中国は社説で<匹夫の勇>と書いた
丹羽宇一郎駐中国大使が乗った車が27日午後、北京市内を走行中に妨害され、1人の男が車に掲げてあった日本国旗を外して持ち去った事件。
現地の大使館が中国政府に抗議したが、我が国の外務大臣閣下は「本省は抗議しない」と馬鹿げた発言。
これだから、足元を見られる。
内外から批判が出て、慌てて、胡錦濤国家主席に宛てた野田佳彦首相の親書を携え、山口壮外務副大臣が28日夜、空路北京に向かった。遅い。遅すぎる。
中国は素早い。28日の新聞の社説で、いち早く「丹羽駐中国大使の車の国旗を外すのはばかげた行為だ」と論評した。
例えば、中国共産党の機関紙、人民日報系の環球時報は……
私たちはこの男と公衆に対して不適切でばかげた行為だと言わなければならない。(中略)中国は日本との対立で正々堂々とふるまい、民衆の愛国主義を表現し、日本による中国の釣魚島の占拠などの行為に対して強い不満を示す必要がある。また、理性的に節度あるふるまいをし、どの行為も法制度・社会のルールに従って行わなければならない。
日中間の争いは「碁」のようで、「匹夫の勇」に頼れば、中国は何もできなくなる。中国には、西太平洋で日本やその背後にある米国と駆け引きする大きな勇気と知恵が必要である。そのほか、ここにはフィリピンやベトナムなどの厄介で、中国台頭の制御を目指すさまざまな野心もある。
1台の車に掲げられた日本国旗を外す行為は悪童のいたずら行為のようなものだ。私たちが取り除かなければいけないのは、何らかの勢力が中国周辺で振りまわす形のない旗である。
これが、中国共産党の表向きの見解である。 お上手である。中国人の愛国心を賞賛しながら「匹夫の勇」という言葉を使った。
「匹夫の勇(ゆう)」は〔孟子(梁恵王下)〕にある言葉で「思慮浅く、ただ血気にはやってがむしゃらに行動したがるだけの勇気」という意味である。最大限、バカにした言葉だ。
<注・ 『孟子』梁恵王下
王曰、大哉言矣。寡人有疾、寡人好勇。對曰、王、請無好小勇。夫撫劍疾視曰、彼惡敢當我哉。此匹夫之勇、敵一人者也。王、請大之>
「碁」「将棋」には、先手必勝ということもある。
日本は、日の丸を奪ったドイツ製の車のナンバーを中国に知らせているから、すでに「下手人」を把握しているだろう。
中国はどう出るだろう。
それにしても、ツイッターで呟いたが、何が問責決議だ!
この茶番劇。諸外国に舐められる!
<何だか分からない今日の名文句>
「匹夫の勇」に似た言葉
徒手空拳 ドンキホーテ 蛮勇 向こう見ず