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日本の女性は「三平主義」になった

 時々、浅草に行くと国際通りの「吾妻」に寄る。
 大正7年創業。すき焼・釜めし・天ぷらの「 吾妻」は変わらぬ味。注文を受けてから炊き上げる自慢の釜飯。黒毛和牛すき焼きは1人前から注文出来るから「一人者」には助かる。
 それに、女将さんが物静かだが気さくな人で浅草の昔話を聞かせてくれる。
 この間も「三平ストア」の話になった。
 三平ストアは、東京都新宿区に本店を置くスーパー。浅草店はかなり古くからあったが、平成16年、火災で全焼。平成19年に再建した。
「三平」の屋号は創業者で現会長の小林平三の名前を逆にしたもの。うまい物を安い価格で!が「三平主義」?
 「三平ストアがあるところは、ストリップ小屋だったんですよ」と女将さん。知らなかった。「その頃、この通りはストリップ銀座だった」。
 所謂、ストリップ第2期黄金時代(1951年?1955年)。国際通りに面した国際劇場の4階に国際セントラル、国際劇場のはす向かいに百万弗劇場(伊藤晴雨が”責め”の芝居を評判)。それに浅草座、カジノ座、ロック座。浅草フランス座には、渥美清、長門勇、佐山俊二、谷幹一、関敬六らがいた。
 そして女将さんの「吾妻」の隣に「美人座」があったというのだ。
  美人座? 確かに記憶がある。多分、「浅草ショウ劇場」という芝居小屋だったような気もするが……子供の頃だから……記憶が曖昧だ。
 「私はよく見ましたよ」と女将さん。”浅草通”を気取っていたが、浅草には知らないことが沢山ある。
 仕事場に戻って美人座が「三平ストア」に変わった経緯など、調べて見たが、分からない。
そのうちに「三平」という言葉には、昨今、全く違う意味を持つことに気付いた。
 「三平」とは「平均的な年収」「平凡な容貌」「平穏な暮らし」のこと。今時の女性たちは、結婚の条件は「三平」なのだそうだ。
 「三高」と言われ、日本人の女性は「高学歴」、「高収入」、「高身長」を求めたが……「三平主義」になったのか?
 ちょっと寂しいけど。

<何だか分からない今日の名文句>
黙って平均点