スポニチ元社長・山本進さん、死去。「毎日新聞社長監禁事件」を思い出した。
山本進さんが亡くなった。15日の東京新聞の訃報で知った。
【山本進さん(元スポーツニッポン新聞社社長、元毎日新聞社常務)12日、がんのため死去、78歳。愛知県出身。葬儀は近親者のみで行う。喪主は長男大輔(だいすけ)さん】
山本さんは毎日新聞新潟支局時代の同僚。東大を出て、僕より2年遅れて新潟にやって来た。若い頃から、文章が上手い記者だった。
4年後、僕を追うように社会部に配属。一緒に、警視庁を担当した。
社会部長になるのが夢!と言っていたが、同期の中島健一郎さんが社会部長になったので、学芸部長になったような記憶がある。
でも、その後は、出世街道を真っ直ぐら。スポニチの社長にまで上り詰めた。
人間関係が上手だったのだろう。
思い出すのは、毎日新聞社長監禁事件だ。
2004年、当時の斎藤明社長が自宅近くで車に押し込められ、約2時間にわたって監禁される事件が起こった。
1月31日午前9時ごろ、犯人は、東京・南青山にある斎藤社長の自宅近くの路上で、散歩していた社長の顔に布をかぶせて、ワンボックス車に押し込む。港区内を走りながら、男は、毎日新聞の関連会社「国際観光ホテルナゴヤキャッスル」が経営する名古屋市内のホテルにコーヒー豆を納める取引を再開しろ!と要求した。
車内で斎藤社長は、両手足を粘着テープで縛られて衣服を脱がされ、その姿を撮影された。「世間に写真をばらまかれたくなかったら社長を辞任しなさい」と言われたらしい。
午前11時すぎに自宅近くで解放された斉藤社長は、当時、常務だった山本さんと相談。警視庁に届けた。
若い頃、警視庁担当の事件記者だった山本さんが「届けで」を進言したのだろう。
犯人が捕まり、約1週間後、山本さんが記者会見。事件の全貌を明らかにした。
お手柄だった。
山本さんと「出世と無縁」の僕とは「生き方」が大分、違ったが……山本さんは「サラリーマンとして超一流」だったのだろう。
雪深い新潟支局時代、一緒に「雪掻き」をしたことを思い出した。アレから約55年?
昔の仲間が逝く。事件記者は早死になのだろうか? ただただ、寂しい。
ご冥福をお祈りする。
<何だか分からない今日の名文句>
当方は「昭和枯れすすき」(笑)