野田首相の「美的感覚」
ちょっと、嬉しいことがあった。隅田川沿いの「原始林」と呼ぶ、何の自己主張もない「猫の額ほどの小さな庭」に、昨日(8日)黄色いバラが咲いた。
去年も、その前の年にも、咲かなかったのに……嬉しい。
バラは北半球の温帯域に広く自生。チベット周辺、中国の雲南省からミャンマーにかけてが主産地で、ここから中近東、ヨーロッパへ、また極東から北アメリカへと伝播したらしい。なぜか、南半球にはバラは自生していない。
世界に約120種の薔薇があるそうだが、黄色いバラは歴史が浅い。
長いこと、黄色のハイブリッド・ティ系の品種を作り出すのが課題だったが、1900年にフランスのジョセフ・ペルネ=デュシェ という人が「アントワーヌ・デュシェ」の実生に原種の「ロサ・フェティダ(オーストリアン・イエロー)」をかけあわせて「ソレイユ・ドール」を作出した。これが、黄バラ第1号となった。
そんなことは全く知らなかったが、なぜか「黄色い薔薇」が好きだ。ピンクより、真っ赤より、好きだ。
薔薇は美の象徴。ヨーロッパの人々は見事に開いた薔薇の花を「美しい」と表現した。(レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ(ジョコンダの微笑)』を美しいと言う人もいるし、古代エジプトの女王クレオパトラ7世を「美」とする人もいるが……僕には)薔薇が圧倒的に美しい。
バラが咲くと、意味なく、嬉しくなる。
仕事部屋に戻ったら、付けっ放しのテレビが国会の模様を流していた。税と社会保障一体改革の法案の審議が始まった、というニュース。
緊張感ゼロの野田首相の姿が大写しになっている。全く、美しくない。
何故だろう?
気がついてみると、野田さん、ネクタイを外している。まだ、5月だというのに。
周囲がネクタイをしめているのに……だから、野田さんが、特別「締まり」がないように見える。
「ネクタイ外し=節電を率先する指導者」をアピールしているつもり? でも、白いシャツではなく「ノーネクタイに紫の線のシャツ」はいただけない。
センスがない。美的感覚ゼロ。
「一国の首相」が、この姿では、世界からバカにされかねない?
「美しい」ことは、自然に対する素朴な印象、芸術作品に対して抱く感動。それにも増して、人間の行為の倫理的価値に対する評価である。
美しい指導者であって欲しい。
人より早くノーネクタイには、若干、卑しいものを感じのは、僕だけか?
<何だか分からない今日の名文句>
「美」は姿より心