現場無視の「働き方改革」。人手不足で、患者が死んだら誰が責任を取るんだ?

 5日は慈恵医大病院で、今年初めの「下肢ボツリヌス療法」。この療法で、麻痺した右腕が大分、柔かくなった。

 安保雅博先生に感謝!

 先生に、ちょっぴり暇があったので世間話。例の「働き方改革関連法」の話だ。

 勤務医の働き方に関する法令が改善?され、4月から医療の現場では、医師や看護師などの労働環境や「働き方」が見直されることになる。

 結構な話だが、ことは、そう簡単ではないらしい。

 深刻なのが医療現場の人手不足。その原因は少子高齢化による労働力の減少、育児や介護によるキャリアの中断……原因はいくつもあるが、最近になって、看護師の退職が目立っている。(能登地方では地震退職が激しいらしい)

 人手不足が慢性的に続いている中で、実施される「時間外労働の上限規制」。

 医療機関の「人手不足」はさらに深刻化する。その結果……医療に熱心な医師や看護師1人当たりの負担が逆に増えてしまう!と言うのだ。

 東京の大病院なら、まだ良いが、地方では、医療機関が倒産することさえ予測されている。

 「机の上だけで考えた改革」。いま、医療現場は大混乱している。

 都内の某大学病院は夜間の人手不足で、緊急入院を辞退する!という噂もあるらしい。

 安保先生から「新聞は、医療現場の実情をもっと良く勉強してくれ!」と言われた。

 確かに、改革!改革!と言われると、それだけで「正しい」と思いがちだが、もし、この「働き方改革」で患者さんが亡くなったら、誰が責任を取るんだろうか?

 勉強しなければ……。

 <何だか分からない今日の名文句>

 善意の改革、悪意の改革

 もっとも厄介なのは

「無責任」の改革