ゴールドシップの引退レース「有馬記念」で奇跡が起こった。
スタンドを埋めた12万人の大観衆が見守る中、ゲートが開く。この時、誰もが、ゴールドシップの奇跡の復活を夢見ていた。
キタサンブラックが引っ張るスローの流れ。最後尾のゴールドシップが「我慢できない!」とばかり、3コーナー手前から、大外まくり。大歓声があがった。
しかし、シップの走りはそこまでだった。前に進まない。芦毛伝説の終わり?
直線に入ると、前にいた先行馬が脚を伸ばし、後続組はなかなか追いつかない。「行った行った」の平凡な結末になろうとした瞬間だった。
道中内の3~5番手につけて脚をためていた馬がいた。
同じ「ゴールド」でも、こちらは「アクター」。
外に持ち出して、末脚が爆発した。前のキタサンブラックとマリアライトの2頭を並ぶ間もなく抜き去った。
見事だった。それより、奇跡だった。
ゴールドアクターは血統馬ではない。彼が生まれた北勝ファームは繁殖牝馬が3頭の貧乏牧場?とても、GⅠレースに出るような「誇れるほど血統」は持ち合わせていない。
調べてみると……アクターの母の父、キョウワアリシバは Alydar 産駒の○外で、重賞勝ちはない
GIIニュージーランドT4歳Sでは圧倒的1番人気に支持されたが5着。素質馬ではあったが、朝日杯チャレンジC3着など19戦5勝の「並の成績」だった。
それでも、北勝ファームの人々は、キョウワアリシバを種牡馬にした。地方競馬の競走馬を誕生させる、と思ったのだろうか?
10年以上供用されて産駒数は30頭に満たない。
それでも、 僅かな産駒からGIII名古屋優駿3着のブラウンライアン、中央3勝のアリシバキング、、そして、障害OP特別勝ちのヘイロンシンなどを出した。
これは、極めて「稀な出来事」だった。
そして、障害で勝った女。イロンシンが繁殖牝馬になって産んだのが、奇跡の有馬記念の勝ち馬、ゴールドアクターだった。
ゴールドアクターのオーナーブリーダーである居城要さんは「障害馬にしよう」と思って、ヘイロンシンにスクリーンヒーローをつけた。夢は中山大障害だった。
それが、三連勝で有馬記念に進み、勝ってしまったのだ。
奇跡である。
大レースの勝ち馬は決まったように「社台の馬」だった。その社台に「繁殖牝馬3頭の貧乏牧場」が挑み、勝ったのだ。
嬉しくなった。
実は、23日のブログの<何だか分からない今日の名文句>で「有馬記念はドラマが走る」と書いたが、それが本当になった。嬉しい。
今日28日、仕事納め。
毎日新聞夕刊のコラム「牧太郎の大きな声では言えないが」も、今日の「手帳が決めれば新年だ!」で終わり。
年末年始は充電? ブログも休む。(次回は元旦)
療法士の若者から頂いた、彼の故郷の「出雲そば」を食べて、新年を迎えるつもり。
皆さん、良いお年を!
<何だか分からない今日の名文句>
今年の有馬は「拝金主義」を笑った