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「同和のドン 上田藤兵衞」を読んで、初めて「夙」という存在を知った

 この週末(18日から)「同和のドン 上田藤兵衞 人権と暴力の戦後史」(伊藤博敏著)を読んだ。

 自民党系同和団体のトップ「上田藤兵衞」さんの物語。山口組5代目と親交を結び、自民党の実力者「野中広務」とタッグを組み、旧社会党系・共産党系の「部落解放同盟」と拮抗した「謎の人物」だ。

 ヤクザと「相互不可侵」の関係になろうと考えた「この人物」は、山口組若頭・渡辺芳則(後の山口組5代目)に「お前はその道(同和運動)で頑張れよ」と認めてさせ、成功した。

 その頃の刑務所時代の話が面白い。

 実は今(19日朝)半分ぐらい読んだところだ。

 難しい言葉、全く知らない人物の名前が次々に出て来て、調べながら読んでいるので、時間が掛かる。

 例えば「夙」という言葉が登場する。

 「夙」とは、天皇の御陵番である「守戸」(しゅこ)の訛?

 御陵が多い近畿地方に多く住み、寺社の掃除や葬送に従事したり、農業・酒造のほか、歌舞音曲、小芝居などをして生活した「一団」のことである。初めて、知った。

 主人公は京都・山科で、天智天皇陵を警護する役目を持つ賤民の家系に生まれた。

 立派な仕事!と思うが、古くは、差別部落と思われていたらしい。

 ただ、彼が左寄りの「部落解放同盟」と違うのは「天皇」の価値観である。

 「部落解放同盟」の多くの人が「差別の元は天皇にある」と考える。

 主人公は違う。

 天智天皇陵の警護という「夙」伝統の職務を受け継ぐため、自民党系の全日本同和会入り、「部落解放同盟」と違う同和運動を始めた。

 「天皇」をどう捉えるか?

 それが決定的な違いである。

 さて、後半は……主人公・上田藤兵衛さんが宗教法人「天智教」を創立した経緯を読むことになるらしい。

 なかなかの「名著」である。

<何だか分からない今日の名文句>

天照大神信仰の「夙」?