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菅さんは「自助→協助→公助」の危うい自己責任論者!

 自民党総裁になった菅さんとは、3回、お会いしたことがある。

 一度は「両国の江戸蕎麦」の店。たまたま、居合わせた知人に紹介して貰った。自民党が野党だった頃だ。

 2度目は、首相官邸で「お願いこと」があって、官房長官の菅さんにお会いした。

 3度目は数日後、赤坂の料亭。「お願いこと」の延長で、懇談。菅さんは一滴も酒を飲まなかった。

 真面目な方のような印象だった。

 でも、政治家としての力量はまだ分からない!と言うのが、当時の印象だったが……いつの間にか「大物」に成長された。素晴らしい。

 でも、今回の総裁選で、ちょっと気になったことがあった。菅さんが会見で「どんな国にしたいか」と問われ時である。

 彼は「自助 共助 公助」と書かれたボードを手に

 <まずは自分でできることは自分でやる。それができなくなれば、家族や地域に支えてもらう。それでもだめなら、国が責任をもって守る>

 と言ったのだ。

 ちょっと、おかしい。僕は、この「順序」に違和感を持った。

 国のトップが、主権者(国民)に対して「面倒は見ません!」と言っているようなものだ。

 「自助」とは……

 災害、疫病、不況などで、国民が苦しむ。国の手当てが行き届かない。そんな時、自分で頑張る。地域の人々が頑張る。頑張る仲間が協力するのが「共助」である。

 本来なら「公の援助」が行われなるのだが、なかなか上手くいかない。「それまでなんとか我慢して持ちこたえて下さい」と国のトップが頭を下げるのが筋だ!と僕は思う……。

 「自助」は必要だ。セガレに「自分のことは自分で守れ!」と教えた。

 しかし、国のトップは立場が違う。

 国難の時、全て「公助」が前提。それは内閣の責任である。

 菅さんは「自己責任こそ国民の義務」と開き直った。これは間違いだ。

 菅さんは明日16日、総理大臣になる。

 あの時、「お願いごと」に協力していただいたことには感謝している。が、それとは別。菅政権に対しても、必要があれば、平気で「厳しい意見」を述べさせてもらう。

 記者稼業の宿命。お許しあれ!

 

<何だか分からない今日の名文句>

「公助」がないのに消費増税?