保守系雑誌「月刊日本」12月号(ケイアンドケイプレス)が「天皇陛下のお言葉を真摯に受け止めよ」という特集を組んでいたが、その中に「衝撃の情報」が載っていた。
毎日新聞編集委員の伊藤智永氏のインタビュー「安倍総理の天皇観を問う」。伊藤氏は”毎日新聞ではなく私の見解”としたうえで、今上天皇個人に敬意を払いつつ、この間の「生前退位」めぐる有識者会議の運営や宮内庁の更迭人事など、安倍政権の動きを批判した。
そこで明かされた「驚くべき情報」とは……
<ある有力政治家の話ですが、彼が官邸の総理執務室で安倍さんと生前退位の話をしたら、安倍さんはカーペットに膝をつきながら、『こんな格好までしてね』と言ったらしいのです。ちょっと何て言うか、天皇陛下が被災者の方々に寄り添うお姿を、そういうふうにちゃかしてみせるというのは……。信じがたいですね>
びっくりした。
天皇が初めて被災地に訪問して、膝をつきながら被災者を慰められた時、一部「極右」が『そんなことをすべきではない』と批判したことはあったが、天皇から任命された「首相」が「象徴天皇」の「真摯のお姿」を茶化して見せる。
本当なら、許されないことではないか!
「生前退位」を典範改正による恒久的制度化せず、一代限りの特別法でお茶を濁そうとした安倍政権は、世論だけでなく、天皇の意思を完全に無視している。
安倍さんは「傲慢」である。自分が王様!と思っている。
で、僕は、サンデー毎日の<牧太郎の青い空白い雲>で、ここ一ヶ月「天皇と安倍政権」をテーマにして書いている。
【退位まで半年。天皇は「光格天皇の抵抗」に学ばれた?】
【「天皇」は政治的発言を過度に自粛する必要はない!】
【江戸っ子に『靖国』は“長州藩の守り神”にしか見えない?】
覚悟して書いている。
11月30日、秋篠宮さまが53歳の誕生日を迎えられ、これに先立って紀子さま(52)と行った記者会見で、来年5月に即位する新天皇が五穀豊穣を祈る皇室行事「大嘗祭」について「宗教行事と憲法との関係はどうなのかというときに、やはり(天皇家の私的生活費である)内廷会計で行うべきだと思う」と述べられた。
政治的発言である。あえて、政治的発言に踏み切った。
天皇、皇后、皇太子とご相談の上の発言!と僕は心得た。
良くぞ言われた。「天皇」に基本的人権があるか?は、学者によって意見が分かれるが、皇族には基本的人権が間違いなく存在する。
秋篠宮さまは宮内庁の山本信一郎長官に見解を伝えたことも明らかにし「話を聞く耳を持たなかったのは非常に残念だった」とまで言われた。
その発言に「天皇家の怒り」を感じる。
明日(12月4日)発売の「サンデー毎日」<牧太郎の青い空白い雲698回>は
【靖国神社に「吉田松蔭の大日本主義」が祀られている?】
覚悟して、安倍首相が尊敬する「吉田松蔭」を批判した。是非、読んでもらいたい。
訃報。フリージャーナリスト・大須賀瑞夫君が11月30日、肺炎のため死んだ。
まさか? 何で?
元気だ!と聞いていたのだが……会っていれば良かった。
75歳。早すぎる!
大須賀は早稲田大学新聞学科の同級生。時期は違うが、共に毎日新聞社に入社した。
政治部で、僕が首相官邸キャップだった頃、サブキャップとして助けてくれた。(実は、彼の風貌、仕事ぶりから、周囲は「大須賀さんがキャップ」と思っていた)
筆が立った。彼の「田中清玄自伝」「野望の系譜 永田町風雲録」がかなり売れた。
それ以上に、若手を育てるのが上手だった。彼が可愛がった「倉重」は今、永田町で1、2を争う敏腕記者に成長した。
こんなに早く逝くとは……無念である。
(通夜は12月6日午後6時、葬儀は7日午前10時半、横浜市青葉区青葉台2の7の10の青葉台ほうさい殿。喪主は妻万裕美(まゆみ)さん)
<何だか分からない今日の名文句>
首相に教えたいもの
「鏡」は「知」
「勾玉」は「仁」
「剣」は「勇」
(三種の神器は三徳を表す)