映画「記憶にございません」の風刺度は?

 24日(旅先で)時間が余ったので、映画「記憶にございません!」を見た。(脚本・監督が異彩・三谷幸喜だから)

 粗筋は……総理大臣の黒田(中井貴一)は、病院のベッドで苦しんでいた。

 自分が誰だか分からない!

 病院を抜け出すと、すれ違う人はみんな自分のことを知っているらしい。

 僕は何者なのか?

 実は黒田は(安倍首相と同じように)傲慢、無知。「国民から嫌われる総理大臣」だった。

 演説中に投げられた石が額に当たって、記憶を失ってしまったのだ。

 秘書官に見つけられた黒田は首相官邸に連れ戻される。

 一国を仕切る総理大臣が記憶喪失だ!とバレたら大問題。ここはトップシークレットのまま、黒田は今までの官邸生活に戻ることになるのだが……さて、記憶喪失の男と日本国の運命は?といった「お笑い映画」である。

 それなりに風刺が効いている。正義の政治家になった黒田は「消費税を止める!」と言い出す。ここが、安倍さんと違うけど(笑)

 お笑い映画としては合格ラインの55点!というところか? 客は結構、入っている。

 三谷作品の特徴は「出演する役者がみんな主役級」。 エンドロールで「天海祐希」の名前があったけど、どこに登場したのか?分からない。

 で、ネットで調べたら……記憶を失った黒田がたまたま入った定食屋。テレビでは、総理入院のニュースを伝えている。

 そこで、黒田と定食屋の親父のやり取り。

 「カネはないけど、いつか、お代は必ず払う」という黒田。「いや、お前なんかに、カネを貰いたくない」と主張する店主。口喧嘩になるのだが……その時、背後のテレビに流れているのがドラマスペシャル「おんな西郷」の番宣。テレビに映った西郷隆盛が「天海祐希」だったのだ。

 「おいに任せてくいやい」という台詞もある。

 もちろん「おんな西郷」は映画の中だけの架空番組である。

 「話題作り」も、三谷はお上手だ。

 さて、昨日24日発売されたサンデー毎日は

 <1冊丸ごと健康寿命を10歳延ばす>

 週刊誌はどこも「老人シフト」?

 【牧太郎の青い空白い雲/736 あの黒幕「許永中」の自叙伝が示唆する「和解の糸口」】は、老人シフトとは無関係。若い読者にも読んで貰いたい。ネットでタダで読める。

 

<何だか分からない今日の名文句>

現実の総理は「腹黒」だ!(大笑い)