「国士」という言葉は嫌いだ!
毎日新聞夕刊「特集ワイド」に度々、登場する鈴木豚麿記者のファンだ。
8月1日の「小池百合子さん『女子の本懐』」も面白かった。
知らないことが幾つもあった。スクープ記事を読んでいるような気分になる。
取材力も凄い。小池さんのお父さん、勇二郎さんが旧兵庫二区から立候補した時の選挙公報を持参して、小池さんをインタビューする。
小池さんも知らないことを教えて、質問する。鈴木記者流である。
サブ見出しは「都知事への道に二人の『国士』」とある。
「国士」とは?
辞書を見ると……1 国家のために身命をなげうって尽くす人物。憂国の士。2 その国で特にすぐれた人物。
最大限のお世辞である。「国士無双」という言葉もある。 国士の中で並ぶ者もない人物。天下第一の人物。
しかし、国家のために身命をなげうって尽くすことが、何よりも大事なのか?
日本は、かつて「国家のために身命をなげうって尽くす人物」を賞賛することで、国民を戦争に参加させた。
僕は「国士」という言葉が嫌いだ。
鈴木記者は淡々と事実を書き、それとなく「小池さんの国家主義の風」のようなものを匂わせる。
小池さんが「危うい」と思っている当方は、鈴木流の「見事な表現力」を感じるが……単純に、鈴木記者が「国士」を賞賛しているかのように、誤解する向きもあるだろう。
「言葉」が一人歩きするかも知れない。
「右寄り」の表現が、嫌に歓迎される昨今である。
ごく普通に「国士」という言葉が使われるのには、違和感を持っているのだが……。
<何だか分からない今日の名文句>
国家主義か、個人主義か?