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名人棋士・先崎学の「うつ病九段」を読んで「あの時」を思い出した

今年も「11月4日」がやって来た。

1989年11月4日未明、オウム真理教幹部が坂本堤弁護士一家3人を殺害した。

あれから35年。

あの日、オウム真理教は「教団を批判していたサンデー毎日編集長」を拉致しようとしたが、僕は外泊して留守。教祖の麻原は「それなら弁護士をやれ!」と言ったらしい。

裁判で、この事実を知り……何も言えなかった。

あれから35年。この日が来ると……ただ「悲しく」なる。

この事件の後、僕が脳卒中に倒れた時、オウムは「天罰だ!」と喜んだようだが……なんとなく「運命の悪戯」のようなものを感じた。

昨日3日、「うつ病九段  プロ棋士が将棋を失くした一年間」(先崎学著)を読んだ。

先崎学九段は羽生世代のひとり。将棋界を牽引してきた人物だ。

彼のエッセイを何度か週刊現代で読んだ記憶があるが、空前の将棋ブームの最中、彼は「うつ病」と闘っていた。知らなかった。

「うつ病」という病のことも、ほとんど知らないが……これを読むと……朝が辛いらしい。

【まず、ベッドから起きあがるのに最短でも10分はかかる。ひどい時には30分。その間、体全体が重く、だるく、頭の中は真っ暗である。仕方がないのでソファに横になるが、もう眠ることはできない。ただじっと横になっているだけである】

高い所から飛び降りること、電車に飛び込むこと……ばかり考えた!と先崎さんは書いているが……そう言えば、僕も脳卒中で倒れた「あの時」、同じような「真っ暗なイメージの虜」になったような気がする。

「うつ病」だったのかも?

この「闘病記」を読むと、ちょっと泣けて……また「複雑な思い」になってしまった。

<何だか分からない今日の名文句>

散歩、落語が妙薬?