年に1億円以上稼ぐ1億円プレーヤー。主にスポーツ選手に対する言葉だった。
日本で初めての1億円プレーヤーは野球の落合博満。中日ドラゴンズに移籍した1987年シーズンの年俸が1億3000万円だった。
ゴルフ界では1989年に尾崎将司が1億870万円、競馬で武豊が1億4700万円稼ぎ出した。
一億円プレーヤーは若者の“夢”だった。
ところが、ここ数年、サラリーマン重役が一億円プレーヤーに顔を出すようになって、様相が変わった。
それも、数億円の巨額報酬を貰う人もいる。一億円プレーヤーは成功した企業の重役になった。
一般のサラリーマンの収入が激減しているのに。
「お見事! 一億円プレーヤー」には、違和感を感じる。
日産自動車のカルロス・ゴーン社長が2012年3月期の役員報酬9億8700万円を受け取った。
役員報酬が前の期より500万円多い9億8700万円になった「言い訳」を、ゴーン社長は、東日本大震災などの影響を受けながらも過去最高の販売台数になった、と話す。
しかし、約10億円の金額はべらぼうではないか?
日産の社内取締役8人の報酬総額(ストックオプション=株式購入権を含む)は約18億8000万円。一億円プレーヤーは6人。
「巨額報酬、みんなで渡れば怖くない」である。
ゴーンさんの言い分には致命的な弱点がある。
前期、日産の単独決算は赤字なのだ。過去最高の売上げが事実であったとしても、赤字では「経営者失格」である。
社員は給料減に泣き、経費節減に泣いている。
彼が貰う巨額報酬には犯罪的な匂いがする。
そこで、今日発売のサンデー毎日の「牧太郎の青い空白い雲」では、「巨額報酬の欺瞞」を書いた。
メディアが巨額報酬を許す背景には、それぞれの企業が主要広告主になっているからだ。
広告が出ないと困るので“驚愕報酬”に目をつぶっているのではないか?
それなりの覚悟をして、書いたので、是非、読んでくれ!
連休はボーッと過ごし、週刊文春の電話取材に応じただけ。それにしても、暑いなあ。
<何だか分からない今日の名文句>
一億円プレーヤー みんなで渡れば怖くない