5日夕方、今回の旅の目的の一つ「奥津軽の龍飛」に着いた。
僕が生まれた昭和19年(1944)5月、作家・太宰治は故郷「津軽」に疎開。この地に向かい「絵にも歌にもなりやしない。ただ岩石と、水だけ」と書いている。
風が強い。岩が強い。水が強い。
太宰は、自身の「津軽の血」に自信に似たものを得て帰京。小説「津軽」を完成させる。
が、4年後の1948年、肺結核が悪化し喀血。6月13日夜半、山崎富栄と玉川上水に入水自殺している。
法名、文綵院大猷治通居士。この月「展望」に「人間失格」の第二回が、「朝日新聞」に「グッドバイ」が発表されている。
どんな気分だったのか?
戦争と、病、それに複雑な男女関係……どんな気持ちだったのか?
6日朝、ホテルから龍飛岬灯台に向かった。
石川さゆりの「津軽海峡冬景色」に登場する灯台だ。灯台には日本唯一の階段国道「339号」を歩いて登ることになる。お役所の担当さんが現地確認しないで、地図だけで「国道」にしてしまったのだろう。
確かに風が強い。
そう言えば、義経はこの岬から、北海道に逃げた?
大海原。風の向こうに、可能性が幾つも、転がっている。
さあ、今日から、東京に向け、Uターン!
<何だか分からない今日の名文句>
風の岬に「海鳴り」
海峡浪漫だ!