抗がん剤を止めた友
週末の報告。
6日は浅草のビューホテルで、台東区立育英小学校1957年卒業の同期会。50人余が集まった。
最近、交通事故でなくなった方に黙祷。「もうじき、我々も70だもの。健康第一だな」という声に説得力がある。
親しい一人が打ち明けてくれた。「抗がん剤治療を止めた。店も閉じた」という。
女性にモテた彼。再婚で、奥さんも若いし、小学生の子供さんもいる。でも「残された人生、楽しく生きる。苦痛の抗がん剤治療をしても、余命は変わらないんだから」。
その覚悟に、こちらが、言葉を失った。
流通ジャーナリストの金子哲雄さんが、肺カルチイドという病を知ったとき、知人に「派手な千秋楽を迎えようと思います」とメールを送ったと聞いたが……余生を自ら選択する「覚悟の時代」なのか?
思い出ばなしに花が咲いたが……考えさせられる同窓会だった。
7日朝、毎日新聞朝刊の「Sストーリー」に掲載された「過労自殺する若者」を読んだ。浦松丈二記者の渾身の作品。面識はないが、北京、バンコクなどの海外勤務を経て、長編ルポに挑戦している同僚らしい。
取材が行き届いている。毎日新聞は「ひと」を大事にするから、良い作品が生まれる。
それにしても……昨今は「死」ばかり考えることが多くなった。
この日は東京競馬場で毎日王冠。毎日新聞の仲間が雨の中「号外」を配った。
全国紙で本格的な出走表を掲載する競馬面を作っているのは毎日新聞だけである。始めて18年。ファンも増えた。
馬券の方は……12番人気を無視して大失敗。万馬券を逃した。WIN5の方も、一レース外して、涙、ナミダ。
夕方、北村・前社長も交えて「やる気茶屋」で打ち上げ。外信部長は新幹線で京都にいくと言う。そう言えば、8日も競馬がある。彼の義父の持ち馬がメインレースに出るらしい。
秋の三日開催。お客さんも増えている。JRAの職員の家族には良い迷惑かも知れないが、月曜日しか休めないファンもいるから……頑張って下さい。秋の競馬シーズンは日本の風物詩でもあるから。
「打ち上げ」を早々に退席して、夜は雑誌「世界」の尖閣諸島特集の残りを読む。
気になっていたのは、競馬の最高峰、凱旋門賞。例の「毎日新聞号外」の「牧太郎の競馬はロマン」で、スミヨン騎乗の昨年の三冠馬オルフェーヴルが勝つ! と書いていた。
23時過ぎ、フジテレビで衛星中継。
勝った! と思った。ゴールまで300メートルのところで、先頭に立ったオルフェーヴル。独走か? と思ったほどだったが……ゴール直前でペリエ騎乗のソレミアにかわされた。
これが凱旋門賞。これが競馬……これが運命!
計算通りにはいかない。
さて、8日はどう過ごそうか?
<何だか分からない今日の名文句>
雨上がり、ロンシャンに消えた夢