1日午後、タマちゃんから「渡辺薫が死んだ」という電話。びっくりした。
渡辺薫さんは東京スポーツ競馬面の本紙予想を長く担当した名物記者。タマちゃんと同じ年、同じ月、同じ日に生まれた間柄。いつも競馬場で一緒だった。
1月31日、渡辺さんはいつものように美浦トレセンで取材。ところが、夕方、予想記事を送稿する時間になっても、記事が届かない。
美浦にいる同僚が探したら、どこにもいない。奥さんに連絡したが、帰宅していない。
で、同僚が隅から隅まで探したら……美浦セッタービルの3階の「誰もいない部屋」で倒れていた。
深夜、タマちゃんの元に奥さんから「原稿を書きながら死んでいました」と報告があった。
「奴は全く健康だったのに」とタマちゃんが涙ぐむ。脳溢血なのか?
毎日新聞が本格的な競馬欄を作った20年ぐらい前、何から何まで渡辺さんに協力してもらった。
渡辺さんがいなければ一般新聞で唯一の「馬柱のある競馬欄」は出来なかった。ありがとう!
渡辺さんの最後の予想記事「馬匠の決断」……シルクロードSで「本命はソンシ」と書いたらしいが……なぜか、この馬、体調不良で出走除外。あたりも、ハズレもなかった。
そんな渡辺さんの予想で今でも語り草となっているのが、トウカイテイオーが奇跡の復活を遂げた1993年の有馬記念。
レース前日朝の気配をチェックして「よし! テイオー買えるゾ」の1面大見出しで爆弾印をつけた。
これが大的中! 以来、有馬記念での「渡辺薫の朝爆弾」は東スポ名物となった。
今日、2月3日月曜日、日本中から競馬が消える。
週末開催の中央競馬で開催がないのは当たり前だが、「いつでも、どこかで開催している」地方競馬がこの日、全く開催がない。
実に2020年3月9日以来、5年ぶりのことだ。
何か、競馬界全体が渡辺さんを追悼しているような……
薫! あの世で「大穴」を当ててくれ(涙)
<何だか分からない今日の名文句>
〝東スポ愛〟に満ちた奴