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「右手の特訓」一週間
気分は「楽しい高齢者合宿」だが

 荒川沿いの某病院に「右手の特訓」の目的で、入院してから16日で一週間。
 その生活はーー
 午前4時半ごろ目が覚めてしまうので、そのまま起床。かなり広い個室。一泊8000円は都心の病院では考えられない「リーズナブル」。部屋のトイレが車椅子でも使えるから、めっぽう広い。「贅沢」である。
 原稿を書き始める。
 病院の中は真っ暗で、時々、看護婦さんが「どうしました?」とやって来る。「いつも、この時間に起きて、仕事をするので」と言い訳をする。
 TAPーiで情報を集める。
 病院の売店に新聞が置いてあるが、店が開くのが9時ごろなので、それまで我慢できない。
 午前8時。朝飯。ご飯、みそ汁、オカズがふたつ。
 午前8時50分、「頭蓋磁気刺激治療」(TMS治療)を開始。約40分。経頭蓋磁気刺激装置という磁気を発生させる機械を被る。
 人間の脳は大きく左右に分かれていて、右の脳は左半身の動き、左の脳は右半身の動きをつかさどっている。経頭蓋磁気刺激装置で右の脳に磁気の刺激を与えると、神経回路を伝わり左半身が動く、そうだ。
 その原理を活用した新しい治療法。
 磁気刺激治療を受けた後は、1時間のリハビリテーション。療法士とマンツーマンの特訓。これが、結構、キツい。肩が痛い。
 療法士のO君は27歳。竹下元首相の秘書だった方のご子息で、勉強家。気が合っている。気が合わねば、喧嘩になるだろう。それほど、ハード?
 その後は、一時間、自主トレ。
 リハビリルームは高齢者の患者さんで一杯。69歳の当方でも「若造」の部類。病院のスタッフは若くて、おしゃべりするのが楽しい。
 午後零時半、部屋で昼飯。終わって、一階のカフェで20分ぐらい、一服。それが最大の楽しみである。
 1時半から、また、マンツーマンのリハビリ。続いて自主トレ。
 その頃になると、体力的にぐちゃぐちゃ。
 まるで、学生時代の合宿のようだ。
 夕方、看護婦さんが、シャワーを手伝ってくれる。
 午後6時半から、夕飯。1800カロリーの制限食。はっきり言って、味気ない。
 食後、廊下を30分歩く。
 そうこうしているうちに眠くなる。
 そんな一日だが……まだ、治療の効果はない。
 あと、一週間、頑張るぞ!

<何だか分からない今日の名文句>
焦らない、焦らない
慌てる乞食は貰いが少ない