①企業内ジャーナリストは?
②報復の連鎖が国を滅ぼす。
中東のイスラム過激派組織「イスラム国」は、人質として拘束していたフリージャーナリスト、後藤健二さんを殺害した。
無念だ。
複雑だ。
この種の事件では、標的になるのは(日本の場合)いつもフリージャーナリストだ。
大新聞の、テレビの記者、つまり「企業内ジャーナリスト」はめったに被害に合わない。
フリーは果敢に、戦闘地域に入り込む。
企業内ジャーナリストは、どちらかと言うと、危険を避けて、戦闘地域に行かない。
テレビの情報番組の中東報道はフリージャーナリスト任せだ。後藤さんもテレビが頼りにした人物である。
意地悪な見方をすれば、企業内ジャーナリストは、記者会見の内容を鵜呑みにして、安全な場所にいて?報道する。
だから、彼らは殺されない。しかし、事実を確実に報道することは出来ないだろう。
日本にいても、企業内ジャーナリストは「安全第一」だから、彼らは殺されない。
この種の事件が起こる度に、企業内ジャーナリストの一人である僕は……新聞、テレビは狡い!と思ったりする。
僕だって、殺されそうになったことが、2度ほどあったけど、それは社会部記者、政治部記者の時ではなく、週刊誌の編集長の時だった。
そんな 企業内ジャーナリストが「後藤さんも自己責任だから、殺されても仕方がない」と言わんばかりの解説を見ると、複雑な思いだ。
何か、後藤さんに申し訳ないような気分である。
2月1日早朝、安倍晋三首相は後藤健二さんを殺害したとする映像が公開された直後「テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるため国際社会と連携していく」と首相官邸で記者団に語った。
首相が「罪を償わせる」などの強い言葉で非難したのは、これまで「イスラム国」に自国民を殺害された米英の首脳と同じような言い回しである。
国民に呼びかけているというより、アメリカに対して、共に戦う!と約束しているのではないか?
ハッキリ言わせてもらう。安倍さん、もう少し、冷静になれないのか?
イスラム国が宣戦布告したから、これに応じる!
戦争ごっこの雰囲気ではないか。
アメリカと日本では、中東地域の歴史的経過が違う。
「イスラム国」の持つ武器は、米ソ冷戦のころ、アメリカがこの地で、ソ連と戦う部隊に提供したものである。
今後も、事態は複雑に変わる。
ただ一つ言えることは、報復の連鎖が、民衆を苦しめる「戦争」になる!ということだ。
外交は水面下で行われる。
しかも、戦争状態になれば、何でもあり。
その結果は「勝てば官軍!」である。
テロ国家と戦争してはならない。
指導者が慌てても、日本人は冷静でありたい。
<何だか分からない今日の名文句>
一枚の紙にも表裏あり