雨の中、あの「そば屋の娘」が
11日、12日は野暮用のオンパレード。12日のブログを休載した。ゴメンなさい。
分刻み、とは言わないが、次から次へと……雑務処理と来客があって……当然イライラする。ドジもする。
最大のドジ……11日の夕方。ちょっと暇が出来たので、散歩がてらJR浅草橋駅に夕刊フジを買いに行った。大体、これが間違いだった。
昼頃、強い雨が降っていたが、その時は晴れ間も覗いていたので「まず大丈夫」と思い、駅前のカフェへ。
「今日はこの時間しか自由はないぞ!」とコーヒーを3杯も飲んだ。夕刊フジを隅から隅まで読み。店を出ようとしたら、な、な、なんと大雨になっている。
しまった!どうしよう?
タクシーを拾う!という手もあったが……710円を惜しんで、歩いて仕事場に向かった。
早足で!と思うのだが、右半身マヒだから滑ったらヤバイ。で、仕事場に着くまで15分も掛かった。頭からズボンまで……全身、ずぶ濡れ。
シャワーに飛び込んだら……次なる来客。無様な肉体を見られてしまったらしい。ああ、なんと言うドジ!
「うれしいこと」もあった。
12日午前10時。小雨のJR錦糸町駅前で、妙齢の女性に「あの……あったことがありますよね」と呼び止められた。
誰だか分からない。
その女性、幾分話すのが不自由らしく、なかなか「次の言葉」が出てこない。僕も言語障害を経験しているから、苦労が分かる。
「どこで会ったのかな?」と聞く。
「……」
「いつ頃?」
「……高校生のころ」
記憶がないけど……言葉が不自由だとすれば、もしかして、病院で会ったのではないか?
「病院で会ったのかな?」
「そうそう、センバイ! センバイ!」
専売病院?
ひょっとすると……「お前さんそば屋の娘か?」と聞くと、
「そう! 分かってくれて……ありがとう」と、飛び上がった。
21年ぐらい前である。脳卒中で入院した専売病院。僕は、9ヶ月間リハビリの毎日だった。
その時も、いつも隣で頑張っていた「歩けない女高生」だった。
病名は聞かなかったが、かなりの重症だった。でも彼女、いつもニコニコしていた。
年は離れているが、病と戦う「戦友」のような感じだった。
その高校生が、一人で歩いてニコニコ笑っている。しかも、飛び上がっている。
「37歳になりました」
「綺麗になったネ」
「今、両国駅の近くに住んでいます」
「じゃあ、また会えるかも知れないな」
別れ際に「……結婚できました」
誇らしげで……当方、涙ぐんでしまった。
<何だか分からない今日の名文句>
ここにもあった「素晴らしい人生」