「民と共に」の象徴天皇だから「主治医対談」が可能になった!
今、発売中のサンデー毎日の特集記事
<本邦初!「玉体に触れて」 天皇陛下主治医・執刀医対談 北村唯一・東大名誉教授×天野篤・順天堂医院院長>に大いに驚いた。
天皇陛下の「前立腺がん主治医」北村唯一・東大名誉教授と「心臓病執刀医」天野篤・順天堂医院院長が、陛下の「闘病の模様」を話している。
今まで、天皇のご病気に関しては「正確な報道」がなされなかった。天皇が現人神(この世に人間の姿で現れた神)だった昔、天皇のご病気を客観的に報じることは出来なかった。
終戦後、人間宣言された昭和天皇でさえ「正確なご病歴」は隠されていた。
報道機関にとって「天皇のご病気」はタブーだった。
ところが、今回のサンデー毎日の記事は頗る正確。かつ科学的だ。
例えば、北村教授はこう話す。
<02年の12月初旬だったでしょうか。宮内庁を通じ、兆候らしきものがあると往診を依頼され、駆けつけました。前立腺は男性特有の臓器で、精液の一部を作ったり、精子を保護する役目を負っていて、肥大すると排尿のトラブルを起こしやすい。前立腺がんは60歳以上に多いのですが、比較的進行が遅く、早期なら自覚症状はないのが一般的です。
検査は、がんから放出される前立腺特異抗原(PSA)の値と、がんの悪性度を示すグリソンスコアで測ります。PSAが10ng/ml以下なら2~3年様子を見ますが、10ng/ml以下でもグリソンスコアが7以上なら早期治療が必要と判断する。陛下のPSAはグレーゾーン(4~10ng/ml)でしたが、触診でがんを疑いました>
天皇の健康状態がこれほど客観的に説明されたことは無かった!と思う。
陛下が自ら「民と共にある象徴天皇」と言われているから可能だったのだろう。
それにしても、サンデー毎日は覚悟して「タブー」に挑戦した。
素晴らしい、と思う。
その昔、サンデー毎日の編集長だった僕は「皇太子のご縁談」の記事で、右翼の方から「不敬罪だ!」と抗議を受けた。「ピストルを持ってきている!」と言われ、ちょっぴり怖かった。(事実、この方は、その後、時の自民党副総裁をピストルで狙撃した)
タブーに挑戦するのには覚悟がいる。
覚悟したから「いい仕事」が出来る。
今回のサンデー毎日の記事は歴史に残るだろう。
<何だか分からない今日の名文句>
何よりも「公平の原則」