昔、何度か、お会いした「とくダネ!」のキャスターだった小倉智昭さんが9日、亡くなった。同世代の77歳だった。
(多分、日経新聞だったと思うが)小倉さんはコラムで、こんなことを書いていた。
「今の状態は理想の隠居じゃない。68歳で膀胱がんが見つかり、肺や腎臓に転移し……2023年12月、左腎臓を切除した」
俺も肺がんを手術しているが、彼は「癌のデパート」みたいな状態だったらしい。
闘病生活でカネが掛かる。
「米国のビバリーヒルズに家が建つぐらい稼がせてもらったけれど、ほぼ全て事業などに注ぎ込んでしまっていた」らしくカネがない、
「借りていたビルを引き払い、自宅にコレクションなどを集めた。自宅が手狭になり、妻は介護が必要な母親が住む実家に移った。週に2〜3回ほど来てくれるけど、76歳になって一人暮らしを始めるなんて思ってもみなかった」
「体が動くうちに海外旅行をすればよかった。ワインのおいしいお店に行っても自由に飲めない。若いうちにやれることがあったらやったほうがいい。老後にやろうと思っていても、老後になるとできないことがあまりにも多すぎる」
小倉さんの言う通り!と思った。「老後でやろう」はダメなのだ。
俺も「自由に動く」のが難しい。
「それが老後ということか?」と思っていたら……その小倉さんが77歳で逝ってしまった。
知り合いの「みのもんた」と同じように、小倉さんはテレビ時代の成功者!と思っていたが……「老後の生活」は誰も同じようなものなんだろう。
寂しいな。
<何だか分からない今日の名文句>
「癌」が価値観を変える?