発売中の「毎日フォーラム」の<牧太郎の令和をちょっぴり古風に! 天才とコロナ禍で空前の将棋ブーム>の書き出しは……
六十数年ぶりに将棋を指した。実は小学4年生の頃、母親から「将棋をやめなさい!」と言われた。その理由から書こうと思う。
実家の東京・柳橋の料亭「深川亭」の板場では、当時(昭和20~30年代)昼の仕込みが終わると、全員、将棋に夢中だった。
40代の板長「和田さん」は滅法強い。新聞の将棋欄を読んで“勉強”している。「太郎君はせいぜい『挟み将棋』だな」と言われていたが、学校から帰ると板場で本将棋を観戦。少しずつルールを覚えた。
母親が気にしたのは、板場の本将棋は「賭け勝負」。給料の大半を負けてしまう「洗い方」「煮方」(若い調理人)が現れる。それが嫌だったのだろう。
実は、ここでは書かなかったが「板長の和田さん」は賭け将棋で生計を立てる「真剣師」だった。
だから、「真剣師」がどんな生活を送っていたのか、興味はあったが、まるで分からなかった。
最近「真剣師 小池重明」という本があること知った。筆者はあの団鬼六さん。読みたい。
で、昨日21日、手に入れ夢中になった。実に面白い。
主人公の小池 重明は愛知県名古屋市出身。アマ最強という評価だが、賭け将棋で生計を立てる真剣師。
「新宿の殺し屋」「プロ殺し」など数多くの異名を持つ人物の波乱万象の人生は凄い。
今、半分ぐらいまで読んでいるが、こんな人生、あるのか?と舌を巻いた。
ある事実を知った。今、話題の藤井聡太君。
彼は木村義雄十四世名人の弟子だった板谷四郎九段が棋士引退後、名古屋に開いた「板谷将棋教室」の弟子。
実は、真剣師 小池重明 も、この教室の弟子だった。
さて、その藤井君、21日、大阪・関西将棋会館で「B級2組順位戦6回戦」を戦い、村山慈明七段に快勝。これでB級2組5連勝。無敵である。
「真剣師」との戦いはご法度だが、見てみたい気分だ。
<何だか分からない今日の名文句>
二人とも「東海の若大将」