1999年の有馬。 「競馬に勝って、勝負に負けた」と武豊は言った

 昨日18日、発売のサンデー毎日は「武豊」一色。

 表紙も、カラーグラビア(5ページ)も「ターフに立つ“紋付き袴”の武豊」。

 真ん中のカラーグラビア4ページが「武豊の有馬記念特別座談会」(相手は鈴木淑子、小堺翔太)

 巻末グラビア(1ページ)が「勝負服の武豊」。

 裏表紙は広告で「JRAの有馬記念」。

 4000勝を祝ってのことだとは思うが、ひょっとして、新らしい編集長が猛烈な豊ファンなのかも知れない。

 あるいは、JRAがいつもより「お高い広告料金」を払ったのかも知れないけど(笑)…… 兎も角、今週は、何処へ行っても「平成最後の有馬記念」だ!

 1999年の有馬記念を思い出した。あの時、「4センチ差の天国と地獄」を知った。

 レースはゴーイングスズカが引っ張た。スローペース。武豊のスペシャルウィークは最後方に控え、グラスワンダーをマークした。

 最後の直線残り250mでツルマルツヨシが早めに先頭。残り50mで、皐月賞馬テイエムオペラオーがこれを交わした。

 そこへ、グラスワンダー、それをマークしていたスペシャルウィークが外から一気に追い上げる。

 壮絶なぶつかり合い。テイエムオペラオーが脱落した。

 最後は、グラスワンダーとスペシャルウィークが並んでゴール板を駆け抜けた。

 写真判定である。なかなか結果は出なかった。

 スペシャルウィークの武豊は勝利を確信した。ウイニングランを行った。それを見たグラスワンダーの的場は「負けた!」と思ったのだろう。下を向いて、引き上げていった。

 ところが、である。

 スペシャルウィークと武豊が枠場に戻ってきた時、電光掲示板に着順が出た。場内が騒然となった。な、な、何と長い写真判定の結果は……4センチの差でグラスワンダーが勝っていたのだ。

 騒然となった。

 この時、である。記者に囲まれた武は <競馬に勝って、勝負に負けたという感じですね>とだけ言った。

 武は凄い。見事なコメントじゃないか?

 馬券で負けたファンは、これで納得した。

 この時「武豊が新聞記者になったら名文記者になるな!」と思った。

 さて、平成最後の有馬記念は23日だ!

 <何だか分からない今日の名文句>

競馬は「頭脳」で戦う格闘技