3日の日刊ゲンダイが「小川法相 馬狂い人生」という記事を載せた。脇見だしは「党首討論直前ケータイでチェック」。
「そんなに愛馬が大事なのか。小川敏夫法相(63)が、先月29日の党首討論が始まる直前に、参院の委員会室内で携帯電話の競馬サイトを閲覧していたことがバレた」という書き出しである。
委員会でケイタイ? 褒められたことではない。でも、趣味が高じたことだろう。新聞が「お灸」をすえても自由だが……それほどの「悪事」ではないだろう。討論が始まる前の話だ。
記事は続く。
2日の閣議後会見で、この事実を聞かれた小川は当初、「え? ちょっと記憶はないんだけど」トボケたが、記者に「一応、写真もある」と問い詰められると、渋々降参。「自分の馬の調教がどうだったのか見ていたかもしれない」と認めた。
小川は政界きっての「馬狂い」で、先月中旬の資産公開で競走馬2頭の所有を報告。これまでにも、「中央競馬だけで、68頭も所有していた」(競馬関係者)というから驚きだ。
この記事はその後、小川さんの「馬主成績」を詳細に報道している。
この記事を書いた記者さんは、しきりに「驚いた」と言うのだが……これには、こちらの方が驚く。
馬主活動は(イギリスのことを例にするまでもなく)高尚な趣味である。すこぶる立派な経済活動である。
かのチャーチルは「首相になるよりダービー馬のオーナーになるのは難しい」と嘆いた。
世界では「皇室」が競走馬を所有するケースもある。
「馬狂い」という表現は場違いではないか?
小川さんのことをよく知らない。法相として相応しい人物であるかどうか? 判断できない。だから、批判される面もあるかも知れないが……しかし、競走馬所有が「馬狂い」というのは、どうだろう。馬主に対する名誉毀損ではあるまいか?
日本には、儒教の影響か「ギャンブル」を忌み嫌う人もいる。競馬嫌いのメディアがあって、おかしくない。
毎日新聞が金・土曜日の夕刊に「出走表」を載せた本格的な競馬欄を始めた時、社内では議論があった。
だから「ギャンブルを否定する新聞」があっても良いだろう。
しかし、日刊ゲンダイは競馬情報満載で売っているメディアである。
「小川さんの馬狂い人生」が出た日刊ゲンダイには10ページを越す競馬面が掲載されていた。
「馬狂い新聞」とは言わないが(笑)、競馬ファンの支持で商売をしているじゃないか?
日刊ゲンダイは好きな新聞だ。でも、これでは、日刊ゲンダイが常々批判する「朝日」「日経」のインチキ大新聞と同じ詐欺的紙面じゃないか?日刊ゲンダイはいつから大新聞になったの?
来月の早稲田新聞学科のOB会で、社長の下桐に会ったら、からかってみよう。
もし、どうしても「委員会でケイタイ」を批判するなら、見出しを「小川さん! 競馬はケイタイでなく、日刊ゲンダイで!」とすれば良いのに(笑)
<何だか分からない今日の名文句>
される身に なって批判は 丁寧に