パリ同時テロ!「十字軍」の意味を考えよう
過激派組織「イスラム国」(IS)による「パリ同時テロ」。つい、第三次世界大戦が始まるような気分に襲われる。
冷静にならなくては……。
気になるのは、ISが頻りに「十字軍」という言葉を使うことだ。
ISのネット英字機関誌「ダビク」最新号(11号)に掲載された特集記事「新十字軍との戦い」。
そこで、米国務省が列挙した有志連合リストを引用して、62カ国・組織を「新たな十字軍連合」と非難している。
十字軍は、トルコ人のイスラム王朝「セルジューク朝」にアナトリア半島を占領された東ローマ帝国の皇帝アレクシオス1世コムネノスが、1096年、ローマ教皇ウルバヌス2世に救援を依頼したのが発端だった。
ウルバヌス2世は、クレルモンで行われた教会会議で、集まったフランスの騎士たちに向かってエルサレム奪回に参加するよう呼びかけた。
フランス人よ、聖地をイスラム教徒の手から奪回しよう!
「乳と蜜の流れる土地カナン」という聖書由来の表現を使った、軍隊の派遣を訴えた。
これが「十字軍」の始まりである。その後、何度も、十字軍が遠征した。
ISは「新たな十字軍連合」という表現は使って、かつてのように、忍耐と粘りで「新十字軍との戦争」にも勝つ!と宣言しているのだ。
「イスラム教VSキリスト教」の図式にしよう!としているのだ。
深刻である。背景に、貧困があり、差別があり、難民問題がある。
ISは、 イラクやシリアの戦闘に直接的に参加できない支持者らに対して「背教者の権益は世界中にあり、どこにいようとも攻撃をためらうべきではない!」と命令する。どこでも、テロをしろ!というのだ。
冷静になろう。
ISが正義か、不正義か?はすでに問題ではない。
彼らは「テロ」という形を取った「宗教」という名目の「世界戦争」にしようとしている。 何十年戦争になるかも知れない。
日本が軽々しく、どちらかに加担すべきではない。軽々しく「有志連合」に加われば、日本でも「テロ」が起こるだろう。
この戦争と、どう賢明に「距離」を置くか?
冷静になろう!
<何だか分からない今日の名文句>
今こそ、平和憲法に従え!