JRAの「156頭が出走取り消し」は苦渋の選択。でも「信頼」を得た!
発売中のサンデー毎日(6月30日号)。隈元浩彦編集長が編集長後記で
「まさに激震でしょう。競走馬の飼料から禁止薬物が検出され、156頭が出走取り消しになった騒動。ファンの信頼を根底から揺るがせています」と書いているが「激震」は事実だが「信頼」はむしろ、揺るぎないものになった。
多分、隈元さんは競馬に疎いのだろう。
まず「不正」行為があって「出走取り消し」になったのでは無いのだ。
先週の金曜日、日本農産工業のサプリメント「グリーンカル」に興奮作用があるテオブロミンが含まれていたことが判明した。
販売業者はJRAファシリティーズ、渡辺商店、市原商店、日本競馬飼料株式会社の4社。美浦6厩舎、栗東22厩舎に納品されていた。
グリーンカルは20年以上も前から販売されている。製造のたびに、競走馬理化学研究所で検査をするのが通常。今回は18年12月~19年5月に出荷した分が未検査のまま流通していたらしい。
どの馬が接収したか?分からない。
これまで、競馬を使ってきた馬も摂取していた可能性もあるが、レース後の①~③着馬に対して行われる尿検査では引っ掛かった馬はいなかった。
原因は分からない。が、28厩舎の馬たちが接収する可能性はある。
JRAは悩んだ。
その結果、その厩舎の馬は全て「出走取り消し」にした。
意見は分かれるだろう。
今回の156頭の除外はJRAが情報を隠蔽せず、すべて公表した点で“英断”と見る向きも多い。
一方、“疑わしい馬”を除外にすれば、被害者が出る、という声も聞こえる。
JRA自体も大きな損害を受けた。土曜は3場の合計で、売上げが前年から15億も減った。日曜は函館スプリントSが7頭立てになった影響で、前年の43億2880万8700円から27億2416万6700円。このレースだけで16億も落ちた。
でも、JRAへのファンの信頼は更に厚くなった。僕は、その選択は間違いない!と思うのだが。
政治の世界は嘘ばっかり。でも、このくらい「潔癖」な世界があっても良いじゃないか?
<何だか分からない今日の名文句>
「疑わしきは罰せず」
ラテン語で「in dubio pro reo」
でも、競馬では「出走取り消し」