甘利さん、28日夕、約1時間10分の会見。現金授受の経緯を説明して、進退に触れると思わず目に涙をためて声を震わせた。
ちょっと気の毒、と思ったが「私自身はまったく関与していなかった。何ら国民に恥じることをしていなくても、監督下にある事務所が招いた国民の政治不信を秘書のせいと責任転嫁するようなことはできない。それは私の美学、生き様に反する」。
何のことはない「自分だけ潔癖」と言い張っているだけ。 最後まで「世襲議員の(勘違い)美学」に終わった。
中国の反応が面白い。 短文投稿サイト「微博」では「100万円の汚職で辞めるの?」「中国ではもっと巨額でも問題にならない。国情の違いか」「面の皮が薄すぎる」など皮肉を交えた書き込みが相次いだ。
本人は数日前に「辞任を覚悟」していた、というが、多分、それは嘘だろう。
これは、週刊文春の第二弾で、秘書が逮捕される可能性が大きい「物的証拠」の存在を知らされたからだ。
秘書二人のUR(独立行政法人都市再生機構)に対する口利きの録音。
週刊文春が入手した録音によれば、清島所長は、2015年10月27日に衆院議員会館を訪れたURの総務部長と国会担当職員を、鈴木秘書が「威圧した」と語っている。
(開口一番威圧したんですよ。私たちは、今までこれほどこじれた話なんだから、現場ではなく、ちゃんと本社に持って帰る話だろうという話をしてたんです〉
(最初にガツンと会った瞬間に「あんたたち、俺たちの顔立てるっつったよな、わかんなかったの?」って言ったから〉
明らかな「甘利大臣」を背景にした「脅し文句(圧力)」である。あっせん利得処罰法違反の疑いで逮捕される「材料」である。
それでも、安倍の周辺は「秘書が逮捕された時点で考えれば良い。それまで、辞めるな!」という声も強かったようだが、この「秘書の脅し文句」が「辞任の決め手」になった。と僕は見る。
実は、アベノミクスが崩壊している昨今、甘利さんも「本当は辞めたかった」という「うがった見方」もある。(そのことは、来週発売のサンデー毎日「牧太郎の青い空白い雲」で書くつもり)
さて、もっと危険なことは……後任に「石原起用」。政治も、経済も、何も分からない「ボンボン」が、まともに答弁できるのか。
<何だか分からない今日の名文句>
狡い大臣から「アホの大臣」へ