レバノンへ逃れた(大嫌いな)カルロス・ゴーン被告。日本時間8日夜の記者会見で「自身を追放した人物として日産自動車の経営陣」など6人を名指ししたが、問題の「日本政府関係者の名前」については「レバノン政府のため」として一切、明らかにしなかった。
でも、ゴーン が隠した「人物」は昨日8日のブログ<「ゴーン斬り」に「官邸の中心人物の一人」はどう関係したのか?>で、匂わしていたおいた人物と「同一」である。
そのヒントは
①西川広人前社長、前副社長の川口均氏、前監査役の今津英敏氏らと並べて、ゴーンは「社外取締役の豊田正和氏」を名指しした。
②豊田氏は18年6月、日産の社外取締役に迎えられたが、それまでは、事務次官に次ぐナンバー2の経産審議官まで上り詰めた役人。退職後は内閣官房参与を務めていた。
③豊田氏を「日産の社外取締役」に推したのは、経産省出身の今井尚哉首相補佐官兼秘書官である。
④ゴーン は豊田氏について「日本の当局とつながっていた」と話した。「当局」とは、広い意味で「官邸」だろう。
⑤ゴーンは政府関係者の名前については「レバノン政府のため」として差し控えたが、あえて「トップレベルが関わっていたとは思っていない」と語った。
(首相、官房長官ではない!「ナンバー3」という意味だ)
以上の点で、ゴーン が「言いたかった人物」は「今井尚哉首相補佐官兼秘書官」だと類推される。
(もちろん、他にも「ゴーン斬り」に関わる日本人政治家はいるけど)
ご存知の通り、今井氏は「安倍首相にぴったり」である。
今井氏の名前を挙げると、ゴーン (=レバノン)は日本政府を完全に敵に回す!と思ったのだろう。だから、話さなかった。
突然、記者会見の直前、特捜部が(意味のない)夫人への逮捕状を取ったのも、ゴーンに「喋るなよ!」と牽制球を投げたのではあるまいか?
日産・ルノーの経営統合に経産省が介入して、豊田氏が日産に天下りして、日産と経産省が「ゴーン排除」に動いたのだろう。(ゴーン逮捕の翌日、日産の川口専務が官邸に報告している)
これは、ゴーン が主張するシナリオだが、一定の説得力はある。
傲慢な拝金主義者、ゴーンは大嫌いだが、今回は、下手糞な国策捜査だったのだろう。
<何だか分からない今日の名文句>
盗人にも三分の理
the wrongdoer never lacks a pretext;
even thieves have their reasons