日本人は五輪を望んでいるのか?

 2020年夏季五輪の開催地を決める国際オリンピック委員会総会まで、あと4日。
 東京都の猪瀬直樹知事は2日、総会が開かれるアルゼンチン・ブエノスアイレスに乗り込んだ。
 総会では、高円宮妃久子さまがスピーチするらしいが……猪瀬さんは「皇室が国民的命運の中に存在することは間違いのない事実だ。1月から宮内庁に働き掛けしてきて、本番での登場という良い形を作ることができた」とご満足。
 でも、この言い分に、違和感を感じる。猛烈に、感じる。
 今、日本が直面している「国民的命運」は、福島第一原発からの汚水流出問題ではないのか?
 天皇、皇后が心配しているのは、この問題だ!と勝手ながら、推測している。
 原子力発電所の様々な問題は常に冷静、かつ総合的に判断しなければ!と考え、軽々しく「原発ゼロ」とは言わなかったが……「汚水流出」は違う。これは、まさに「国難」。素早く対応しないと……人類の「種」に関わるかも知れない。
 この問題で「事実」が隠蔽されてはいないか?国民は苛立っている。
 シリアの問題、消費税増税の問題、それにオリンピック。次々にニュースを作り上げ、人々の関心を「汚水流出」から拡散させているが、今、日本の「命運」に関わっているのは、断じて「オリンピック」ではない。汚染水だと思う。
 もちろん、指導者がしなければならない懸案は山積みになっている。
 指導者は、今、「オリンピック」に逃げようとしている。そうとしか、思えない。
 実は、世界のメディアは「 オリンピックどころではないだろう!」と言わんばかりである。
 落選したっていいじゃないか?
 今日(9月3日)の毎日新聞夕刊「牧太郎の大きな声では言えないが」では「オリンピックより大事なこと」を書いた。
 日本人は覚めている。

<何だか分からない今日の名文句>
「汚水」は過失?犯罪?