3月27日の毎日新聞夕刊二面の特集ワイド。片隅に「牧太郎・客員編集委員のコラム『牧太郎の大きな声では言えないが……』は前回で終わりました」とだけ印刷されていた。
昨日のブログで明らかにしたように、本当は、毎日新聞社側の判断で「新聞の軽減税率」に反対する僕のコラムが紙面から消された!というのが真相である。
ちょっぴり、複雑な気分である。寂しい。(今日のブログでも「幻」になってしまった「大きな声では言えないが」最終回を再録することにする)
27日は一日中「佐川喚問」のテレビ中継を見たが、進展なし。時間の無駄だった。
夕方、日本橋高島屋へ行って、今回の「騒動」で迷惑をかけた仲間に「お礼」の最中を送った。
多分、喜んでくれるだろう。
この数日、不愉快なことが続いたが、嬉しいこともあった。
素晴らしいカフェを見つけたのだ。
26日午後、地下鉄・清澄白河駅に近い、満開の桜並木を歩いて疲れた。歩けない。で、自転車のご婦人に「この辺にカフェはないか?」と尋ねたら「素敵なところがありますよ」と教えてくれたのが 『iki ESPRESSO(イキ エスプレッソ)』。
2016年1月にオープン。倉庫をリノベーションしたのだろう。店内はグレーとホワイトを基調としたコンクリート造り。入口はフルオープン。清潔な、開放的な空間である。
広々として、居心地抜群。気に入った。
芳醇なバターが香るブリオッシュタイプのフレンチトースト。甘すぎない。
幸せな瞬間! 気分爽快である。
二時間ぐらい、ボッサとした。新聞のことなど、すっかり忘れた。
カフェって、良いな。
<何だか分からない今日の名文句>
新聞より「一杯の珈琲」
《「牧太郎の大きな声では言えないが」再録》
【最終回「“青い空”で会いましょう」】
東京下町の花柳界で育った母は「考え方」が世間様と幾分、違っていました。
「勉強は自分のため。成績が良い!なんて自慢するのは恥ずかしいことなのよ」「女房だけじゃいけないよ。多くの女性を助け、多くの女性に助けられるのが人生だよ」……受験勉強不要論、不倫肯定論みたいな言い草の数々。母は少数派でした。
「医者、学者、長者と付き合え!記者とは付き合うな!」と言いながら、新聞記者との間に僕を産んだ母。僕が毎日新聞記者になった時「せめて、御用記者にはならないでおくれ!」と笑ってくれました。
料亭を営んでいた母は「イナダイは座敷に入れない」が口癖でした。「権力を傘にきる田舎代議士」が大嫌いでした。
そんな反骨の血が流れているのか「新聞記者の仕事は権力を監視すること」と心得ました。
ところが、最近、新聞が「権力」になってしまったように思うのです。
新聞業界は消費増税にあたって「購読料金の軽減税率」を求めています。活字文化の維持、普及のために、新聞は食料品などの生活必需品と同じような扱いを受けるべきだ!という主張です。知る権利を守るために……という理由は分からないではないのですが、この主張は「税の不平等」に繋がるのではないでしょうか?
夕刊特集の紙面刷新で、コラム「牧太郎の大きな声では言えないが」は今回が最終回です。自由に書かせてもらいました。最後に「新聞の軽減税率反対」まで書いてしまいました。
大袈裟に言えば、新聞業界を敵に回してしまった僕ですが、母は「これで良いんだよ」と言ってくれるでしょう。
サンデー毎日の時評「牧太郎の青い空白い雲」と月刊・毎日フォーラムの「牧太郎の信じよう!復活ニッポン」の連載は続きます。「牧太郎の二代目日本魁新聞社」という個人サイトも読んでください。
桜の季節だというのに、お別れするのは……ちょっぴり残念ですが、みなさん、ひとまず、グッドバイ!(God be withh you)神のご加護がありますように。
長い間、本当に、ありがとう。