編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2005.6月

6月29日(水) 曽野綾子さん、ご苦労さま

 朝から時々、雨。調布の親友が送ってくれた穴子を食べながら「競馬ロマン大学」を書く。 「一度だけ、大相撲はナイター興行をした」という話を書く。ナイター興行は貴乃花の “革命”の一つらしいが、それには触れなかった。何しろ競馬のコラムだから。

 昼、ビル管理会社の若者、来訪。野暮用はサッサと片付けて世間話。奴と話すと、 いつもストレス解消になる。ムシキングが子供たちの間でフィーバーしているという話。 ゲラゲラ笑いながら、休憩、小一時間。終わって「青い空 白い雲」に取り掛かる。

 午後4時、日本財団で、曽野綾子会長、勇退の記者懇談会。たまちゃんと一緒に行く。 懇談会が終わって、8階でパーティ。会場をホテルに、という意見もあったが、 思い出の本拠地で、と曽野さんが言うので、節約になったらしい。

 「一年ぐらいの雇われママが10年になった」と挨拶する彼女。後継の笹川陽平さんは 「曽野さんは、おっかない人で、この10年、我々はクラブにも、バーにも行けなかった」 と笑わせた。

 参加者はそうそうたるもの。政治家が何人いるのかしら。我が社からは、斉藤会長が列席。 渡辺恒雄さんも。

 途中で退場して、たまちゃんと約束通り、大井競馬場へ急行。日本財団のパーティで会った 論説委員さんも同行する。

 帝王賞。南関東の天皇賞のようなものだ。競馬ものを書いている手前、年に1,2度は 地方の大レースを見ておかなければならないが‥‥このところ、ご無沙汰だった。

 競馬サークルのお歴々。色々な人に会う。中には、僕のファンという人も現れて、 文庫本「競馬遊侠伝」を持ってきて「サインして欲しい」と言われた。ドギマギする。 こんなこと、あまり経験がない。第一、この本、まだ売っていたのかしら。

 競馬ジャナリズムの先達、石川先輩からお小言を貰う。この日の「おけら街道」(スポニチ)で、 宝塚記念でのコスモバルクの戦いぶりに付いて、こう書いた。

 「好スタートのシルクフェーマスのラップは2F11秒1、3F11秒2。明らかに早すぎる。 それを千葉騎手は無理やり追いかけ、2コーナーで先頭に立った。

 3コーナーでタップダンスシテーに並ばれたらズルズル後退。その抜いたタップも直線半ばで 失速する。

 正直なことを言わせてもらう。千葉には『中央の晴舞台』はあまりにも荷が重かった」

 石川先輩は「千葉がこれを読んだらどう思うか。幾ら正論でも、書きすぎではないか」と言われる。

 そうだろうか。競馬ジャーナリズムは調教師、騎手に甘すぎるのではないか、とさえ思うこともある。

 若干の議論。当方が「考えます」で議論は終わったが、ファンはカネを掛けて参加しているのだから、 ファンを代弁する辛口記者が一人ぐらいいてもいいだろう、という思い。

 それで馬券の戦果は4連敗。3人ともオケラ。帰りにJR浅草橋近くの寿司屋で残念会。

<何だか分からない今日の名文句>

プロはプロらしく 記者は記者らしく

6月28日(火) 猛暑

 朝「おけら街道」を書き上げてから、東村山に知人の見舞い。 JR新宿駅で降りてから、西武新宿駅に乗り換えるのがしんどい。額に汗が出る。 汗が眼に入る。どうしたのか、と思ったら、すでに30度を越えていた。午後には36度。 東村山は37度だったらしい。猛暑。

 帰りは新宿を避け、高田馬場駅で西武からJRに乗り換える。 駅の階段の上がり下がりは良いリハビリになったが、ちょっと疲れた。

日記も早々に午後8時、就寝。

6月27日(月) 株がおかしい?

 朝、京都御所を散策してから、またベットに入り、11時まで寝る。一ヶ所用事を済まし、 京都駅で散髪してから帰京。途中、タクシーを拾ったが、一万円でつり銭がない。運転手さん 「つり銭がないのは、こちらの不注意。あるだけで良い」という。3500円払うところが1453円。 「これでは気の毒だ」と言うと「今度来たら、いつも××にいるから。その時で良い」という。京都人には珍しい気風?

 夜、仕事場で資料整理。「エコノミスト」の「東京市場 株に危険信号!」を熟読する。株主総会が済むと、 株価は下がるものだが、ことしの夏は?

 「楽天」などネット企業の動向は確かに不安。

 「キレ珠」のゲラのチェックを終えてから暴睡。

<何だか分からない今日の名文句>

株も、寝るより楽はない

6月26日(日) やっと「官」の談合屋が捕まる?

 24日(金曜)東京駅で、恩人でもある療法士の伊藤さんにバッタリ会った。約1年ぶりの再会。うれしかった。何故、一年も会えなかった隠れた理由? を「キメ珠」で 書こうかな。

 25日(土曜)ホテルオークラ平安の間で、みのもんたの倅の結婚披露宴。みのさん、うれしそうだ。念願の「おじいさん」になれる。新郎はTBSのスポット広告を集め る営業マン。スポーツ大好きの慶応ボーイ。TBSには、オヤジが見つけてきたスポンサーを「この番組、CM一杯です」と断った、というエピソードが流れている。面白い 奴だ。体力、気力、酒力はオヤジ譲り。

 新婦は外資系会社で活躍していた女性。美しい方だ。隣の岸井が「綺麗だな」と絶句していた。

 出席者約320人。顔ぶれを見ると、まるでみのさんの結婚式みたい。テレビ局の社長さんが次々に挨拶をして、必ず、みのさんに「身体に気をつけて!」と付け加える。

 途中で抜け出し、羽田から伊丹へ。北新地で、知り合い5人の夕食。福知山線の大事故の話になる。地域の痛みは痛烈だ。全日空ホテルで一泊。

 26日(日曜)は阪神競馬場で宝塚記念。色々な人に会う。前夜、一緒に飯を食べたT女史は当然だが「株主総会が大阪でおこなわれるので、ついでに競馬」という某銀行 のトップ。牧場の娘で参議院議員の女性、彼女のガードマン? の参議院決算委員長、読売テレビの幹部ご夫妻。大垣の老舗お菓子屋さんご夫妻‥‥話題が豊富な人が多くて 楽しい。でも、問題の馬券成績は5レースやって1勝4敗。大損こける。

 レース後、競馬場周辺、大渋滞。京都に辿り着くのに2時間半かかった。御所近くの定宿で一泊。

 架橋談合がやっと「官」側に逮捕者が出る様子である。実は20日近く前「世界週報」で以下のような持論を展開した。

 「公正取引委員会の査察に依る、独占禁止法違反の談合には二通りある。

 一つは製造業者の談合。一昨年の水道メーター談合がその典型で、物品入札単価を設定して、業者間がこの単価以下では応札をしない。所謂“闇カルテル”の談合である。

 もう一つは建設業者の談合。ここには“闇カルテル”は存在しない。何故なら、官公庁が設定した公共工事の予定価格以上の金額では(どんな談合をしても)、絶対に落札 することが出来ない。価格は常に“お上の意向”。これが、製造業者の談合と違うところだ。この入札では、当然、数字合わせのダンピング入札が横行する可能性が出る。 ダンピング競争に巻き込まれれば、業者に取っては死活問題になる。闇情報を収集し、発注先毎のロー・リミット(この価格なら応札しても認めない、という下限。例えば 予定価格の20〜30%減)の解析に没頭する。聞くところによれば、この闇情報で飯を食う“入札ゴロ”までいるそうだ。

 仮に、まったくの談合なしで入札が行われれば、安い価格で請け負える潜在能力がある限られた会社が、いつも落札する。そうなれば、幾つかの会社が倒産する。業界の統 廃合になる。

 それが、繰り返されると、数社だけが生き残り、事実上、仕事を請け負う方が発注元より、立場が強くなって、事実上、定価を吊り上げることになる。

 つまり、業界の統合が“闇カクテル”に行き着くのだ。

 そこで、業界は談合する。仕事がなければ、建設業は即座に倒産する。自殺者が出る。勝ち組と負け組が結果的に明確になっても良い、というのが、昨今の風潮だが、これ は税収の欠陥になる。そのことは、また別の機会に譲るとして、死活問題に曝される業界は談合に走らざるを得ない。

 今回の鋼鉄製の橋梁(きょうりょう)談合の場合、長いこと、旧紅葉会と旧東会という2つの談合組織が取り仕切っていたが、談合資料が流出して91年に解散。しかし、 その2年後の93年には、宮城県内のアーチ橋建設工事を機に見事、復活していた。

 談合は生き残りの策として未来永劫、生き残る、と見る向きは多い。業者は談合発覚で大きなダメージを受けるが、それを承知で、密かに談合を繰り返す。

 談合で国民は大変な損をした、と新聞は書く。その部分は談合した側に入る、と思いがちだが、そうでもない。

 『官』が儲ける。『官』は『民が悪い』と涼しい顔をするが、果たして、そうだろうか。『官』は悪くないのか? 僕はむしろ『官』こそ悪、と思ってならないのだ。

 何しろ『官』が定価を決める権利を持ち続ける。そして、その予定価格をどうチラ付かせるか、その権利? を『官の担当者』は持っている。

 “入札ゴロ”がいる、と書いたが、闇の世界では予定価格を入手する名人がいる。『官』の不届き者があるから“入札ゴロ”が生まれる。(もちろん、政治家が介入する ケースもある)が、そんなことは、むしろ、数少ないケースで『官』は恒常的に入札情報を漏らし、確実に儲かるシステムを作っている。

 天下りである。

 天下りは業者にとって“高い買い物”ではあるが、これで談合組織の一員となり『官』からは談合組織に入る“入札情報”を共有することが出来るのだ。

 天下りを拒否する業者に、目ぼしい仕事は何故か入って来ない。談合は怪しからん、と言いながら『官』は見てみないフリをする。

 「官」が悪だ。

 だったら『官』は何故、談合を摘発するのか。

 それは、今回も検察が談合摘発に積極的だった。検察官が天下りの必要がないケースが多い。彼らは弁護士になる資格を持っているからだろう。

 汚職事件は『官』も『民』も逮捕される。が談合では『民』だけが逮捕される。

 本当の悪が摘発されないヘンな構図である。

 鋼鉄製橋梁談合は、多分、東京地検主導の『道路公団の汚職事件』に発展するだろう。そうなってこそ、悪が分かる。

 談合の是非を問う前に『官』も縄付きになることを示して欲しい。でなければ『談合せざるを得ない民』が、あまりに可愛そうな気がするのだ。

 長々と、引用したが、僕は談合の構図を皆に知って貰いたかった。「官」が逮捕されなければ、あまりに不公平だ、と思っている。公団の幹部が縄付きになって、 やっと平等なのだ。

6月23日(木) スモモ

 例の隅田川沿いの猫の額ほどの“原生庭”で、スモモが熟した。数年前、多分、銀座・松屋で買って、 植えていたが、これまで熟する年はなかった。赤にちょっぴり黒が掛かったスモモ色。半身麻痺なので、 もぎ取るのに時間が掛かったが、ともかく、ゴルフボール2つ大を手にして、直ちに食する。甘い。 多分、生まれて始めて食べた。凄く甘い。

 雨が降ったり、やんだり。出社する途中、携帯で「花火のお知らせ」。もう、そんな時期なのか。 社会部長が「東京都知事選が終わったら暑気払いをしましょう」と誘ってくれた。

 運動部の大相撲担当のM君とバッタリ。ご存知、若貴騒動の話になる。運動面でどう料理するか、なかなか難しいところだろう。

 「週刊誌なら、こんなことも、あんなことも書けるのに」と言ったら「牧さん、詳しい」とビックリしていた。 俺、結構、情報通なの。

 でも、週刊誌だって、一つ一つの怪情報の裏を取ろうと、躍起なんだろう。今週の週刊文春の若貴は、あまりキレが良くない。

文春のネタ元?にも、火の粉が掛かる頃?

 たまちゃんと雑談して、午後3時には仕事場に戻る。「もう帰るんですか?」とたまちゃんに言われたので、 つい「毎日が締め切り日だから」と冗談を言った。が、嘘でなく、忙しい。でも、最近、たまちゃんと付き合っていないので 「29日、仕事が終わったら大井に行こう」と約束する。大レースがある。

 今日の締め切りは「青い空 白い雲」。あんまり、窮屈な世の中。それで良いの?といった趣旨。 必死に書いたが、気が付くと、締め切り時間を大幅にオーバーして午後8時半過ぎ。中山デスクに陳謝。

 週末は、友人のご子息の結婚式に出てから、飛行機で伊丹へ。親友と飯を食べ、翌日は宝塚記念。多忙を忘れて、たっぷり、楽しむゾ。

<何だか分からない今日の名文句>

心を亡くす、と書いて忙。心を亡くす、と書いて忘

6月22日(水) サラリーマンいじめ増税

 朝、三田病院で、大山ドクターの問診。順調。午後、TBSラジオで収録。

 22日付けの朝刊は「骨太の改革」が大きく扱われているが、むしろ政府税制調査会の個人所得税改革案の方が、 大問題だ、と話した。

 給与所得控除が縮小され、退職金の課税強化される。どうみても、サラリーマンいじめ。再三書くが、政府の債務残高は774兆円。 それを放置して、消費税論議を先送りした小泉さん。彼が政権を降りると、増税地獄がやって来る。サラリーマンが標的だ。 どうでも良い郵政民営化にマスコミが眼を奪われ、靖国参拝のパフォーマンスに眼を奪われしている間に 「何もしない小泉内閣の5年」が終わる。

 漫然と終身雇用制度をなくせば、税収が落ち込むのは当然だ。フリーターの急増で税収は落ち込む。 個人所得税は1991年26兆7000億円あったが、今年は14兆3000億円。半分に近い減収。それは政治の責任だ。 マスコミの責任でもある。

 フリーターの若者は低賃金で結婚できず、少子化は進む。そうなれば年金は?

 儲けるのは、外資、生き残りの大企業た。それにホリエモン的人物だけだ。

 最悪の税収欠陥。そうなると、取れるところから税を取る。正直者が馬鹿を見る。

 これを「史上最低の内閣」と呼ぶべきなのに「民営化」「靖国」に日本人は騙されている。

 ラジオ収録を終えてから、JRA六本木事務所。しばし宝塚記念の予想で盛り上がる。

 仕事場に戻ったら、兵ちゃんから携帯。「毎日新聞の夕刊に、共産党、萩原遼さん、除籍‥‥の記事が載ってると、 大騒ぎなんだ。頼む、コピーを送ってくれ」。萩原さん、除籍?

 知らなかった。毎日の特ダネなのか。社会部の国井女史に頼んで送ってもらう。

 兵ちゃんの話では、不破さんが出席した先月の在日本朝鮮人総連合会のパーティー会場付近で、元赤旗記者の作家・ 萩原さんのグループが「総連批判のビラ」を撒いたのが、除籍理由らしい。

 言論なんてまるでない日本共産党。北に文句を言われたら、わが国の共産党は「言論の自由を大事にしている」と言えば良いものを。

 小泉さんはブッシュの言いなり。不破さんは‥‥一部外務省幹部は中国の‥‥日本は独立国家なんだろう!違うか!

 今週のキレ珠「オープン・ザ・ドア!」。不登校、引きこもり、問題児が600キロの日本縦断19日間の冒険をする 体験教育を紹介した。子供たちが、見違えるようになる。それを紹介したら、反響が凄い。

 不登校の子供を持つ人は結構、多いのだろう。主催者に問い合わせるのにも、躊躇する親も多いようだが 「オープン・ザ・ドア!」の主催者・国立妙高少年自然の家のホームページを見れば良い。

国立妙高少年自然の家 不登校の原因なども書かれてあるし、独自に冒険教育をしようとする向きにも参考になるかも知らない。

 この「オープン・ザ・ドア(心のトビラを開け)」は、教室ではない「自然を知る本当の教育」だと思う。 危険を恐れず、本当の人づくりを実践する人々。彼らは、ここだけではないだろう。全国のありとあらゆるところで、 本当の教育者は奮闘している。

 日本は、裾野に、尊敬できる人材が多いのに‥‥。

<何だか分からない今日の名文句>

トップに人なし

6月21日(火) 戦場記者研修?

 夜中に咳き込む。Tシャツ1枚で、冷房の部屋にいたのが、悪かったのか。 この2年、風邪なんて引かなかったのに。

 朝起きて「おけら街道」を書いてから、ビールを飲んで、午前中は爆睡する。

 昼に眼が覚めたら空はカンカン照り。鳥取で34℃とか。東京は29℃。日本海側はフェーン現象?

 天候が好影響か、風邪は小康状態。

 本格的な風邪になったら、困るので、急いで「ロマン大学」を書き上げる。

 社台の2005年募集馬の締め切り。去年は2頭とも、外れた。「実績がない」ということで外れる。 実績とは「今まで、社台に、どのくらい出資金を払ったか」ということ。実績のある人から、希望の馬が手に入ることになる。

 40人のうち30人は「実績」で決まるが、残りの10人は抽選。我々は、この抽選に、望みを掛けることになる。

 考え、考え抜いた末に、こうした。

 1番希望は「マンファスの04・牝」。父・ジャングルポケット。ご存知、キングカメハメハの半妹。 一口当たり100万円。ボーナス頼りの贅沢?

   これが駄目なら、2番希望は「セシルカットの04」。父・ホウイトマズル。初めてのダイナカールの母系に魅力。

 3番希望「アピーリングストーリーの04」。父はクロフネ。母親は、アメリカでGT馬を2頭産んだ。高齢で、 この馬を生んでから亡くなった。母親がおばあちゃんになってからは、どうしても、強い馬は出ないが、 芦毛の「忘れ形見」にちょっと、ロマンを感じた。

 夕方、浅草まで歩く。松屋で白Yシャツを購入。週末、結婚式があるから。首を計ると38センチ。 ちょっと痩せたか。女店員が昼飯に餃子でも食べたのか、首を計るとき異臭。腹が立つ。

 メールで社から「戦場記者研修の知らせ」が来る。この研修を受けていないと、海外の戦場、 紛争地での取材は出来ない。本来なら、イの一番に参加するだろうに‥‥。半身不随の当方、 研修を受けても、役に立たないだろう。

 と、考えると、落ち込む。言葉の苦手な当方、元々、海外取材なんて出来ないのだから‥‥と考えることにした。

<何だか分からない今日の名文句>

嗚呼、足手纏い記者?

6月20日(月) 彼は20頭の馬主?

   朝、浅草橋の伊藤さんの家を訪問する。前日まで、社台の北海道牧場ツアーに参加していた彼。良い情報があるかも知らない。

 何しろ、伊藤さんは一口馬主(40人で1頭の権利を持つシステム)では、常に卓越した相馬眼を披露する。 何しろ、ことし早くも9勝を上げている。

 「何頭、持っているの?」「お袋の名義を入れて、現在20頭」

 へぇ!これには驚いた。月に24万円の飼い葉料を払っていることになる。それほど、 金持ちでもないのに。僕なんて2頭で24000円の飼い葉量料でも「負担」を感じるのに。(奴、独身だから出来るんだ。嫉妬!)

 でも、この僕でも、今年は良い馬を買いたい。何しろ、サンデーサイレンスの子供がいなくなったから種牡馬戦国時代。 誰だって、名馬のオーナーになれる。そこで、伊藤さんに北海道の話を聞く。なるほど、なるほど。フジキセキは牝馬が良いのか。 なるのど。なるほど。血統が悪いのに値段が高いのは、良い馬。逆に血統が良いのに安いのは、どこか問題がある‥‥なるほど。なるほど。

 で、貴重な情報をゲット1時間。まあ、締め切り寸前まで、検討するか。

 午後、三多摩地区で野暮用。JRA六本木事務所によって、出社。今週の「キレ珠」は「オープン・ザ・ドア!」。 珍しく、感動した話を書いた。必ず、読んでくれ!

 本当の教育って、こういうもの言うのではないのか。

<何だか分からない今日の名文句>

「なるほど」の雷は光も強い

6月19日(日) それぞれの健康

   梅雨の中休み。加古川の友人から「アルバイトを始めた」という便り。定年退職後、 素浪人を続けていたようだが、頼まれて、週1回程度、姫路駅西の線路改修工事の測量を 手伝うようになった、という。良かった。趣味の木工作の材料費ぐらい、 アルバイトで稼いだ方が良い。第一、健康に良い。

 健康と言えば「ペンと森」の瀬下恵介先輩が椎間板ヘルニア、脳梗塞にかかっていたことを 「十周年のお知らせ」で知った。瀬下さんは毎日新聞社会部の先輩、10年前「ペンの森」を 設立して、論作文寺子屋をやっている。この10年間で教え子250人がマスコミ界に進出した。 今や、瀬下塾はマスコミの一大勢力だ。

 健康は回復したが「禁煙したので、体重が増え、よたよたと頼りない」らしい。 そこで、10周年の集いは「瀬下さんの健康問題を考える会」になるそうだ。 (7月16日午後2時、千代田区西神田3−8−1 千代田ファーストビル1階)

 夜、南青山のイタリアンレストラン「Etruschi」で、早稲田の先輩で、 かつて仕事場のビルにいた牧野さんの結婚披露パーティ。参加者20人。 ごく親しい人物だけの披露。何故か、一番、年下の僕に乾杯の役目が回ってきた。

 牧野さんは65歳。奥さんをガンで亡くし、寂しい毎日を送っていられたが、 その孤独を癒してくれる相手が出来た。晴れて再婚。新婦は10歳以上、若い。うらやましい。

 彼自身も大病を経験している。つい、パーティでも健康問題が話題になる。 が、同じテーブルの広田さんは元気ハツラツ。64歳というが、どうみても53,4に見える。 月刊「フリータイム」を出している人物で、千葉県の北小金、新松戸、馬橋、松戸、南流山の 集合住宅に無料で配布している。広告収入だけで経営しているそうだが、広告面より、 記事面が多い新聞だ。(8ページ)

 広田さんは、好きな花の話、歴史の話を連載するのが目的。誰にも文句を付けられることもなく、 自己責任で編集すればいい、という。

 大新聞の記者は退職すれば記者でなくなるが、彼に引退はない。歩くことが趣味というか、使命?

 この日も、会場に来るまで、明治神宮を走破したらしい。若さの秘訣は歩くこと。

 例年のことだが、読売人物データベースの登録の書類が来る。電話番号など、 公開するべきかどうか、改めて考える。

<何だか分からない今日の名文句>

それぞれの健康

6月16日(木) 17日毎日朝刊・大スクープを読め!

 朝、また雨。「競馬ロマン大学」を書いてから、ワイドショーを点検する。貴乃花、今日も2局3番組に出演している。下世話な話だが、 出演料は幾らなんだろう。

 名古屋場所を目前にした、この時期、親方がテレビ出演で稽古場を留守にする。しかも、聞き様によっては「若貴・優勝決定戦は八百長 だった」と言わんばかりの発言。饒舌の秘密は何なのか? 分らない。そして、北の湖理事長は何も言わない(何も言えない?)。「何か」 がある。

 どうも相撲界を取り巻く「環境」が激変しているように思う。嫌な予感。一連の騒動の陰に、ある「組織」の意図を感じてならない。貴 乃花部屋を乗っ取ろうしているのではないか。

 その意図に気づかず、尻馬に乗せられているのが若貴、という風にも見える。ちょっと前、北の湖が某クラブで従業員の女性からセクハ ラで訴えられ、週刊誌に載ったことがある。この時も“陰謀”を感じたが、ともかく、相撲の世界で、闇の抗争が起こっているのではない のか。貴乃花引退相撲のチケット騒動のことを思い出してしまった。

 若貴騒動を「どこにでもある家庭問題」として片付けて良いのか。出社後、サンデー毎日の仲間と、そんな話をする。

 夜、地下の「大作」で知人を交え、一杯。知人はスポーツ界に詳しい人物だから、あっと驚く話もあった。

 帰ろうとしたら、例の大スクープが17日の毎日新聞朝刊に載ることになった、という連絡。被爆直後の長崎ルポした米記者の原稿が、 アメリカの検閲で闇から闇に葬られたが、その原稿が60年ぶりに発見された。大スクープだ。当然だが、自由の国・アメリカでさえ、 言論弾圧の過去がある。これを認識して欲しい。

 初め情報が入った時、日本での、特に長崎での取材で、他社に感づかれては‥‥と心配して「最小限の陣容で取材した方がいい」と余計 なアドバイスをしていたので、完全特ダネに万歳! 是非、17日朝刊の毎日新聞を読んで欲しい。

 気になっていた笠松競馬再生計画。6月19日から薄暮競馬がスタートする。通常の開催時間を2時間半遅らせてスタートする。日曜日 は女性入場無料。薄暮は特別観覧席のカップル入場が半額。

 19日には「競馬場で結婚式」のイベントがある。新婦は世界に一着しかない、白馬の尾を生地にしたウエディングドレス(約60頭分)。 新郎は馬に乗って登場するらしい。笠松も頑張っている。

 ちょっと覗いてみたいが、当日、東京で早稲田の先輩の結婚式がある。ジューン・ブライド。結婚式が重なるシーズンだ。

<何だか分からない今日の名文句>

6月は女神ジュノーの月

6月15日(水) 遺骨をあの世に?

 終日ほぼ雨。やっと梅雨になった。仕方なく「青い空 白い雲」を執筆。運動不足で、夕方、東京駅の地下通路を歩く。梅雨太り、を願 うが?

 14日付けの「キレ珠」で「貴、大きな声で<正論>を話すな」と書いたが、貴は相変わらず饒舌。あまり、喋りすぎると、ヤバイぞ。 アレが週刊誌に出ちゃうぞ。

 それにしても、若貴報道で、メディアの力、品格、変わり身がハッキリ分る。好き嫌いも分る。(と、言うことはネタ元が分るというこ と)

 例によって、週刊文春は貴より。週刊新潮は若より。週刊現代は若より、週刊ポストは‥‥でも、どう変わり身を見せるか‥‥分らない。

 ワイドテレビの司会者を見ても、力量、品格、趣味が色々違う。自分の意見ばっかり話して、貴が話せない。誰のインタービューなのか、 分らないってなこともある。

 若も貴も、なんら意味のない喧嘩をしているのが、こちらは良い勉強になる。

 勉強になると言えば‥‥道路で出会った横丁の某オヤジ。「財産争いがあるだけ、マシだよな。こちとら、年金暮らし。財産なんて、逆 さに振っても、毛ほどもない。長男が『遺骨なんていらない。お前、持っていけ』と言えば『俺は次男だから辞退する』と弟が言うよ。 この間も、テレビを見ていた倅たちが『オヤジ、遺骨は、あの世に持って行ってくれ』だってさ」

 遺骨をあの世に‥‥確かに難問だ。勉強しなけりゃ。

<何だか分からない今日の名文句>

骨まで骨まで骨まで愛して欲しいのよ‥‥なんて日本だけ

6月14日(火) あじさの季節

 起きたらテレビで「マイケル無罪」。ちょっとヘンだ。まあ、良いか。あんな顔つきの男がスターになるのが、元々、ヘンなのだから。

 梅雨入り宣言してから、東京は雨が降らない。仕事場のあるビルの外装工事が順調に進む。助かる。

 隅田川沿いの例の猫の額的原生庭? アジサイが満開になった。箱根登山鉄道の「あじさい電車」は6月18日から(7月10日まで) 沿線7ヶ所でライトアップするらしい。そろそろ、夏の計画を立てる頃?

 「街の地震学者」から中元が送られてきた。例によって、誰よりも早いお中元。いつものように草加煎餅。朝「おけら街道」を書いてか ら、銀座松屋に中元の注文に出かけた。ますます、夏の到来を感じる。高島屋のアルマーニはすでに秋ものである。

 注文を終え、日本財団で取材。JRA六本木事務所に寄り、例のニコニコ野郎を夕飯に誘う。西新橋「はなわ」。この店で、知り合った 文部科学省のお役人で、今は某大副学長をしているKさんが、最近、新渡戸稲造の歴史観を一冊の本にまとめた。評判が良い。もしかして、 会えるかなと思ったが、今日は北海道の方なのか、見当たらない。

 女将さんに、その本を見せてもらった。パラパラと読んでみたが、視点が整理されている。日清、日露に新しい分析もある。

 でも、女将さん「よく調べているけど、主張がない。お役人の書くものの限界ね」と話す。歯にものを挟まない女将さんだが、言いすぎ では‥‥俺も、いつもこうして、書いたものにケチをつけられているのか、と思うと、ちょっぴり不安。でも、何を言われても、客の脚が 遠のかないのは、女将が正直だからだろう。みんなケチを付けられれば、嫉妬が起こらない。

 常連の近藤さんが、関西に出かけていたので、会えなかったのが、すごく残念。奥の部屋に時事通信のスター記者が消えていたのを目撃。 何だろう。

 夜、「エコノミスト」の「株主って何だ」を読む。「外国人持ち株比率上位100社」の一覧が貴重で切り抜き。

 原稿が一段落して、ビールを飲みながら「MEN’S CLUB」を見ていたら、アランドロンの近況写真を見つけた。良い男って、 年をとると、こんな顔つきになるのか。呆然。

<何だか分からない今日の名文句>

年は正直

6月13日(月) タイソンがK−1?

 新聞休刊日。夕刊でタイソン引退を知る。38歳は「120歳のような感じがする」と話したとか。ちょっと、涙が出た。タイソンがダ ウンする写真。痛々しい。

 負債40億円? K−1で稼ぐの?

 午前中、税金の支払い事務。昼、二子山の相撲協会葬をテレビで“観戦”。貴乃花親方の饒舌、心配だ。そこで、今週の「キレ珠」は 「鼻立ち噺・若貴編」。饒舌に隠れる「原理主義」の危険を書いた。

 夜、神保町で「花屋のオヤジ、市議選落選記念の集い」。花屋のオヤジがサンデー毎日の記者時代の仲間7人と「落選」を肴に一杯。 「何故、落ちた」と詰問。「油断でしょうね」と本人が解説。

 それにしても○○市民は、彼を落すなんて、どうかしている。

 「今度は市長を狙え!」と激。11時まで。

<何だか分からない今日の名文句>

挫折は飛躍

6月12日(日) 誰が税金を払うの?

 11日に梅雨入り。昨年は多分「何日に梅雨入りしていました」という風な“結果予報”だったように思うが、ことしは東京がトップを 切って梅雨入り。

 週末は東京を離れての取材。テレビを見ると12日の東京は晴れて29℃。シティ・マラソンで、熱中症が続出したらしい。ことしは、 どんな梅雨になるのかしら。

 TBSラジオで「昭和30年代ブーム」を(収録で)話した。レトロブームで、ちゃぶ台の珈琲屋、ダイアル式の公衆電話の居酒屋‥‥ そんな昭和30年代を再現する店が増えている。

 あの頃は高度成長で、頑張れば夢が実現した。自動車が欲しくなれば、ちょっと頑張れば、手に入った。マイホームも手に入った。良い 時代だった。だからレトロに浸る。

 40〜50年経って、日本は繁栄の極地にいる。実に、便利な生活を保証されているようにも、見えるが、それは見せ掛け。何でも手に 入る人と、何にも手に入らない人に二分されている。隅田川のホームレスは一向に減らない。リストラ競争が10年も続くと、投げやりの 人生も多くなる。

 時々、不安になる。年金で暮らすようになった頃、社会保障制度は破綻して、まともな生活が出来なくなるような気がする。

 大企業の景気回復はリストラ断行とフリーター雇用で可能になった。大企業は税を納めるようになったが、リストラにあった人は税金が 払えない。フリーターが払う税金は極めて低い。税収欠陥が恒常的に進み、増税が続く。税金を払えない人が増える。フリーターは結婚し て、子供を産むことは難しい。社会を支える若者は、日本を脱出するだろう。

 国家の債務は10年も経てば1000兆円にも上るだろう。指導者はあまりに能天気だ。

 ネクタイ業者が「ノーネクタイが死活問題になっている」と訴えたら、某女性大臣が「想定外だった」と他人事のように言う。能天気だ。

 自らのパフォーマンスで、商売上がったりの業種があることにも気づかぬ指導者。いつものように批判精神なくして、権力者の、能天気 のパフォーマンスを明るいニュースのように扱うメディアにも困ったものだ。父の日を前に、ネクタイ業界は呆然としている。

 誰でも税金を払って、夢を実現できた昭和30年代、その頃、少年だった我々が、団塊の世代が、定年を迎えた後、誰が税金を納めるの か。

 梅雨入りで、気が滅入っているのかしら‥‥妙に不安だ。

<何だか分からない今日の名文句>

納税の義務より、納税者つくりの義務

6月9日(木)  異常!サッカー・ニュース

 午後、TBSラジオの収録→JRA六本木事務所。その後、床屋→出社。「青い空」のゲラ直し。若貴の「良いとこ盗り」を笑いながら、 小泉さんを大笑いする。そんな心算で書いた。

 最近のNHKはおかしい。午後7時のニュースでも、トップが前夜のサッカー。もっと伝えるべきものは沢山、あるのに。異常だ。一年 後のワールドカップの話が、朝のトップニュース。甚だ、異常だ。

 視聴料不払いが増えているから、仕方なく視聴者迎合? のニュースを作るのか。あるいはドイツのワールドカップの中継権を取る為に、 サッカー業界にお世辞しているのか。

 今、伝えなければならない「権力の隠蔽」が沢山あるのに。東アジアの不安定、それこそ、戦争を仕掛ける国があっても、おかしくない のに。何故、サッカーなんだ。NHKを含め、誰かが、何かを隠している?

 これが、単なる迎合なら、これも、大きな問題である。もし、ある種の強固な政治組織が、組織的な不払いを行ったら、NHKはビック リして、この組織の批判が出来なくなる。(もう、出来なくなっているかも知れない)

 報道は独立しなければならない‥‥その「独立」のために我々は視聴料を払っているのだ。

 夜はもちろん、ハイピジョン「鉄道乗りつくし」東海・関東・北陸・東北編。評判が悪いNHKでも、素晴らしい番組は幾つもある。

<何だか分からない今日の名文句>

沈黙の悪

6月8日(水) まるで練習試合で‥‥

 「青い空」を書いてから出社。サンデー毎日の編集部に顔を出すと、明日9日発売の週刊文春が置いてあった。貴乃花の独占インタビュ ー。洗いざらい、話している。よくまあここまで‥‥初代若乃花の「隠し子」のことまで話している。文春が貴乃花親方を抱え込んでいる らしい。文春の底力。こんな時、力なき週刊誌のスカスカの記事、読みたくない。

 社会部で若干の打ち合わせ。馬小屋のたまちゃん、大井の東京ダービーに行くのか、と思ったら「今日はサッカーですよ」

 で、この日本・北朝鮮戦を見ると、無観客試合とかで、まるで練習試合。退屈で退屈で。サッカーはサポーターが騒ぐのが、試合みたい なものだから、何とも味気ない。

 日本の政界も、サポーターがいないから、味気ないのかしら‥‥。

 朝から、ちょっと心配事があって、少し緊張していたのだろう。試合を見ながら熟睡。気が付いたら、2−0で、日本が勝っていた。

 それにしても、サッカーは勝っても負けても、新聞の一面。「ニッポン、ニッポン」と叫ぶスポーツ、あまり他にない。それにしても、 あんな弱いチームに勝って、そんなに騒ぐこともないのに。

<何だか分からない今日の名文句>

相撲は愛憎の国技、サッカーは‥‥の国技

6月7日(火) 「乗りつくし」の魅力

 未明に「おけら街道」を書き上げて、午前中は「たいとう診療所」でリハビリ。療法士の吉良さんに「予防介護」の話をしてもらった。 介護の財源は膨らみすぎているから、予防することで、国の負担を出来るだけ、少なくする。この方針で、介護全体の報酬見直しが行われ る。介護業界も、この年末、淘汰の季節?

 午後3時すぎ、日記の熱心な読者来訪。若干の政治談議。多分、若貴に触れた日記で「書けないこともある」と書いたので「書けないこ と、って何だ?」と聞きたかったようだが「書けないことは、喋れないこと」。ご勘弁、願いたい。

 その若貴騒動。週刊誌の底力がハッキリしている。週刊現代の「修羅・二子山親方が作ってしまった二人の相剋・若貴兄弟、愛憎17年 全真相」(武田頼政著)は読ませる。説得力がある。取材対象との距離感。素晴らしい。それに引きかえ‥‥後は言うまい‥‥。

 夜、競馬ロマン大学を書き上げ、楽しみにしていた「鉄道のりつくしの旅」(NHKハイビジョン)に夢中になる。九州・中国編。あの 時、この路線に乗って、この駅弁を食べたなぁ、と思い出、数々。また、関口知宏の絵が良いのだ。一日の疲れ、吹っ飛ぶ。俺、やっぱり 鉄道が好きなんだ。

<何だか分からない今日の名文句>

記者に「読ませる責任」

6月6日(月) 「FLASH」記者逮捕事件

 朝まで「世界週報」の原稿。談合の話を書いたのだが、公団元理事が何時の時点で、捜査対象になるかどうかが、見にくいので、書きづ らい。すでに事情聴取が行われた、という説もあるけれど‥‥汚職で捕まるのは「官」と「民」。談合で捕まるのは「民」だけ。この矛盾 を打破するためにも「官」の縄付きが必要に思うのだが。

 朝、送られてきた雑誌「創」をパラパラと捲ると「『FLASH』記者 取材中逮捕の顛末」という記事。丸山昇氏の署名記事だ。

 鎌倉・妊婦遺体遺棄事件を取材中のFLASHの記者が遺棄した「穴」を写真に撮った。その際、住民の通報で、警察は住居不法侵入で 記者、カメラマンを現行犯逮捕した。

 この事件を知ったとき、何故、逮捕されたか、良く理解できなかった。多分、僕が記者だったとしたら「穴」を撮ったと思う。事件の本 質を語る「穴」を撮らなければ、取材したことにならないとさえ、僕も思った。

 もし、現場で「これは住居侵入だ」と言われたら、その場で、何故、事件をデッサンする上で「穴」の写真が必要なのか、僕は説明する だろう。それでも、理解を得ることが出来なければ、非礼を詫び、退散する。多分、事件にもならないハズだし、警察が現行犯で逮捕する こともなかった、と思う。それが、何故、逮捕、拘留延長なのか。

 記者の対応も下手糞のようにも思える。が、警察の判断は大人気ないようにも思う。彼らを逮捕しなければ、重大な犯罪が起こるのか。

 もしかして、反権力で、エロ本的なページの多い「FLASH」だから逮捕なのか。まさか、そんなこともないだろうが、昨今、報道の 自由は狭くなっている。

 午後、アメ横まで散歩。シャツを買う。夜、内幸町のプレスセンターでJRAと記者クラブの懇親会。ビンゴで、銅製ジョッキをゲット。

<何だか分からない今日の名文句>

記者に「取材説明責任」

6月5日(日) 「浅草発」で良かったのに

 野暮用続きの週末。「ダートのインパクト」と言われるカネヒキリを見に、土曜日は府中に行こうと思っていたのに‥‥それもオジャン。 でもカネヒキリは圧勝した。

 日曜日は未明に起き出し「キレ珠」を必死で書き上げ、府中に向かう。毎日新聞読者限定競馬教室に顔を出し、ちょっと挨拶。中央競馬 PRセンターが、毎日新聞の読者に向けて教室を開いているのに、当方、まだ顔を出していない。生徒さんに「馬券の神様・大川慶次郎で も、一生で2億円、負けた」と言った話をした。特別出演の井崎脩五郎さん、鈴木叔子さんのコンビが笑わせてくれた。

 メインの安田記念は大荒れ。惜しかった。スイープトウショウから入ったのに、アサクサデンエンを見逃した。惜しい。もし、三連複を もう一点増やしておけば‥‥40万円、手に入ったのに。今週から走り始める「浅草発23時55分尾瀬夜行」がヒントだったのに‥‥浅 草、GO!GO!なのに。気がつかなかった。悔しい。サイフ、ぺっちゃんこ。

 競馬教室は、毎回、汗をかいている、たまちゃんの奮闘で、午後5時すぎ無事、終了。そのまま、帰ろうとも思ったが、夕方、簡単な打 ち上げがあるというので、午後7時半まで付き合う。

 仕事場に帰って、急いで「世界週報」の原稿。ああ、忙しい。

<何だか分からない今日の名文句>

貧乏、暇なし、銭もなし

6月2日(木) ダートに「インパクト」がいた

 長崎沖で起こった韓国漁船逃走事件。約40時間ぶりに、両国船舶の「睨み合い」が解消されたようだが、韓国のメディアはまるで「日 本の過剰取締り」と一方的に報道しているらしい。このところ、東アジアはギクシャクしている。中には「開戦」なんて見出しを出してい る新聞さえあるようだ。

 韓国でも「大本営発表」なのか。日本だけでも、自由な調査報道でありたいものだ。

 午前中「青い空」執筆。考えた末、貴ノ花モノにした。若貴の絶縁? 誰かが、煽っている。もっと深刻なことは、知っていても、書け ない。

 出社したら、たまちゃんが「土曜日にダートのインパクトが走りますよ」と教えてくれた。

 6月4日11レース・ユニコーンS(GV)に出走するカネヒキリは牡3歳。6戦3勝だが、ダートでは負けていない。それも7馬身、 11馬身、9馬身差。圧勝続きである。フジキセキ産駒だが、意外にも典型的なダート馬。騎手は豊。馬主はディープインパクトと同じ金 子真人氏だ。今年は牝馬でもインパクト並みの本命馬が大活躍している。カネヒキリも、ここで勝てば、ダート王になるかも。

 ユニコーンとは、ヨーロッパの伝説上の動物。馬の体に、捩れた一本の角を持っているのだそうだ。怪物に相応しいレース?

 怪物ラッシュの今年。佐賀競馬にも23連勝の怪物がいる。インターハイクラス。JRAで未出走だったこの馬、九州の佐賀競馬場に来 たのが2003年3月21日。3戦1勝2着1回で、迎えた4戦目で快勝して以来、勝ち続けている。

 巨漢馬。23連勝を果たした「九州大冠」(荒尾競馬場)ではー17キロ。デビュー以来最低の馬体重だったが、これでも542キロ。 肥満の怪物。

 夜、社会部長の交代で歓送迎部会。例によって乾杯の音頭を取る。玉木部長は企画を立てる名人。すぐれた部長の一人だった。川野新部 長は人柄一番の好人物だ。

 今週はカネヒキリを見に、府中に行くか。毎日新聞読者限定競馬教室もあるから。

<何だか分からない今日の名文句>

若貴確執に「火きり」あり

6月1日(水) 先輩の近況報告

 今日から6月(水無月)。梅雨の走りか、朝から雨。散歩が出来ない。テレビの「貴ノ花追善ワイド」にも飽きて、 えらく退屈。仕方ないから「青い空」を書くか、と思ったが、気が乗らず、郵便物を整理する。

 毎日OBの大学教授で組織する「さつき会」という集りがある。一時、頼まれて上智大学の非常勤講師をした時期があったので 「さつき会」にも誘われ、一,二度、参加したが“場違い”のような感じもして、このところ遠慮している。

 ことしの「さつき会」は5月27日に行われ、盛会だったようだ。幹事の先輩が「参考のために」とわざわざ、 会場で配られた会員の近況報告を送ってくれた。うれしいものだ。

 大先輩の近況?

 「○○大を定年退職しました」「××病で‥‥」という類が多かったが、ユニークな報告も幾つかある。

 四方洋さん(元サンデー毎日編集長)「ヒゲをのばしました。森繁久弥に似ていると言われ、 歌い方も森繁節になりました」 黒岩徹さん(元ワシントン・ロンドン特派員) 「チャールズ皇太子とカミラ夫人の結婚で急に忙しくなりました」(そう言えば、テレビで顔をちょくちょく見る)

 田中良太さん(元政治部)「四街道市議に当選しました」牧内節夫さん(元スポニチ社長) 「生き様は 柳か雲か 風まかせ 好きなことを楽しんでおります。落語が一番、面白い」‥‥すべて読み終えるのに、 30分ぐらい掛かった。

 朝日、読売には「天下りポスト」が十分あるように聞くが、毎日には、そんなもの、数えるほど。 そこで、大学教授になるケースが多いのだろうか。それにしても、毎日OBは、朝日、読売に比べ元気で、 個性的に生きている。組織より、人脈の毎日。

 夕方、雨が上がったので、鳥越あたりまで散歩。角々に祭礼の札がぶら下がっている。篠塚稲荷神社、 銀杏岡八幡神社、第六天榊神社、須賀神社、鳥越神社‥‥仕事場のある辺り、500メートル四方に5つも神社がある。 神様銀座?

 仕事場のある「代地」(江戸時代に、武家屋敷を造るため、隅田川を埋立てた「代わりの土地」)は第六天榊神社の氏子である。

 お祭りは、そろって今週末。鳥越の千貫神輿の宮入は見もの。でも、例年、この時期、梅雨入り。ことしは、どうなるのやら。

 鳥越神社のお祭りは、6月9日から12日。
<何だか分からない今日の名文句>

大学教授は露の宿

5月31日(火) ワラビ、ウド、ミズ

 朝一番で、新潟・新発田の毎日新聞販売店のオヤジから、ワラビ、ウド、ミズが送られてきた。山菜取りの季節。オヤジが取ったものら しい。心に掛けて、ありがたい。

 「ワラビは下3センチ位切り落として食べて下さい」などと実筆の“注意書き”がついている。が「ミズ」というもの、初めて見たので 「どうやって食べるの?」と販売店に電話で聞く。朝方、販売店を取り仕切る女性は「私の家では油揚げと炒める」という。

 折り返し、オヤジから電話。販売店の主人は深夜・未明に働いて、朝方、仮眠すると聞いていたが、オヤジはもう起きたらしい。「もち ろん、働いていますよ」で、早速、食べ方を当方に詳しく伝授。これは美味そうだ。

 このオヤジは、何しろ、精力的で、地域の核にもなっている。毎日新聞はこうした善意と熱意の人々に支えられている。記者の代りは幾 らでもあるが、パワーフルの販売店に「代り」はいない。

 午前中「おけら街道」を書く。午後、JRAの知人から、最近、出版された「活字競馬に挑んだ二人の男」(江面弘也著)が送られてき た。競馬ジャーナリスト白井新平・白井透親子のことを書いた本。透さんは早稲田の新聞学科の先輩なので、興味があった。そこで、知人 が、手持ちの本を送ってくれたのだろう。感謝。バラバラとしただけでも、二人の波乱万丈の生き方が次々に登場して、興味深々。

 午後3時過ぎ、日本財団へ取材。記者会見に行くことができなかったので、ちょっと確かめておきたいことがあった。日本財団の会長は 6月末日、曽野綾子会長から笹川陽平さんに代る。陽平さんはスケールの大きい人と推察しているが、お手並み、拝見。それにしても10 年近い会長職。曽野さん、ご苦労さまでした。

 その後、新橋の競馬車券売り場に一目散に直行。京王閣の6レースは石より堅い、と思っていた。9−3で、どのくらい付くか、と言っ た感じ。9−3−1・5・7の3連単の三点流しで、間違いないと思った。こんなに、簡単に儲けるレースはないと思い、買ったのだが‥‥ それが、どうしたと言うのだ?! 9−3は良かったのだが、3着に人気薄の8が飛び込んで来た。払い戻し1万円強。ああ、3着は総流 しにしていれば良かったのに。口惜しい。くやし〜い!

 “六本木のニコニコ野郎”を呼び出して、場外の前の横丁で一杯。久しぶりに時間が空いたので「キレ珠」の担当デスクを誘ったが、都 合が悪く、忙しい「ニコニコ野郎」に無理を言って、付き合って貰った。当方が年かさなので、つい偉そうなことを言うのだが、彼はいつ もニコニコしている。うれしい。助かる。でも、時々「牧さんって、子供なんだから」なんてからかう。そこがまた大好きだ。

 途中、日記の熱心な読者から「焼酎を仕事場に届ける」という携帯。「新橋にいるから無理だ」と断る。タイミングが合わない日もある ものだ。ガチガチの銀行レースが荒れてしまう、なんてことは、当たり前だ、と思ったりする。まだ、心の痛手が残っている。

 帰りに、相棒に仕事場に寄ってもらい、例のワラビをお土産に持っていってもらった。夜は「活字競馬‥‥」を夢中になって読む。

<何だか分からない今日の名文句>

京王閣に絶対なし、インパクトに絶対あり