもない5階建て。倉庫を4万円で借りて
仕事場にしている」という。かつて歌手・水原浩が持っていたビル。銀座の一等地で4万円の貸し事務所。安い。が、汚い。「苦しいから」と笑ったが、彼のような売れっ子
でも、物書きは経済的に苦戦する。
別れてから「年金はどうしているの?」聞けばよかった、と後悔する。もちろん、国民年金だろうが、どうしているんだろう。もしかして未納?
サラリーマンの僕は給料天引きの厚生年金だが、フリーは大変だろう。億万長者のテレビ人間が未納するのとは大分、違う。ちょっと複雑。
<何だか分からない今日の名文句>
三文文士と億万キャスター
5月12日(水) どうでも良いや
古賀純一郎さんが学歴詐称で騒がれたとき「どうでも良いや」と思った。そう書いたら、真面目な方から怒られた。まあ、犯意があった
のだから、法的に処理する必要はある。でも、一流のジャーナリストが何度も何度も「姑息な男」を批判しても意味はない。二流の僕でも、
そのくらいのことは分かる。賢明な人には「どうでも良い話」だ。
政治家の年金未納騒ぎも、もはやどうでも良い話だ。今度は公明党、今度は総理経験者。今度は横浜市長。金持ちのうっかりミス。議員
年金で、しっかり年金を貰えるので、国民年金を忘れた。まあ「過失」の範疇。(議員年金は10年払えば年間412万円もらえる。
中曽根さんは741万円貰っている。恵まれすぎている。こっちの方が問題だが、彼らは、それを問題にせず「過失で陳謝」でごまかす)
早く「うっかり」を公表するのが得策と、皆で渡れば怖くない、である。
ほっとけほっとけ。どうせ、このくらいのことで、首を据え替えられる小物。この姑息な男がリーダーになっている。どうでも良いや。
小沢さん、例によって「無条件就任」をカードにした。「菅さんの残り任期の暫定は駄目だ」と開き直っている。もしかして「年金未納
が発覚しても辞任させない」という約束まで、させるつもりかしら。(大笑い。冗談、冗談)
それにしての横なんとかという人物、小沢さんに擦り寄って「代表になってくれ」。安全保障で、本来なら水と油だと思うのだが、御身
大事で「護憲」を捨てる。まあ、これも、どうでも良いや。
再三、言う。出来の悪い議員連中の「年金未納」など、何ら報道に値しない。
今、日本に期待されているのは、ブッシュの暴走に歯止めを掛けること。「独立国・日本」の役割を考える時ではないか。
終日、野暮用。仕事場の小さな庭、アジサイが色づく。
<何だか分からない今日の名文句>
今からでも、遅くない
5月11日(火) 「衆参ダブル選挙」を睨む
同日選を考えている人がいるようだ。例えば、参院北海道選挙区に出馬表明した鈴木宗男さん。参院出馬が決まるまで、最後の最後まで
「同日選挙はないか?」と情報収集していた。
政局は民主党のドタバタ劇一色だが、考えてみれば、小泉が出来うる「同日選挙」はこの夏しかない。改憲選挙で大勝するチャンスは
またとない、ということにもなる。
去年の衆院選から、まだ半年も経っていないから、そんなバカな、と思いがちだが、ホンのわずかでも、ダブル選挙の可能性は残ってい
る。
福田辞任、菅辞任が「ダブル選挙」の可能性を大きくしたか、小さくしたか、それをどう分析するか。プロの政治家が、必死で考えると
ころ。もし、北朝鮮の拉致事件が劇的な解決を見たら、どうなるのか‥‥屋台骨がガタガタになった民主党の若手は、情報収集が苦手だか
ら、というより勘が悪いから心配だ。
世界6月号が「公明党・創価学会を問う」という特集を組んでいる。サマワを視察して「人道支援は必要」と小泉さんの「露払い」を
勤めた神崎公明党。「平和の党」の看板はどうしたのか、というような狙いらしい。
元公明党書記長の矢野潤也さんが「全ては小選挙区制にある」と看破している。「小選挙区制になって政策本位の二大政党になる」と言
ったのは真っ赤な嘘。現実には公明党が付いたところが政権を取る。自民党は天下を謳歌しているように見えるが、公明党が居なくなった
ら、単なる比較第一党。小選挙区制は小党・公明党に不利のように思えるが、それが、真っ赤な嘘で、組織票を持つ公明党が、選挙区ごと
に生殺与奪の力を持つ。
選挙の度に「公明党の一人勝ち」が続く。
午前中「たいとう診療所」。昼、原稿。夜、関西から来た友人が「倉庫に残された、大量なフィルムの中にお宝があった」と持ってきて
くれた。感謝、感謝。
西新橋の家庭料理「H」で夕食。初めてのお店だが、鰺とたまねぎの和えが絶品。血をサラサラにする。女将さんが毎日ファンで、僕の
コラムを読んでいる、と聞き、これもまた感激。
マスコミの仕掛け人Kさんを紹介される。ロマスグレーの紳士。「あれはKさんの仕業か」ということが幾つもあって、驚き。3人で
飲んでいるところへ、仲間の一人が遅れてくる。自民党亀井派のパーティに顔を出したので遅れたとのこと。中曽根さんの講演に3000
人、夜からのパーティに5000人。盛会だったらしい。詳しく、挨拶の内容を聞く。亀井さんの盟友・慎太郎さんが見えなかったという。
気になる。
たまたま、この店に居合わせた某大学の副学長さんと合流。初対面の当方を相手に、率直な新聞批判を述べられ、これも感激。当方も、
取って置きの話で応える。
30℃を超え、一日中、暑い日だった。
<何だか分からない今日の名文句>
一寸先は落選
5月10日(月) 小泉VS福田に何が‥‥
菅さんのだらしのない辞任。民主党のドタバタ。自民党にすり寄った三党合意を渋々、「分裂回避」のために了承した。が、後任は、
なり手がないだろう。小沢さんは、参院選の敗北を読んで、新しい執行部に入らないかも知れない。
今、小沢さんが関心を持っているのは“身内のこと”ではない。自民党の隠された「新たな対立」に関心がある。
なぜ、福田さんは辞任したのか? それを必死で分析している。
福田さんは、週刊文春で、新たな「年金未納」が暴露された。それで、仕方なく辞任を決意した、という説もまんざら嘘ではないだろう。
しかし、それだけで辞任するだろうか。NO!である。このくらいの事、一週間も経てば皆忘れてしまう。
苦悩する菅さんに「三党合意」という助け舟を出したフリをして、その直後に、自らの突然の辞任で、一気に民主党に混乱を招いた、
という解説。まったく嘘とは言えないが、それも多分、後講釈。このくらいのことで、権力を捨てる福田さんではない。
小沢さんは、まったく別のことを考えているだろう。
これからは、僕の推論。突然の辞任の原因。それは小泉・福田の確執である。福田さんに言わせれば、小泉さんは全て丸投げ。本人は
思いつき発言で点数を上げるだけの総理大臣である。福田さんは苦労に苦労を重ねてきた。
それでも、福田さんは官僚の人事を一手に握り、官僚たちからは「福田内閣」と言われる。まんざらではなかった。
ところが、年金で汗をかいている間に、福田さんの支配下にある外務省に異変が起こった。小泉さんの盟友・山拓。「俺を男にしてくれ」
と頼まれたかどうか、定かではないが「首相の名代」として動き出した。外務官僚の動きが微妙になった。「田中審議官→福田→小泉」の
ルートに、何か、別のものが入り込んだ。そして、突然、「山崎出迎え構想」。これにも福田さんは不快感を持った筈だが、これがいつの
間にか「小泉出向かい訪朝」。それには、堪忍袋の‥‥何とやら。福田VS小泉は戦争状態になった。「外交のイロハもしらない」と言った
が、小泉さんは舞い上がっている。そこで、辞任。
福田辞任でコメントを求めれれた小泉さんの狼狽ぶり。後任の官房長官の人事。人事の小泉なら、もっと上手に大物を据えるところだが、
それも出来なかった‥‥まさか、福田が辞任するとは、思ってはいなかった。
ここまでは、僕の推測だが、小沢さんは、もっと明確に「小泉VS福田→小泉政権の綻び」を分析している。
そこで、小沢さんは‥‥どう動くか。当面、北朝鮮に誰が行くのか。山崎なのか、小泉なのか、はたまた、福田なのか。小沢さんは、
見極めている。
終日、野暮用。「ここだけの話」は、あえて「天皇制」に触れてみた。皇太子も記者会見で、ギリギリの表現で何かを訴えている。ぜひ
とも、「ここだけの話・第1章は『天皇』」(毎日新聞12日夕刊)を読んでくれ。
<何だか分からない今日の名文句>
男は黙って天下取り
5月9日(日) 弁解の“押し売り”
「是非、あなたの番組に出たい」と自分から言い出し、どの番組でも、まったく同じ弁明の繰り返し。菅さん、あまりにも勝手
じゃありませんか。スポンサー料をいただいても、放送したくない弁解ショー。見れば見るほど‥‥ああ、情けない。お前さん、
男だろう。
テレビで捕まえた支持者だから「離れていった民主ファン」をテレビで呼び戻そうと思うのだろうが、あまりに姑息だ。理屈で
“本性”を隠すなんて出来ない、出来ない。日本人はそれほどバカじゃない。
菅さんの年金未納が発覚した時、たまちゃんと「即辞任!」を話したが、あの時点で辞めていたら、小泉政権は窮地に陥ったはず
だった。ことの善悪ではない。全てはタイミング。菅さんには政治家の見識も、カンも、基礎体力がないのだろう。
「加藤の乱」の大失敗を見る思い。ああ、自己愛だけの政治家には愛想が尽きた。
再三、この日記で書いているが「年金の未払い問題」なんて小さな問題だ。問題は同盟国アメリカの非民主的侵略戦争を許して、
金魚のウンチのように、アメリカの後を付いていく日本国をまともな「独立国」にするかどうか、である。
年金未払いなんて、せいぜい「思い違い」「過失」「軽犯罪違反」だ。ネオコンが推し進める侵略戦争で、多くのイラク人が死に、
アメリカ人も犠牲になっている。「世紀の大罪」を見逃して、何が「民主の政治家」だ。腹が立つ。
週末は野暮用。愛馬・フェザーレイが9日の東京4R未勝利戦に出るので、寸暇を惜しんで、応援に行ったが、4角で先頭に立った
のが災いして3着。ゴールの前で、抜き返すも、間に合わなかった。次回は、直線一機を見せるだろう。
<何だか分からない今日の名文句>
男は黙ってサッポロビール
(ドラマを見ないと分らないけど)
5月6日(木)「『非国民』手帖」
久しぶりに出社。「三菱ふそう」のトレーラータイヤ脱落事件で強制捜査。編集局は忙しそう。ちょっと気になっていたのは、高松の
右翼団体のメンバー4人が、4日、日韓双方が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)に上陸を目指した、というニース。まだ日本では
報道されていないように思う。韓国の新聞では大騒ぎになっているのに。社会部のNデスクを探して、このあたりのことを聞いてみよう
としたが、見つからない。
夕方、電話で連絡が取れ、夕刊4版社会面に「高松の右翼団体 竹島上陸目指す 説得され断念」とベタで入っていたことが分った。
連休、新聞休刊日が重なって、ニュースが遅れてしまっていたのだろう。が、ベタというのは小さ過ぎるような気もするが‥‥掲示板の
常連が韓国の報道ぶりを投稿しているから、参考にしたら良い。韓国が「日本の軍国化」? に神経を尖らせている感じがするのだが。
休刊した「噂の真相」の硬派のページ「撃」が「『非国民』手帖」という単行本になった。連載中、時々、読んでは「結構、激しく書
いているな」と思っていた。「噂の真相」の理論的バックボーンになっていたコラム。まあ「噂真社説」とでも言えば良いのだろう。
評論家の宮崎哲弥さん(面識がない)が解説の中で「国家に抗する社会を作るための教科書である」と激賞している。「権力者たちは
不詳に脅えることもなく、高枕で熟睡している。良民たちはセキュリティ・ブランケットにしがみつき、惰眠を貪っている。権力は睡魔に
似ている。メディアは子守唄に似ている」と宮崎さんは日本の現状をこう書いている。同感だ。彼は「これに引き換え『撃』は違う」と
言いたいんだろう。「撃」を高く高く評価している。
でも、正直なところ、それは褒めすぎ。ペンネームなら、このくらいのことは書くだろう。影響力を考えず、言いたい放題に徹すれば、
このくらいのことは書けるだろう。出来るだけ、わかりにくい表現を駆使して、まるで詩のように、踊るような調子で「左翼」を書けたら、
さぞ面白いだろう。でも、僕の流儀には合わない。
権力者の子守唄になっているメディアだが、実名の記者が権力の中に入り込んで、味方のような顔をして、突如、権力を瀬戸際に追い込む
芸当を見せるのは、並大抵なことではない。でも、良質な新聞記者は それをやっている。
「撃」と新聞は違う。これは、情報発信の役割分担のようなもので「威勢がいいから善」という訳でもない。「ちょっと褒めすぎ」と
思ったので、異論を述べたが、この「『非国民』手帖」は確かに面白い。
スポニチの前社長・森浩一先輩から「交通ペン」という小雑誌が送られてきた。「カシオペア‥‥夢にしみる旅の幸福」と題して、
森さん、特別寄稿している。読んでみると、同誌の堤哲編集長が、僕のホームページの日記を読んで、森さんがカシオペアに乗ったことを
知り、原稿を頼んだらしい。森さんの原稿には僕の日記も引用されている。うれしい。
この「交通ペン」という雑誌、初めて読んだが、洒落た雑誌だ。この号には、元国鉄職員局長・川野政史さん(鹿児島県には「川野」姓
が多いのか)が「二階堂進先生の思い出 九州新幹線は、なぜ終点から着工したのか」という一文を寄せている。これが面白い。昭和62年
ごろ、川野さんは自民党副総裁の二階堂さんから「駅もトンネルも鹿児島から創る」と言われた。九州新幹線は博多から延ばす、と思うの
が常識だが‥‥「終点から着工する」というアイデアは二階堂さんだった。いかにも「趣味は田中角栄」と言った党人派の気概が覗く。
少雑誌「交通ペン」は特ダネ満載だった。
夜、テレビ東京開局40周年記念ドラマ「赤い月」を終わりまで見る。5日夜の前編は見られなかったが、時間が出来た。なかにし礼の
お母さんがモデル。激動の満州を生き抜いた森田波子。夫以外の2人の男性との愛のドラマは壮絶だった。
「戦争が悪い」と波子の娘にそう言わせるところで終わるが、これは愛のドラマ。戦争ものでは断じてない。官能的な愛のドラマに
ちょっと涙ぐむ。
<何だか分からない今日の名文句>
密告は愛ゆえ
(ドラマを見ないと分らないけど)
5月5日(水) サマワの商店街で爆発?
天皇賞の大番狂わせに唖然としたゴールンウイーク前半。(逃げ残りのケースならシルクフェイマスが軸、追い込み馬なら
ファストタテヤマが軸、と馬券を買って大損)。雨に祟られたゴールデンウイーク後半。ちょっとツイていない。5日は資料の
整理に費やした。
月刊「民放」(5月号)の特集「イラク自衛隊派遣 取材と報道」は、歴史的文献になるだろう。新聞協会・民放連 イラク
取材問題小委員会副委員長・渡辺與一郎さん(テレビ朝日報道局次長)が、イラク現地の自衛隊取材ルールの策定について、その
経過を詳しく記録している。(『“軍隊”“派兵”“報道管制”〜その道を進まないように』)
渡辺さんはメディア側の責任者として、防衛庁と折衝した。「報道管制」が、どのように行われ、メディアはどう対応したのか、
かなり詳しく書いている。
幾つも、問題はあったが、一番議論になったのは現地の取材方法。@宿営地へ記者が“通い”で取材を行うA宿営地に宿泊して
取材を行うーーという2つの方式を防衛庁が提示し、議論になった。
@なら、かなり自由な取材が可能だが、安全に関しては疑問が残る。Aなら安全は確保されるが、物理的な制約から数は制限される。
もちろん「報道管制」との関わりで、報道の自由は制限される。そこが問題だ。もちろん政府は「少ないメディア」を統制したい。
一応「現地における取材申し合わせ」なるものが出来るのだが‥‥必読。公式な文書が付いているので、研究者向けでもある。記録と
して保存する価値がある特集だと思う。
そうこうしているうちに、日本人人質事件が起こり、外務省は日本の報道各社に国外退避を勧告する。それぞれ、メディアごとに
判断するが、これも面白い。もっとも、イラクに「非戦闘地域」なんてもはや存在しないのだが。
イラク人虐待事件で、問題のアブグレブ刑務所前で反米1000人デモ。フランスのテレビがアメリカ軍のヘリが無抵抗のイラク人
3人を機関銃で殺害する映像を放映した。
そして、サマうの商店街で爆発があった。イラク情勢は刻々と動く。
北朝鮮拉致事件。この日記で以前、水面下でかなり進んでいる、と書いたが、予想された通り「山崎拓特使、出迎え」のシナリオが詰め
に入っている。参院選に間に合うように‥‥。
「イラクを隠して、北朝鮮で圧勝」を狙っているのだろうが‥‥。GW明けは波乱含み。
<何だか分からない今日の名文句>
イラク隠して 尻隠さず