プロ野球・国鉄(現ヤクルト)と巨人で前人未到の通算400勝を挙げた怪物・金田正一さんが6日、急性胆管炎のため、東京都内の病院で死去した。ちょっと前まで、TBSのサンデーモーニングに登場したり、元気だったのに……86歳、怪物にも「終り」がある。
背番号34の「カネやん」は我々、戦中、戦後世代のヒーローだった。弱い国鉄スワローズを一人で背負って立ち、王、長嶋をキリキリ舞いさせた。
現役時代の通算成績は944試合で400勝298敗、防御率2・34。通算投球回数5526回3分の2、通算完投365回、奪三振4490個、与四球1808個……こんな怪物、二度と現れないだろう。
「カネやん」には思い出があった。
その昔、社会部記者だった僕は、サンデー毎日の正月企画「長谷川一夫VS美空ひばり」の夢の対談を実現した。
ゲラを見たい!と言うので、「ひばり御殿」に持っていくと、ひばりさんのお母上が「私がチェックします」
「今日はひばりさんは?」と聞くと「誰にも言っちゃあダメよ。カネやんとデートなのよ」
ひばりさんと金田さんは「恋人」?嫌々「兄妹」と言うような間柄だったらしい。
「もし書いたら、二度と会わないからネ」と念を押された。
もう一つ「書かない」という約束で、お母上から聞いた逸話は「山口組三代目田岡一雄」さんのこと。素晴らしい話ばかりだった。
美空ひばりにとっては、田岡さんが「お父さん」 金田さんが「お兄さん」のような感じ?
金田さんは、豪速球だけでなく「人間技」でも名人だった。
合掌。
そうそう、競馬の凱旋門賞・仏G1。ヴァルトガイスト(牡5、P.ブドー)が、3連覇を狙ったエネイブル(牝5歳、L.デットーリ)を差し切り初制覇。
パリの現場に行った「たまちゃん」に、ご贔屓のキセキ(牡5、C.スミヨン)の単勝を買ってもらったが、かなり離れた7着。それでも、日本勢では最先着だった。
たまちゃん、記念になるから、外れ馬券、持ってきてくれよ。
<何だか分からない今日の名文句>
「豪速球」逝く!
散る桜 昭和は 遠くなりにけり