Monthly Archives: 11月 2015

阿修羅はいつも負けた

 10日は奈良に入った。

 昼、フジエダ珈琲の「オランダ屋 奈良店」で、ごろっと野菜のビーフシチュー」。美味。安い。

 半分、紅葉の奈良。

 今回の最大の目的は、興福寺の阿修羅像を見ることだった。身体が不自由なので、本堂に入るのが難儀と思っていたが、別棟の国宝館にあるので、助かった。

 八部衆像・阿修羅像(国宝)は、優しい少年のような紅顔だった。

 華奢だ。腕が細い。眉根を寄せている。

 どこにでもいる、隣るにいる優しい少年のようだが、古代インド神話の阿修羅王は、帝釈天を向こうに廻して、荒々しい合戦を繰り返す悪神で、容貌醜怪な札付きの外道とされていた。

 それで、必ず、負ける。

 阿修羅像は、この神が釈迦の教化によって仏法の守護神となった姿だという。

 やや眉根を寄せた悲しげなお顔。何か、過去を思い出しているように、僕には思えた。

 夜、京都のホテルに戻って、締切の関係で、徹夜で執筆。「青い空白い雲」は、若干、今回の旅行にも関係する「山口組もの」にした。

<何だか分からない今日の名文句>

阿頼耶識

(すべての行為の印象は

心の領域におさめられている)