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令和の政治家(特に革新陣営)は「ヤジ将軍・三木武吉」の保守合同に学べ!

 3日午後「臨床政治研究」第12号が送られてきた。

 「臨床政治学」は(聞き慣れない言葉だが)「伝統的なアカデミズムとジャーナリズムの接点を越えて、重なり合う対象分野の客観的な研究取材の領域に踏み込んで、対象物を分析する方法」のこと。

 簡単に言えば、多角的に「政治の病」を分析して、出来れば治す「病院」のような役割である。

 第12号で興味があったのは、藤本一美さんの「三木武吉と保守合同」。

 藤本さんは国立国会図書館職員だったが、政治学に目覚め、明治大学、東京大学講師を経て、現在は専修大学の名誉教授。臨床政治学の第一人者である。

 今回、彼が詳しく研究した「ヤジ将軍の三木武吉」。終戦後「保守合同」を成し終えた人物である。

 「三木武吉」については、僕にも「思い出」がある。

 昭和58年ごろ、師匠の政治評論家「戸川猪佐武」が角川書店から「小説三木武吉」を出版した時、お手伝いをした。400字の原稿用紙で800枚の大作。東宝系で映画化された。

 「小説三木武吉」は文庫本になり、この時、牧太郎の名前で「解説」を書かせて貰った記憶がある。

 藤本さんの研究でも触れているが、三木武吉は「ヤジ将軍」だった。

 常に、政府を舌鋒鋭く批判。大正9年、原敬内閣の高橋是清大蔵大臣が海軍予算を説明中、「陸海軍共に難きを忍んで長期の計画と致し、陸軍は十年、海軍は八年の…」と言いかけるや「ダルマは九年!」とヤジは飛ばした。

 戦後も常に政府を批判したが、その反面、裏技に長け、対立した自由党と民主党を合併することに成功した。

 彼がいなければ天下党「自由民主党」は生まれなかった。

 藤本さんがなぜ、今「三木武吉」のことに興味を示したのか?

 その真意は分からないが、多分、革新系の政党がバラバラになっていることに、危機感を抱いたのではあるまいか?

 令和の政治家(特に革新陣営)は「ヤジ将軍・三木武吉」の保守合同に学ぶべきである。

<何だか分からない今日の名文句>

無冠の政治家が「歴史」を作る