もう一度、安倍国葬の菅義偉前首相弔辞の分析。
結びで、菅さん、山県有朋が「暗殺された伊藤博文」を悼んで詠んだ歌を2度繰り返し披露。国民の一部から「感動した!」と評判になったが……。
政権寄りの評論家・田崎史郎さんが9日の四国新聞のコラム「岸田、菅の『話す力』追悼の辞の明暗」で、
【国葬での岸田と菅の弔辞はどちらも同じスピーチライターが書いたもので、菅の弔辞にあった山縣有朋の歌はライターの原案段階から入っていた】と裏話を暴露した。
田崎さんは常々「書くに当たっては、僕は自分が見聞きしたものに限って書こうと決めました。だから、人から聞いた話は書かない」と話しているから「国葬の現場」を見たから書けたのだろう。
要するに「感動の菅弔辞」のキーワードは初めから「山県有朋と伊藤博文」だった。
多分、政府自民党は「二人の盟友ぶり」を紹介して「明治維新」の正義、薩長の政治手法を強調したかったのだ。
しかし、現実は違う。
伊藤は文官、山県は武官!という役割分担はあったが、二人は政治の中心の座を競うライバル。
しかも、3歳年下の伊藤が、参議、首相、枢密院議長など政界の要職に、山県より、かなり早く就任した。
二人は仲が悪かった。特に山県は嫉妬の権化。常に伊藤の政策を妨害した。
この歴史的事実を隠して、政府自民党は「軍人・山県」を素晴らしい人物に仕立て上げた。
伊藤暗殺を利用した山県有朋のように、安倍暗殺を利用して「更なる軍拡」を実現させようとするのが、彼らの狙いなのだ。
狙いは「戦前回帰」。
「伊藤・山県」友情物語に騙されてはいけない。
<何だか分からない今日の名文句>
安倍さんに栄誉礼19発