「お帰りなさい!」という大将酒場「だるま」

 JR東京駅の丸の内南口前に、3月21日「KITTE」がオープンした。
 4月1日午後、暇を見つけて“見学”に行った。
 日本郵便が初めて手がける商業施設。名前は「切手」と「来て」から来ている。
 洒落たショップが並んで、なかなかの盛況。千疋屋のカフェに列が出来ていた。
 ここは旧東京中央郵便局の局舎の跡地。一部保存・再生した部分が残されている。
 昭和37年、高校2年生の頃、青少年団体「郵便友の会」の全国委員長をやっていた。当時、会員が全国で14万人。文通を奨励して、郵便料金を稼ごうとした郵政省の狙いが当たって、一大勢力だった。
 高校三年生が全国委員長になるのが普通だったが、弁舌爽やかな?当方、二年生で立候補。当選してしまった。
 で、放課後、国電を乗り継ぎ、東京中央郵便局にある事務局に出向く。男子校の日大一高の生徒。女の子と会える数少ないチャンスだった。だから、ここは「思い出の青春スポット」だった。
 「郵便局長室」は、そのまま残っていた。が、記憶より、狭いような感じ。「権威」が大きく見せたのか?
 地下1階から地上6階まで、ショップを軒並み覗いて約一時間。
 伝統の味、地元で人気の食、ここでしか買えないもの……合計98店舗。「小さな旅」に出たような気分になる。(「金子眼鏡」はお薦め)
 夕方、急に「鯖の一夜干し」が食べたくなって、東京駅からタクシーで、門前仲町の「富永食堂」へ。
 ところが満員。新年度のスタート。団体客が多いのか?
 仕方なく、辺りを探索。見つけた!見つけた!
 「だるま」という名の古びた?居酒屋。
 これは当たりだった。
 マグロの中とろ、鯖の塩焼き、それに、ほうれん草のおしたし、ハムカツ……美味い。
 注文すると「ありがとうございます!」という掛け声。
 「酎ハイ1発!」 「煮込み1発!」1発って……掛け声が素晴らしい。
 それに、名物は美人の姉妹?客が暖簾を潜ると「お帰りなさい!」と言う。
 もちろん、すぐにいっぱいになった。
 店を出ると、ちょっと千鳥足。深川の桜は散り始めていた。

<何だか分からない今日の名文句>
浮いた浮いたの深川河岸