売春婦は「白い奴隷」と言われた

 熱海から帰ったら、社会部の大先輩、中村伴さんから、ハガキを頂いた。
 「83歳と馬齢を重ねています。そんな中で、貴君の『大きな声では……』を毎週、楽しみにしています。スカッとします」と書いて頂いた。
 ありがとうございます。
 お元気ですか?
 社会部OB会を楽しみにしています。
 で、今日(8月27日)の毎日新聞夕刊「牧太郎の大きな声では言えないが」は「売春は職業か?」という歴史的なテーマにしました。
 読んで下さい。
 とは言っても、書きようによっては「売春擁護論」と言われかねないので……彼女たちの「社会保障の問題」に的を絞るやり方にしました。
 「慰安婦」という表現が流行っているようですが、この言葉は好きになれない。
 ヨーロッパでは(20世紀まで)「白い奴隷」という言葉があった。売春行為の「悪」はその「奴隷性」にある。
 「慰安」という言葉の曖昧さ。むしろ「白い奴隷」の方が明確ではないのか?
 「臨床政治研究 第四号」に読み応えのある論文が二つ載っている。
 「イギリスの売春をめぐる法の限界と統治」立正大学法学部准教授・岩切大地
 「カナダにおける売春規制の歴史と現場」椙山女学園大学講師 手塚崇聡
 興味のある向きは読んでみたらいい。
 サンデー毎日が送られてきた。「追悼 藤圭子 孤独と修羅」。迫力ゼロ!
 同じような状況で、取材がスタートした「週刊現代」は4ページ。新事実も出ている。
 大負けだ!
 そうそう、中村先輩の苦言を載せておく。
 「朝刊二面『編集長のこだわり』……誰が読むんですかね。それに、自己満足だけの長文の多いこと。イヤハヤです」
 読まれる向きもあるとは思うが……その分だけ、ニュースの量が減るのも事実。
 中村先輩!肝に命じます。

<何だか分からない今日の名文句>
良薬 口に苦し