Author Archives: 牧 太郎

“万馬券のハシゼン”は本当は「超一流のルポライター」だった

スポーツニッポンのハシゼン(橋本全弘さん)から、かなり分厚い「コピー本」が送られて来た。

 古い競馬ファンならご存じだと思うが、例の「万馬券のハシゼン」からのプレゼントである。

 橋本さんは当方より10歳若い1954年生まれ。早稲田の教育学部を出て、スポニチに入り、競馬記者一筋。

 オグリキャップ、トウカイテイオー、ナリタブライアンが活躍した頃、スポニチの紙面で連日「大穴」を的中させ、いつも話題になった。

 その後、競馬関係のお仕事を続けている、と聞いてはいたが……この分厚い「コピー本」は何だろう?

 開いてみると「24時間密着レポート・美浦夢追い家族」と言うタイトル。

 彼が、スポニチに居た時、執筆した「続き物」をコピーしたものだった。

 193回の長期連載の全てが収録されている。

 「スクラップが本棚の隅から出て来たので」と説明しているが、スポーツ紙では今も昔も、こんな長い連載はないだろう。

 「1988年5月18日から11月26日まで」とあるから、彼が「駆け出し」の頃? 若い頃から、彼は「予想屋」ではなく「物書き」だったのだ。

 読んでみると、馬券のこととはほぼ無縁。書かれているのは「調教師の家族のこと」ばかり。

 怒りも、涙もある。家庭ドラマのようだ。

 そこには、競馬村の「隠れた真実」が書かれている。

 ハシゼンが、こんな長期連載をしていたのはこれまで知らなかった。(彼の「名駿オグリキャップ」を読んだこともあるけど)

 今、4分の1、読んだところだが、これは貴重な「昭和を記録する本」だ。

 ありがとう。

 本人は「冥土の土産に!と作った」と書いているが、冗談じゃない。

 令和のトレセン事情をハシゼン流で書いてくれよ!

 

<何だか分からない今日の名文句>

 「橋本全弘の

 万馬券はこうすれば取れる」

 この本は古本屋で買った

 で「結果」は?

 それは言えない(笑)