編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2005.11月

11月10日(木) 側室は?

 昨日発売の週刊新潮、週刊文春がそろって「三笠宮殿下の女帝反対論」を 取り上げている。三笠宮殿下(皇位継承権5位)が自ら会長を務める福祉団体 「柏朋会」の会報で「女帝反対論」を書かれているのだ。

 実は10月25日の日記で、僕は次のようなことを書いた。

 10月25日(火) 首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」 (座長・吉川弘之元東京大学長)が第14回会合で、皇位継承資格を女性皇族に拡大し、 女性・女系天皇を認めることを正式決定した。父方が天皇家の血を引く 「男系」によって受け継がれてきた天皇制は歴史的な大転換を迎えることになる。 ことし、最大のニュースだ、と思う。

 僕の私見。天皇家の人々の(政治的)発言が極めて制約されている。 天皇が何を考えているか、それを国民が知らない、ということはあまりに不自然だ。 昭和天皇は「人間天皇」を宣言された。が、それは神格を否定しているが 「意思のない天皇」を宣言したということではない、と僕は思う。

 天皇家の人々がもっと積極的にメッセージを国民に伝えられようにすべきである。 皇室のメッセージは天皇家改革のもう一つの視点だ。

 そう書いた以上、三笠宮殿下のお考えを記録しなければならない。

 三笠宮殿下は「万世一系、一二五代の天子様の皇統。神話の時代の初代・ 神武天皇から連綿として一度の例外も無く『男系』で続いて来ているという厳然たる事実を 無視できない」と強調される。

 生物学的にも、神武天皇のY1染色体が皇室全体に広がっている。 「男系」による継承を守るためには「女帝」を選択す前に「男系を守る工夫」が必要ではないか。

 そして、殿下は4つの方法を挙げた。

 (1)皇籍離脱した元皇族の皇統復帰
 (2)女性皇族(内親王)に元皇族(男系)から養子を取れるようにし、その方に皇位継承権を与える
 (3)廃絶になった秩父宮や高松宮の祭祀(さいし)を元皇族に継承してもらい、 宮家を再興する。
 (4)側室を置く

 概ね、以上が三笠宮殿下の意見である。

 実は「何でも改革の小泉さん」にも、三笠宮殿下の意見にも、僕は疑問を持った。

 小泉さんに対する疑問は、有識者会議のメンバーである。西洋古典学、 女性学の専門家はいるが、半数以上が皇室と無縁の人。座長はロボット学の専門家と聞いた。 10月25日の日記で書いたが、天皇家の人の意見が取り入れられないのはおかしい。

 三笠宮殿下の意見に対する疑問。本当に「万世一系」なのか。 ささやかな知識で申し訳ないが、「日本書紀」の古代から南北朝まで、 実際の天皇家は歴史上何度も断絶しているのではないか。これは、素朴な疑問だ。

 週刊文春、週刊新潮は、三笠宮問題をまともに捉えているが、 週刊誌ということもあって「側室」に強い関心を寄せている。戦前の旧皇室典範では、 愛人に男子を産ませる側室制度が存続していた。嫡子の男子だけではなく庶子の男子にも、 皇位継承の資格があった。明治、大正天皇はいずれの先帝の庶子、つまり側室の子供だった。

 このところ、憲法を勉強していたが、天皇家についても勉強しなければ‥‥

 午前中、たいとう診療所。かなり激しいリハビリ。それにインフルエンザの予防注射をしたので、 午後は安静。早速「側室」に付いて勉強してみる。

 先ずは下世話な興味。誰が一番、多く「側室」を持ったか、調べてみると、 これはもう、徳川家康がダントツ。2人の正室と15人の側室。

 すべて、名前が分っている。二人の正室は築山殿と朝日姫。築山殿は長男信康と 長女亀姫の生母。朝日姫は秀吉の妹で、子供なし。

 15人の側室はお万(小督局・次男秀康の生母)

 お愛(西郷局・3男秀忠と4男忠吉の生母) 西蒲局(次女督姫の生母) お竹(3女振姫の生母),お都摩(5男信吉の生母)‥‥と調べていたら切がない。

 それにしても、羨ましい。家康って、スーパーマンだったんだ。

<何だか分からない今日の名文句>

国柄は「時の権力」より重い

11月9日(水) 頑張れ!競艇のアイドル

 午前中「青い空 白い雲」を書き上げる。テーマは「リバース・モーケージ」。普通、お金を借りるスタイルは「一括融資→分割返済」。 そらが逆に「分割融資→一括返済」になるとどうなるか? と言った話。

 午後、出社。それこそ半月ぶりに、北村社長と世間話。寸刻み社長稼業も、たまには暇があるらしい。朝日新聞の体たらく。NHKの体 たらく。困ったことだ。マスコミは、今、どう「信頼」を取り戻すか‥‥当方、無責任に持論を話す。北村先輩は黙って聞く。

 TBSのこと、新聞協会の人事のこと。多忙を極めている北村先輩に競馬観戦のお誘い。「ジャパンカップは是非、行く!」と先輩。 たまには、リフレッシュすれば良いと思う。それにしても、北村先輩、厳しいマスコミ状況の中、頑張っている。

 夜、当方が誘っていた競艇のY.N嬢が時間通り、やって来た。たまちゃん、六本木のニコニコ大王(笑顔が素敵な僕の親友)それに付 き添い? の競艇関係者で一緒に夕飯。一見、10代に見えるY嬢は底抜けに明るい。瞳が綺麗だ。ズバズバ、話す。娘のように可愛い。 こんな娘がいたら良いのに。

 スター性が十分である。アイドルになる、と思う。そのためには強くならなければ。いつも5着、6着、5着 6着では駄目だ。

 たまちゃん「強くなれ!」とお説教。必ず、彼女に輝く未来があるはずだ。

 Y嬢を帰してか、たまちゃん、ニコニコ大王と一時間ほどビールで世間話。ちょっと飲みすぎて、ここまで日記を書くのが精一杯。

<何だか分からない今日の名文句>

あした天気にな〜れ!

11月8日(火) お酉様を誘われる

 朝6時半ぐらいに、けたたましく携帯。例の石川県元美川町の元町長からである。 「今、関空のホテルに泊まっているんだ。これからプロ野球関係者と一緒にベトナムへ行く。 ベトナムには野球がないんだ」

 ヘェ、面白い話だ。でも、こんなに早くに電話することもないのに。

 「いや、今、テレビを見ていたら、みのもんたが、あんたのことを話していたので、 つい懐かしくなって、電話したんだ。岸井さんは同期なの?」

 同僚の岸井君も出ているTBSの番組らしい。何の話なのかしら。 それにしても、テレビって凄い。新聞、雑誌に取り上げられたとしても、 知らせが来るなんてことはまずない。

 夕刊特集編集部からコラム「キレ珠・王女さまの運命は?」の問い合わせ。 スペインの王位継承の話を書いたのだが、その王女さまの名前の読み方が違うらしい。 新聞によって読み方が違うので面倒だ。

 午前、午後、書き溜め原稿。月末に、ちょっと計画があるので、 今のうちに書かねばならない。忙しい。野暮用の来客一件。

 午後5時、JRA六本木事務所で野暮用。その後、競馬仲間と駒形の蕎麦屋で。 その後、観音裏「ひまわり」。新入りの女性が「たいとう診療所」のスタッフに瓜二つ。 姉妹か、と思った。こんなに似ている人なんているのか。

 「これから、お酉様よ」とママ。もう、そんな季節か。北海道は初雪だ。

 「ひまわり」から鷲神社までは約1キロ。ことしの一の酉は11月9日午前零時から 翌日の午前零時まで。あと、2時間すれば合図の鐘がなる。 「一緒に行きましょう」と誘われる。

 鷲神社は隣接する長国寺という寺の住職が宮司も兼ねていたのだが、 明治初期の神仏分離政策で分割されたもの。

 長国寺は元々は、上総郡長柄郡鷲之巣村(現茂原市)にある法華宗本門派の総本山である 長国山鷲山寺(じゅせんじ)の末寺である。

 総本山の鷲山寺の創建が応長元年(1311)というから、その末寺は当然それ以降で、 鷲神社の名前は総本山鷲山寺から取った、と考えるべきだ。

 お酉さまの縁起も、鎌倉時代に日蓮が上総国鷲巣に滞在している時、 国家平穏を願って祈ったところ、にわかに明星(金星)が現れた。 それが「鷲妙見大菩薩(わしみょうけんだいぼさつ)」。明星が現れたのが 11月の酉の日。以降、この日を御開帳日と定め「鷲大明神」とか「お酉さま」 と呼ぶようになった、と聞いた。「お酉様」はもともと、神社ではなく、寺のイベントだった。

 「熊手」は日本武尊の東夷征討戦勝のお礼参りをした時、持参したものらしい。

 我が台東区には、鳥越神社、五條天神、第六天榊神社など日本武尊にまつわる故事を 由緒書きする神社が実に多い。江戸伝統「酉の市」は霜月(11月)の酉の日。 熊手を売る市が立つ。

 ことしは一の酉、二の酉だけ。

 懐が淋しいので、お誘いを断る。熊手を買うなんてことになったら、これは困るぞ。 午後10時半「ひまわり」を出ると、関東各地から的屋さんが大きなトラックでやって来て、 準備OK。

 浅草は晩秋の景色。

<何だか分からない今日の名文句>

空馬に怪我なし

11月7日(月) 「地アタマ」を造語した佐藤優

 午後、帰京。時間が出来たので、改めて「国家の罠」 (佐藤優さん著・新潮社)を読んでみた。と、いうのも、この作品が第59回毎日出版文化賞の 特別賞に選ばれたからである。

 [他の部門は▽文学・芸術部門=村上龍「半島を出よ」(幻冬舎)▽人文・社会部門=松本健一 「評伝 北一輝」(岩波書店)▽自然科学部門=中西準子「環境リスク学」(日本評論社) ▽企画部門=形の科学会編「形の科学百科事典」(朝倉書店)]

 正直なところ、彼の受賞は意外だった。小泉翼賛内閣に取って「一番、嫌な存在」 である佐藤優に、この賞を与える「危険」を商業新聞が犯すとも思えなかった。 しかし、毎日新聞は並みの新聞社とは違っていた。権力と闘い続ける「重み」をテーマにした、 この作品に果敢に賞を与える。審査員各位の判断力、それに毎日新聞社の勇気に、 うれしくなってしまった。やっぱり、朝日ではなく毎日に入社して良かった。 ベトナム戦争に反対した毎日新聞を選んで良かった。

 この本、読まれていない方もいるので、簡単に筆者と作品を紹介する。

 佐藤 優 1960年埼玉県生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了の後、外務省入省。 在英国日本国大使館、ロシア連邦日本国大使館に勤務した後、外務本省国際情報局分析第一課に 勤務。主任分析官として活躍していたが‥‥あのムネオ事件で背任と偽計業務妨害容疑で 逮捕された。

 外務省のラスプーチンと呼ばれた彼は、ピカ一の情報を取る外交官。 ムネオが事実上、外務大臣だった頃、彼は、ある意味で、外務省の権力の上層部にいた。 それが、どん底に‥‥。

 容疑を全面的に否定したため、彼は512日間も拘留される。とても、 考えられない拘束時間。権力の暴挙である。でも、マスメディアは検察の味方に立った。 今でも、総じて検察側である。

 この「権力の罠」は、この512日間を克明に書き綴ったものだ。僕は雑誌「世界」 の彼の作品が面白くて、何時の間にか、ファンになってしまったが、この作品では、 御身大事な高級官僚の姿が鮮明に描かれている。彼でなければ、これほど、鮮明に分析 できなかったのではないか。検察官との駆け引きも面白い。

 “日本の国益”を正義と信じ、働いてきた情報屋の佐藤優が“検察の正義?” “世論の正義”によってつぶされる劇的な過程。これは自由を守るマスコミ人として 学ばなければなるまい。

 「言論」がズタズタにされた時代。小泉劇場でドンちゃん騒ぎの時代だからこそ、 この作品が受賞される意味がある。

 佐藤さんは愉快な人でもある。「地アタマ」という言葉を作っている。 有名大学を出なくても、ロクに勉強しなくても、賢い頭脳の持ち主はいる。 僕もそう思っているが、佐藤さんは、それを「地アタマ」と造語している。 その言葉がピッタリしている。

 佐藤さんはムネオを「類い稀な地アタマ」だった、と言う。なるほど、 という気がする。勉強して、賢くなるのは良いけれど、発展性がなく、 いつも嫉妬ばかりする人が多い中で「地アタマ」の発展性は必要だ。 (強権過ぎる、自分勝手な「ムネオ流地アタマ」は困るけど)

 とにかく「佐藤優」という人物、面白い。

 夜「君の天皇賞の予想で、儲かったから」と知人が持ってきてくれた極上の肉ですき焼き。 でも、予想なんてした覚えがないのだが。誰かの間違いだと、思いながら、食べる。美味。

<何だか分からない今日の名文句>

吉凶は糾える縄

11月6日(日) NHKが言う「一定の前進」

 このところ、NHKがしきりに「日朝協議は一定の前進」と報じている。「外務省は‥‥」という“主語”が入っているが、この報道ぶ りでは「NHKも“一定の前進”と捉えている」いう風に感じさせる。少なくとも「協議の成果ない」という識者の意見を添えなくては、 正しい、公正な報道ではない。少なくとも、僕が担当記者なら、そんなことはしない。

 これでは、国民の皆さん、日中協議は一定の評価を受けているんですよ! と呼びかけているようなものだ。

 日朝両国の政府間交渉は3、4日両日、北京市内で行われたが、拉致問題の解決に向けて具体的な対応を求めた(らしい)日本側。日本 による過去の植民地支配への補償しろ! と「過去の清算」を主張する北朝鮮側。意見の隔たりは全く埋まらなかった。

 関係者のご努力は分るが、何も「前進」がなかった。何故、正直にそう報道しないのか。外務省が「一定の前進」と言うのは分らないで はないが、「今後も協議」が“前進”なら、やる前から“前進”が約束されていたようなものだ。北は小泉内閣のうちに、補償金を取る心 算なんだから、協議は続く。

 何しろ、このところのNHKはお上の言いなりだ。小泉翼賛報道の最たるものである。

 6日、NHKの記者が放火で容疑逮捕された。困ったことではあるが、これは病的な個人犯罪である。NHK会長がお詫びの会見をして、 役員報酬の一部返上したようだが、我々は「外務省ヨイショの報道」の責任を取ってもらいた気分だ。

 報道機関の中立性を守ってるから、国民は視聴料を払う。これでは、権力に迎合する「カネを取る国営放送」ではないのか。

 週末は野暮用。行く先々で、ちょっぴり、紅葉を楽しんだ。

<何だか分からない今日の名文句>

「長い物」には巻かれる「長い物」

11月3日(水) 特異日

 文化の日は「特異日(とくいび)」である。気象学的な理由は不明だが統計的に毎年「そうなる日」。

 6月28日は雨の特異日。東京では53%の確率で雨が降る。

 8月18日は猛暑の特異日。9月17日は台風襲来の特異日。統計上、台風襲来の回数が多い。

 晴れの特異日は10月10日。かつては晴れの特異日だから1964年の東京オリンピックの開会式の日に選ばれた。そして11月3日。 この日は晴れると信じていたが、午後から土砂降り。10月10日も雨だった。

 ちょっと異変を感じる。

 紅葉も遅れている。気象庁の観測では、1953年から昨年までの51年間の統計では、カエデの紅葉が全国平均で15日も遅れた。 日本の10月の平均地上気温が100年で0・9℃上がっている。11月は1・1℃も上がっている。

 だから紅葉も遅れる。

 ハリケーンの巨大化も‥‥温暖化がすべてだ。

 雨の紅葉にシンミリした一日だった。

<何だか分からない今日の名文句>

地球は病葉

11月2日(水) 楽しい古地図

 朝方まで憲法の勉強。朝飯を食べてから、文京区本郷の装具屋を歩いて探す。新品に換えたいのだ。その装具屋、どこにあるのか、分らなかった。でも、昔の領収書の住所 をパソコンで検索するとすぐ分った。印刷した地図を頼りに行けば、すぐ見つる。実に便利だ。人に道を訪ねる手間がなくなった。その分、都会から会話がなくなる。ちょっ と寂しいが。

 湯島天神の菊祭りを見てから、上野広小路の日高屋で黒護摩ラーメン。490円。手ごろだ。このところ、日高屋ファンになった。値段のわりに美味い。

 午後は執筆。5時からTBSラジオで収録。東京駅から新幹線に乗り込む。

 新幹線に用意された雑誌「トランヴェール」の今月の特集は「古地図でたどる江戸東京。実に面白い。何故、麹町の「荒物商」が日本で初めて地図(切絵図)を製作、 販売したか。その秘密が分る。

 その地図がパソコンになった。

 高原で一泊。携帯で、大事な知人から「明日(3日)に退院する」という知らせ。同慶。

<何だか分からない今日の名文句>

必要は母

11月1日(火) 掃除をしたら

 午前中は憲法の勉強。昼飯はちょっと寒いので駅前の日高屋でラーメン。

 午後は執筆。書こうか書くまいか、迷っていたが、スポニチの「おけら街道」(2日朝刊)で「皇后陛下の馬券が大穴だった」ことを 書いた。ちょっとしたスクープ?

 3日の文化の日が休みになるので、サンデーの締め切りが早くなる。急いで「青い空 白い雲」を書く。かなり、きわどい歴史認識に 関係するので、神経を使う。

 夕方、出社。社会部の我がデスク。郵便物、本、新聞、雑誌がうず高くなってしまっている。社会部の女性の協力で掃除を敢行した。 そうしたら、読んでいない「読者からの手紙」が何通か発見された。申し訳ない。

 でも、時間的に、読者の手紙をすべて読む時間がないことも事実だ。読むより、書くのが、僕に課せられた仕事、と心得ている。出版社 などから送られてきた書籍、雑誌類は取りあえず、仕事場に送ることにした。

 そんな中で、去年の暮れ、知人から送られてきたイタリアのカレンダーを発見した。とても綺麗なのに。今年もあと2ヶ月という頃に発 見された孤独のカレンダー。あまりに可愛そうで‥‥送ってくれた女性に、電話で約1年遅れのお礼。彼女、変に思っただろう。

 夜、競馬仲間の横ちゃん、来社。地下の「大作」で一杯。仕事場に戻って、原稿を書こうと思ったが‥‥そうだ、メールも見なければ‥‥ と久ぶりに開ければ、何百通もきている。その大半がHのお誘い。

 人事部長から「インフルエンザの予防注射、社の保健所でやればタダ」といううれしいアドバイス。でも、どうやら、数に限りがあるら しい。これは、大活躍中の若手社員が優先だ。何しろ、僕は、足手まといになりそうな存在なのだから。何とか、若手の努力で、我が社は 健闘している。

 ああ、今年も、あと2ヶ月。また、年を取るのか。

<何だか分からない今日の名文句>

送る月日に 関守なし

10月31日(月) ポスト小泉は小泉?

 たまには小泉さんを褒めなくてはなるまい。第3次小泉改造内閣の顔ぶれ。なかなかに座りがいい。マスコミはド素人を集めるのではな いか、とかなり牽制球を投げていたが、なかなか適材適所。褒めなくてはなるまい。国会の陣容は80点ぐらいな出来だと思う。しかし、 考えて見れば、この4年間「郵政」ばかりで、本当の懸案に手をつけていないかったので、実務者内閣にならざるを得ない、と見ても良い だろう。

 サプライズなんて言っていられない。ポスト小泉の実力者は苦労する。小泉さんは究極の丸投げで、人気を終える、という段取りである。

 穿った見方をすれば、ポスト小泉の“4人組”は次から次へ潰されるような気がする。先ず、福田さんを潰した。ある時まで現政権は 実質的には「福田康夫内閣」だった。少なくとも、官僚の目からみれば、そう見えた。その官僚に一番、影響力のある福田さんを組閣で外 した。表向きは「辞退」だが、小泉さんは、強力に入閣を支持しなかった。

 次に安倍ちゃんを潰した。一番、人気のある安部ちゃんは調整役という官房長官にされ、苦労する。苦労しても、具体的な手柄は彼にや ってくることはない。官房長官から総理になった人はいない。「君は次の次」と通告したようなものだ。

 麻生さんも嵌められたように感じる。彼は歯にものを着せない人柄。外交的な場面で、失言が心配だ。谷垣さんは、もっと大変だろう。 「財務官僚の言いなりだ」と満座の中で小泉さんに叱責され、それでも、留任したからには、失敗が許されないように仕掛けられている。

 それぞれに、不安材料がある。そこへ持ってきて、新たな「後継者候補」がグッと増えた。額賀さんである。奴は出来る。旧橋本派から 一本釣りしたようなものだ。与謝野は政策では谷垣より勝っている。竹中は元々、最有力ポスト小泉。平沼、野田がいなくなった分、ライ バルを増やす。要するに、後継者争いをさらに混沌とさせる小泉手法。流石だ。

 そして、最後は「山崎+武部」のイエスマン・コンビが小泉続投を世論形成する?

 ポスト小泉は小泉。続投しなくても、新ヤミ将軍・小泉の誕生である。

 まあ、これは考えすぎだとは思うが、皆さん、頑張ってくれ。

 午前中「おけら街道」を書き、夜、目黒の隠れ家? で、2人の尊敬する経済人夫妻と夕食。もちろん、話題は組閣、インパクト。

<何だか分からない今日の名文句>

分割統治